遊戯王デュエルモンスターズGX ~新たな道を作る者たち~   作:shin.

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遅くなりました。
研遊と羽蛾のデュエルです。
少し長いのでミス等あったら
教えて頂けると嬉しいです。
それではどうぞ。


【第14話 完全態と変異態】

 

 

「「デュエル!!!」」

 

 掛け声と共に手札を揃える両者。先行はインセクター羽蛾。

 

「僕のターン、ドロー!僕はモンスターをセット!更にカードを一枚セットしてターンエンドだ!」

 

 引いたカードと手札を眺め、瞬間的に戦略を考えたのか、迷うことなくカードをセットし羽蛾はターンを終えた。

 

 研遊 LP4000

 羽蛾 LP4000

 手札 四枚

 場  伏せモンスター

 伏せ 一枚

 

 「俺のターン、ドロー。(羽蛾のフィールドにはモンスターとリバースカードがセットされた状態だ。昆虫族使いだからリバースモンスターの『人食い虫』とかの可能性もある。ただ、今の俺の手札にモンスターや魔法・罠を破壊するカードは無い。さてと、どう動くべきか)」

 

 自身のターンになり、研遊は静かにカードを引き抜き手札に加えた。そして、今の状況を見直しできることを考えていた。

 

「おいおい、君のターンだぞ?動くなら早く動きな。もっとも、足がすくんでいるならしょうがないけどな」

 

 考えを巡らせている研遊を嘲笑うように急かす羽蛾。その言葉に研遊は顔をしかめるが、軽く深呼吸して頭を落ち着かせた。

 

「(ふう、冷静になれ。羽蛾の言葉にいちいち反応する必要はない。今俺がやることは、この手札でやれることをやるだけだ)」

 

 研遊は一つ頷き、手札の内の一枚を発動した。

 

「俺は『ジェムナイト・フュージョン』を発動!手札の『ジェムナイト・ガネット』と『ジェムナイト・ラズリー』で融合!情熱の石よ、叡智の石と共に我が手中に勝利をもたらせ!融合召喚!勝利の騎士、『ジェムナイト・ルビーズ』!!」

 

『ジェムナイト・ルビーズ』

 レベル6 ATK2500

 

 現れたのは、身の丈程の巨大な斧を振るう紅玉の騎士。その瞳は赤く燃え、我が主人の為に勝利の道を切り開くことを決意しているようにも見えた。

 

「更に効果によって墓地へ送られた『ラズリー』の効果発動!墓地の通常モンスターを手札に加えることが出来るため、『ガネット』を手札に!そして、『ジェムナイト・アレキサンド』を召喚!『アレキサンド』を生贄にデッキから『ジェムナイト・クリスタ』を特殊召喚!」

 

 白い騎士が一瞬で姿を消したかと思うと、次に現れたのは両肩に結晶を備えた水晶の騎士だった。

 

『ジェムナイト・クリスタ』

 レベル7 ATK2450

 

「何っ!?一ターンで融合モンスターだけでなく、上級モンスターも召喚するだと!!」

 

 研遊のプレイングを見て驚いた表情の羽蛾。しかし水晶の騎士は、その様子を気にすることなく首だけを動かして研遊の方へ視線を送った。

 

「(研遊殿、大丈夫か?相手はあの羽蛾だ。口車に乗ると疲れるだけだぞ)」

 

 心配そうな声色で研遊に尋ねる水晶の騎士。先程、羽蛾が研遊に対して言い放った言葉で、主人の心情を気に掛けた言葉だった。騎士の言葉を聞いて研遊は優しく笑う。

 

「(大丈夫、頭は冷静だよ。ありがとな、『クリスタ』)」

 

 研遊の言葉を聞いて、安心したのか小さく頷く水晶の騎士。そして、敵である羽蛾の方へと視線を戻した。

 

「よし、バトルフェイズだ!『ルビーズ』でセットモンスターに攻撃!ルビー・ブレイクダウン!!」

 

 研遊が宣言すると、赤い騎士が姿の見えぬ敵まで走り出した。そして、手に持った斧を大きく振り被ったかと思えば、すぐにその斧を振り下ろした。その瞬間、姿を見せたのは緑色のバッタだった。

 

『代打バッター』

 レベル4 DEF1200

 

 騎士は現れたバッタに臆することなく、真っ二つに切り裂いた。そして、切り裂かれたバッタは跡形もなく爆散した。

 

「『ルビーズ』の永続効果!『ルビーズ』は貫通効果を持っている!差分のダメージを食らえ!!」

「何っ!?」

 

 羽蛾 LP4000→2700

 

 騎士の斬撃が羽蛾を襲った。羽蛾の方もダメージを受けるとは思っても見なかったのか顔をしかめた。しかし、直ぐにニヤリと笑みを浮かべる。

 

「ふん!ダメージは予想外だったが予定通りだ!『代打バッター』の効果発動!このカードがフィールドから墓地へ送られたとき、手札から昆虫族モンスターを特殊召喚できる!!出でよ、『インセクト女王』!!」

 

『インセクト女王』

 レベル7 ATK2200

 

 羽蛾のフィールドに現れたのは、巨大な体躯で翅を震わせる蟲の女王。そのモンスターの出現で観戦席にいた学生たちからは驚きの声が上がった。

 

「『インセクト女王』か…。まさか見ることが出来るなんてな」

 

 そして研遊も蟲の女王が現れた事に驚きを隠せなかった。『インセクト女王』は遊戯王DMで、尚且つ羽蛾を代表するモンスターの一つ。長年、遊戯王と言う作品に関わってきた研遊にとって、そのモンスターを見ることが出来たというのは、ある意味喜ばしいことでもあった。ただ、まさかそのモンスターを使用する羽蛾とデュエルする事など全く考えたことも無かったのだが。

 

「女王様の永続効果発動!フィールド上の昆虫族モンスター一体につき、攻撃力を200ポイントアップする!これは自身も適応する!」

 

『インセクト女王』

 ATK2200→2400

 

 蟲の女王は激しく咆哮した後、敵である研遊を睨むように視線を送る。しかし、研遊は女王ではなく、もう一枚の伏せられているカードの方へと視線を送った。

 

「(これは…十中八九、罠だな)」

 

 自身の考えが間違いないと思えば思うほど、研遊は顔をしかめた。現在、女王の攻撃力は僅かばかり研遊の騎士に及ばない。しかし、羽蛾はそれを気にせず攻撃表示で女王召喚して来たのだ。この状況で罠を疑わないという方が無理な話である。

 

「(くそ、どうするか。あの罠が何か分からない以上、わざわざ相手の戦略に乗るべきかどうか…)」

 

 研遊がどうしたものかと考えていると、水晶の騎士がゆっくりと口を開いた。

 

「(研遊殿、ここは攻撃するでござる)」

「(『クリスタ』…でも間違いなく罠だぞ?)」

「(それは百も承知でござる。だが、あの罠の正体を知る為にも拙者が攻撃するでござる。今現在、あの罠を破壊する手段は無いでござろう?)」

「(それはそうだが…)」

「(なに、『ルビーズ』の攻撃では発動しなかったのだ。『代打バッター』の効果を使いたかっただけかも知れぬが、少なくとも『ルビーズ』は残るだろう)」

 

 騎士の言葉に納得はしているものの、研遊は中々攻撃と言う手段に踏み出せずにいた。その様子を見て騎士はとても小さなため息をついた。

 

「(研遊殿…。これは必ず勝たねばならぬデュエルなのだ。勝つためであれば、拙者は喜んでこの身を差し出すぞ。大丈夫、拙者がやられたとて我らには心強い仲間が沢山居るではないか)」

 

 騎士は笑いながら研遊を諭した。騎士の言葉を聞いてハッとした研遊は、目の前の水晶の騎士を、そして未だにデッキに眠る仲間たちを交互に視線を送った。そして、考えが纏まったのか、研遊は小さく頷いた。その様子を見ていた水晶の騎士も「うむ」と頷いた。

 

「(ありがとな『クリスタ』)」

「(なに、気にするでない)」

「(よし、頼んだぞ!)行くぞ!俺は『クリスタ』で『インセクト女王』に攻撃だ!!」

 

 研遊の宣言を受けて、水晶の騎士は蟲の女王へと向かっていった。しかし、羽蛾はその様子を見て、何も考えずに突っ込んできたと思い厭らしくニヤリと笑う。

 

「まったく、これだから学生は。油断しすぎなんだよ!リバースカードオープン!『DNA改造手術』!!」

「っ!?種族変更か!」

「その通り!!このカードの効果でフィールドのモンスターの種族は僕が宣言した種族に変わる!!僕が宣言するのは、当然昆虫族だ!!これにより、女王様の攻撃力も400ポイントアップする!!やれ、女王様!返り討ちにしろ!!」

 

『インセクト女王』

 ATK2400→2800

 

 更なる力を得た為か、蟲の女王は翅や身体を大きく震わせた。そして、自身に向かってくる騎士に口から衝撃波を放ち、騎士の身体を粉砕した。

 

 研遊 LP4000→3650

 

「すまない、『クリスタ』」

 

 散ってしまった騎士に研遊は顔をしかめながら小さく謝罪した。しかし、そのおかげで羽蛾のカードを知ることも出来たので、その言葉には大きな感謝も含まれていた。

 

「俺はバトルフェイズを終了する。そして、墓地の『ジェムナイト・フュージョン』の効果発動!墓地の『ラズリー』を除外して手札に加える!カードを一枚セットしてターンエンドだ!」

「そのエンドフェイズ!『インセクト女王』はモンスターを戦闘破壊している為、『インセクトモンスタートークン』を産み落とす!」

 

『インセクトモンスタートークン』

 レベル1 ATK100

 

 蟲の女王はフィールドに卵を産み落とし、その卵から小さな牙の生えた蟲が生まれた。

 

 

 羽蛾 LP2700

 研遊 LP3650

 手札 三枚

 場  『ジェムナイト・ルビーズ』

 伏せ 一枚

 

「僕のターン、ドロー。ヒョッヒョッヒョッ!どうだ、女王様の前に手も足も出まい!」

 

 羽蛾は主力カードを出せて上機嫌に笑った。そして、その言葉は相も変わらず研遊を下に見ていることを含んでいた。しかし、研遊はその様子に反応することなく、ただジッと羽蛾の出方を待っていた。

 

「いくぞ、まず僕は『共振虫』を召喚!!」

 

『共振虫』

 レベル4 ATK1000

 

 羽蛾のフィールドに新たに現れたのは鈴虫の様なモンスター。翅を震わせ鈴のような音を響かせていた。

 

「そして魔法発動!『アリの増殖』!『共振虫』を生贄に捧げ、『兵隊アリトークン』を二体特殊召喚する!」

 

 鈴虫の体が光輝いたかと思うと、その光は二つに分かれ二匹の大きなアリへと姿を変えた。

 

『兵隊アリトークン』×2

 レベル4 DEF1200

 

「これにより昆虫族が増えたことで女王様の攻撃力が更にアップする!さらに、『共振虫』の効果発動!このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、デッキからレベル5以上の昆虫を手札に加えることが出来る!僕は『究極完全態・グレート・モス』を手札に加える!」

 

『インセクト女王』

 ATK2800→3200

 

 羽蛾は流れるようにカードを駆使し、手札を整えつつ女王の攻撃力をあげた。その様子を見て、研遊は顔をしかめた。

 

「(流石、原作のキャラだな。正直、少し舐めてたけど一筋縄じゃいかないみたいだ)」

 

 研遊が羽蛾に抱いていた印象は、正直そんなに強くはないだろうと思っていた。しかし、羽蛾はこの世界で曲がりなりにもプロデュエリストになっている。その羽蛾が弱いわけもなく、その証拠に、研遊は今現在やや押され気味となっていた。

 

「バトルだ!女王様でその赤いモンスターに攻撃だ!そして、女王様の攻撃には生贄が必要なため、『インセクトモンスタートークン』を生贄に捧げる!!」

 

 羽蛾の声と共に、蟲の女王が自ら生み出したモンスターを食べ始めた。その様子に観客席からは悲鳴が上がったが、気にすることなく食べつくした。

 

『インセクト女王』

 ATK3200→3000

 

「行け、女王様!!クイーンズ・ヘル・ブレス!!」

 

 羽蛾の命令に従い、女王は自身の身体を震わせたかと思うと口から衝撃波を放ち、研遊のフィールドに残っている騎士を破壊しようとした時だった。

 

「その攻撃は防がせてもらうぞ!リバースカードオープン!『光の護封霊剣』!!」

 

 研遊がセットしたカードを発動したかと思うと、騎士の前に巨大な光の剣が現れ衝撃波から騎士を守った。

 

「何っ!防がれただと!!」

「『光の護封霊剣』は相手の攻撃宣言時にライフを1000ポイント払うことで、その攻撃を無効にすることが出来る!」

 

 研遊 LP3650→2650

 

 驚く羽蛾に対して冷静に説明する研遊。その説明を聞いて羽蛾は舌打ちをした。

 

「チッ、面倒なカードを使いやがって。バトルは終了だ!僕は永続魔法『虫除けバリアー』を発動!これにより、君の昆虫となったモンスターは攻撃できない!僕はこれでターンエンドだ!」

 

 研遊 LP2650

 羽蛾 LP2700

 手札 二枚

 場  『インセクト女王』

    『兵隊アリトークン』×2

 伏せ 無し

 

 研遊にターンが移ったが、ターンが回ってきた本人の表情は硬かった。

 

「(くそ、『虫除けバリアー』と『改造手術』の所為で、俺のモンスターたちは攻撃できない)」

 

 そう。研遊は羽蛾が発動したカードにより、行動がかなり制限されていた。元々、『ジェムナイト』は融合する際に種族を指定しているテーマである。しかし、『DNA改造手術』の効果により、フィールドに出た瞬間その種族は否が応でも変化させられてしまう。流石に手札まで影響を及ぼすことは無いものの、それでも研遊が動きづらいという現状は間違いなかった。

 

「(何か良いカードを引かないと…)俺のターン、ドロー!よし、このカードなら!!」

 

 研遊は引き抜いたカードを見て笑みを浮かべた。そして、引いたカードをデュエルディスクにセットし発動させた。

 

「俺は手札から『吸光融合』を発動!デッキから『ジェムナイト』カードを手札に加える!その代わり、このターンは『ジェムナイト』モンスターしか特殊召喚出来ない!俺は『ジェムナイト・ルマリン』を手札に!」

 

 研遊はデッキから一枚のカードを引き抜き手札に加えた。その様子を見て羽蛾は研遊を「フンッ」と鼻で笑った。

 

「おいおい。折角カードをサーチ出来るっていうのにそんな雑魚モンスターを加えた所でどうする気だ?」

「(人のカードを勝手に雑魚扱いするんじゃねえよ)『吸光融合』の効果はまだ続いている!手札・フィールドのモンスターを除外して融合召喚が出来る!」

「何っ!?」

「俺は今加えた『ルマリン』と『ガネット』で融合!「無邪気な石よ、情熱の石と共に、争いを鎮める光となれ!融合召喚!奇跡の騎士、『ジェムナイト・プリズムオーラ』!」

 

『ジェムナイト・プリズムオーラ』 

 レベル7 ATK2450

 

 現れたのは、剣と盾を備えた水晶の騎士。先ほどの羽蛾のセリフが癪に障ったのか、その目は羽蛾を睨んでいるようにも見えた。

 

「『プリズムオーラ』の効果発動!一ターンに一度、手札から『ジェムナイト』カードを墓地に送ることでフィールドの表側のカードを対象に取り破壊する!俺は『ジェムナイト・フュージョン』を墓地に送り『DNA改造手術』を破壊だ!」

 

 研遊が宣言し、騎士は持っている剣を天に向けると、その剣から雷が奔った。そして、その雷は羽蛾のフィールドへ向かっていき『DNA改造手術』を粉々に破壊した。

 

「くそっ!『改造手術』が破壊されたか!」

「これで一番厄介なカードは破壊できた!これにより『インセクト女王』の攻撃力もダウンする!」

 

『インセクト女王』

 ATK3200→2800

 

 蟲の女王は力を失った所為か、首を垂れた。その様子を見て羽蛾は表情を曇らせる。しかし、羽蛾の様子を気にすることなく研遊は自身のターンを進める。

 

「更に『ジェムナイト・サニクス』を召喚!」

 

『ジェムナイト・サニクス』

 レベル4 ATK1800

 

 次に現れたのは石で出来たモーニングスターの様な武器を備えた赤い瑪瑙の騎士。しかし、デュアルモンスターである為か、どことなく覇気がないようにも見えた。

 

「バトルだ!『サニクス』で『兵隊アリトークン』に攻撃!」

 

 研遊の声を聞いて名前を呼ばれた騎士は、手に取った武器を器用に扱い敵であるアリに向かって投げ放った。その攻撃を受けたアリはすぐに爆発し姿を消した。

 

「次は『ルビーズ』で残った『兵隊アリトークン』に攻撃!ルビー・ブレイクダウン!」

 

 前のターンの時と同じように、紅玉の騎士は斧を振り被りながら相手のフィールドに走り出した。そして、その斧を振り下ろし敵であるアリを真っ二つに切り裂き爆発した。その爆風は羽蛾を襲いダメージを与えた。

 

 羽蛾 LP2700→1400

 

「これで残った昆虫は『インセクト女王』だけだ!行け、『プリズムオーラ』!『インセクト女王』に攻撃!プリズム・ストラッシュ!!」

 

 水晶の騎士は、剣を構えながら飛び出し、蟲の女王を鋭く突き刺した。刺された女王は一瞬痙攣したかと思うと、次の瞬間爆発し霧散した。

 

 羽蛾 LP1400→1350

 

「じょ、女王様ぁーー!!!」

 

 羽蛾は自身の主力カードが破壊されたことにショックを受け、涙目になっていた。その様子を「いい気味だ」と言わんばかりに研遊は口を開く。

 

「さあ、形勢逆転だな。俺はこれでターンエンド!」

 

 羽蛾 LP1350

 研遊 LP2650

 手札 0枚

 場  『ジェムナイト・ルビーズ』

    『ジェムナイト・プリズムオーラ』

    『ジェムナイト・サニクス』

 伏せ 無し

 

 研遊がターンを終え、羽蛾にターンが回った。しかし、羽蛾は自身のターンが回ってきてもカードを引こうとせずガックリと項垂れていた。その様子を見て研遊は首を傾げた瞬間、羽蛾は顔を上げギロリと研遊を睨んだ。

 

「貴様……この代償は高く付くぞ!!絶対にお前を倒す!!僕のターン、ドロー!!」

 

 羽蛾はデッキからカードを勢いよく引き抜いた。そして、引き抜いたカードを見て目を見開いたかと思うとニンマリと今までに無いほど厭らしく笑った。

 

「きたきたきたきたぁぁぁあ!!!行くぞ、僕は手札から『寄生虫パラノイド』の効果発動!その赤い融合モンスターに寄生しろ!!」

 

 羽蛾のフィールドにムカデに似た青い蟲が現れた。その蟲は勢いよく飛びあがり紅玉の騎士に張り付いたかと思うと、騎士の肩を食い破り体内に潜り込んでいった。観客席からは再度悲鳴が上がり、寄生された騎士も苦しそうに体を痙攣させていた。

 

「『ルビーズ』!?」

「ヒョッヒョッヒョッ!!『パラノイド』に寄生されたモンスターは昆虫族となり、昆虫族を攻撃できなくなる!あとは昆虫族を対象に取ったモンスター効果も無効になるが、今は関係ないか」

 

 羽蛾は苦しんでいる騎士の様子を見て愉快そうに笑った。研遊は、苦しんでいる騎士に対して何も出来ないことが歯がゆく思い歯を食いしばった。

 

「そして、僕は手札から速攻魔法『超進化の繭』を発動!!」

 

 羽蛾の宣言と共に、どこからともなく金色の糸が現れ、紅玉の騎士に纏わり羽蛾のフィールドまで引っ張って行った。紅玉の騎士は抵抗していたが力及ばず、やがてその姿は金色の糸に包まれ大きな繭へと変化した。

 

「『超進化の繭』は装備カードを装備したフィールドの昆虫族モンスターを生贄に捧げることでデッキから昆虫族モンスターを一体、召喚条件を無視して特殊召喚できる!!」

「(装備カードを装備した昆虫族?)……まさかっ!?」

 

 羽蛾の言葉に疑問を持った研遊だが、すぐにその答えにたどり着いた。そして、その様子を見ていた羽蛾がニヤリと笑う。

 

「気付いたようだな!『パラノイド』の寄生は装備カードとして扱うのさ!!僕はお前のモンスターを生贄に捧げる!出でよ、『究極変異態・インセクト女王』!!!」

 

『究極変異態・インセクト女王』

 レベル7 ATK2800

 

 金色の繭から生まれたのは先程の蟲の女王に似て非なるものだった。その蟲の女王は先程の女王より一回りも大きく、身体中の至る所に刺を生やし、鉤爪も鋭く尖っていた。まさに女王、そして究極の名に恥じぬ容姿をしていた。

 

「『究極変異態』…だと…」

 

 自身のモンスターを利用し、予想外のモンスターが現れたことで研遊は驚き目を見開いた。

 

「(だけど、まだ最上級モンスターが一体出ただけだ。それなら『護封霊剣』で防ぐことは出来るか)」

 

 現れたモンスターに対し、その攻撃を防ぐことが出来ることに少し安堵した表情を浮かべる研遊だったが、その表情を見た羽蛾が「やれやれ」と呆れた様に笑った。

 

「安心するのまだ早いぜ。装備状態で墓地へ送られた『パラノイド』の効果発動だ!」

「なっ!まだ効果があるのか!?」

「その効果で手札に存在するレベル7以上の昆虫族モンスター一体を召喚条件を無視して特殊召喚できるのさ!」

「また上級モンスターを召喚するのか!…いや、待て!召喚条件を無視だと?!さっき手札に加えたカードは!」

「現れろ!『究極完全態・グレート・モス』!!」

 

『究極完全態・グレート・モス』

 レベル8 ATK3500

 

 現れたのは巨大な体躯をした毒蛾。常に毒の鱗粉を撒き散らし、大きな羽音を立てながら研遊や騎士たちを見下ろしていた。

 

「マジか…『グレート・モス』まで…」

「ヒョッヒョッヒョッ!『究極変異態・インセクト女王』はフィールドに自身以外の昆虫が存在する場合、僕のフィールドの昆虫は効果の対象にはならず効果では破壊されない!」

「くそ、厄介だな」

 

 羽蛾の説明に研遊は顔をしかめた。もし、相手のフィールドのモンスターを効果破壊しようにも、まずは『グレート・モス』を戦闘破壊する必要がある。しかし、そのモンスターの攻撃力は3500。決して低い数値ではないため、戦闘破壊は容易ではない。

 

「まだ僕のメインフェイズは終わってないぞ!墓地の存在する『超進化の繭』の効果発動!このカードを除外して墓地の昆虫一体をデッキに戻し、一枚ドローする!『代打バッター』をデッキに戻して一枚ドロー!……ヒョッヒョッヒョッ!僕は何てツいてるんだ!僕は今引いた『大嵐』を発動だ!!!」

「なっ!?このタイミングで!?」

「『大嵐』の効果でフィールドの魔法・罠を全て破壊だ!」

 

 羽蛾の宣言と共に大きな竜巻がフィールドに現れ、互いの魔法や罠を次々に破壊していった。そして、それは研遊の防御の手段を無くした瞬間でもあった。

 

「くそ、『護封霊剣』が…」

「これでお前を守る手段は何も無い。心置きなく攻撃できるってもんだ!バトルだ!『インセクト女王』でお前の融合モンスターに攻撃!!クイーンズ・デス・バースト!!」

 

 蟲の女王は身体を大きく震わせた後、口から巨大な衝撃波を放った。その衝撃波を食らった水晶の騎士は、耐えられるはずもなく粉々に砕け散った。

 

 研遊 LP2650→2300

 

「次は『グレート・モス』で雑魚モンスターに攻撃!!モス・パーフェクト・ストーム!!」

 

 毒蛾は翅を大きく羽ばたかせ、毒の鱗粉が混じった旋風を起こした。その旋風に赤瑪瑙の騎士は巻き込まれ、毒に蝕まれながら倒れていった。

 

 研遊 LP2300→600

 

「ちっ、一気に追い詰められたな……」

「次のターンで僕の勝利は確定だな!エンドフェイズに『究極変異態・インセクト女王』はモンスターを戦闘破壊した場合、モンスタートークンを生み出せる。だが、お前は守備貫通モンスターを使うからな。効果は発動しないぜ!僕はこれでターンエンドだ!」

 

 研遊 LP 600

 羽蛾 LP1350

 手札 0枚

 場  『究極変異態・インセクト女王』

    『究極完全態・グレート・モス』

 伏せ 無し

 

 研遊は、ガラ空きになったフィールドを見て舌打ちを打つ。そして、その様子を見ていた観客席はザワザワと騒いでいた。

 

「おいおい。『ブルーアイズ』を超えるモンスターを召喚しただけじゃなくて効果破壊耐性もあるのかよ」

「あんなモンスター達にどう立ち向かったらいいんだ」

 

 生徒たちは顔を見合わせながら羽蛾のプレイングに驚きの表情を浮かべていた。

 

 研遊の背後にある待機所では、十代と翔が研遊のデュエルを見守っていた。特に翔は蟲の女王が現れた辺りから不安そうな表情をしていた。

 

「そんな…あんなモンスター達に勝てっこ無いっすよ」

「いや、研遊はきっと逆転してくれるぜ。だって俺たちと約束しただろ?絶対勝つさ!」

「アニキ…。そうだね、研遊くんは絶対勝つよ!」

「あぁ!気張れー!研遊!!」

「気張れー!」

 

 十代は拳を振り上げながら、翔は両手をメガホンのようにしながら声援を送っていた。そして、観客席では隼人と明日香が研遊のデュエルを見守っていた。

 

「須磨くん…私のせいで退学に…」

「いや、研遊はまだ負けてないんだな!十代と翔だって諦めずに戦って勝ったんだな!だから研遊も…。気張れー!気張れー研遊!!」

 

 隼人は立ち上がり研遊に声援を送った。明日香は隼人の行動に驚きつつも、小さく頷き研遊の勝利を願いながら視線を送った。また、別の観客席ではカイザーこと丸藤亮が腕を組みながらデュエルの行く末を見守っていた。

 

「須磨研遊。俺は全力のお前とまだ戦っていない。見せてもらうぞ、お前の全力を」

 

 亮は研遊が勝つことを疑っておらず、寧ろ全力を出して戦うことを期待しているかのように見えた。

 

「(ああ、後ろから十代と翔の声が聞こえるな。向こうで立って応援してくれてるのは隼人か。全く、有難い限りだな)」

 

 耳に入ってきた声援を聞いて研遊は小さく笑った。その様子を見て諦めたように見えたのか、羽蛾は鼻で笑いながら研遊に話しかけた。

 

「おいおい。早くターンを進めてくれないかな?それとも諦めたんならさっさとサレンダーしてくれよ。ま、学生程度が僕に勝てる訳無いんだからさぁ!」

 

 羽蛾はゲラゲラと笑いながら研遊を挑発した。その声音には余裕と自身の勝利に酔っている感情が入っていた。その言葉を聞いた研遊は怒りが込み上げてきたが、直ぐに頭を冷やし今の状況を分析した。

 

「(羽蛾の言葉は、とりあえず気にしない。実際、今は俺の方がかなり不利だ。お互いに手札が0枚でも、羽蛾のフィールドには最上級モンスターが二体も居る。しかも、効果破壊耐性と対象不可のおまけ付きだ。一応、墓地には『護封霊剣』があるから最悪でも次のターンまでは生き残ることが出来る。でも、それじゃ只のジリ貧だ。だからこのターン、俺のドローに掛かっている)」

 

 研遊は静かにデッキの方へ視線を送った後、ゆっくりと目を閉じて深く深呼吸をする。そして、力強く目を開きデッキに手を置いた。

 

「(頼むぞ、俺のデッキ!一緒に勝利を掴んでくれ!)俺のタァァァン!ドロォォォ!!」

 

 弧を描くようにカードを引き抜き、手にしたカードを見て研遊は驚きの表情を浮かべる。そして、天を仰ぎ小さく笑った。

 

「そっか。来てくれてありがとう。一緒に勝ちに行こう!」

 

 研遊は相手を見据え、唯一の手札をデュエルディスクにセットした。自身の勝利をこのデッキと、いや仲間たちと掴むために。

 

「俺は『ジェムナイト・ネピリム』を召喚!!」

 

『ジェムナイト・ネピリム』

 レベル4 ATK1550

 

 現れたのは翼を生やした小さな青い女騎士。その姿は研遊が使用している瑪瑙の騎士によく似ていた。羽蛾は現れた騎士を見て一瞬面食らったような顔をしたが、そのステータスを見てゲラゲラと笑いだした。

 

「アッハッハッハ!!なんだ、そのモンスターは!攻撃力がたったの1550しか無い雑魚を召喚して何をしようって言うんだよ!!」

「それを今から教えてやる。そして、後悔しろ。俺の仲間を雑魚だと言った事を!俺は『ネピリム』の効果発動!このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから自身以外の『ジェムナイト』カードを手札に加える!この効果を使用したターン、相手が受ける効果ダメージは半分になる!俺は『ジェムナイト・クォーツ』を手札に!」

 

 女騎士が手を合わせ祈り始めると、身体が淡く光り出し、その光が研遊の手へと移って行った。やがてその光は一枚のカードへと姿を変えた。

 

「『クォーツ』の効果発動!このカードを手札から捨ててデッキから『フュージョン』永続魔法をセットする!俺は『ブリリアント・フュージョン』をセットする!そのまま『ブリリアント・フュージョン』を発動!デッキから融合素材を墓地へ送り、融合召喚を行なう!」

「デッキから融合召喚を行なうだとぉ!!」

 

 羽蛾は研遊の言葉に驚きを隠せない様子だったが、研遊は気にも留めず自身のターンを進めた。

 

「俺はデッキから『ジェムナイト・ラピス』と『ラズリー』二体を墓地へ送る!知恵の石よ、叡智の石達と共に世界を輝きで埋め尽くせ!!融合召喚!清純の女騎士、『ジェムナイトレディ・ブリリアント・ダイヤ』!!」

 

『ジェムナイトレディ・ブリリアント・ダイヤ』

 レベル10 ATK0

 

 現れたのは光り輝く女騎士。身体の至る所に金剛石が見えており、肩にかかるマントを翻しながら手に持った両刃の剣で何時でも敵に切り掛かれるように構えていた。

 

「な、なんだこのモンスターは…。いや、それよりも攻撃力が0だと!?お前、とうとう自棄になったのか!わざわざ三体も使っておいて、そんなモンスターを」

「『ブリリアント・フュージョン』で召喚したモンスターは攻撃力と守備力は0になるんだよ。驚いてるところ悪いんだが、効果で墓地へ送られた『ラズリー』二体の効果を発動する!墓地の通常モンスターを手札に加える!俺が加えるのは『ラピス』と『クリスタ』だ!」

 

 驚く羽蛾をよそに、研遊は淡々と自身のターンを進める。そして、研遊のターンはまだまだ続く。

 

「俺は墓地の『ジェムナイト・フュージョン』の効果発動!墓地の『ラズリー』を除外して手札に加える!そして、『ブリリアント・フュージョン』の効果発動!手札の魔法カードを捨てることで、このカードの効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力と守備力は相手ターン終了時まで元々の数値分アップする!」

「なっ!?それはつまり」

「そう、攻撃力が戻るってことだ!手札の『ジェムナイト・フュージョン』を捨てて、『ブリリアント・ダイヤ』の攻撃力をアップさせる!」

 

『ジェムナイトレディ・ブリリアント・ダイヤ』

 ATK0→3400

 

 本来の力を取り戻したことを歓喜するように、女騎士の装飾である金剛石の輝きが増していきフィールドを明るく照らした。

 

「こ、攻撃力3400だと!!ふ、ふん!『グレート・モス』には、あと一歩及ばなかったな!」

 

 羽蛾は、研遊のフィールドに現れた女騎士の強さが、自身の女王の強さを越えたことに驚いたが、毒蛾には届いていないことに気付き声を荒げた。

 

「まだまだ行くぞ!俺は墓地に居るもう一体の『ラズリー』を除外して『ジェムナイト・フュージョン』を手札に加え、そのまま発動!『クリスタ』と『ラピス』で融合!」

「(行くぞ、研遊殿!!)」

「(お兄ちゃん、頑張って!!)」

「(二人とも、ありがとう!)神秘の石よ、智恵の石と交わりここに新たな姿を現せ!融合召喚!気品の騎士、『ジェムナイト・ジルコニア』!」

 

『ジェムナイト・ジルコニア』

 レベル8 ATK2900

 

 仲間の声援の共に現れたのは巨大な手甲を装備した騎士。普段ならば、その剛腕を振るおうと構えているが、今回は何故か静かに佇んでいた。まるで、何かの役割を果たすために居るかのように。

 

「な、なんだ!また、『グレート・モス』に及ばないモンスターを出して!一体、何を考えているんだ!」

「見てれば分かる!俺はここで『ブリリアント・ダイヤ』の効果発動!自分フィールドの『ジェムナイト』モンスター一体を墓地へ送り、融合デッキから『ジェムナイト』融合モンスターを召喚条件を無視して特殊召喚する!」

「なっ!召喚条件を無視だと!」

「お前も散々やっただろうが!俺は『ネピリム』を墓地へ送る!」

 

 研遊は羽蛾の疑問や抗議を一喝し、女騎士の効果を発動した。研遊の声と同時に青い女騎士は、その姿を光に変えた。

 

「幾重にも重なる思いを受け継ぎ、絆を繋ぐ騎士となれ!特殊召喚!永遠の絆の騎士、『ジェムナイトマスター・ダイヤ』!!」

 

『ジェムナイトマスター・ダイヤ』

 レベル9 ATK2900

 

 その光から現れたのは身の丈程もある大剣を持った金剛石の騎士。その大剣には幾つもの宝石が埋め込まれており、他の騎士たちとの絆を表しているようだった。

 

「またデカいモンスターを…。だけど攻撃力は」

「『マスター・ダイヤ』は墓地の『ジェム』モンスターの数だけ攻撃力を100ポイント上昇する!俺の墓地の『ジェム』モンスターは八体!つまり攻撃力は…」

 

『ジェムナイトマスター・ダイヤ』

 ATK2900→3700

 

「そ、そんな…『グレート・モス』を上回っただと…」

 

 羽蛾は三体の融合モンスターを見てがっくりと項垂れる。そう。最後の騎士が現れたことで羽蛾の敗北が決定したからである。しかし、当の研遊は項垂れる羽蛾に目もくれず口を開けた。

 

「俺は『マスター・ダイヤ』の効果発動!」

「なっ!」

 

 研遊の言葉に、羽蛾だけでなく観客席からも驚きの声が響き渡った。

 

「お前ぇ…。これ以上、何をしようって言うんだ!決着はもう着いただろ!」

 

 羽蛾は研遊を指差しながら抗議の意を唱えた。確かにこの三体のモンスターで総攻撃を行なえば研遊の勝利でこのデュエルは幕を閉じる。しかし、研遊は首を振りながらゆっくりと口を開いた。

 

「あんたには悪いけど、このデュエルは俺の退学が掛かってるんだ。だからちゃんと俺の実力を示さないといけないんでね」

 

 研遊は言葉を紡いだ後、観客席のとある人物を睨みつけた。勿論、その人物とは制裁デュエル行なう事となった元凶である倫理委員会の女性だった。倫理委員会の女性は、研遊に睨まれたからなのか、それとも自身が思っている以上の実力を持っていることに驚いたからなのか、あるいはその両方か。口をパクパクと動かし、身体が僅かに震えていた。

 

「デュエルを続けるぞ。『マスター・ダイヤ』は墓地のレベル7以下の『ジェムナイト』融合モンスター一体を除外し、エンドフェイズまで除外したモンスターの名前と効果を得る!俺が除外するのは『ルビーズ』だ!」

 

 研遊の宣言と同時に、金剛石の騎士が自身の持つ大剣を動かし構え直したかと思うと、大剣に埋め込まれた紅玉が赤く光り出した。そして、その騎士の背後には紅玉の騎士の幻影が見守るように現れた。まるで「自分の力を使ってくれ」と伝えているようにも見えた。

 

「『ルビーズ』の効果を得た『マスター・ダイヤ』の効果発動!自分フィールドの『ジェム』モンスターを生贄に捧げ、そのモンスターの攻撃力を自身の攻撃力に加算する!俺は『ジルコニア』を生贄に捧げる!」

 

 二人の騎士が頷きあうと、気品の騎士はその姿を無数の光に変えて、金剛石の騎士の持つ大剣へと吸収されていった。そして、その大剣は眩しいほどに明るく輝き始めた。

 

『ジェムナイトマスター・ダイヤ』

 ATK3700→6600

 

「なっ!?攻撃力6600だとぉ!!」

「これで終わりだ!まずは『ブリリアント・ダイヤ』で『インセクト女王』に攻撃!ダイヤモンド・カッティング!!」

 

 女騎士が駆け出し、蟲の女王に抵抗する暇も与えず細切れにした次の瞬間、女王は爆発し塵となって消えていった。

 

 羽蛾 LP1350→750

 

「そんなぁぁ!女王さまがぁぁぁ!」

 

 羽蛾は涙を浮かべながら悲しんだが、研遊は気にもせず金剛石の騎士に命令する。共に勝利を掴むという思いを込めて。

 

「これで止めだぁぁ!!『マスター・ダイヤ』で『グレート・モス』に攻撃!!『ルビーズ』の思いを繋げ!ダイヤモンド・ブレイクダウン!!!」

 

 研遊の思いを聞いて、金剛石の騎士は大剣を大きく振り被り跳躍した。そして、その大剣を振り下ろし、目の前の巨大な毒蛾を真っ二つに切り裂いた。切り裂かれた毒蛾は、そのまま爆発し、爆風が主人である羽蛾を襲った。

 

「ぎょええええええ!!!!」

 

 羽蛾 LP750→0

 

 ピーーーーーー!!!!!!!

 

 爆風によって真後ろに吹き飛ばされた羽蛾のデュエルディスクから無機質な機械音が会場に響き渡った。その音は、この学園の退学を免れた音。そして、研遊が仲間たちと共に勝利を掴んだ音でもあった。

 

 




と言うわけで羽蛾とのデュエルでした。
長いデュエルでキチンと書けているか不安ですが
少しでも楽しいと思って頂けたら幸いです。

そしてお気に入りが150を越えました。
感無量です。ありがたいです。
(本当に語彙力なくてすいません)
次回も頑張りますのでよろしくお願いします。
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