呪術廻戦14巻より引用
前章では呪力の核心に迫る黒閃について考察した。呪力衝突時のエネルギー変換効率増加現象、と長たらしく言えばそうなるだろう。作中では呪力のみを出力しぶつける描写も見られるが、何らかの呪力エネルギー波(のようなもの)によって衝突が生じるのだろうか。呪力を媒体するものは実在の物質なのか?それとも、作中世界観においては未知の粒子が呪力を帯びているのか?この点について著者は独自の解釈で答えを求めた。
呪力を帯びた粒子、仮に呪力子としよう。この呪力子が呪力を帯びることで様々な術式及び現象を引き起こしている。と著者は空想した。しかしこの空想は程々に整合性がとれていると思われるので、何とか読者の皆様は続きを聞いて欲しい。
そもそも呪力子とは何なのか。
実体が熱を帯びたり、電荷を持ったりすることから、同じく実体に呪力という仮想エネルギーが流れたり帯びたりするものではないのか。こういった想定も当然読者の方々は持っているだろう。原子というモデルでは、振動による運動エネルギーを持つことも理解できるし、電子の移動によって電荷もまた増減するだろう。よって、実在の原子が呪力エネルギーを持ち、それが他エネルギーに変換されたりすることで呪力強化などに用いられる。という想定だ。この想定では、呪霊の存在と反転術式の存在を説明することが難しくなる。
呪霊は呪力によって形作られる。これは原作中で明示されており、この呪力体とでも表される体は呪いを認識不能な常人には視認もできない。しかし触ることはできるようだ。この奇妙な現象は、呪力体が何で形作られるのかを解き明かさねば分からない。呪力で形作られるということは、どういう状態なのか。呪力を帯びた空気やちり、水や砂が固まって呪力体を作るのか。
しかしこの予想は違うと考えられる。真人が呪力操作を行い黒閃を引き起こしているように、呪力体と呪力は別のものとして扱われている。呪力を帯びた実在の物質(呪力体)と呪力が100万分の1秒以内の誤差で…と表記すると、呪力を帯びた物体にさらに呪力を流している、という表現になってしまい、これは芥見下々先生の意図するものではないだろう。
やはり、呪力体は呪力物質(あるいは呪力子)のような未知の物質で構成されていると表現すべきだろう。
反転術式には、正のエネルギーというこれまたややこしい用語が登場するが、肉体の再生という点についてのみ述べることにする。肉体の再生においては、明確に欠損部位が元通りになる描写が作中でされている。
これは、血肉を構成するタンパク質や、骨の材料となる金属元素など、明らかに空気中から補充するには難しい物質が大量に生成されている。この描写はやはり、反転術式が物質を生成することを意味しているようだ。呪力を帯びた物質が核融合核分裂を繰り返して…という線も無くはないが、その場合発生する熱をそのまま放出するだけで並の術師は焼ききれるだろう。呪力子が2個ぶつかり合い(反転術式は呪力を2倍量消費する)、原子を生成している。という説明が腑に落ちる。その場合、反転術式の使用の難しさも納得できる。何せ原子を作って肉の形を作るのだ。
上記2つの観点から、呪力子の存在は有力そうだ。
ついでに呪力特性についても触れておこう。作中のある術師の持つ呪力は、電気と同質の性質を持ち、電荷分離や電気分解まで可能としている。これらは呪力子に呪力の特性とともに、電子のような電荷を持つ特性も備わっているのだろう。そうすれば、実際の物質を電気分解する現象も、電気そのものの性質が行っているものと分かる。
また、他のやつよりザラつくという特性を持つ呪力もあるようだ。この呪力子は他呪力子よりも、他物質の相対運動を妨げる(つまり摩擦)力が大きいという特性があるのだろう。
上記の考察はなるべく原作中の描写や解説を元に行ったが、著者の独自解釈であることを今一度認識してもらいたい。納得感を覚えていただいたうえで、読者の今後の原作理解や創作の力になれば幸いである。
※作中でも呪力を電気に例えているので、電子を呪力子に置き換えてみたらいい感じかもしれません。呪術廻戦は勢いとノリで読んだ方がいい。