魔法世界/CODE_NAME_ULTRAMAN 作:ボルメテウスさん
ホテル・アグスタでの事件から数日。
なのは達六課は、新たに現れたガジェットの対処を行う為に、現場に向かう。
遠距離での戦闘。
それだけのはずだった。
だが。
「この、反応はレリック?」
「出撃前には、反応すらなかったはずなのに」
「罠だという可能性はあるけど、向かうしかない」
未だに状況が理解できないが、それでも向かう。
なのは達は、そのまま地上へと向かう。
レリックの反応があった場所。
そこには、1人の男がいた。
全身を黒いスーツを身に纏っている男は、こちらを見ると、不気味な笑みを浮かべる。
「ほぅ、なるほど、少し探りを入れる程度でしたが、これがこの世界の魔道士という奴ですか」
「あなたは一体何者なんですか」
「ふっ、何者か、私はただの僕ですよ、とあるお方のね!」
それと同時に、男から放たれたのは衝撃波だった。
人間から放たれたとは思えない威力だが、すぐになのは達は避ける。
「今のは」
「おそらくは異星人だと思われる。
けど、一体」
「余所見をしている場合かね」
「っ」
聞こえて来た背後の声に対して、その手に持つ杖で受け止めながら、後ろに下がる。
それと同時になのはの援護を行うようにフェイトもまた向かう。
複数に放たれるエネルギー弾。
だが、それに対して、男は、手を向けると、吸収する。
「魔力を吸収したっ」
「ふむ、これが、魔力か、なかなかに興味深いっと」
そう考えていた時だった。
海の中から光が現れる。
それは巨大な潜水艦。
以前の飛行機と同じく突然の出撃だった。
同時に潜水艦から放たれたのはミサイルだった。
「あれは、質量兵器」
「ちっ、新世紀中学生という輩も関わっているようだな」
それに対して、男は苦虫を噛むような一言。
だが、ミサイルに乗っている1人の影を見た。
「むっ」「はああぁぁぁぁ!!」
それは、ミサイルを、乗り物代わりにしていた麻中だった。
麻中は、そのままミサイルを踏み台にして、真っ直ぐと、男に向かって、蹴り上げる。
「ブレーザーっ」
その出現に、驚きを隠せなかった。
だが、そんななのは達を無視し、真っ直ぐと、男を睨む麻中。
「さて、色々と疑問が多いし、解決しないといけない事は多いけど」
それと共に、麻中は、眼前にいる男に目を向けた。
「なんで、お前がいるんだ、伏井出ケイ」
『伏井出ケイだとっ!』
麻中の言葉を聞いて、長老は、思わず叫んでしまう。
「長老、その人って、一体」
『伏井出ケイ、とある次元において、数々の犯罪行為を行ったストルム星人だ。
だが、奴は既に死んだはず』
同時に伏井出ケイは笑みを浮かべる。
「君ならば、既に私が生きている理由も知っているはずだ。
そして、私の目的も」
「ベリアル、いやこの場合は並行同位体のベリアルか」
「えっと」
2人だけで行う会話に、疑問に思う。
「長老、先程から出てきたベリアルや並行同位体って」
『信じられない事ばかりであり、本来ならば、起きない可能性が高い物ばかりだ、だが』
そうしていると共に、既に伏井出ケイは懐からある物を取り出す。
「さて、既に目的の物は手に入れた。
あとは、ここから逃げさせて貰おうか」
『あれはっ、まずいっ、すぐに逃げろ!!』
「っ」
同時に伏井出ケイは、その手に持ったアイテム、ジードライザーを起動させる。
「キングジョー!ギャラクトロン!これでエンドマークだ!」
『キングジョー!ギャラクトロン!フュージョンライズ!キングギャラクトロン』
鳴り響く音声、それと共に、伏井出ケイの身体は徐々に変わっていく。
それは、あまりに巨大な怪獣。
いや、ロボットであった。
それには、ヴィータは見覚えがあった。
「あれは、確か、キングジョーだよな、一体あれは」
『ベリアル融合獣っ!二体の怪獣を合体させる事で誕生する融合怪獣だ。
しかも、よりにもよって、キングジョーとギャラクトロンだとっ』
「その二体は、危険なの」
『惑星を一つ、滅ぼすのも簡単に行える力を持っている』
それには、さすがに驚きを隠せなかった。
その最中で、麻中は。
「さてっと、やるとするか」
それと共にブレーザーブレスをゆっくりと構える。
『ご唱和ください、我の名を!ウルトラマンゼーット!』
その叫びと共に、ミッドチルダの街に現れたウルトラマンゼットは、そのまま地上へと降り立つ。
眼前の敵であるキングギャラクトロンと対峙しながら、ゆっくりと構える。
それと同時に、動きはあった。
キングギャラクトロンは、右腕と一体化している銃を真っ直ぐとゼットに向けていたのだ。
放たれたレーザーに対して、ゼットは冷静に、その腕を振り上げる。
それによって、放たれたビームは空へと向かっていき――霧散する。
だが、それに驚く様子もなく、キングギャラクトロンは再度、ゼットに向かって、ビームを放とうとする。
キングギャラクトロンの攻撃を放つ前に、ゼットは瞬く間にその拳を叩き込む。
その拳による攻撃に対して、キングギャラクトロンは軽く受け止める程度だった。
だからこそ、キングギャラクトロンはすぐにゼットに向かって、拳を振り下ろす。
しかし、ゼットは、その攻撃を受け流しながら、そのまま蹴り上げる。
キングギャラクトロンに対して、流れるような連続の攻撃を繰り出していく。
その動きには無駄がなく、まるでダンスをしているかのような流れがある。
そして、キングギャラクトロンの顔面に回し蹴りを食らわせた時に吹き飛ばされてしまう。
「ぐぅ……!?」
その威力によって地面に倒れ込むキングギャラクトロンだが、すぐに起き上がりながら構えを取った。
元々、キングギャラクトロンが、二体のロボット怪獣が合体した事もあり、その防御力はかなり強固であった。
ゼットの拳を受け、そのまま殴り飛ばされたものの、大したダメージはない。
キングギャラクトロンは、そのまま右腕を真っ直ぐとゼットに突き出すと、そこから破壊光弾を発射してきた。
しかし、それを前に飛び出して来たゼットが受け止めると、今度は左手を前に出す。
すると、手の中に出現したのは、槍、ゼットランスアローだった。
ゼットランスアローを手に持ったゼットは、瞬時に襲い掛かる破壊光線を掻い潜りながら接近すると、すれ違いざまに槍を突き出す。
その一撃を受けたキングギャラクトロンは怯み、動きを止めると、その間にゼットは一旦距離を取る。
そして再びキングギャラクトロンに向かって駆け出す。
キングギャラクトロンは、その距離を詰めさせない為に、さらなる追撃を繰り出す。
左の腕から手を無数に出してゼットに向けて、放っていった。
ゼットはそれを真正面から受け止めた。そしてそのまま、それを押し返すように前へと進んでいく。
そんなゼットに対し、キングギャラクトロンは右手のビームを放ちながら後退していった。だがそれでもゼットはその前進を止めない。
ついにキングギャラクトロンを追いつめると、そこでゼットは再び構えを取る。
『はああぁぁぁぁ!!!』
構えると共にゼットは、そのままゼットランスアローを真っ直ぐと投槍のように投げつける。
それはまさに、投擲というよりも砲撃のような一撃だった。
しかし、それをキングギャラクトロンも回避してみせる。
その速度は確かに速く、並大抵の相手では避けられないだろうし、まともに受ければ大ダメージは免れない攻撃だ。
キングギャラクトロンは、その一撃を避ける為に、身体を動かした。
だが、それは悪手だった。
見ると、既にゼットは構えていた。
『ゼスティウム光線!』
その、叫びと共に放たれたのは、ゼットの必殺光線だった。
それに対して、キングギャラクトロンは、避ける事ができず、そのまま爆散してしまった。
そのキングギャラクトロンから、レリックが一つ、流れ落ちる。
それは、そのままなのはの手元に。
「っ」
同時になのはの脳裏には、とある光景が見える。
「これは」
見渡す限りの宇宙。
その宇宙には4つの影があった。
その内の3つの影が構えていた。
『行きますよ、Xさん!ゼロさん!』
『油断するな、オーブ!』
「あれって、ウルトラマン!?
それに、見た事のないウルトラマンばかり」
そう疑問に思っていると同時に、見つめると、オーブは、その手に持つ武器を構えた。
巨大な光輪。
それに向けて、ゼロとXは、自身の光を注ぎ込んでいた。
「エクシードトリニティウム光輪!!」
それと共に、真っ直ぐとその人影に向かって放った。
巨大な影は、それを受け止める。
削られながら、そのまま爆散する。
だが、その爆散すると同時に、ばら撒かれたのはレリックだった。
「まさか、あれがレリックの正体っ」
未だに正体が分からないレリックの片鱗を見た。
そう感じた時には、なのはの手元から既にレリックは、麻中によって、盗られていた。
「悪いが、これは貰うから」
それと共に麻中は立ち去ろうとした。
「待って、それを、怪獣の欠片を集めて、どうするつもりなの」
「怪獣?」
それが、何かの存在だとは分かった。
だが、怪獣だという事は、未だに判明していなかった事もあり、六課を始めとしたメンバーも驚きを隠せなかった。
「3人のウルトラマンが、同時に戦っていた。
確か、オーブ、X、ゼロと」
「・・・ならば、それ以上関わるな。
こいつは、俺達が確実になんとかする事だから」
「待って」
そう、言おうとしたが、それよりも早く麻中は、そのまま去って行く。
「なのは、さっきのは」
「分からない、レリックに触れた時に見た映像で、聞こえた声だけど」
『その3人のウルトラマンが関わっている怪獣だと?』
僅かに得られた手掛かり。
だが、それは、未だに波乱を呼ぶ材料でしかなかった。