呪術廻戦16巻より引用
呪力操作と呪力の核心に迫るうえで避けては通れないものが黒閃だ。黒閃とは、打撃の誤差0.000001秒以内に呪力が衝突した瞬間、空間が歪み、呪力が黒く光る現象を指す。威力は平均で通常の2.5乗であり、黒閃を狙って出せる術師は存在しない。とされている。黒閃を経験した者とそうでない者とでは呪力の核心との距離に天と地程の差がある。
ポテンシャルが引き出され、なおかつ威力2.5乗に引き上げられる打撃である。作中術師でも限られた人数しか経験していないが、余程再現性に難があるようだ。例えば、呪力を纏った銃弾を100万発相手にぶつける、という実験をすれば数回程着弾地点は黒く光りそうだが、そういう小狡い真似で呪力の核心に迫れるものだろうか。思うに呪力操作の感覚、攻撃の意思、そして自らの拳や足、呪具など、様々な条件が語られずとも定まっているのだろう。呪力を纏った弾丸が誤差なく呪力と共に衝突を起こし、黒く光る現象が起こるかどうか。恐らく弾丸に込められる呪力量は限られ、なおかつ呪力衝突時に、呪力を操作する感覚を会得するのは難しいと思われる。一方手に持った呪具による打撃を比較すると、これは分かりやすい。腕に握った呪具まで呪力を流し操作する感覚は、術師であれば掴める筈だ。そこに例の閃光が走れば大成も望めるだろう。しかし、なぜゲーム中にあたかもレベルアップしたかのように、偶然起こる現象で術師としての段階を上がることができるのか。このことについては様々な解説が作中なされているが、呪力の味について著者はもちろん知りようがないので、独自の解釈と空想を混ぜて理解する必要がありそうだ。
黒閃という現象について、より深く掘り下げてみよう。打撃と呪力2つのものが標的にぶつかり、空間が歪み、呪力が黒く光る。このような現象において、通常時には見られない結果は明らかである。空間の歪みと呪力の黒い発光である。空間の歪みとは、恐らく重力によるものだろう。衝突時に呪力は重力に変換され、それが空間に歪みを起こす。黒い光について、術師の色覚や可視光線の範囲など詳しいことは不明であるが、人が黒と認識する波長の光が呪力によって発していることが予想される。黒と認識する波長の光とは想像しづらいが、何せ呪いを認識できるもの達である。こればかりは受け止めるしかない。さらに、通常時よりも衝突時の威力が増していることについても触れよう。呪力が打撃とともに衝突することで呪力が重力及び発光し何らかのエネルギーに変換されうることは見て取れるが、威力も増している。呪力が変換され消費されてもなお、通常時よりも威力が増す原理自体については知る由もないが、恐らく呪力から衝突エネルギーへの変換効率が増加しているのだろう。2.5乗という数値についてはインパクト重視とはいえ、単なる掛け算的な増加よりも指数的な増加が強いことは感覚的に掴める。この呪力変換効率を呪力操作によって一度でも経験することで、呪力の核心に迫ると表現しているのではなかろうか。
何故か屁理屈をこねくり回すうちにそれっぽい結論が出たが、著者の独自解釈が読者の原作理解に少しでも貢献出来れば幸いである。
※呪霊である真人も黒閃を経験していることから、呪力で構成された体と呪力の2要素で標的に衝突することでも黒閃が起こることが分かります。また、五条先生の呪力操作を持ってしても黒閃を狙えないとなると、衝突時の誤差以外に何か呪術的要素も潜んでいそうですね。