遊戯王デュエルモンスターズGX ~新たな道を作る者たち~   作:shin.

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お待たせしました。
やっと8話まで来ることが出来ました。
デュエルはせず、会話パートになります。
それではどうぞ。


【第8話 精霊たちとの邂逅】

「『ガネット』!『サフィア』!『ルマリン』!『ラピス』!『クリスタ』!」

 

 研遊が後ろを振り返り、目の前に現れた人物たちを見て驚きの声を上げた。その様子を見て、一人の騎士が愉快そうにケラケラと笑う。

 

「アッハッハ!大将、驚きすぎだぜ。そんなに驚くことかぁ?」

「『ルマリン』…。いや、驚くに決まってんだろ!」

「アッハッハッハッハ!!!」

 

 研遊の返した言葉を聞いて、更に笑う電気石の騎士。その様子を見て、やや怒ったように声を上げる騎士がいた。

 

「笑い過ぎだぞルマリン!ようやくマスターと会話をすることが出来たのだ!マスター!これからもどうぞ、よろしくお願いします!」

「お、おお。ありがとう『サフィア』」

 

 笑う騎士をたしなめた後、研遊の方を向いて、片膝をつく蒼玉の騎士。まるで本物の騎士のように振る舞うその動作を見て、研遊は頷くことしかできなかった。二人の騎士を気にすることなく、五人の中で一番小さい女騎士が研遊に近づいてきた。

 

「お兄ちゃん。足は平気?他に痛い所はない?」

「ああ、ギガントに貰った薬?のおかげで足は全然痛くないぞ。他に痛い所も無いよ。心配してくれてありがとな、『ラピス』」

「よかった!!」

 

 研遊に怪我が無いことを改めて知り、安心したように無邪気な声で笑う瑪瑙の女騎士。その笑い声につられて研遊も微笑んだ。

 

「よかったな『ラピス』。研遊殿のことを一番心配していたのはお主だったからな」

「『クリスタ』………。そうなのか?」

「うむ。拙者も心配していたが、歩いている様子を見て怪我の方は大丈夫だろうと思っていた。あまり無理をされるな」

 

 五人の中で一番大きい水晶の騎士が、瑪瑙の女騎士の頭を撫でながら、武士のような口調で研遊に説明をした。

 

「いきなりのことで驚いたと思うが、俺たちは所謂デュエルの精霊ってやつだ。どんな存在なのかは、何となくでも分かってると思うから説明は不要だよな?ま、これからよろしくな研遊」

「『ガネット』…。お前だったんだな。俺に諦めるなって言ってくれたのは。あの時は助かった。ありがとな」

「別に。あそこで諦めるのは研遊らしくないと思っただけさ」

 

 研遊の礼を聞いて、何でもないように振る舞う石榴石の騎士。しかし、澄ましているようにも見えるが、実は礼を言われたのが少し照れ臭かっただけであり、その様子を見て電気石の騎士が、照れている騎士に肩を組んで悪戯っぽく笑う。

 

「大将。『ガネット』のヤツ、礼を言われて照れてるだけだからな」

「なっ、『ルマリン』!余計なことを言うな!!」

「アッハッハッハ!!」

「二人とも!マスターの前だぞ!もう少し落ち着きをだな!」

「ねー、お兄ちゃん。せっかくお話しできるんだから、いっぱいお話ししようよ!」

「おお、拙者も混ぜて貰いたい。研遊殿と話がしたかったのは、何も『ラピス』だけではござらんからな」

「そこの二人!抜け駆けは許さんぞ!私もマスターと話ができる日を待ち望んでいたのだ!」

「アッハッハッハ!賑やかなこって!」

「全く、お前が落ち着け『サフィア』」

 

 五人は研遊の前でそれぞれの意見を言い合っていたが、どこか声も弾んでいた。それもそのはず。彼らは長らく研遊と共に過ごしてきたのだが、話をしたくても会話など出来るはずもなかった。彼らの声は研遊の耳には届かず、それでも五人は研遊を見守ることを続けてきた。そして、ついにその見守ってきた人と会話をすることが出来るため、嬉しさを隠せないというのも無理のない話だった。

 

 そして、その様子を見ていた研遊は、口を開けて少しポカンとしていたが、堪え切れずに笑ってしまった。研遊が笑ったことに気付いた五人は言い合っていた口を閉じ、視線を研遊に向けた。

 

「どうした研遊」

「いや、なんていうかさ。俺もお前たちと話が出来て嬉しいよ。多分、ずっと見守ってくれてたんだろ?ありがとな。改めて、よろしく!」

 

 研遊は、五人に向けてサムズアップをしながら笑顔を浮かべた。当の五人は互いに顔を見合わせた後、頷いて研遊の前に並んだ。

 

「マスター。私たちはこれからも貴方の傍にいます」

「大将のことは俺たちが守ってやっからよ」

「これからはずーっと一緒だよ」

「うむ。研遊殿、何かあった時は拙者たちに任されよ」

「だから安心しろ、研遊」

 

 精霊たちの力強い言葉を聞いて、研遊は目頭が熱くなり鼻の奥にツンと小さな痛みを感じた。

 

「嬉しいこと言ってくれるじゃん。みんな、ありがとう」

 

 研遊は、瞳から涙がこぼれないよう気を付けながら頬を掻き照れながら笑った。その様子を見て五人の精霊も優しく笑っていた。

 

「さて。とっととシャワー浴びてくるわ。多分、倫理委員会の奴らが来て十代たちにイチャモン付けるはずだからな」

「マスター。そう思ってタオルはこちらに準備しておきました」

「いや、いつ用意したの?てか、触ることできたの?」

「まあまあ、細かいことはいいじゃないですか」

「いや、結構重要じゃない?まあいいや。じゃあ、シャワー浴びて朝飯に行きますかね」

 

 研遊は不思議に思いながらも、タオルを持って浴室へと向かってシャワーを浴びた。

 

 

 

 

 シャワーを浴びた研遊は朝食を済ませた後、十代達や倫理委員会の話し合いが行われている会議室へと足を運んだ。その道中、赤い騎士が研遊に話しかけていた。

 

「なあ、研遊。そういえばなんだが、何故わざわざ十代達の元へ向かうんだ?」

「うん?」

「いや、研遊がこの世界に転生してから、十代達の出来事にワザと首を突っ込んでいるのは分かっている。しかし、今回の倫理員会の話は、謂わば翔が成長する為の話だ。わざわざ首を突っ込んで翔の成長を妨げる気か?」

 

 そう。これから十代と翔に話されることは幽霊寮に無断で入った罰として、退学を賭けたタッグデュエルを提案される。そして、翔は自信の無さから一度デュエルアカデミアを去ろうとする。しかし、十代と翔の兄である丸藤亮のデュエルを見て、決心を改め十代とタッグデュエルを行い、見事デュエルに勝利するのである。

 

「そういうことか。いや、翔の邪魔をするつもりは無いよ。今回の話に首を突っ込むのは、どちらかっていうと、倫理委員会のやり方が気に入らないからなんだ。倫理っていうくらいだから、ちゃんと調べて平等に罰を与えるのが普通だと思う。だけど、それもせずに十代と翔にだけ罰を与えるってやり方が、俺はどーにも気に入らないんだよ。だからまあ、どっちかっていうと文句を言いに行くってのが正しいかもな」

 

 研遊の説明を聞いて、なるほどと頷く騎士。その様子を見て、研遊は苦笑いしながら訊ねた。

 

「呆れた?」

「まさか。俺が研遊のことを呆れるわけないだろ。理由が分かってスッキリしただけだ」

「それはどうも」

 

 そうして研遊は会議室の前へたどり着き、中に入ると十代と翔の驚いた声が響いていた。

 

「「ええー!退学―!」」

「立ち入り禁止の閉鎖寮に入って、中を荒らしただろう。調べはついている」

 

 その会議室では、沢山の巨大なモニターがあり、そのモニターには鮫島校長やクロノス、倫理委員会の女性、他にも数人の教師の顔が大きく映し出されていた。部屋の中央に十代と翔が並んで立っており、退学を突き付けられたことに驚き、その様子を何とも思っていないようで倫理委員会の女性は、淡々と退学の理由を述べていた。

 

「ちょっと待ってくれませんか」

 

 突然、ドアの方から別の声が聞こえたため、全員が驚き研遊の方へと視線を向けた。

 

「あっ、研遊!」

「研遊くんも呼ばれてたんすか!?」

「いや、残念ながら呼ばれてないよ」

 

 驚く十代と翔に対して、研遊は右手を振りながら答えた。

 

「貴様!勝手に入ってくるな!」

 

 一方で、急に現れた研遊に対して鋭い視線を向ける倫理委員会の女性。誰の眼にも苛立っていることは明らかだったが、研遊は気にすることなく話を進める。

 

「いえ、別に悪気があってここに来たわけじゃ無いんです。ただ、十代や翔が退学になるというのなら俺だって退学になってもおかしくないんです」

「な、何を言いまスーノ!セニョール須磨が退学だなんて、そんなことありえないノーネ!」

 

 研遊の話に驚いた声を上げるクロノス。ここだけの話だが、クロノスの中で研遊の評価は相当高いものだった。ラーイエローではあるが、自分の次に強いと思っている風隼に試験ではあるものの勝利を収めた研遊はデュエリストとして腕は高いものだと確信を思っていた。また、座学に関しても優秀な成績を収めており、次の進級試験ではオベリスクブルーへ上がるだろうと思っていた。しかし、そんな研遊が「退学になってもおかしくない」と言ってきたことに驚きを隠せなかった。

 

「今回、十代と翔が退学になるのは幽霊寮に入ったからですよね?俺もその幽霊寮に入りました。倫理委員会によると調べはついていると言っていたみたいですが、何故その中に俺の名前が入っていないんですか?」

「そ、それは……」

「(ホントは隼人と明日香も居たけど、ここで名前を出す必要はないな。まあ、クロノス先生が十代と翔を退学させたいだけだから、こんな茶番をしているわけだけど)」

 

 研遊の発言に言葉を詰まらせる倫理委員会。だが、研遊は更に言葉を続ける。

 

「そして、いくつか疑問があります。何故、閉鎖されている寮なのに取り壊されていないんですか?立ち入り禁止にするくらいなら、さっさと取り壊してしまえばいいじゃないですか。そうすれば、立ち入り禁止にするという決まりが一つ減りますし、何よりこんなことで倫理委員会の方々で出てくる必要も無くなるはずです。そして、この島のセキュリティっていうのは杜撰なんですか?」

「な、なんだと!?」

「昨日の幽霊寮に不審者が侵入していました。これがその証拠です」

 

 研遊は自分が持っていたパッドを操作し、タイタンが写っている画像を皆に見せた。鮫島校長や他の職員は驚いた表情を浮かべるが、招き入れたクロノスは冷や汗を流しながら目を泳がせていた。

 

「さて、倫理委員会の方に質問なんですが、本当に調べはついているんですか?どう考えても俺の名前が無かったり不審者が島に侵入していたりと杜撰なんですよ」

「ペ、ペラペラと適当なことをほざくな!貴様の質問に答える必要はない!」

「生徒の質問に答えるのが、学校だと思ったんですが違うんですかね。大方、匿名のメールかなんかで“立ち入り禁止の寮に入ったオシリスレッドの二人がいる”なんて教えられただけで動いてるだけなんじゃないんですか?」

「き、貴様………。言わせておけば……」

 

 倫理委員会の女性は、どうやら図星のようでギリギリと歯を食いしばり、こめかみに青筋を立てていた。そして、そのメールを送ったであろうクロノスは、更に目を泳がせていた。

 

「(おい、研遊。やり過ぎじゃないか?)」

「(おーっと。刺激し過ぎたか?まあいいや。言いたいことは言い終わったし)」

 

 やや不安そうな騎士の声に、あまり気にした様子を見せずあっけらかんとした様子の研遊だった。

 

「貴様!我ら倫理委員会を馬鹿にしよって!貴様は退学だ!」

 

 倫理委員会は研遊の態度を見て、堪忍袋の緒が切れた様子だった。言葉を荒げた女性に鮫島校長や他の教師たちは呆気に取られていたが、すぐに我に返り「まあまあ」と宥めていた。

 

「さて。要するに須磨くんも、あの寮に入ったということで間違い無いんだね?」

「はい、その通りです」

 

 鮫島校長の質問に研遊が素直に答えると「ふむう」と頷き黙ってしまった。そして、一部始終を見守っていた十代が口を開いた。

 

「なあ、いきなり退学ってのもアレだからさ。せめてチャンスをくれよ」

 

 十代は両手を合わせながら、教員たちに頭を下げていた。その言葉を待っていましたと言わんばかりに、クロノスがニヤリと笑った。

 

「ならば別のペナルティの方法を提案すルーノ!それは制裁タッグデュエル!」

「制裁タッグデュエル?」

「(お、原作通りに話が進んできたな)」

 

 クロノスが十代と翔がタッグを組み、タッグデュエルの提案をしてきた。その様子を見ながら研遊は「ふむ」と静かに頷いた。元々、研遊がこの会議室にいること自体が原作に無いことのため、どうなるかが少し不安だったのだが、無事に原作通りに話が進んだことを安堵していた。

 

「タッグデュエルか。面白そうだな!」

「校長、二人も納得してる様子でスーノ!」

「ふうむ、ならば仕方ありませんね」

「対戦相手は、私から後日お伝えスルーノ!」

 

 十代は楽しそうに、翔は不安そうにと両者は真逆の表情を浮かべていた。そして、話が終わったと十代・翔・研遊が会議室から出ていこうとした時だった。

 

「待て!須磨研遊!」

 

 急に呼び止められ、三人は驚いて後ろを振り返ると、そこには怒りの形相を浮かべる女性がモニターに映っていた。

 

「我ら、倫理委員会を馬鹿にしてタダで済むと思うな!貴様も制裁タッグデュエルに参加しろ!負ければ即退学だ!」

「ちょ、ちょっと待つノーネ!?」

 

 倫理委員会の提案に、自身の想定していた事態と違うことが起きて焦る表情を見せるクロノス。その提案に対して研遊は首を傾げた。

 

「あの、タッグデュエルって俺は誰と組んだらいいんですか?」

「誰でもいいだろう!そこにいる二人でもいいし、適当な奴と勝手に組め!」

「あまりふざけたこと言わないでもらえますか?十代と翔はタッグを組むことが決まっているし、かと言って俺の都合でクラスメイトや知り合いに迷惑かけるわけにはいかないでしょう。それが倫理なんですか?」

「う、うるさい!貴様が偉そうにするな!」

「(ダメだ、話が通じなさそうだ)」

 

 研遊はどうしたものかと考えていると、ふと鮫島校長と目が合った。鮫島校長もどうしたものかと、この状況を困っている様子だった。

 

「校長先生。俺も制裁デュエルを受けます」

「ほう、受けるんだね」

「はい。ただ、俺のデュエルはタッグではなく普通のデュエルにしてください。先ほど言った通り、他の人に迷惑かけるわけにはいきません」

「そうだな…。よし、わかった。須磨くん、君にも制裁デュエルを受けてもらいます。対戦相手と日時は後日、クロノス先生から聞いて下さい。よろしいですね、クロノス先生」

「うっ、分かりましたノーネ」

 

 あまり納得していない表情を浮かべたクロノスだが、「校長から言われたら仕方ない」と言わんばかりに渋々頷いた。

 

「では、俺たちは失礼します。十代、翔。行こうか」

「お、おう」

「し、失礼しました!」

 

 三人は頭を下げて、会議室から出て行ったのであった。

 

「まさか、研遊も制裁デュエルすることになるなんてな」

「幽霊寮に入ったのは事実だからな。それはしょうがないさ。それより二人とも、タッグデュエルがんばれよ」

「おう、任せとけって。早速修行しようぜ翔!」

「うう、不安だぁ……」

 

 笑みを浮かべる十代に、この世の終わりと言わんばかりに覇気の無い翔を見て、研遊はクスリと笑った。

 

「そうだ!折角なら研遊も修行に付き合えよ!」

「ああ、ありがたく参加させてもらうよ」

「じゃあ、授業の後に早速デュエルだな。早く授業に行こうぜ!」

「あーっと、その前にちょっと用があるから、二人は先に行ってくれないか?先生には俺が遅れて来るのを伝えてもらえると助かるんだけど」

「わかった!じゃあ、また後でな!」

 

 十代と翔は研遊に右手を挙げた後、教室の方へと走っていった。研遊も二人の姿が見えなくなるまで手を振ってこたえていた。

 

「さて…と。行きますか」

 

 研遊は踵を返し、ある人物を探しに行った。その人物に会い、あることを確認するためだった。その人物というのが、ある部屋から丁度出てきたところだった。

 

「あ、いたいた。クロノス先生!」

「ニョ!?セニョール須磨!?」

 

 呼び止められたクロノスは驚いて振り返り、そして自分を呼び止めた人物が研遊だと分かり、さらに驚いた様子だった。

 

「クロノス先生、聞きたいことがあるんですけど」

「なんでスーノ?もしかして制裁デュエルのことでスーカ?残念ながらあの会議で決まったことは覆せないノーネ」

「あ、いえ。制裁デュエルのことは良いんです。それとは別のことなんですけど」

 

 研遊は首を左右に振り、人が居ないことを確認し小声でクロノスに尋ねた。

 

「タイタンを島に引き入れたのはクロノス先生ですよね?」

「な、なんですと!」

 

 クロノスは研遊の言葉を聞いて目を見開いた。クロノスは誰にもばれていないと思っていただけに、何故この生徒が知っているのかと驚きを隠せないでいた。

 

「安心してください。別にそれを誰かに言いふらすつもりは毛頭ありません」

「ホ、ホントでスーノ?」

「本当です。その代わり、俺の質問に答えてもらえませんか?」

「わ、私に答えられることならば何でも答えるノーネ!」

「ありがとうございます。クロノス先生が島に引き入れたのはタイタンだけですか?」

「へ?」

 

 クロノスは、「質問の意味が分からない」といった表情を浮かべ首を傾げた。

 

「わ、私が依頼したのはタイタンだけでスーノ」

「一人だけ…ですか?」

「そ、そうなノーネ」

 

 首を縦に何回も降りながら答えるクロノスの様子を見て、研遊は嘘ついていないように見えた。実際、ここで嘘をつく理由もなく、原作でのクロノスはタイタンにしか依頼をしていないため、その信憑性は高いように思えた。

 

「そうですか…。質問に答えて頂いてありがとうございます」

「そ、それはよかったノーネ。だから…」

「安心してください。タイタンのことは誰にも言いませんよ。それでは授業があるので失礼します」

 

 研遊はクロノスに頭を下げ、教室へと足を運んだ。その道中、ある人物のことを頭の中で考えていた。

 

「(クロノス先生が依頼したのはタイタンだけ。じゃあ、ギガントは誰が…。いや、そもそもタイタンはあの場で“先ほど知り合った”って言っていた。もしかしたら一緒にこの島に来たわけじゃ無いのか?)」

 

 研遊は顔をしかめながら、昨夜のことを思い出していた。

 

「(だとすると…。ギガントはあそこにタイタンや十代たちが来ることを知っていた?まるで…俺があの場所に行ったように?)」

 

 そこまで考えたところで、研遊は足を止め窓の外の空を見上げた。その空は雲一つなく、どこまでも青く澄んでいた。

 

「ギガント…。次会った時は真実を聞かせてもらうぞ」

 

 研遊は拳を強く握り、授業が行われる教室へと向かうのであった。

 




読んで頂きありがとうございました。

次話も精一杯執筆中ですので
お待ちください。
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