若い男がいる。無駄に大きな木刀を担ぎ、銀色に光る煙管を咥えた男だ。
年老いた男がいる。屈強な体つきを隠そうともしない、布を一枚だけ腰に巻いた男だ。
相対する二者。
勝負はについていた。いや、ついていた“はず”だった。
「呵呵呵呵呵。忌々しいことよのう。人間なんぞに致命傷を負わせれるとは。」
「致命傷ならさっさと消えてくれよ、めんどくせぇ。って、何してんだ爺カスッ。」
「なあに。ちと、別世界に飛んでもらうだけじゃよ。置き土産じゃ置き土産。」
「いやいやいやいや、そんな土産は冥土に持ってけよ!マジでッオイオイオイッ!」
「さらば!偉大なる探索者よ!」
「あっ、こいつ人の話欠片も聞かねぇや。\(^o^)/」
.......結局俺は光の濁流に飲み込まれ、気を失ってしまった。
「んぁっ」
間抜けな声とともに目を覚ました場所はやけに豪華な装飾が施されたエレベーターだった。
今まさに下の階へ下って行っているようだ。
「取り合えず情報収集から入るか。」
エレベーターがある、という点からみて文明レベルが低いわけではない。むしろ高い方だろう。
中央にあるテーブルには“ハンター”という職業についてのインタビュー記事が置いてある。
「“ハンター”か。俺たち“探索者”みたいな職がここにもあるって事か。」
少し思考をまとまらせていると【チン♪】という音が響いた。下の階になんとかについたようだ
ドアが開くと同時に周りから降り注ぐ視線。
(明らかに、カタギじゃない連中が多数。...........何の集まりだ?こりゃ。)
辺りを見回していると後方から背中を叩かれた。
そこにいたのは小柄なスーツ姿の男。
「はいこれどうぞ。」
何か用か、と聞く前に丸いプレートを渡された。
「ハンター試験の番号札です。無くさないように胸につけておいてくださいね。」
....なるほど。ハンター試験会場に行くエレベーターに飛ばされたって事なのか。
『400』と書かれたプレートを胸につけ、周りの観察に意識を戻す。
そこそこの手練れが多い中明らかにヤバそうなやつもいる。
「よう、そこの兄ちゃん。新入りかい。」
後ろから声がしたため振り向くと小太りの男が笑顔でこちらに手を挙げている。俺の近くに寄ってきた男は気さくに話しかけてきた。
「俺の名前はトンパってんだ。よろしく。」
「俺はシマザキだ。よろ。」
社交辞令の挨拶を交わした後トンパは聞いてもいないのにぺらぺらと話し始めた。
トンパ自身は34回目の試験らしい。
めげない理由を尋ねるとその内わかると話していた。が、少し黒い表情をしていたので要注意だ。
黒い表情をしてるヤツには碌な奴がいないからな。
気になっていた奴についても少し話を聞けた。
ヤバい雰囲気を隠そうともしていないピエロメイクの44番・奇術師ヒソカ。
今回の試験では合格確実と言われているルーキーらしい。
うっすらとしか見えないが“何か”を確実に纏っている。
トンパにも少し鎌をかけてみたが本当に見えていないようだ。
さっき戦っていた[ウラノス]のじじいもあんな感じのを纏っていた。
つまり、その力を扱えるようになれば故郷に帰れる可能性が高い。
そんなことを考えているとカラクリで作られている鳥がピーピーと鳴いた。
「【バタンッ】みなさんこんにちわ!ただ今より、一次試験を開始します!」
そばにあった扉を思い切り開け放った茶色い革のコートのガスマスクがそう宣言した。
総勢400人によるハンター試験が今、幕を開ける。(ただいまの脱落者数・0人)