遊戯王デュエルモンスターズGX ~新たな道を作る者たち~   作:shin.

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今回はデュエルはありません。
日常のパートを書くのって
難しいですね。


【第2話 デュエルアカデミア】

 

 DAの試験が終わり数日経った頃、研遊の元へ一枚の手紙が届いた。その手紙はDAの合格を届けるものだった。その手紙で結果を知った研遊は喜びをかみしめた後、両親へ報告した。研遊の両親は自分の事のように喜び、母親に至っては涙を流しながら喜んでいた。自身の事をこんなにも喜んでくれる両親に研遊も少しだけ涙を浮かべた。

 

 その日の夜、食べきれないほどのご馳走を振る舞われた研遊が眠りから覚めると、両親がリビングで酒を嗜みながら話をしていた。研遊は聞き耳を立てるつもりは無かったのだが、耳に入ってきた内容は「研遊が合格したことは嬉しいが、少し寂しくも感じる」といった内容だった。DAは本島から離れた島に建設されており、そこへ通う生徒たちはそれぞれの寮で生活をしている。つまり、自然と親元を離れて暮らすことになる。そのことが承知でDAへ通わせるのだが、やはり両親は寂しいという感情は押さえられないようだった。その言葉を聞いて研遊は月に一回以上は手紙を書くことを決め、再び寝床へ戻った。

 

 その後、研遊はDAへ出航する日までDAから出題された課題を解いたり、カードショップへ赴き自身のデッキの強化パーツを買ったりしながら過ごしていた。そして今日。研遊がDAへ出航する日となった。身支度を整え玄関へ向かうと両親が笑いながら立っていた。自分の事を見送ってくれること察して、研遊も笑みを返した。靴を履き研遊は両親の方を向いた。

 

「すまないな、研遊。本当は港まで送ってやりたいんだが、俺も母さんも仕事で行けないんだ」

 

 申し訳なさそうな表情を浮かべる両親に研遊は首を横に振る。

 

「大丈夫だよ。むしろありがとう。向こうに着いたら手紙書くよ」

「ありがとう研遊」

 

 研遊の言葉に母親が少し涙ぐんでいた。その様子を見て研遊は恥ずかしさを誤魔化すように頬を掻いた。

 

「じゃあ、行ってきます」

「ああ」

「行ってらっしゃい、研遊」

 

 笑顔を浮かべる両親に見送られ、研遊はDAへ向かう為の船がある港へ足を運んだ。少しの不安と大きな期待をその胸に宿して。

 

 

 

「ああー、やっと着いたー」

 

 長い船旅に揺られ、研遊はDAへ到着した。船からはぞろぞろと新入生たちが降りていた。研遊もその流れに乗り船を降りた。船を降りて辺りを見回しているとメガホンを持った教師たちの姿が見えた。

 

「新入生の皆さーん。長い船旅お疲れ様でしたー。制服を配りますので、こちらに並んでくださーい」

 

 と呼びかけていた。制服を貰うため研遊は指示された方へ歩いている時だった。

 

「よう、宝石の融合使いくん」

 

 そう呼びかけられながら肩を叩かれ、後ろを振り返った研遊は目を見開いた。

 

「なっ!」

「俺は三沢大地。よろしくな」

 

 研遊の後ろに立っていたのは、この世界の主要キャラクターであり研遊が好きなキャラクターの一人、三沢大地だった。研遊は本物の三沢を見て暫く固まっていたが、

「あっ、ああ。俺は須磨研遊。よろしくな」

 

 我に返り挨拶を返した。

 

「受験の時のデュエル、見事だったよ。風隼先生はDAの教師の中でもクロノス先生に勝るとも劣らない実力を持つと言われているんだ。そんな風隼先生に勝利した君は注目の的だぞ」

「そうなのか?確かに風隼先生は強いなと思ってたけど。てゆーか、注目されているのは三沢や十代の方だろ。三沢は筆記試験一位の合格者。そして、遊城はあのクロノス先生に勝利したんだし」

「確かに十代の方も注目を集めているが、君も負けないくらい注目されているぞ。何せ、君が使用した融合魔法は誰も知らないカードみたいだからな」

「あー…そーゆうことね」

 

 三沢の話を聞いて少し納得した研遊だった。たしかに『ジェムナイト・フュージョン』の効果を使用した時、風隼だけでなくデュエルを観戦していた全ての人が驚いていたため、注目を集めるのは無理もない話だった。

 

「まあ、そこを抜きにしても俺は君と仲良くなりたいと思っている。あんなに素晴らしいタクティクスを持つ君と一緒に高みを目指したいんだ」

「それは光栄な話だな。こちらこそ、よろしくしたいくらいだ」

「ああ、よろしくな」

 

 研遊と三沢はお互いに右手を差し出し握手を交わした。研遊も三沢も良きライバルに出会えたことを本能的に感じ取った。

 

「さあ、制服を取り行こうか」

「そうだな」

 

 研遊は三沢の声に頷き、二人は制服を配っている教師の下へ歩を進めた。

 

「そういえば」

「ん?どうした?」

 

 研遊は、先程三沢から言われた言葉を思い出し、歩きながら尋ねた。

 

「さっきなんて言ったんだ?何の融合使い?」

「ああ、宝石の融合使いって言ったんだ」

 

 何でもない様に返した三沢だが、そう言われた当の本人はポカンと口を開けたまま立ち止まった。

 

「なんだそれ。初耳なんだが」

「そうなのか?研遊のデュエルが終わった後、他の受験生たちがそう言っていたぞ。君が使用していたモンスター達は宝石に関するものが多かったからな」

「マジかよ。そんな二つ名みたいなのが付いていたのか」

 

 ガックリと肩を落とす研遊を見て、三沢は揶揄うように笑った。

 

「そう落ち込むなよ。中々かっこいいと思うぞ」

「そりゃどーも」

 

 はぁ、とため息をつきながら頭を掻く研遊だが、まあいいかと思い直し再び歩き出した。そして、三沢と他愛もない話をしながら制服を配っている場所にたどり着き制服を受け取った。研遊も三沢も受け取った制服の色は黄色、つまり所属するのはラーイエローと言うことになる。受け取った制服を見て二人は頷き合いながら袖を通した。そして、DAの校舎へ視線を向けじっと眺めた。

 

「(今日からこの学校に通うのか。やっぱり新生活って言うのはいつでもワクワクするな)」

 

 研遊はフッと笑みを浮かべ、その様子をみて三沢は首を傾げた。三沢の視線に気づいた研遊は何でもないと手を上げて答えた。

 

「さあ、行こうか。我らが学び舎へ」

「そうだな。これから三年間、よろしくな。宝石の融合使い」

「その呼び方はやめて」

 三沢の軽口を苦笑しながら受け流した研遊だった。そして、二人はDAの校舎に足を踏み入れた。

 

 入学式も終わり、研遊は三沢と話しながらラーイエローの寮へと向かった。そして、軽く挨拶を交わし、各々の部屋へ帰って行った。

 

「ふう、中々いい部屋だな。さて、歓迎会の夕食まで少し時間があるな」

 

 どうやって時間をつぶそうかと考えた時、ふとある事を思い出した。

 

「あ、そうだ。入学式の日は確か十代と万丈目の一悶着があるんだった。時間もあるし見に行ってみるか」

 

 簡単に身支度を済ませ、デュエルフィールドがある場所へと向かった。そして、研遊がデュエルフィールドの入り口が見えた頃、その入り口には複数の人影と言い争う様な声が目と耳に入ってきた。

 

「(おお、十代に翔。そして、万丈目と取り巻き二人に明日香も居るな。いや、ほんとにこの世界に転生できてよかった。ありがたや)」

「ん?あ、お前は!」

 

 研遊は心の中で合掌をしながら、デュエルフィールドの方へ歩いて行くと万丈目の取り巻きの一人が研遊に気付き驚きの声を上げる。その声につられ、十代達も研遊の方へ視線を向けた。

 

「あ、この人風隼先生に勝った人だ!」

「お、おう。どうも初めまして」

 

 翔が研遊を指差しながら驚きの声を上げる。指を差された研遊は若干ではあるが翔の声に引いていた。

 

「へー。風隼先生が誰か知らないけど、アンタ強いのか?」

「何言ってんすかアニキ!………いや、そう言えばアニキはギリギリに来たから知らなかったっすね。クロノス先生に勝るとも劣らない実力を持つ風隼先生に勝った人っすよ」

「マジかよ!じゃあ、アンタ結構やるんだな!なあ、俺とデュエルしようぜ!」

 

 翔の説明を聞いた十代が研遊に詰め寄りデュエルの申し込みをしてきた。そして当の研遊はと言うと、

 

「(ああ、初期の十代ってこんな感じだったよな。終わり頃の大人びた十代もカッコいいけど、この頃の無邪気な十代も少年って感じで良く思える)」

 

 と、どこか懐かしさを感じながら十代の話を聞いていた。そして、デュエルの提案を受けようとした時だった。

 

「おい!俺たちを無視するんじゃない!」

 

 研遊・十代・翔の三人が怒鳴り声のほうを向くと、万丈目の取り巻きの一人が怒りの形相を浮かべていた。万丈目やもう一人の取り巻きも表情は険しく、明日香に至ってはやや呆れたような表情をしていた。

 

「いや無視しているつもりはないんだが」

「うるさい!レッドやイエローのやつが口答えするな!」

 

 研遊の言葉に聞く耳を持たない取り巻きの一人が声を荒げる。どうしたものかと研遊が考えていると、万丈目が口を開いた。

 

「落ち着け、鬼島。そう声を荒げるな」

 

 万丈目の言葉を聞いて渋々といった様子で引き下がる鬼島と呼ばれた取り巻き。ただ、納得している様子ではなく、今も研遊達を睨んでいた。しかし、そんな取り巻きの様子に気付く様子もなく、万丈目は研遊のほうを見た。

 

「さて。いくら試験だったとはいえ、君は風隼教諭に勝っていた。まあ多少なりと評価をしているよ」

 

 上から目線の万丈目の評価に取り巻き達はにやにやと笑い、明日香小さくため息をついていた。また、十代と翔は少しムッとしたような表情を浮かべており、それぞれで様々な反応を見せていたが当の研遊はというと、

 

「(あー、このガッチガチにエリート意識で固まった初期の万丈目。なんか懐かしく感じるなー。このキャラが後々にあんなギャグキャラになるとは思わなんだ)」

 

 勝手に懐かしく思っていた。しかし、物思いに耽って無言になった研遊を見てまた無視をしたと思った鬼島が再度前に出てきた。

 

「おい!万丈目さんが話してるだろ!無視をするな!」

「ん?ああごめん。少し考え事を」

「この!風隼先生に勝ったくらいで偉そうに!イエローの分際で!」

「いや、イエローなのはしょうがないだろ。受験を受けてDAに来たんだから、レッドかイエローになるのは当たり前だろ」

「うるさい!生意気な口をきくな!」

 

 正論を言われても全く受け入れる気がないのか、研遊の言葉をただただ否定していく鬼島だった。

 

「おい!俺とデュエルしろ!」

「はあ?」

「お前みたいな生意気な奴は俺が倒してやる!」

 

 鬼島の提案に疑問を浮かべる研遊だった。どう断ろうか考えているところに

 

「お、デュエルやんのか?見学していいか?」

 

 まったく空気を読めていない十代だけが目をキラキラしながら訊ねていた。

 

「全く、さすがドロップアウトボーイだな」

 

 万丈目がフンと鼻を鳴らして呆れていた。

 

「あなた達、もうすぐそれぞれの寮で歓迎会が始まると思うけど?」

「あっ、そうだった!急いで寮に帰らないと!」

 

黙って話を聞いていた明日香が口を開き、その言葉聞いて十代が走り出し、そのあとに続いて翔も一緒に走り出した。

 

「ふん、俺たちも行くぞ」

「あっ、待ってください!」

 

 万丈目達もデュエルフィールドから出て行った。鬼島は相変わらず、研遊の方を親の仇のように睨みながら万丈目の後を着いて行った。そして、研遊も寮に戻ろうとした時だった。

 

「あ、そうだ。名前聞いてなかった」

 

 十代が振り返り、研遊と明日香の名前を聞いてきた。

「私は天上院明日香」

「俺は須磨研遊だ」

「明日香に研遊か!これからよろしくな!じゃあ、またな!」

 

 二人の名前を聞いて十代達はレッドの寮へと帰っていった。

「じゃあ、俺も帰るか。またな、天上院」

 

 研遊は軽い挨拶を済ませ、自身の寮へ帰ろうと明日香に背を向けた。

 

「あなた達も大変ね。入学初日に万丈目くん達に目を付けられるなんて」

 

 明日香が同情するように研遊に話しかけた。研遊が振り返ると、明日香は気の毒そうな顔をしていた。

 

「んー、まあ大丈夫だろ。何がとは言わないけどさ」

「なにそれ。意味が分からないわ」

 

 明日香がクスリと笑顔を見せる。その笑顔を見て研遊は思わずドキッとしたが、顔には出さないようにポーカーフェイスを作った。

 

「なんにせよ、これからの学校生活よろしくな」

「ええ、よろしく。それじゃあまたね」

 

 手を挙げて答えた明日香もデュエルフィールドから出て行った。その姿を見届けてから研遊も自身の寮へと帰っていった。

寮に着いてすぐに歓迎会が始まり、出された料理に舌鼓を打ったり同じ寮生たちと談笑したりと有意義な時間を過ごしていった。歓迎会が終わり、自室にて両親への手紙を書こうと机に着いた時だった。

 

「ん?メールか」

 

 入学式で配られたパッドに着信があり、開いて確認すると鬼島からのメールだった。

 

「今日の0時、デュエルフィールドに来い。貴様を倒してやる。勇気あるならの話だけどな」

「………随分と気合の入ったメッセージだな」

 

 本来、どの寮生でも夜中にデュエルフィールドを使用する事は校則違反である。つまり研遊が鬼島からのメッセージを無視しても何ら問題はないのだが、

 

「多分、万丈目が十代に同じようなメールを送ってるよな。そして、デュエルするんだよなー。そのデュエルを生で見たいって気持ちが大きいなー」

 

 鬼島のメッセージよりも、十代と万丈目のデュエルが見たいからという理由で校則を破るかを悩んでいた。

 

「うん、折角だし行ってみるか」

 

 そう決めた研遊は、昼間のデュエルフィールドへ向かうため、他の寮生や教師に見つからない様に細心の注意を払いながらこっそりと寮を抜け出した。

無事に校舎へ潜入した研遊はゆっくりとデュエルフィールドへ向かった。しばらく歩いていると、十代と翔がデュエルフィールドに入ろうとしている姿が見えた。

 

「よう、十代。そして翔もな」

「うおっ!びっくりした!ってあれ?研遊じゃないか」

「こんな時間にどうしたんすか」

 

 突然声を掛けられ驚いた二人だったが、声を掛けたのが研遊だとわかると安心した表情を見せた。

 

「多分、お前らと同じような理由だな」

 

 研遊がパッドを開き、鬼島から送られてきたメッセージを二人に見せた。

 

「そうなのか。じゃあ、一緒に行こうぜ」

「ああ、そうだな」

 

 十代の言葉に研遊は頷き、三人でデュエルフィールドへと向かった。

 




次回はデュエルパートがあります。
執筆頑張ります。

そして、
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