全員覚悟ガンギマリなエロゲーの邪教徒モブに転生してしまった件 作:へぶん99
「セレスティア! こんな所に居たのか」
オクリーがやっとセレスティアを発見する。彼女は崩れかかった塔の上にいた。いつだったか、同じような場所で話した気がする。メタシムだったか? 闇に堕ちたセレスティアと言葉を交わし、己の過ちの結果に絶望したあの時だ。オクリーは息を切らしながら彼女の隣に座る。
セレスティアは高所を好む。風を感じられるからだろう。その双眸の先にはメタシムを望んでいる。オクリーも同じ方角を見つめつつ、ポーチから紅茶入りの金属製水筒を取り出した。
ティーカップを手摺に置き、零さないよう器用に淹れる。片手で助けなしにそつなく熟すものだから、セレスティアは小さく拍手した。
「慣れてしまいましたか」
「片腕吹っ飛んだくらい屁でもない」
「貴方はバラバラにされても生きてそうですものね」
「そりゃ無理だ。魔法使いほどしぶとくない」
(本当にそうでしょうかね……?)
「セレスティアだって、不死身同然の身体にも随分と慣れたもんだろ?」
「え、ええ。元の身体に戻った時、うっかり無理してしまいそうで少し心配しています」
オクリーが喪失したのは左腕で、利き手の逆だ。それでも、片腕を無くすというのは重大な障害である。ヘラヘラしていられるオクリーや兵士達が異常だった。
「それにしても、捜したよ。物思いに耽ってたのか?」
「ええ。今は亡き妹のことを偲んで独りでいました」
「…………」
オクリーはセレスティアの過去を前世の記憶繋がりで知っている。ただ、それはフェアではないという考えから知らない体で黙り込んだ。いずれにしても触れづらい話題である。
「妹さんは、アーロス達に?」
「ええ。あの子は生まれて間もなく、奴らの手で殺されました」
「…………」
「その時からわたくしの人生は変わりました。それまでは、出版や教育を通じて教えを広めたり、社会福祉を通じて国民や唯一神に奉仕することを目標に生きていました。――ですが、かわいい妹を無惨に殺されて、どうにも邪教徒を許せなくなった。故郷の防衛は、ほとんどわたくし一人で行いました。戦闘の才能があったのです。恐らく数百人は血祭りに上げてやりましたよ」
「それで正教に目をつけられて、見事幹部に成り上がったってことか」
「ええ。それが狙いでもありましたしね」
セレスティアは温かい紅茶を舐めて頬を緩める。この力があれば、正面切って敵と戦える。それ以上に嬉しいこともあった。
国家の重鎮となることで、ゲルイド神聖国の教育水準を上げたかったのだとセレスティアは続ける。国力増強のためだけではない。教育は知性だけでなく心をも磨き上げる。セレスティアは民に『戦争を回避する知性』を分け隔てなく身につけて欲しかったのだ。
「暴力の存在は永遠に否定できないでしょう。しかし嫌いなものは嫌いです。いつかこの平和的手法で、戦いの輪廻を止めてみせます」
セレスティアは勝気な笑みを浮かべて、錆び付いた銀髪を手の甲で梳いた。美しい銀髪は、アーロスの手下に堕ちた際に黒く濁った。洗脳から解放された今も、片目の輝きと美しい髪は戻ってこない。
言葉には出さないが、オクリーは今のセレスティアの姿が綺麗だと思っている。聖のみを有する人間はいない。清濁併せ呑み、その上で聖のみを表出させられる人間が
「ところでオクリー、ヨアンヌとはどうなのですか?」
「どうって、何が」
「あの子、相当なモノを抱えているようですから。他でもない貴方が支えてあげないと、忽ち折れてしまいますよ」
幾度となく殺し合いを演じた宿敵を慮るセレスティア。彼女から見えているヨアンヌは、オクリーから見える少女とは違って見えるのだろう。
「忠告ありがとう」
「ええ。明日は頑張りましょうね」
「雨にならないといいが」
「しばらくは晴れの予報ですよ」
「天気予報もできるのか……って、セレスティアは天候を操れるだろ」
「うふふ。でも、この季節に晴れ続きなんて運が良いですよ」
セレスティアはくすくすと微笑んで、オクリーへティーカップを返す。その手の勢いのままに彼をお姫様抱っこして、超高速で廃墟の街を滑空し始めた。
「ちょっ、何っ!?」
「うふふ、あはははっ!」
建物スレスレを自在に飛びながら、オクリーが悲鳴を上げる。セレスティアは無邪気に笑いながらオクリーを振り回す。彼女の狂喜が落ち着いたのは、とある路地裏に到着してからだ。
オクリーはその場所に見覚えがあった。セレスティアを騙すためにペンダントを放り投げた場所だ。
「この場所をたまに思い出します。もうわたくしの夢の中に出てこないよう、一緒に浄化してくれませんか?」
「え、ええ?」
「聖水を振り撒きましょう! さあ一緒に!」
「お、おう……!」
錆び付いたシスターは懐から小瓶を取り出して、すらりと伸びる四肢を大きく使って舞踏する。澄み切った声で歌すら奏で始めた。嫋やかな身体の動きに合わせて聖水が振り撒かれ、オクリーもぎこちなくそれに倣った。
その歌は、ゲルイド神聖国に古くから伝わる童謡。永遠の豊穣と平和を祷る風の歌。浄化を意味する聖水が、二人に刻まれた呪いの記憶を浄化していく。
もう、この場所に穢れはない。因縁の地は二人の絆を結ぶ縁の地となり、優しい歌だけが薄暗い路地を包み込んだ。
その後、色々な者と話してから、マリエッタの元にやってきた。
「よう、調子はどうだ?」
「すっごくドキドキしてます。でも、高揚とかじゃないです。不安で胸がいっぱいで……嫌なことを思い出して、頭がおかしくなっちゃうんじゃないかって心配なんです」
マリエッタは約一年振りにメタシムへ帰ることとなる。
彼女にとっての故郷は、血塗られたトラウマの地になってしまった。家族や幼馴染を殺され、帰る家は灰に。郷愁よりも絶望と不安障害が起こってしまうのではないかとさえ思う。年端もいかぬ少女に酷なことを強いているのは分かっていたが、土地勘に長けた彼女を連れて行かぬわけにはいかなかった。
「身体の調子は?」
「性欲が湧いています」
「それは良くない兆候だ」
「あたし、ドルドン
「??」
マリエッタの宇宙的発言が炸裂する。ただ、危険時に生殖行動が盛んになるのは生物の本能だ。彼女の感情は何も間違っていない。言葉選びだけが致命的に間違っている。
「まあ、元気そうで良かった。明日は頑張れそうか?」
「はい。……あたし達の街を奪った邪教徒共は、この手で一匹残らず捻り潰します」
「サレンから口酸っぱく言われてるだろうけど、一日限りの身体だ。見極めるんだぞ」
「偉そうに言いますね。そういうことは先輩のポーメット様から聞くので平気ですぅ」
(こいつ……)
ちょっとイラッとしたオクリーだったが、いつもの調子なので溜め息を吐いて感情を押し流した。マリエッタと話していると、人間のヒステリックさを存分に叩きつけられている感じがする。
もう夜だ。作戦会議も終わっている。後はもう、各々のベストを尽くすだけ……。
さっさと寝るとしよう。
「あ、待って……」
帰ろうとしたオクリーの左手首を掴もうとして、余った服を掴んでしまうマリエッタ。あっ、という小さな声が出てしまう。
「どうした?」
「……お、オクリーさんは、人間生産工場って所で産まれたんですよね?」
「そうらしい。薬で記憶を弄られているから、子供の頃の記憶はぼんやりしてる」
「
「えっ」
「サレン様に頼んで、聖火で燃やすんですか? ば、培養槽の中にいる子供は? 身体だけが成長して、心が赤ん坊のままの人は? 全員殺しちゃうんですか?」
マリエッタは震えながら呟く。
そうだ、なぜ忘れていたんだろう。具体的な線引きを全く決めていなかった。
工場の中に在る命は、何の色にも染まっていない無垢な赤子同然だ。洗脳教育が施される施設もそうだ。彼らは段階に分けられて黒く染められていく。どこからどこまでを線引きして殺す? 全て殺す? 全て保護する?
セレスティアやサレン達に放り投げたまま、何も決めていなかった……。
「……少なくとも、『孕み袋』にされた人は燃やしてあげなきゃ駄目だ。あんな状態で生かされ続けるなんて、地獄でしかない……」
「サレン様の所に行きましょう。多分、あたし達の一存だけじゃ決められないですよ」
「そうしよう。マリエッタ、言ってくれてありがとう」
「は、はいっ」
オクリー達は野営テントから出て、臨時本部の方向へ走る。事前に取り決められた区画に立ち並ぶテント達。ジアターの召喚獣が空で警邏する中、サレンのテントへ飛び込んだ。
「サレン、入るぞ!」
『ああ、どうぞ』
サレンは上裸だった。お湯を染み込ませたタオルで身体を拭いていたようだ。オクリーは一瞬ぎょっとしてしまったが、すぐに気を取り直して相談事項を手短に伝えた。
「どうした?」
「現場で即断しかねることがあった。メタシム襲撃の最重要事項は幹部の撃破だが、『人間生産工場』の中にいる人造人間共はどうする? どこまで線引きするのか確認したくて」
「ああ、それか。実は先程、ヨアンヌやセレスティアと話し合ったよ。全員保護することに決めた。明日の朝伝達しようとしていたんだが、決定直後に皆を招集すべきだったかもな」
「そ、そうか。良かった……」
「マリエッタ、ジアターの召喚獣を含めて上の者を呼んできてくれないか。どうせなら皆に話してしまおうと思う」
「分かりました!」
サレンは祭服をするりと着込んだ後、クリーム色の長い髪を手の甲で弾いて背中に垂らした。
「オクリーには先に言っておこう。実戦投入されていない者に限って保護し、専用の施設で過ごしてもらうことにした。ヨアンヌの予想では、未成熟な人造人間だけで、数千から数万の規模があるらしいからな。メタシム以外の拠点のことも考えると、それが一番丸いだろう」
「意外だ。あんたのことだから、全員殺してしまうものかと」
「おいおい……。私だって人間さ。そこまで血も涙もない怪物になったわけじゃない」
苦笑で応えるサレン。オクリーはホッとした様子で肩の力を抜いた。
「しかし、場合によってはそうなることも考えておいてくれ。現場判断によっては……な」
☆
聖地メタシムの大聖堂で開かれていた幹部会議は収集がつかなくなった。ダスケルが奪還された今、ポークを中心として『メタシム奪還』に急遽備えなければならないとの意見が上がったのだ。
「ドルドン、アレックス、詳しい話はまた後でしよう!!」
ポークに追い出されたドルドン神父とアレックスは顔を見合わせる。
「ここで金玉の出番というわけだ」
「どこで?」
「分からんか? 今、正教はメタシム奪還に向けて本格的に動き始めた。最前線のゾンビからありとあらゆる情報を脳内に直接ぶち込まれるらしいポーク君は、ソッチの整理に気を取られて些細なことに気づかない。故に、ゾンビ共の金玉に触れようとも無問題というわけじゃ」
「ゾンビにも金玉があるんすかね……?」
「あるとも。いざという時は、心の金玉を揉めばよろしい」
「?」
「そういうわけで、ワシはイク。アレックス君も混乱に乗じて自由に動き、野望の種を仕込んでおくといい」
「それもそうっすね」
また何か企んでいそうなアレックスと別れ、ドルドンは早速男漁りを始めた。
メタシムの街には沢山のゾンビが徘徊している。主のポークが大混乱中というのもあって自動型で稼働中だ。ポークの能力の詳細を知らないドルドン神父は、特に気にせず目の前のゾンビに突っ込んだ。
「ほう! やはり視えるぞ」
腐乱して顔面が崩れ落ちたゾンビの下腹部に諸手を触れてやると、ドルドン神父の頭の中に黒い靄が広がり始めた。意識が相手の心の中に持っていかれる。
生者を相手にする時と、雰囲気が違っている。しかし細かいことはどうでもいい。意識が相手の心の中に入り込めば、全て視えるのだ。
「む?」
ただ、今回は様子が更におかしい。相手の深層に入り込んだずなのに、心象風景が見えてこない。
(死者に心の風景は存在しないのか? であれば、ワシの魂は何処へ向かおうとしている?)
澱んだ感情の河を揺蕩う。絶望と恐怖に満ちた死者の心の底の底に、一欠片の記憶があった。
そこは、また別の地獄。どこかの都市で、陣形を組んで直立する兵士達の後ろ姿が見える。視点の主がゾンビになったこの者なのだろう。
『兵士の生死は関係ない。勇敢かどうかも関係ない。成果を上げられるかどうかだ。邪教徒の進軍を決して許すな。一人でも多く、市民を守り抜け。貴様らの命は、ここに置いていくんだ』
『はっ』
『天上に御座す主が、我々に祝福を与えてくださることだろう。死の恐怖も、我ら唯一の主が傍に居て下さるお陰で、幾らか和らぐというものだ……』
靄がかった視界の中、ぴくりとも動かない兵士達の頭。なるほど、このゾンビが人間だった頃の最期の戦いの記憶だろう。対邪教徒部隊隊長ルツインの姿が奥に見える。
『ヒロイックにならないで下さいね、アディル』
『ルツインさん。大丈夫ですよ』
『そういう所が不安だと言ってるんです。死をも恐れぬとはよく言ったものですが、実際に死なれると困るんですよ』
砂嵐がルツインの顔にかかり、景色が歪んでいく。明滅する景色の中、見る者を釘付けにするような美貌を備えた男装の麗人が現れた。
『ここから先は通さねえ……!! オレの故郷は穢させやしねえぞ!!』
服の隙間から棘を顕現させるポーク・テッドロータス。彼女の周りには死体が転がっていて、すぐに起き上がって彼女の下僕と化していた。
『すぐに楽になるよ』
かつての仲間が己に牙を向こうとする中、ポークの手首から飛び出した毒の棘が視界下方に飛んでくる。二度、三度、見事な剣戟で弾き飛ばした後、アディルの心臓が一本の棘によって破壊された。
『がはッ……』
アディルの妻子が脳裏を過ぎる。真の意味での臨死体験にドルドン神父の脳が共振する。
星々の煌めく美しい夜空が最期に見えて、アディル=ブレイクの人生は終わった。本当にそれで、一切お終い。ポークに下克上するなんて奇跡は起こらず、残してきた家族も財産も、全て意味の無いものになった。
(なるほど、心象風景の代わりに最期の一瞬を読み取れるのか。恐らく、死の瞬間の記憶が強烈な残滓になって、肉体に刻みつけられるのだ……)
ドルドン神父がアディルのゾンビに触れたのはほんの一瞬。よろめいた老人が接近した程度にしか思われないだろう。
完全犯罪だ。この調子で情報を集めるのだ。最終的には、ポーク・テッドロータスの弱みを握ってやりたい。彼女に限らず他の魔法使いの情報が飛び込んでくるかもしれないし、きっとやり得だ。
そうしてゾンビに痴漢を繰り返していたドルドン神父は、度重なる死の体験を通して奇妙な念が湧いてくるのに気づいた。
知らぬ間に、懐に認めていた紙切れに死者達の名を刻み始めていたのだ。
「…………」
正教兵だった者、犯罪者だった者、邪教徒だった者、邪教徒と一切の関わりを持たない者――恐らくは墓荒らしに遭って復活した――、子供、旅人、市民、教師。様々な人がいた。
メタシム中のゾンビに触れ、目についた者は全て記憶を視て、名前を刻んだ。
自分でも、どうしてそんなことをしたのかは分からない。
生きた屍を鎮魂するための巡礼など、誰が求めた?
かの青年すら、そんなこと求めていない。
己こそ最も矛盾している。天邪鬼な殺人鬼と真っ当な神父という二面性が、己の心を二重の螺旋となって貫いている。
人間の芯とは、一本の線で作られたものではないのか? 二重螺旋構造が人間の本質? そんなはずはない。
今更になって真っ当な聖職者じみた行為をして、罪悪感を紛らわせようとしているのだろう。それもまた人の矛盾――己がアレックスに説いた通りになっている。
(……焼死体を再利用したゾンビがいるな。しかも子供。珍しい、見てみるか)
ドルドン神父は焼死体のゾンビを追いかけ始めた。そのゾンビの記憶を見る前から、メタシム襲撃の火災によって死んだ子供だろうと何となく予想がつく。
自動型のため、走り回っている。子供らしく遊んでいる姿の再現ということだろう。醜い焼死体でなければ騙されているところだ。
「……む?」
焼死体の記憶を見たドルドン神父は、記憶の中に因縁の少女が出てきて目を丸くした。
(ま、マリエッタ……!? 何故あの女が、このゾンビの記憶の中に……!?)
記憶の主の名は、アルフィー・ジャッジメント。自らの命と引き換えにマリエッタを救った小さな英雄だった。
(あぁ……)
幼馴染を守るために少年が決めた悲壮な覚悟は、炎に包まれて悶え苦しみながら焼け死ぬという最悪の結末となってアルフィーに襲いかかった。
だが、死の間際までアルフィーはマリエッタのことを心配し続けていた。
“あつい” “くるしい” “いたい”
“マリエッタ、生きて……”
ドルドン神父は震える手でペンを握り、アルフィーの名を羊皮紙に書き記す。字が消えてしまわないよう、強くペンを握ったせいで、紙が派手に凹んだ。
(……ここに聖水があれば、君を今すぐにでも浄化してやれるのだが。しばし待っておれ。君が助けた大切な人が、君の魂を救いに来るはずだからな)
ドルドン神父は踵を返して、幹部及び幹部候補専用の住居にやってくる。
オクリーの部屋に連日忍び込んでいたため気づいたことがある。
ポークの個室には、明らかに特別扱いをされているゾンビがいるのだ。服装、化粧、ポークがそのゾンビに向ける視線……その全てが他の個体とは一線を画している。
ドルドン神父は特別扱いの理由を何となく察していた。
そのゾンビは、恐らくポークと同じ『テラス族』の同胞なのだ。灰色の瞳と顔のつくりがテラス族の特徴と一致している。故に、綺麗な服を着せ、身の回りの世話をさせる召使いとして使い、戦闘個体のような雑な扱いをしないのだ。
大聖堂で喧々囂々の幹部会議が行われているため、ポークの個室は完全にフリーだった。自慢の怪力でドアノブを破壊し扉をこじ開けた神父は、ベッドの前で直立不動になっているテラス族のゾンビを睨んだ。
身長は一八〇センチほど。細長い手足。若い青年。死亡時はポークと同い歳、といったところか。
「君の心象風景は何色だ?」
ポークの恥部に当たるであろうゾンビを前に、ドルドン神父の右手が炸裂する。
神父の読みは的中し、このゾンビこそポークが唯一保護できた同胞の亡骸だと分かった。こうして神父はポークの過去の一部をモノにした。情報を知る前と後でも変わらない感想は、この世界は理不尽に溢れているというつまらぬ想いであった。