アーカイブには映らない   作:ミステイク

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第十五話・夜明けの空

「私を先生と組んで一方的に攻撃し、連れ去った挙句碌に出番も活躍も与えず、瓦礫の下敷きにした上で超高度から地面に叩きつけた癖に一体何処に行くつもりだ」

 

 元々赤いスーツだが、撒き散らした体液の所為でドロドロの血塗れになり更に赤く染め上げられた。

 頭から爪先まで自分の身体は真っ赤に染まっている。

 

 グロテスクそのものだと、自分は立ち去ろうとするシロコを呼び止める。

 

「この服、結構高いんだぞ」

 

「……ごめんなさい」

 

「そう素直に謝られると皮肉の続きが言えないんだが……」

 

 先生によって助けられた、黒いシロコ。

 地上に無事送られたのは良かったが、彼女が何処へ行くのか気がかりだったので見つけられたのは幸運だった。

 

「どうして血塗れなの?」

 

「ああ? お前知らないのか? そうか、あっちだと死ねるのか? まあいいや、それちょっと見せてくれ」

 

 あちらの自分は不死身ではなかったのか、彼女が此処にいる事がその証明みたいなものか。

 

 そんな事よりもマフラーだ。

 擦切れ、汚れ、もう殆どマフラーとしての原型を保っていない布切れ同然のそれをシロコは大事そうに手に持っている。

 指差されたマフラーの破片を見たシロコは、おずおずとだが自分に見せてくれた。

 

「……ん」

 

 本編でシロコはマフラーを失くしてしまった、しかし何故かこの世界では持っている。

 欠片でも持っているのなら。

 

「これなら直せるな。うちに来い、ギリギリテセウスの船にならずに済む」

 

「……どうして……ひどいこと、したのに。わたしのこと、しらないのに」

 

 知ってるよ、知らないけど知ってる。

 説明しようにもゲームをプレイして知ってるなんて舐めた事を言うと空気ぶち壊しなので言わない。事実だが、到底信じられないだろうし、自分がゲームのキャラなんて言われても実感湧かないだろ。

 

「全部聴いてたよ、あと先生とも話した。ああ、お前の先生とだぞ」

 

「! そう……」

 

「ああ泣くな、ほら、帰るぞ」

 

 そうして手を差し出すと、一瞬目を見開いたシロコはゆっくりと手を取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ナガレが生きている、その可能性を見いだしたすぐ後に、別世界の砂狼シロコからの話を聴いたリオは確信に近い考えに至った。

 

「死人が出なかったのは奇跡、それどころか死者が蘇った……生きていたなら、どうして」

 

「……全部一人で背負い込んだか、どうしようもない状況に置かれているか」

 

 ヴェリタスの部室、リオとヒマリが珍しく二人きりで会談している。

 色彩を退けキヴォトスに平和を取り戻した、根本の問題は何も解決できていないが、少なくとも最悪の事態を回避することは出来た。

 

 そしてかつての友人の生存の可能性まで出てきた。

 

「とはいえ、証言者は飽くまでも別の可能性のシロコさん。全てが私達と同じ世界とは限りません」

 

「ええ、あの子が生きていた可能性の世界、というのもあるわ……でも」

 

「アリスとケイ、二人の名前が出てきた。シロコさんはある時期、あの子と一緒に、二人ともくらしていた。あの二人と一緒に暮らしているということは」

 

「【シロコがミレニアムに入ったか】、【あの二人をミレニアムに入らせた人物と一緒に居たか】」

 

 二人を見つけ出したのは誰か、彼女達と生活する人物とは誰なのか。

 もっとも身近な人物が居るはず。

 

「大子マヨイ……一体、彼女を何処に隠したの?」

 

 リオは自らと契約したロドスのCEOに、敵意にも似た感情を零した。




かなり短いですけど此処でとりあえず最終編は終わりです。
今後のストーリー、二部が終わって次の駅に行くまで続きは書かないで起きます。
おまけや気分次第で続きを書く可能性もありますけど。

その間に次回作を考えているのでそちらも良ければ楽しんでください。
同じブルアカで、次回作は普通に戦闘シーン多め、他作品の能力とかチートとか持って暴れるタグに違わない最強主人公を書きたいと思ってます。
オリジナルキャラクターもあまり活躍させられなかったのも反省点ですね。

それでは最終回ではありませんが、二部が終わるまでとりあえず最終話です。
ありがとうございました。
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