バイオで弓兵   作:影後

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ラクーンシティ地下研究所

「……化け物だらけだな。」

 

矢の大半がなくなってしまった為、俺の獲物は刀だけだ。

幸いなことに斬れ味に関しては折紙付というべきか。

そんな時だ、俺は奴等を見つけた。

そう、ウィリアム・バーキンからGウィルスを

確保しようと動いている存在。USSだ。

正確にはそいつらの死骸だが、中には2本、

Gウィルスのアンプルが存在している。

 

「…Gウィルス」

 

転生特典たる全てのウィルスに対する抗体。

後々のためにGウィルスはバイオハザードの

物語の為に無いと困る。

 

「貴様は何者だ」

 

「……まて、俺もアンブレラ仲間だ。USSのハンクだな」

 

「もう一度いう、何者だ」

 

「お前も聞いたことがあるだろう。

掃除屋だ、本来ならBOWも居るはずだが

…上がケチってな」

 

「……ウィルスを渡せ」

 

「ほらよ」

 

俺はハンクにGウィルスを手渡した。

ケースにきちんとしまい、ハンクの姿を見る。

 

「今回は見逃してやる」

 

「わかってる、次回会うことが無いと良いな」

 

ハンクはGウィルスをもってそのまま消えていく。

俺にはやることがある。

ウェスカーは始祖ウィルスを改造した

謎のウィルスで進化した。

未来で、ウィリアム・バーキンの娘である

シェリーは不老という力と再生能力を手にした。

 

『あっ……あぁ……うぉお……うぉぉぉ……』

 

大量の血が俺の口から吐き出される。

たが、それに比例して俺の筋肉はより強靭になっていく。

 

「ふふっ……フハハハハ!コレが!

コレがウィルスの力か!」

 

 

肉体が進化したのがよく分かる。

あぁ、でもまだ足りない。

俺には全てのウィルスに対する抗体が存在するのだ。

かと言って、ウェスカーの様になりたい訳では無い。

俺は強くなりたい、俺のパートナーを守る為に。

 

「ぅああぁ」

 

「丁度いい、実験台になれ」

 

ソレは縮地、

一瞬のうちに現れたゾンビの懐に入り込み

パンチを繰り出した。

ゾンビはあり得ない事に数十メートル以上

後ろまで吹き飛び、肉体がバラバラになっていく。

 

「ふっ……良いな。この肉体も、この強さも」

 

刀を装備し、前へと進む。レオン、クレア、

そして東雲を、彼女を相棒を守る為に。

 

「なんだコイツは!」

 

「ウィリアムよ、まさか…こんな変化を」

 

「アネット!貴女も速く撃って!」

 

「くっ…動きが速すぎて」

 

「ーーーー!!!!」

 

「シノノメ!」

 

「ひっ!」

 

俺は走り出していた。

壁を蹴り、東雲に迫るウィリアムを蹴り飛ばす。

 

「俺の相棒に何してる…化け物が!」

 

「ーーー!!!」

 

ウィリアムの爪が俺の左腕に刺さるが、

右拳で簡単に砕けた。

それどころか、俺の体はウィリアムの爪を吸収し

骨が強靭になるのを感じる。

 

「鷹宮!」

 

「ホーク、見ない間にスーパーパワー手に入れたのか?!」

 

「Gウィルスだったか?!俺に投与したぞ!

今の俺は人間を超えて、スーパーマンになったんだ!

これが、これがウィルスの力だ!!!」

 

「まさか……アンブレラジャパンで見つかった」

 

「随分と俺に詳しいな、その通りだ。

俺は神の肉体を持つ男。東雲、ついてこれるな?」

 

「うん、鷹宮!」

 

第三形態となったウィリアム・バーキンとの近接戦闘。

もともと、柔道、剣道、合気道は嗜んでいた。

だが、相手は痛覚はあるかどうかも判らない化け物だ。

 

「疾!」

 

刀を居合するように構え、ウィリアムを待つ。

もう、吠える能力すら残っていない貴様に対する恐怖はない。

俺はウィリアムが迫ってきた瞬間に抜刀し、

ウィリアムを奈落の底へと落とした。

 

「……流石の斬れ味だな」

 

血を払い、袖で拭く。

短い間の出会いだが、俺の武器の相棒は弓よりも

この刀である気すらしてくる。

 

「流石のSAMURAIだな」

 

「ふっ…そうだろう。ソレよりも速く皆と合流だ。

今、ここから外の状況を確認したんだが……

アメリカはここを空爆で吹き飛ばす」

 

「まさか!自国の都市に空爆だと!」

 

「ソレはどうやって」

 

「クレア、俺はハッカーだぞ?」

 

勿論嘘だ、だが彼等は俺をハッカーだと思っているし、

その能力もある。簡単なことだ。

 

「それに、この研究所も爆発するらしいしな。

さっさと逃げるに限る」

 

「そうだな、あと…警察として言う。

何処にハッキングした」

 

俺は一瞬戸惑うが、悪戯心を込めてこういった。

 

「ペンタゴン」

 

レオンは頭に手を当てて、腹を抱えて笑いながらそう言った。

 

「必ず逮捕してやるよ、ホーク」

 

「あぁ、なら生き残れないとな。行こうぜ?」

 

ちなみに、ペンタゴンとはアメリカ国防総省の事だ。

レオンも笑うしか無かったのかもな。

そう、気を抜いていた。

倒したと、原作も知っているのに馬鹿だった。

 

「ねぇ、鷹宮」

 

「伏せろ!!!!!」

 

「え…?」 

 

鋭い爪が東雲の背中を切り裂いていていく。

最初は使える人形程度だったのに、俺は……

 

「ウィリアム…バーキン!!!!」

 

身体の奥底から怒りが湧いてくる。

吹き上がる憎悪が目の前の化物に向いている。

 

「ホーク!お前は」

 

「東雲を頼む……今俺は、自分の怒りを抑えきれない!」

 

肉体が変貌していく。

拳が肥大化し、自分の身長も3M程になっていく。

 

「ウィリアム…I'll just kill you!!!!」

 

「まさか、Gウィルスの暴走?いえ、あれは」

 

「クレア……レオン……」

 

「アネット!速く来い!クレア、シノノメを頼めるか?」

 

「ええ、シノノメ!傷は大丈夫だから」

 

「……うん」

 

最低限の止血処理だけし、クレアに背負われる形になる東雲。

 

「レオン!東雲を……東雲を日本に返してくれ!」

 

「おい、お前は」 

 

「約束しろぉぉぉ!!!!」

 

レオンの視線の先では化物と化物が殴り合いをしている。

人型から外れたような化物と

人間がそのまま大きくなったかのような化物。

だが、俺の肉体はもう人間を保てていない。

今の俺は…G-タイラントとでも言える存在だ。

 

「レオン!!」

 

「わかった。必ず来い、ホーク!」

 

制式なタイラントではない。

だが、俺はタイラントの様な怪物になってしまったんだろう。

Gは既に管理下にあるが、肉体の闘争本能が止まらない。

殴る、蹴る、俺に出来るのはソレだけだ。

通路の手摺を引き千切り、槍代わりだ。

ウィリアムの突進をマタドールの様に回避し、

ウィリアムの背に乗る。

手摺を頭に突き立て、何度も上から拳を振り落とす。

だが、増えた手足が俺を引き摺り落とし

腹部に爪を突き立てに来る。

 

「あつ……ぐぁぉぁ」

 

腕を引き千切り脱出したが、

口から大量の肉片を含んだ吐血をする。

俺は主人公にはなれないのか、所詮…脇役でしかない。

いや、認めない。認められない。

 

「死ねぇぇぇぇ……ウィリアム!!!!!」

 

まるで、バッファローの様にウィリアムに突進する。

捕食され始めるが恐れない、

殺そうと何度も斬りつけられるが気にしない。

落とすだけだ。この下に。

そう、俺は振りほどけた。

ウィリアムよりも、この身体は力はある筈だ。

 

「しゃぁぁぁぁぁ」

 

ウィリアムの全ての腕を引き千切り、

ドロップキックで突き落とした。

 

「…ぐう…おっ…うっ……」

 

肉体が戻っていく。

コードベロニカのスティーブのようだ。

だが、激しい痛みと気持ち悪さ、

そして意識の混濁がある。

 

「刀は……あるか……」

 

レオン達は既に脱出の準備を済ませているはず、

俺を待つことはしない。してはいけない。

 

「……くそ」

 

肉体の傷はGの力で傷跡程度まで回復しているが、

どうしても前に進めない。

揺れている大地、ふらつく体。

杖代わりに出来るものも存在していない。

だが、最後の希望を信じ貨物列車のもとまで進む。

道中はレオン達が殲滅したのだろう。

BOWの死骸が数多に存在している。

 

「あら、貴方も随分と傷ついているわね」

 

「……エイダ・ウォン」

 

そこにはロケットランチャーを背負った傷だらけの

エイダ・ウォンが立っている。

このままだとアンブレラ・クロニクルズルートだろう。

だが、Gのサンプルは所持していない。

 

「ウェスカーはどうした?」

 

「天才ハッカートいうべき?それとも神の体」

 

「俺はもう助からない」

 

道に座り込み、

自分の血液の入ったアンプル瓶をエイダに見せる。

 

「そいつがあれば、BOWの開発やワクチンの開発にも役立つ」

 

「……」 

 

「だが」

 

「なに」

 

「彼等を救え……彼等を……」

 

意識が遠のいていく。脳のダメージはどうしようもない。

 

「報酬は先に貰うわよ」

 

エイダが消えていくのが見えた。

ソレだけでもう、俺は十分だ。

 

「ん?!ん!ぐっ?ああぁぁぁぁぁ!!!!」

 

だが、ウィルスが俺を殺さない。痛みから解放される。

より肉体が進化した事を理解する。

 

「……これは」

 

あのモンスターじみた力はなくなった訳では無い。

拳を突き出せば壁ぐらい簡単に破壊できる。

 

「まさか?!……人間大のタイラント」

 

そうとしか考えられない。

Gウィルスの効果でタイラントになっていた筈。

だが、肉体は通常のサイズに事前に戻っていた。

つまり、Gは巨大化よりも現状の肉体を進化させる方を

選んだのだろうか?

 

「どちらにしろ、良い結果だ。他にも狙うべき物はあるが」

 

T+Gウィルスは別に良いが、T-Veronicaは欲しい。

あの発火現状は使い勝手が良いものである。

 

「さて、脱出するだけだ」

 

走る速度はまさに怪物、人間ではない。

ウェスカーもこれぐらい出せるだろうか。

 

「てこずってるか?」

 

「ホーク!」「鷹宮!」「どうして?!」

 

「生きていただけだ、タイラントの死骸。もう終わってたか」

 

「なぁ、エイダを」

 

「見た、彼女は彼女の伝で脱出するさ。

レオン、ソレより他のメンバーは」

 

「列車だ。シノノメ…いい加減休め」

 

「ごめん……寝かせてもらうね」

 

シノノメを背負いながら車両の中に入る。

時間はない、さっさと脱出だ。

 

「それで……ウィリアムは」

 

「奈落の底だ」

 

「どうやって生き延びたんだ?」

 

「これを見てくれ」

 

俺は刀を自らの腹に突き立てた。

クレアが悲鳴を上げるが、直ぐ様レオンが抑える。

 

「ん……はぁ……」

 

「まさか……再生?」

 

「そうだ。

俺の身体はお前達で言うタイラントの人間大サイズ。

しかも、致命傷も簡単に再生する。

今の俺は〘スーパーマン〙だ」

 

「一応聞くが、その力を」

 

「悪用なんかしないさ。

それじゃあ、俺をHEROと呼んでくれたあの子にな」

 

「…まったく、あとペンタゴンにハッキングの件は」

 

「ヒュー!マービンとかにも話したいんだが…」

 

「おい、話は」

 

その時だ。車両が大きく揺れた。

 

「レオン!」  

 

「マービン、何が」

 

「わからん、最後尾車両だ」

 

「……見てくるさ」

 

そう言ってレオン、クレアと共に最後尾へ

 

「しぇぇぇぇぇりぃぃぃぃぃ」

 

「……レオン、聞こえるか?」

 

「何があった」

 

「ウィリアムだ。レオン、クレア。爆弾持ってるか!」

 

「手榴弾なら」

 

「俺もだ!」

 

「あるだけ投げろ!俺は車両を切り離す!」

 

「「わかった!」」

 

レオンとクレアの攻撃に怯むウィリアム。

2人はナイフで触手を弾いたり、まるで曲芸だ。

 

「うっ…ぐぅぅぅ」

 

筋繊維が断裂するような痛み。

だが、連結がだんだんと外れていく。

 

バチンッ

 

「ぐぁぁ」

 

何かが弾け飛び、肩に突き刺さる。

戦闘中だった時のアドレナリンも切れてきており、

痛みが再発してきている。

 

「ホーク!」

 

「二人とも!速く乗るんだ!俺がもう、もたない!」

 

いくら強化されてもダメージを受けた

片腕で支えるのは困難だ。

 

そんな時だ、ガシャンと列車が前に動く。

 

「ぐぅ……ぐぁぁ」

 

「私達は乗ったわ!早く離し……そんな」

 

「クレア……ショットガンだ!ショットガンで俺の左腕を」

 

俺の左腕は最後尾車両の破片に引っかかり、

斬り落とすかしなければ外せない。

 

「クレア!頼む!俺はまだ死にたくない!」

 

「俺に貸せ!」

 

「頼む」

 

レオンがショットガンで俺の左腕を吹き飛ばす。

激しい痛みと血が溢れるが視線はウィリアムに向ける。

最後尾車両と距離が少しずつ離れていく。

見えたのは爆炎だ。そして、爆炎の中に消えたウィリアム。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

「医療品は」

 

「スプレーがある!頼む、死ぬな!此処まで来たんだぞ!」

 

「この程度で死なないさ……」

 

腕が吹き飛んだのは救急スプレーと

自己再生能力で何とか治った。

1時間程度で腕が生えてくるのは流石のGウィルスだ。

 

「……列車でどこまで行けるかな」

 

「さぁな、でもクレア、レオン、ロバート、マービン

は良いよな。俺とシノノメはパスポート無いから帰れない」

 

「……その前にやる事があるさ」

 

「何がだよ」

 

「手伝ってほしい、アンブレラをぶっ潰す」

 

 

 

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