ポケットモンスター~転生者達の冒険~   作:九戸政景

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第十四話 ジムリーダータケシとの出会い

「さて……そろそろジムに行くか。レッド、準備は良いか?」

 

 

 特訓をした翌日、ポケモンセンターのロビーでユウトからそう訊かれた。準備はとっくに出来ていたため、俺は拳を軽く握りながら答えた。

 

 

「ああ! もちろんだぜ!」

「ん、了解。それじゃあ出発するぞ」

「おう!」

「ピッピカチュウー!」

 

 

 そして俺達はポケモンセンターを出て、ニビジムへと向かった。

 

 

「ここがニビジムか……」

「そのようだな」

 

 

 ポケモンセンターから歩いて数分後、俺達はニビジムの前に着いた。ニビジムは思ったより大きく、初めてのジム戦ということもあってか、その威圧感は凄かった。

 

 そんな中、ユウトとルカはいつも通りの調子だった。

 

 

「よし、行くか。ジムの前にずっといてもしょうがないしな」

「ピカピカチュウ」

 

 ユウト達の落ち着きように少し疑問を覚え、俺はユウト達に質問をした。

 

 

「……ユウト達は緊張しないのか?」

 

 

 すると、ユウトは少し不思議そうな顔になったが、すぐにいつも通りの顔に戻って言った。

 

 

「俺達だって緊張はしてるよ。でもさ、この先に強いトレーナーが待ち構えてるんだぜ? そう考えたら緊張よりもわくわくの方が強くなってきて、緊張なんてしてられないってなるんだ」

「ピカピカチュ」

「たしかに俺達のスタイルがそれだからな。それにせっかくのジム戦なんだ、緊張していつも通りの力が出せないよりも、楽しみながらやった方が俺達にとってもポケモン達にとっても良い気がするんだ」

 

 

 ユウト達の話している様子を見て、俺の緊張がだんだんほぐれていくのを感じた。正直まだ緊張はしている、でもこうなったらユウトの言う通り、楽しんでジム戦をした方が良いのかもしれない。

 そう思った俺はユウト達の方を向きこう言った。

 

 

「ユウトの言う通りかもしれないな。緊張しすぎていつも通りの力が発揮出来なかったら、一緒に頑張ってきてくれたポケモン達にも申し訳無いしな」

 

 

 俺は一度言葉を切り、フレイ達との事を思い出した。あいつらとは一緒に頂点を取るって決めたんだ、こんなところで止まってなんていられない。

 そしてユウト達に向かって言った。

 

 

「だから俺も楽しんでみることにするよ。俺もその方がいつも通りの戦い方が出来る気がするからな」

 

 

 俺の言葉を聞き、ユウト達は一度顔を見合わせたが、すぐに笑顔になり、俺の方を向きこう言った。

 

 

「そうだな。それにその方が俺達らしい気もするしな」

「ピカ。ピカチュウ!」

「そうだな。よし、行こうぜ、レッド!」

「おう!」

 

 

 俺からの返事を聞き、ユウトはジムの扉をノックした。

 

 

「すいません、ジム戦をお願いできますか?」

 

 

 するとジムのドアが開き、中から人が出てきた。

 

 

「おや……君達は昨日、ポケモンセンターのバトルフィールドでバトルをしていた子達じゃないか」

 

 

 中から出てきたのは黒い髪をトゲのように立たせた、細い目の男の人だった。というか昨日の特訓を見てたのか、この人は。

 

 ユウトもそう思ったのか返事をした後にその人に質問をした。

 

 

「はい、そうですけど……俺達の特訓を見てたんですか?」

「ああ、通りがかりにだけどね」

「なるほど……」

 

 

 ユウトは少し考え込むような仕草をしたが、すぐに顔を上げて言った。

 

 

「因みにジムリーダーの目からはどんな風に見えました? ニビジムのジムリーダーのタケシさん」

 

 

 ……え? この人がこのジムのジムリーダーなのか?

 

 俺がそんな疑問を抱いていると、タケシさんが顎に手を当てながらこう言った。

 

 

「そうだな……とてもよく育てられていると思ったよ。ポケモン達もトレーナーの君達をとても信頼しているようだしね」

 

 タケシさんはそう言いながら微笑んだ。ジムリーダーにそう言って貰えると、何か嬉しくなるな。

 

 そう思った俺はタケシさんにお礼を言った。

 

 

「ありがとうございます、タケシさん」

「ありがとうございます」

「いや、別に良いさ。さて、そろそろジム戦にしよう。俺に付いてきてくれ」

 

 

 そして中へと入っていくタケシさんに続いて、俺達はニビジムの中へと入っていった。

 

 

 

 

 ニビジムの中の通路は思ったより暗く、壁は岩でゴツゴツとしていた。岩タイプのジムだからなのかな?

 

 

「なあ、ユウト。ジムってそのタイプの特徴によって内装とか違うのかな?」

「まあそうだな。例えば水タイプのジムならプールがあるし、氷タイプなら周りが氷で覆われてたりはするな」

「やっぱりそうなんだな」

「ああ。そしてそれを利用してくるジムリーダーも多いしな」

「てことはタケシさんも?」

「たぶんな」

 

 

 俺達がそんな事を話していると、目の前に光が見えてきた。そしてその先へと進むと、ニビジムのバトルフィールドが見えてきた。

 

 

「さあ着いたよ。ここがニビジムのバトルフィールドだ」

 

 

 タケシさんにそう言われ、俺達は周りを見回した。そこはとても広い空間になっていて、地面には幾つかの大きな岩が置かれていた。

 

 

「ここで俺達はバトルをするんだな……」

「そうだな……」

 

 

 ユウトは返事をしながら、何かを探すように上を見上げていた。

 

 

「何か探してるのか?」

「ん? ああ、ちょっとな……」

 

 

 何だろう? 気にはなるけど、まあ後で訊けば良いか。

 

 俺がそう思っていると、タケシさんが俺達の方へと歩いて来ながら訊いてきた。

 

 

 

「さてどっちが先にバトルをするんだい?」

 

 

 そう訊かれ俺達は顔を見合わせた。

 

 

「どうする? ユウト」

「そうだな……俺達は後で良いぜ? 少し作戦を考えたいし」

「ピカピピカチュ」

「分かった。じゃあ先にやらせてもらうぜ」

「ああ。頑張れよ、レッド」

「ピッカ、ピカチュピカ!」

「ああ! 俺達の全力を出してくるぜ!」

 

 

 そう言った後、俺はタケシさんの目を見ながら言った。

 

 

「俺からでお願いします、タケシさん」

「ああ、分かった。そういえば名前を聞いてなかったね」

「俺はレッド、マサラタウンのレッドです!」

「レッド君だね。ではお互いに良いバトルにしよう、レッド君」

「はい!」

 

 

 俺とタケシさんは握手をした。そして握手を終えると、俺達は位置に着いた。

 

 

「それではこれより、チャレンジャーレッドとジムリーダータケシのジム戦を始めます。使用ポケモンは二体、どちらかのポケモンが全員戦闘不能になった時点で試合終了とします。そしてポケモンの交代はチャレンジャーのみ認められます」

 

 

 審判の人がルールを説明してくれる。バトルに出せるのは二体までか……それならコイツとコイツに任せよう。

 

 俺が考えていると、審判の人が俺とタケシさんの両方を見始めた。

 

 

「両者、準備はよろしいですか?」

「はい!」

「ああ!」

 

 

 俺達の返事を聞くと審判の人は一度頷いた後に大声で言った。

 

 

「それでは、バトルスタート!」

 

 

 こうして俺の初めてのジム戦が始まった。

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