遊戯王デュエルモンスターズGX ~新たな道を作る者たち~   作:shin.

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ようやく5話まで来ました。
それでは、どうぞご覧ください。


【第5話 闇のデュエリスト】

 

 DAに入学して一ヶ月が過ぎた。その間に翔のラブレター事件が起きたり月に一度の試験が行われたりと、嵐のような展開が起きていた。その間、研遊は「デュエルを生で見たい」という気持ちで自ら事件に巻き込まれていった。とは言っても原作を知っているからこそ下手に原作と違うことにならないよう細心の注意を払っていた。

 

「翔のラブレター事件はなぁ………。正直、止めようかと思ってレッド寮まで行ったけどもうすでに翔が出た後だったんだよな。すまん翔」

 

 とは言うものの、個人的には十代と明日香のデュエルを観戦することが出来た研遊は翔に対して感謝しており、購買部で10パック程購入し、翔にプレゼントしていた。受け取った当の本人は何のことかわからず困惑していたが、沢山のカードを貰うことが出来たため、深くは追及せず研遊に「ありがとうっす!」と頭を下げていた。

 

「ただなぁ。御礼にってくれたカードが『プリズマン』だったのが謎だけど。いや、ありがたくもらうけどさ」

 

 翔のセンスを謎に思いながらも、一応感謝の言葉を呟く研遊だった。

 

「それよりも『VWXYZ』と『ハネクリボーLv.10』の迫力は凄かったなぁ。生で見ると余計にかっこよかったわ。やっぱ合体ロボは男のロマンだな。そして、あの羽は神々しかったなぁ。やっぱり十代たちのデュエルを生で見るのは嬉しいや」

 

 ここ一ヶ月の生活をしみじみと振り返る研遊だった。そして、その研遊は今何をしているのかというと、夜にもかかわらずとある森の中を一人で歩いていた。

 

「流石になぁ。同級生が攫われるのを知っているのに、知らんぷりはできんよな」

 

 研遊が森の中にいるのは、昨日の昼に十代と翔が「今日の夜、怪談でもしようぜ」と話していたことが理由だった。十代・翔・隼人の三人が怪談をした翌日つまり今日の夜に幽霊寮へ行き、タイタンと戦う。タイタンは、その際に明日香を攫い十代をおびき寄せる手法をとるため、研遊はそれを阻止しようと森の中を歩いていた。

 

「ただ、悩み所ではあるんだよな。このまま阻止した場合、未来にどういう風な影響があるのかが予想がつかん」

 

 そう。研遊が行おうとしているのはアニメとは違う展開を起こそうとしていること。実際、研遊が手を出さずとも十代がタイタンに勝利して明日香は救われる。つまり、研遊がやろうとしていることは蛇足でもあり、今後の展開を変えてしまう可能性があることも重々理解していた。

 

「まあ、タイタンの目的は十代と戦うことだから明日香を助けたとしても、そこは問題ないかな?うん、多分だけど」

 

 これからどうなるかは分からないが、同級生を助けたいという気持ちは本当なので研遊は再度覚悟を決めて森を歩き続けた。しかし、

 

「で、幽霊寮の場所ってどこよ!」

 

 意気込んで寮を抜け出し、森に入ったまでは良かったのだが、肝心の幽霊寮の場所を研遊は知らなかった。

 

「くそう、せめて十代たちと一緒に来た方が良かったか?いやでも、それから明日香を助けるのも難しそうだし。うーん、どうしよう」

 

 足を止め、森を見渡しても、特に目印になるようなものもあるはずもなく、どう行こうかと研遊が悩んでいる時だった。

 

「こっちだよ」

「えっ」

 

 ふと、少女のような声が聞こえた。研遊は驚き声のする方へ視線を向けるが、その視線の先には少女どころか人影すら見当たらず、沢山の木々たちが月明かりに照らされているだけだった。

 

「………はい?なんだ、今の声は」

 

 研遊は空耳ではないかと疑った。しかし、自分を案内しようとする声がしっかりと耳に残っているのだ。

 

「こっち………って言ってたよな。行ってみるか」

 

 不思議に思いながらも研遊は声のした方へと歩みを進めた。歩き続けながら研遊は先ほど聞こえた声のことを考えていた。

 

「誰も…いなかった……よな?」

 

 研遊は立ち止まり後ろを振り返る。勿論、先程と同じで人影は見当たらなかった。研遊は首をかしげたが、すぐに前を向き歩き始めた。

 

「でも、全然怖くなかったんだよな。なんでだろ?」

 

 研遊は小さくぽつりと呟いた。普通に考えれば何もない所から声が聞こえるなど、恐怖でしかないのだが、研遊は聞こえた声に対して全く恐怖を抱いていなかった。むしろ、聞こえた声はとても優しく自分に語り掛けるように聞こえていた。だからこそ、疑うことなく声のした方へ歩み進めているのだが。

 

「ん?おお、あれだな」

 

 しばらく歩みを進めていくと、目的の幽霊寮が見えてきた。幽霊寮の入り口に人は居なかったが、真新しい足跡がいくつかあり、その足跡は寮の方へと続いていた。

 

「十代たちは中に入っているみたいだな。さて、明日香とタイタンは…っと」

「こっちだ」

「急げ」

 

 研遊が首を左右に振り目的の二人を探していると、また声が聞こえた。今度は成人した男性のような声が二つ聞こえた。しかし、先程の少女のような声と比べると少し焦っているようにも聞こえた。

 

「なんだ今の…。いや、それよりも急げって言ってたな」

 

 研遊は疑問に思いつつも声のした方へと走り出した。するとすぐに人影が見え、より研遊は足を速めた。

 

「まて!その子をどうする……なっ!」

 

 研遊の目の前には、タイタンと眠らされている明日香が居り、ちょうど明日香の手首をタイタンが縛っているところだった。しかし、研遊が驚いたのはそこではない。タイタンと明日香、そしてタイタンと同じくらいの背丈の男がもう一人いたのだ。

 

「お、お前は一体…」

「ん?誰だ、お前は」

 

 研遊の声に気付いたタイタンが研遊の方を向いて睨んだ。また、もう一人の男も体を研遊の方へ向けた。見知らぬ男はタイタンと同じような黒い姿で帽子を深くかぶっており、顔の確認はできなかった。

 

「お、お前は誰だ!」

 

 研遊は見知らぬ男に向かって叫んだが、肝心の男は何も言わずじっとしていた。しかし、タイタンが研遊の言葉を聞いてクックックと低く笑う。

 

「私の名はタイタン。闇のデュエリストだ。こいつは私の協力者で名は…何と言ったかな?」

「そうだな…。ギガントとでも名乗っておくよ」

「だそうだ。ギガントとは先ほど知り合ってね。私と同じようにとある理由でこの島に来たんだ。そして、ちょいとばかり私の用事にこの娘に手伝って貰おうと思ってね」

 

 タイタンは後ろにいる明日香を指さし説明する。だが、当の研遊はタイタンの話があまり頭に入っていなかった。それもそのはず。ギガントと名乗った男は本来のGXでは出現しないキャラクターだからである。当然の疑問に研遊が顔をしかめている時だった。

 

「タイタン、君は先に行って準備を進めてくるんだ。こいつは私が足止めしておくよ」

 

 ギガントと名乗った男が前に出て、デュエルディスクを構える。

 

「そうか。じゃあ、先に行っているぞ」

「ま、待てっ!」

 

 タイタンは頷き、明日香を抱えて幽霊寮の方へ歩いて行った。その様子を見て研遊はハッとしてタイタンの後を追おうと駆けだした時だった。

 

「お前の相手は私だ」

「くっ!」

 

 ギガントが研遊の前に立ち塞がり、研遊は足を止め距離をとった。

 

「さあ、私と闇のゲームをしようか」

「何が闇のゲームだ!お前もタイタンと同じ手品師、もしくは詐欺師だろ!」

 

 タイタンの正体を知っている研遊は、このギガントも同じ類だろうと思い指を差す。しかし、ギガントはフフフと不気味に笑う。

 

「私をあんなペテン師と一緒にしないでもらえるかな?私が行うのは…正真正銘の闇のゲームだよ!」

「なっ!?」

 

 ギガントが叫んだ瞬間、周りの木々がざわざわと揺れる。まるで、ギガントの声に恐れているように。そのプレッシャーを受けて研遊も後退りをする。

 

「フフフフフフフ。どうした?怖気づいたか?」

「くそっ!闇のゲームだろうが知ったことか!さっさと倒して進ませてもらうぞ!」

 

 研遊の様子を見て、更に不気味に笑うギガント。そして研遊は自らを鼓舞するように声を出しデュエルディスクを構えた。

 

「(とりあえず、こいつが何者かどうかは置いておく!さっさと倒して、明日香を助けに行く!)いくぞ!」

「フフフ、楽しもうじゃないか」

 

 ギガントもデュエルディスクを構えた。険しい表情を浮かべる研遊と不気味に笑うギガント。対照的な二人のデュエルが始まった。

 




次回は、謎の人物との対戦です。
ご期待して頂けると幸いです。

また、催促するような言い方ですが
感想や意見等がありましたら
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