ダンジョンで修行するのは間違っていない   作:カユ

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実は当初の予定では幼少期にアイズと絡ませるつもりは無かったんです。ですが、アイズ・ヴァレンシュタインが急に誰かのことを好きになるというところが想像できず…(実際原作だと18巻まで進んでも、気になっているや可愛がっているという感じはしても、ベルのことを好きとは表現されていないんですし)ちょっとでもアイズが主人公を好きになる過程とかを書きたいと思ったので変更したという裏話があります…
実はアイズの幼少期を知る為に慌ててソードオラトリア9巻を買って読みました。


月下の誓い
第五話  予感


side妖精の王女(リヴェリア)

 

 

今回の事の顛末はこうだ。

【ステイタス】が上がらなくなったアイズはより強くなる方法、つまり【ランクアップ】の方法を知りたがったが、フィン達との話し合いの結果、今のアイズに偉業の達成を教えるのは危険だ、と判断した。しかし、どこぞの軽薄な神がアイズに教えてしまい、アイズは一人での迷宮探索(ダンジョンアタック)を決行してしまった。

 

そこに───邪神が現れた。

その邪神はアイズに力を与えるなどとのたまい、闇派閥(イヴィルス)に勧誘した。それを断られた邪神はあろうことか迷宮内で【神威】を解放した。

迷宮(ダンジョン)は神を憎んでいる。自らの中に入り込み神の力(アルカナム)を使用した神を滅ぼさんと()()()()()()()()を生み出した。

 

私が駆け付けた時アイズは死ぬ直前だった。教えていなかった【エアリアル】の存在を叫べば、アイズはその強力すぎる魔法の力を使い黒いワイヴァーンを倒してしまった。

そうして、アイズは弱冠八歳にしてレベル2へと至った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「今回は流石に何のお咎めも無しというわけにはいかない。それはアイズも分かってくれるかい?」

 

「うん…」

 

フィンが柔和な笑みで言ったことに、アイズは俯きながら小さく返事を返す。

ロキ・ファミリアの拠点である、黄昏の館の団長室にてロキやフィン、ガレスの四人で話し合ったことを伝える。

 

「罰としてアイズには一月ほど剣士の聖地ヴァルサにリヴェリアと行ってもらう」

 

「ぇ?」

 

「これは決定事項だ。変わることはない」

 

「な!なんで!?そんなの絶対に嫌!私は…!ダンジョンでもっと強くならないといけないのに…!!」

 

俯いていた顔を上げてフィンを睨むアイズ。みなアイズの悲願(ねがい)は知っている。そのうえで()()()()()()()()と判断した。

アイズに目線を合わせて言う。

 

「アイズ、私たちだってお前の強くなりたいという思いは知っている。だからロキだってお前に神の恩恵(ファルナ)を刻んだのだし、私たちも家族として受け入れた。なぁ…アイズよ、私たちが家族を心配することはいけないことか?」

 

「で、でも…」

 

「だから───お前ができるだけ安全に偉業を成すにはどうすればよいのかを考えた。そして、お前のレベル以外の力、業をさらに上げれば良いという結論に至った。剣士の聖地と呼ばれるヴァルサならば、お前はさらに上にいけるはずだ」

 

「それと、今回の事件があった以上君をオラリオ(ここ)においておくのが怖いという理由もある。彼は誘いに乗らなかった君を【神威】を解放してまで始末しようとしたわけだからね。今回僕たちは闇派閥(イヴィルス)の対応に追われてリヴェリアしか助けにやれなかった。」

 

フィンが理由を付け足す。正直ここまで理由を話してもアイズが頷くかは賭けだ。なにせこの子ならせっかくレベルが上がったのだから、迷宮に籠って【ステイタス】を上げた方がいいと言いかねん。

 

「…そこにいけばほんとうに強くなれる?」

 

「あぁ、それは保証しよう」

 

「わかった。じゃあ、行く」

 

悩む様子を見せながらも、私の顔を見るとアイズは頷いた。それと同時にアイズ以外の全員が安堵の息を吐き脱力した。

 

「ぃよっし!!ナイスやリヴェリア!完全に子供を心配するお母さんの顔やったで!さすがのアイズたんも今の顔にはイチコロや!!」

 

「誰がお母さんだ。アイズ、出発は明後日だ。この話を知っているのはここにいる私たちだけだ、他の団員には言ってはいけない。いいな?」

 

こくりと頷き部屋を出ていくアイズの腰には「アイズたんの柔肌を一か月は触れなくなるんやから今のうちに堪能させてや~」などと言いながら引っ付いてるロキがいるが気にせず引き摺っている。

 

アイズとロキが出ていくと、今までずっと黙っていたガレスが髭を触りながら口を開く。

 

「それにしても九魔姫(リヴェリア)と仮にもレベル2になったアイズがオラリオの外に出るのをよくあのロイマンが許してくれたのぅ」

 

「ロキが言うには、ずっと強制任務(ミッション)だの冒険者依頼(クエスト)だの受けているのだから文句は言わせない、とのことらしいよ」

 

「それだとあやつが顔を真っ赤にして怒っている姿が想像できるのぅ」

 

がっはっはとガレスが愉快そうに笑う。フィンが真面目な顔に切り替えてこちらを見る。

 

 

「それじゃ、アイズを頼んだよ」

 

「───あぁ、任せろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

side 剣神(もう一人の保護者)

 

 

 

「なぁ飛鳥、剣士の聖地ヴァルサって知ってるか?」

 

「知りません!けどなんですかそのワクワクする名前の場所は!?」

 

普段は大人しい癖に剣の話になると急に子供らしくなる飛鳥。正直もっと子供らしく色んなことに興味を持って欲しいと思うのは()として仕方ないことだろう。

結果的に会話は基本的に剣の話になる。

まぁ取り敢えず剣の話をすれば元気になるのでそういう扱いやすいところはまだまだ子供と言える。

 

「古代に多くの英雄たる剣士を輩出した地だ。今も多くの剣士が集い日々修練を重ねていると聞く」

 

「英雄…剣士…!」

 

飛鳥のきらきらした目を見つめながら言う。

 

 

 

 

「飛鳥!旅に出るぞ!行き先は、剣士の聖地ヴァルサだ!!!」

 

「えぇっ!!??」

 

 

 

 

 

 

 




最初のアイズのレベルアップのお話はソードオラトリア9巻の内容です。そちらの主題は「家族愛」といったものでしたが、こちらでは敢えて書きませんでした。ぜひ原作の方を読んで確認してみてください…!あぁこうやってアイズはリヴェリア達を家族として受け入れていったんだなぁって思いました。

いよいよやっとアイズ(幼少期)と出会います…、
当初の予定じゃ三話目ぐらいで15歳ぐらいになっててオラリアにいる予定だったんですけどね…

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