原作主人公が死んだ。ヒロイン達が爆発した   作:ちぇんそー娘

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五常束ねて灰燼に帰す/悪性回帰

 

 

 

 なんとなく中一の時のことを思い出した。

 中一と言っても、この世界での中学一年生の時のことだ。悪霊の影響を受けて気が触れた変態女に攫われかけた時のこと。

 

 駆けつけた警官が恐ろしい勢いで警棒で車を破壊してくれたおかげで事なきを得たが、あの時は本当に怖かった。

 

 

 

「待って待って! 殺すってのは言葉の綾で、こちらに殺す意図はないの! 結果として死ぬだけで!」

「より恐ろしいわ! 悪意がない故に恐ろしい!」

 

 

 

 その類の恐怖を今も味わっていた。

 

 霞儀緋鞠。

 原作ではクモリ及び彼と契約した大妖怪『妖鳴』の監視のために京都より派遣された退魔師の家系の少女。

 

 一見元気で明るい少女だが実はそれは仮の姿。本来の姿は退魔師の名家、霞儀家の次期当主候補。民間人の命より霊を祓うことを優先する家の方針、娘を退魔の道具としか見ていない両親。様々な要因により彼女は退魔師としては冷徹な仕事人として振る舞う……が。

 本来の彼女は心優しく自分よりも誰かの命を優先してしまうような人間なのだ。しかしだからこそ、自分の家族からの期待を裏切るような真似ができずそんな現実に苦しみ続けていた女の子。

 

 しかし主人公であるクモリとの関わりの中で次第に自分の進むべき道を見出していき───。

 

 と言った感じの転校生系ヒロイン。

 

 つまり、クモリが契約前に死んでいる以上この街に居るはずがないのだが、それは乙葉がキズガミに目覚めたように、クモリの死以前に起きた『原作改変』ということだろうか。

 

 しかも、原作より強い……いや、原作初期の悩んでいた時期ではなくそれが吹っ切れた状態になっている。

 

 緋鞠のキズガミ『夜一口』は、龍を象った式神型のキズガミだ。

 原作初期では氷の鎧を纏った姿だったが、クモリと共闘しての『疵騙り』との戦闘で覚醒し炎を纏ったはずだ。

 

 共闘どころか一人で圧勝してるし既に燃えてるんだけど。

 

 

「いやほんと、なんて言えばいいんだろうなぁ? アタシは君を殺すんじゃなくて、君の元に帰りたいというか、そうすると結果的に君が死んじゃうだけで」

「くそっ、許せねぇ愛憎輪界(ヒロインズ・タービン)!」

 

 きっとこれもあの原作者の考案した全自動乙女の純情弄びタービンのせいに違いない。そのせいで、緋鞠は錯乱してしまっているのだ。

 元はこの作品のヒロインには珍しく、純真で良い子だったと言うのに。

 

「待って待って! 愛憎輪界(ヒロインズ・タービン)は関係ないの!」

「っ!? 貴方、今なんて言った?」

「あ、そっちの女の子には興味無いから返答しなくていい?」

「吟一、こいつやっぱ足の引っ張り合い負けヒロインスパイラルの一員よ。この口の悪さ間違いない」

 

 いやそれ以前に今、コイツ愛憎輪界(ヒロインズ・タービン)の名前出したよな? 

 

 この名称はこの世界の用語でも、原作で使われた単語でもない。レアが勝手に名付けていて、この世界で改めて俺に教えてくれた名前。つまりこの世界の汚鳥レアか、俺たちの前世世界での虎落逸軌。どちらかと関わりがある人間でなければ知ることは出来ない名前なのだ。

 

「アンタ、その名前をどこで?」

「んー、情報は大事だよね。だから言えないかな。そっちがアタシの利になることをしてくれたら、ね?」

 

 ……なるほど、つまり殺させろということか。

 

 可愛い笑顔の裏になんて残虐性。

 あの霞儀緋鞠をここまで狂わせるなんて、やはり恐ろしいぜ愛憎輪界(ヒロインズ・タービン)。こんな仕組みを作ったやつは信じられないくらい性格が悪いに違いない。

 

「……なんか、私の時と反応違くない?」

「だってお前、殺しはしないけど普通に俺の四肢をへし折るくらいやるだろ」

「やるけど……女の子なのよ私?」

「その返答で女の子扱いしろは無理がある」

 

 とにかく、結局戦闘は避けられないようだ。

 理由は不明だが、緋鞠は俺に殺意を抱いている。そして恐らく、いや間違いなくそれは愛憎輪界(ヒロインズ・タービン)の影響だろう。

 

 つまりは一度キズガミを破壊さえすれば、その影響は打ち消すことが出来る。

 

 勝てる可能性は低いが、相手の力量を知るのも大切なことだ。

 

 乙葉とアイコンタクトして、この戦いの目的は相手の能力の調査。つまり小手調べの撤退戦。逃げながら戦う準備をしようとした時、緋鞠が口を挟む。

 

「だからぁ。アタシは君達を殺したいんじゃなくて……まぁ、お願い聞いて貰えるならいっか」

 

 殺すつもりは無いと言っているが、あって開口一番に殺害宣言をしてきている。

 俺を守ると言いながらその手段が監禁になっていた乙葉のように、欲望が肥大化しているのか、或いは何かがズレているのか。その精神の変調を知ることが出来れば、ある程度彼女の身に起きた原作とは違う異変の辺りが付けられるはず。

 

 そうして、彼女は開戦の火蓋代わりの言葉を───

 

 

「君に、私のママになって欲しいんだよね」

「…………?」

 

 

 何を言ってるんだ? 

 

「俺は男だ。ママにはなれない。悪いがそれは乙葉に頼んでくれ」

「え?」

「いや、そっちの子……乙葉ちゃんか。乙葉ちゃんはママになるにはちょっと無理がある」

「アンタ喧嘩売ってんの?」

 

 やはり愛憎輪界(ヒロインズ・タービン)による影響なのか……? 

 乙葉とは比べ物にならないくらいに狂い果てている。本当にこれを元に戻せるのかちょっと不安になるし、あまりにも狂気的で鳥肌が立ってしまった。

 

「よく女の子がママ扱いされるけど。赤ちゃんがどこから来るかって言われたら男の人の方から来ると思わない?」

「ごめん何の話? ねぇ吟一これ何の話なの?」

「落ち着け乙葉、これは愛憎輪界(ヒロインズ・タービン)のせいだ!」

 

 そうだ、愛憎輪界(ヒロインズ・タービン)のせいに決まってる。

 そうだ、そうなんだ。そうじゃなければ彼女がこんなことを言うはずがない。

 

 

 ───健気で頑張り屋で、炎のように煌めきながらも引っ込み思案な、『キズガミ』で一番の俺の推しキャラがこんなこと言うはずがない! 

 

 

「だからアタシは思ったの。───真のママとはパパであると」

「吟一、悪いけど多分アイツ」

「やめろっ! 全部ヒロインでタービン回したやつが悪いんだよ!」

「アタシおぎゃってバブって赤ちゃんになりたいの! 退魔師の仕事ってすごく大変だから、何もかも忘れて赤ちゃんになれる場所が欲しい! そして、君はすごくママみがある。だから……」

 

 雲間からさす月の光が緋鞠を照らす。

 それはまるでスポットライトのようで。物語の主役のようで。そんな彼女が俺に手を伸ばし、共に舞台に立とうと誘ってくる。

 

 

「君はママになれるッ!」

「なれるわけねぇだろ!!!」

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

「そんなわけで、退魔師って閉鎖的な環境だからさぁ。龍のキズガミが顕現したアタシの精神を不安定なまま育てるために窮屈な生活を強いられて。それでアタシは思ったの。……本当の母性を感じたいって。でもアタシは女の子だからか、女の子からはバブみを感じられなくて」

 

 心霊スポットの真ん中で、怪談話よりもずっと恐ろしい性癖の話を緋鞠はし始めた。

 

「そんな窮屈な退魔師生活をしてる時、ある人が私の前に現れてね。その人は愛憎輪界(ヒロインズ・タービン)っていうものの存在と、この街での霊退治を依頼してきて……それはそうとみんなママと言えば女の子を指すけどさ、女の子の体って柔らかいけど細くてちょっと安心感なくない? その点男ママの体は固くて太いから安心感から違う。やっぱりばぶっておぎゃるには自分の全てを任せられる安心感が必要だよね。ただ……」

「ただ……じゃねぇんだよ。何続けようとしてんだ」

「ただ、胎内回帰するためにお腹を開いたら、男の子は死んじゃう!」

「それ女でも死ぬよね?」

 

 何が重要なことを話してる気がするのだが、全く頭に入ってこない。全ての情報が極めて無駄なバブみ学の知識で上塗りされてしまう。

 なんだ? 何が起きてる? 何も理解できないししたくない。

 

「へ、へぇ……変わってるわね。いいんじゃない? 個性的で」

「え!? あなたももしかして男ママからのバブみに興味が!?」

「興味はあるかな。その異常な思考に至った過程とかに」

「語ると長くなるけど、あれはアタシが7歳の頃……誕生日なのに任務にいかされた帰り道、お父さんに肩車されている同い年くらいの男の子がいたの。そしてアタシはそこで思った……。あんな風に父親に愛されて育った子供はきっと将来同じように自分の子供に愛を注ぐんだろうなぁって。つまり、アタシのママになってくれるって」

接続詞(つまり)って文を接続するためにあるのよ?」

「接続ってエロくない? おしゃぶりみたいで」

「ふーっ……なんか一理ある気がしてきたわね」

 

 乙葉ですらレベルの高い変態にはついていけず、脳がキャパオーバーを起こしつつあった。

 

 これが……危険度B! 

 人呼んで、解剖解明快活灼炎龍、霞儀緋鞠! 

 

 こんな怪物が育っていたなんて全くの予想外だ。これはもう原作崩壊とかのレベルじゃない。ギャグオンリーの同人誌だってここまでえげつないキャラ崩壊はさせないぞ。

 

 …………でも、よく考えたら性癖がえげつないだけではあるんだよな。

 言ってることは理解できないし、性癖がやばいけれど、一応話は通じてるし何より攻撃もしてこない。

 

 しかも、めちゃくちゃ大事なことも話している。

 

「少し話を戻すが……」

「え。胎内回帰?」

「マジで胎内で耳の形成やり直してこいよ。……じゃなくて、アンタに依頼をした人物って何者なんだ?」

 

 愛憎輪界(ヒロインズ・タービン)についての知識を持ち、クモリが居ないことで本来なら来るはずのない彼女をこの街へと呼び寄せた何者か。

 

 この人物の正体によっては、俺たちは行動方針を変える必要が出てくる。

 

「……ママになってくれる?」

「さっきも言ったが俺はママになれない。見ろこの右腕。こんな手じゃ子供をあやすことも出来ない。……うん、そうなんだよな。うん」

 

 自分で言ってあれだけど、そういや俺右手欠損したんだよな……。

 幸い両利きだから良かったけれど、それでも片手がない生活はここまで来るのにも不便だった。

 これからもしも誰かと結婚しても、自分の子供すら満足に抱くことが出来ないと考えたらなんかちょっと鬱になってきた。

 

「分かるよ……その気持ち。アタシも、愛されたことがない自分が、赤子として親に泣きつくことも許されなかったアタシが赤ちゃんになれるとは思えなかった。でも───アタシ達はなりたいものになっていいって教えてもらったんだ」

 

 そう語る緋鞠の目は極めて真面目で、まるで教え子のことを真摯に考える熱血教師のようだった。間違いなく、今彼女は俺の悩みに真剣に寄り添ってくれている。

 

「だから、あなたが望むならきっとあなたもママになれる! アタシも赤ちゃんになれる! だから!」

「ッ! ああ! それはそれとして俺はママになれないから乙葉にあたってくれ」

「え?」

「好みじゃない」

「ホント屈辱的だから私に話振るのやめてくれない?」

 

 ママにはなれないとは思うけど、ちょっと元気が出た。

 そしてやっぱり彼女はちょっとバブみを求め過ぎてるけれど、根底は誰かの痛みに寄り添う事ができる『霞儀緋鞠』その人だ。

 

 ほんの少し、ほんの少しだけ出力がおかしくなってしまっているだけで、彼女は原作を読んだ時に俺が憧れた───強くてかっこいい女の子なんだ。

 

「───霞儀緋鞠。真面目な話だ、聞いてくれるか?」

「もちろん。ママ候補の言うことなら、胎内でクラシックを聴く赤ちゃんのように真面目に聴くよ」

「多分コイツにとって最上級の真面目がこれだから気にしない方がいいわよ」

 

 本当にそうなのかなぁ? 

 でも乙葉が言うならそうなのかもしれない。女の子って難しいなぁ。

 

「俺達の友人、上宿クモリってやつが先日亡くなってな。そいつが死んだことによって、そいつに惚れていた女の子の何人かが、愛憎輪界(ヒロインズ・タービン)ってのが壊れた影響でおかしくなっちまったんだよ」

 

 愛憎輪界(ヒロインズ・タービン)のことは知っている。加えて、謎の依頼人からこの街の霊の討伐も依頼されていたと来た。

 依頼人は、恐らくクモリが死ぬことによって起きる影響を予想していたんだ。

 

「その女の子達を止めるのは、ぶっちゃけ俺たちだけじゃ厳しい。ママになることは難しいけれど、他にできることは何でもする。だから───」

「じゃあお腹切ってみて?」

 

 霞儀緋鞠は、まるで放課後の教室でお喋りでもするかのような軽い調子でそう言った。

 先程胎内回帰だのバブみだの、変なことを宣っていた時と何ら変わりはない。むしろ熱くなって語っていたさっきよりもリラックスしてるくらいだ。

 

「お腹を切るだけなら、すぐにアタシが処置すれば死なないから。君がアタシのママになれなくても、それくらいアタシに何かを捧げる覚悟があるって見せてもらいたいなぁ〜って」

「……さっきまでの発言は冗談で済ませてあげるけれど。何? アンタ、私の幼なじみを()()()()()()()?」

 

 いつの間にか乙葉の手には『慚愧ノ玻璃』が握られており、その切っ先は緋鞠へと向けられていた。

 臨戦態勢。既に乙葉はその気になればあとは体を動かすだけで緋鞠を殺しに動ける。彼女の精神は、既に緋鞠を殺すことを躊躇う段階を飛び越えている。

 

 乙葉にとっての地雷が、俺やクモリの遺志が傷つけられることなのはわかっている。だから、今の発言は10割でそこを踏み抜いた緋鞠が悪い。乙葉が怒るのも仕方がない。

 

 ───だが。

 

 

「うぇ!?」

「───吟一!?」

 

 

 カバンから取りだしたナイフを、腹に突き刺す。

 傷口が焼けるように熱く、右腕がぶった切られた時のあの激痛がフラッシュバックして一瞬意識が飛ぶ。だがすぐさま、痛みによって意識が覚醒させられる。

 

 やべぇ、痛え痛え痛え! 

 思ってたよりずっと痛い! 神経をナイフの冷たさが刺激するせいか腕が切れた時よりも痛いし、血が吹き出してどんどん体が寒くなる。しかも内臓を傷つけたのか喉の奥から血がせりあがってきて、空気まで血の味がする。

 

「ちょ、なにやってんの吟一! こんな変態の言うこと真に受けるなんて!」

「俺が、腹を切るだけで、この戦力が手に入るのは、あまりに安い」

 

 霞儀緋鞠の戦闘能力は、俺達には無い切り札になり得る。この先さらに凶悪な原作の敵、あるいはヒロイン、そして何より汚鳥レアと敵対した場合、必要不可欠になる。

 加えて彼女の性質は変態な点に目を瞑れば『善』によっていることは目に見えている。そもそも、乙葉を引き込むのに腕一本だったのだ。

 

 元から俺は、ヒロインを誰か一人でも仲間に引き込めるなら死ぬ以外なら何をしてもいいと思っていた。

 

「あー、……あー! 夜一口、『巻』!」

 

 緋鞠がそう叫び、彼女のキズガミ『夜一口』がとぐろを巻いてから口を大きく開いて咆哮する。

 そのあまりの声量は俺の意識を揺らし、ゆっくりとそれを闇に沈めていき……。

 

 

 

 

 

 

「はい。ストップ。別に冗談だったんだけどなぁ……。アタシの話なんて誰も真面目に聞いてくれなかったし」

「あれ?」

「……なによ、これ?」

 

 ナイフを腹に刺そうとしていた俺の腕を、いつの間に目の前に移動していた緋鞠が止めていた。

 それはまるで、時間が巻き戻ったとしか表現のしようがない。予想を超えた緋鞠の能力に、俺も乙葉も呆然としてしまった。

 

「だいたいよく考えてみて欲しいんだけど。アタシは胎内回帰したいのであって、傷つけたいわけじゃないんだから脅しだって分かるでしょ……困ったな。受け入れるつもりなんてなかったのに、さすがに今の見せられちゃ断れないじゃん」

 

 手元に招いた『夜一口』の頭を撫でながら緋鞠はうんうんと唸り続け、そして何かを閃いたかのように。

 

「吟一……あなた、吟一って言うんだよね?」

「……そういや、自己紹介してなかったな。倉木吟一だ。そっちのことは知ってるよ、霞儀緋鞠」

「なるほどねぇ。よし、OK!」

 

 これまでの頑なな態度が嘘のように、緋鞠はあっさりと承諾の言葉を口にしてしまった。

 

「え、いいの……?」

「ウンウン。アタシ、勇気ある子は好きだもん! そっちの乙葉ちゃんだっけ? あなたも絶対アタシに勝てないのに立ち向かおうとしたの素敵だったよ!」

「もう腹立てるだけ無駄ねコレ。汚鳥レアとは違う意味で、自分の世界観が構築されているやつだわ」

 

 あまりに急に態度が変わった……ように見えて、平常運転。なのか?

 何を考えているかと言うより、このタイミングでなんであんなことを考えていたのか。やっぱり彼女もどこか狂っているのか? 

 

 分からない、が。

 敵意というものは感じられないし、こちらとしても願ったり叶ったり。

 

「じゃあ連絡先を交換しておこう。あと、連絡はこちらからでいいか? そっちから連絡されると原作者(きかれたくないやつ)に話聞かれるかもしれないし」

「いいよ。わー、男の子の連絡先なんて始めてだ! みんな連絡先聞くと何故か自分のスマホで110番するからね」

 

 事は上手く運んでるんだけど、俺の好きなヒロインが警察に通報されるタイプのヒロインになってんだよね。

 

 でも、色々していた準備も杞憂に終わり悪霊は消え、ついでにヒロイン一人を敵対すらせずに仲間にすることが出来た。

 

「ところで、この辺りでオススメのベビー用品店ってどこ?」

「なんで普通の男子高校生がそれを聞かれて答えられると思うの?」

「やだなぁ。あたし達、もう仲間でしょ?」

「吟一、アンタ泣いてるの……?」

 

 何もかも上手くいってるのに、どうして俺はこんなにも悲しいのだろうか。

 でもやっぱり緋鞠が一番この作品のヒロインで面がいいと思うよ。

 

 

 

 

 

 

 

 






《霞儀 緋鞠》
家族構成:母、父、兄(故)

元気はつらつ、転校生系ヒロイン。
複雑な家庭事情、退魔師と日常、転校生とモリモリであり実際にモリモリな人気のヒロインでもある。
主人公と共に色々なことに悩み、時に励まされ時に励まし、第二の相棒として協力することも多く、ビジュアル面で強いキズガミ『夜一口』を織りまぜた戦闘回は毎回アンケートの調子が良かったらしい。

しかも閉鎖的な退魔師の家系にいたこともあり世俗に疎く、お嬢様キャラまで持ち合わせている盛りっぷり。しかし家庭環境とそれによって生まれた歪みは生々しく、その面のキャラが強く出てそう言ったキャラクター性を発揮する機会は少なかった。

だが、本作でやつは弾けた。
何をどこで間違えたのか男に母性を見いだしてママとしてばぶっておぎゃることに命をかけている。
しかし乙葉と比べて襲ってきたりしない程度には正気で、かつ愛憎輪界(ヒロインズ・タービン)という単語を知っている。

悲しいことに、かなり正気め。
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