織斑一夏はSAO生還者   作:明月誠

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セッシーへの批判がやばすぎる(汗
え、初期セッシーならこれくらい言いそうじゃない!?
やめて、この作品アンチじゃないの。みんなニコニコ明るい作品目指しているの!!
一応、謝罪展開考えてるけど、みんな納得してくれるか・・・(泣)
助けて、ちーちゃん!!

……なんか、前書きが幼稚くなってるな……。


第九話・反省

「やっちまった」

 

お昼休み、一夏は屋上にて売店で購入した焼きそばパンをガジガジと食べていた。一夏的には食堂の料理は学校の食堂とは思えないくらい旨くて気に入ってたのだが、今日は食堂で食べる気になれなかった。

 

「ん~、所詮は市販物か。SAOで俺が作った焼きそばパンのほうが旨かったな……」

 

そんな感想を言うあたり、思ったよりも余裕があるのかもしれない。

と言うのも、結局セシリアとの言い争いの後、一週間後に彼女との模擬戦をする事で話が付いたのが原因の一つだ。

 

「なんで言い返しちまったんだろうな……」

 

しかし、もう一つ落ち込む原因があった。それは我慢できずに言い返してしまったことである。トラブルになるから、あれほど周りに食って掛かるのやめろと言われておいて、このざまだ。自分は本当は何も成長してないのではと思ってしまうほどだ。

 

「ここに居たか、一夏」

「おう、箒」

 

一人屋上で黄昏ている一夏のそばに、箒が歩いてくる。

 

「隣り、いいか?」

「あぁ、って言うかお前昼飯は良いのかよ?」

「心配しなくても、私も売店でパンを買ってきた」

 

そう言い、片手に持っている袋を一夏に見せる。

 

「腹減っても知らないぞ?」

「まぁ、しばらくは座学が続く。心配はいらんだろ」

 

そう言い、箒も買ってきたパンの服を開けモソモソと食べ始める。ちなみに、コッペパンだ。

 

「もっと旨い物食えばいいのに」

「私の勝手だ」

 

そっぽを向くように箒は言った。一夏の前で、ガツガツ食べる処を見られてくないという乙女心が働いていたのだが、一夏には通用しなかったようだ。

もっとも、一夏の周りの女性はそう言った事を気にすることなく、おいしい物を食べていたので仕方ないと言えば、仕方ない。(SAOが仮想世界なので太らず、また数少ない娯楽の一つであり、さらに言うのであれば殆どがチナツではなくキリト狙いであった事も起因しているが・・・)

 

「次はコロッケパンっと」

 

一夏は、焼きそばパンを食べ終えると、他の買ってきたパンを取り出して、袋を開ける。余談だが、買って来た物はどれもSAO内で自分で作った事のあるものばかりで、一夏は食べ比べをしていた気分であった。

そして、その事を思い出し、そこから先ほどの事まで思い出してしまい、思わず溜息をついてしまった。

 

「なんだ溜息なんてついて、だらしない」

「そうは言うけどなぁ」

「ふん、怖気付いたのか?」

 

箒は、若干不機嫌そうに言う。先ほどの言い争いで、彼女は一夏があそこまで言った事が嬉しかった。以前の時は、大人な対応をしていたがやはり黙っているのは彼らしくないと感じていたからだ。だが、今になってため息を吐いて悩んでる姿を見て、だらしないと思わずにはいられなかった。

 

「あぁ、別に勝負をするのが困るって訳じゃないんだよ。たださ……」

 

あの時我慢できず言い返してしまった自分が情けない。それが一夏の悩みであった。

 

「あの時、俺がすべき事は怒りに身を任せる事じゃなくて、オルコットに正しい知識を与える事だったはずなんだったんだ」

「正しい知識?」

 

その言葉に、箒は怪訝な顔をして一夏を見る。そんな箒を見て、苦笑いをしながら話を続けた。

 

「オルコットの奴は、イギリス人だろ? 正直海外でどこまで報道されているかは分からないけど、少なくとも日本ほどじゃなかったはずだ」

 

だから一夏は言う。しっかりと詳しい内容を話してからでも、怒るのは遅くなかったのではないかと。

 

「なぁ、箒。例えばだけど俺と一緒にケーキを昼に食べに行こうしたとするぞ?」

「な!?」

 

急にそんなたとえ話をされて、思わず箒はたじろく。

 

「例えばだっての、例えば」

「わ、わわ分かっている!!」

「んで、話戻すぞ? 箒は朝からケーキを食べるを楽しみしていた。その理由は期間限定のケーキを食べれるからだ」

「(いや、デートできるから喜ぶに決まっているだろう!!)」

 

口では言えないので、内心そうツッコむ箒であった。

 

「だけどだ、時間つぶしにテレビをつけるとそこには海外での災害が起きたニュースをやっていた。……で、お前ならどうする?」

「ど、どうって……。それは、心の一つくらいは痛めもするだろう?」

「その後は?」

「そ、それは……」

「楽しみしていた、ケーキを食べなくなるか? ならないよな、俺だってそうだ」

 

箒にだって同じような経験はある。いや、きっと誰にだってあるだろう。ニュースでそう言った事が流れるのを見ることくらい。だが、ほとんどの人間は見て終わりのはずだ。それを見てその日の予定を全部キャンセルして、募金活動に出る、もしくは現地まで行く人間なぞ本当に稀だ。

 

「だ、だが! それでもあの女の言った事は目に余るものがある!」

「ん~、まぁ、そうなんだけどさ」

「な、情けないぞ一夏!! そんなに厄介事が嫌なのか!!?」

「別に俺は良いんだけどさ、それで誰か辛い思いするのが嫌なだけなんだよ。あの場所にはSAO生還者であるのほほんさんもいたし、もしかしたら、あの子にも話が飛び火してしまうかもしれなかったしな」

「あ……」

 

確かに、セシリアは以前本音にも突っ掛っていた。確かに言い争いが続けば同じSAO生還者である本音にも、セシリアは難癖をつける可能性もあった。その心配を一夏はしていたのだ。

 

「なのに、結局我慢できなかった。散っていた人達の事を考えちまうとさ」

「一夏……」

 

その泣きそうな笑顔に、箒は心を痛める。そして、情けなく思える。支えると誓ったはずなのに、何もできない自分が。

 

「だが、お前は怒ったのは自分のためではない。違う誰かのために」

 

箒は、そっと一夏の手を取りながら言う。

 

「私は、そんなお前を誇らしく思うぞ、一夏。きっと、死んだ人達も同じ思いをするに違いない」

「箒……ありがとうな」

 

箒のその言葉に、救われたような気がした一夏であった。

そして、そんな二人を見守る一人の影が……。

 

「ふむ……大丈夫そうだな」

「織斑先生。盗み見はよくないですよ~?」

「わ、分かっているがな……」

 

先ほどの件で、一夏に嫌われたのではないかと心配する千冬はこっそりと一夏を見ているのであった。

ついでに本音も同行していた。

 

「えへへ、嬉しいな~。おりむー私のためにそんな事を考えていてくれてたなんて~」

「なんだ、布仏。お前一夏を狙っているのか?」

 

千冬のブラコンが発動した。千冬は、本音をじっと見つめた!!

 

「割と好きです!」

 

本音はその攻撃にカウンターを仕掛けた!!

 

「ほう」

 

千冬のブラコンが再発動した!! 千冬はさらに睨みをきかせる!

 

「けどけど~。今はまだ憧れが強いですよ~。篠ノ之さんほどじゃないです~」

「(布仏、要注意っと・・・)」

 

千冬の脳内に、本音の名がリストに刻まれた瞬間であった。

 

「かんちゃんと同じですよ~」

「だれだ、そのカンチャンとは・・・」

 

千冬は決してブラコンではない。ただ弟が心配な姉なのである。そう言う事にしてあげよう。

っていうか、こうでも言わないとちーちゃん怒るんだよね。学生の頃もブラコンって言ったら・・・あいたぁ!!?

 

「どうしたの、織斑先生~? 急に石なんて投げて~」

「いや、馬鹿兎が余計な事を言った気がしたのでな」

「セーラムーン?」

「お前、そんな古いアニメよく知ってるな」

 

あたた、まさかナレーションと入れ替わったことに気付かれてたなんて。ちーちゃんやっぱり怖いね!

束さんは本編に出るまで大人しくしておくよ! それじゃぁ、ばいばい~!!

 

「ん?」

「どうしてんだよ、箒?」

「いや、人参が空を飛んでたような・・・」

「はぁ?」

 

 

 

 

 

『で、やってしまったと。馬鹿だろお前、アインクラッドじゃ皆にさんざん言われた癖に』

「うるせー。やっちまったもんは仕方ないだろ」

 

その日夜、一夏はある男へと電話をしていた。と言うか、かつての仲間である黒の剣士・キリトこと、桐ヶ谷和人である。

 

『しかし、お前も大変だな。SAOをクリアしたら、今度はISだなんて』

「あぁ、俺の所為でパーティーが延期になって悪かったと思ってる」

『ばか、気にするな。第一、チンクとも連絡が取れてないんだ、元々延期の予定だったさ』

「ウチのギルドのメンバーじゃないかよ。やっぱり原因は俺だっての」

 

本来ならば、エギルの店でSAOクリア記念パーティーを行う予定であった。だが、一夏のIS学園への編入及び、チンクへの連絡不能が原因で延期となってしまっていた。その事が、一夏を悩ませていた。

 

『リズ曰く、”全員そろわなきゃ意味ないでしょ”、だってさ』

「そう言ってくれると、救われるな」

『そっちはどうなんだ? IS学園って実質女子高みたいなもんなんだろ』

「正直キツイ。キリトもIS動かしてきてくれ。来週くらいからでいいからさ」

『無茶言うなよ・・・』

 

当たり前のようにキリトにそう言う一夏に対し、キリトは呆れた口調で言い返した。

 

「そう言うそっちはどうなんだ? みんな元気か?」

『あぁ、皆お前の事を心配してるぜ』

「そりゃありがたい。そう言えば、リーファとシノンも転入したんだって?」

『二人とも半年とは言え、SAO生還者には変わりないからな。スグなんてこっちに戻ってきたら、母さんにこっぴどく叱られてたよ。まぁ、俺もなんだけどさ』

「いいお母さんじゃないか」

『まぁな』

 

実は、キリトの母親は義母であり、キリトとの血縁関係は本当は叔母であるがそんな事を知らない一夏は素直にいい母親だと思ってその事を言った。対するキリトも、SAOに行く前までは血縁関係で悩んでいたが、SAOで大切な物は血ではないと感じていたため、素直にその言葉を受け取った。

 

「けど、シノンもまさか転入しるなんてな」

『あぁ、悩んだみたいだけど、アスナも喜んでたよ。親友だからな』

「はいはい、結局アスナに行きつくんだな、お前は」

『ユイにも行きつくぞ?』

「うるせーよ」

 

当たり前のように家族自慢をするキリトに、一夏は思わずイラッとした。

 

『それはともかく、大丈夫なのかその勝負は? チンクはIS学園にはいなかったんだろ?』

「ひとまず、竹刀でも振ってシステムアシストなしのスキル再現でも練習するさ」

『おいおい、それで大丈夫なのか?』

「味方が少ないからな。それに、なるべくノンさんにも迷惑かけたくないし」

 

たしかに、本音は一夏を慕っている。しかし、一夏視点で見てみれば前に何度かあったことのある人と久しぶりに再会した程度にしか過ぎない。だから、さすがに本音にIS操縦について聞くことはできなかった。

 

『ノンさん?……あぁ、確かシリカの友達の! IS学園にいるのか?』

「俺も驚いたよ」

 

その後も雑談は続き、しばらくすると満足したのか一夏もキリトもどちらからともな話を切り出し始めた。

 

『じゃぁ、あんまり無理だけはするなよ。みんな心配してるんだからな』

「おう、分かってる」

『本当に分かってるのか?』

「うるせーよ。お前にだけは言われたくない。じゃぁ、またなキリト」

 

電話を切ると、一夏は徐にため息を吐く。今更後戻りもできない。仮に謝罪をしてもセシリアの偏見を変える事は難しいだろう。逆に増長させるのがオチだ。

 

「(だからって、力で示さないといけないって暴力的だよな)」

 

なんか、使う物が違うだけで結局SAO時代と変わらないよなぁ、と一夏は考えていた。

 

「一夏、シャワーが空いたぞ・・・ん?どうした」

「あぁ、いやなんでもない。っていうか、シャワー上がりってなんか色っぽいよな、箒?」

「んな!? ば、馬鹿者!!?」

「使用済みのバスタオル投げるなよ!? 色々やばいぞ!!?」

「うるさい、殴らないだけありがたく思え!!」

「そういう意味じゃねぇ!!?」

 

今日も今日とて、箒を異性として見ているのか見ていないのか分からない一夏であった。

 

 

 

 

 

「ったく、機嫌治せよ箒。唐揚げやるからさ」

「いらん」

「じゃあ、お前の唐揚げよこせよ!」

「なんでそうなる!!」

 

次の日の昼休み、一夏たちはじゃれ合いながら食事をしていた。箒は昨日の一件が原因な所為か、機嫌悪そうにあまり喋らないが一緒にいる所を見るとそう怒ってもない様子である。

 

「まったく、こんな調子でこれからどうする気だ?」

「どうしようか?」

「私に聞くな!!」

「いやでも、実際どうしようか?」

 

一夏は、悩んでいた。自分がISを動かしたのは最初のトラブル時と試験の時のみ。あの後すぐに、千冬に訓練機の使用許可を求めたが最低でも一週間後でないと空きは無いらしい。

それでは間に合わない。一夏はそう感じていた。

 

「ひとまず剣の腕を見てくれ。SAOにいたから道場に通っていた時よりも大分歪になってると思うけど」

 

その言葉に、ピクリと箒が反応した。一夏は、空気の変化に気付き怪訝な顔をする。

 

「箒?」

 

箒は悩んでいた。身勝手な剣を振るっていた自分に一夏の相手をする資格があるのかを。だが、それでも一夏のためになるのと言うのならばと意を決してそれに答えた。

 

「な、なんでもない。分かった、では今日の放課後から・・・」

 

そんな時だ。

 

「貴方かしら、噂の男の子は?」

「え?」

 

その声が聞こえ、一夏は声の先へと顔を上げる。そこにいたのは一人の女性。歳はおそらく自分達よりも上の上級生。

 

「一応、初めましてかしら?」

「は、はぁ……」

 

一夏は、その何か含む言い方に理解ができず、若干警戒をし始める。

 

「そんなに警戒しなくても、あなたに悪い話を持ってきたわけじゃないわ」

「話、ですか?」

 

そう言って、女性は二枚の紙を出す。そこには、IS訓練機の使用許可証が二人分あった。

 

「これから一週間、一日一時間だけだけど可能な限りIS操縦について私が教えてあげるわ。よろしくね?」

「「はぁ!?」」

 

一夏と箒はイキナリのその言葉に、思わず間抜けな声を出した。そんな二人を見て上級生はクスリと笑顔を見せていた。

 

 




私は何でも知っているぞ。オルコットの発言は他言無用だって事をな。
私は何でも知っているぞ。教員はこっそり生徒の端末にメールをしたという事をな。
私は何でも知っているぞ。私はフォローしたくなかったから、真耶の奴にその通知をやらせたとな。
私は何でも知っているぞ。国際問題まで発展すれば一夏がSAO生還者と世間に広まるだろうとな。
私は何でも知っているぞ。そう言われてしぶしぶ許可を出したとな。
……つまり、そう言う事だ。全員理解しろ。ではな。



モッピー何でも知ってるよ。このコーナーはチッピーに乗っ取られてたって事を。(泣)

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