魔法世界/CODE_NAME_ULTRAMAN 作:ボルメテウスさん
「んっ?」
その日、麻中はレリックを探索する為に、とある施設へと潜入していた。
その施設での資料を詳しく知る為に訪れており、その格好は、これまでのような認識妨害を兼ねたフードではなく、神父服を身に纏っていた。
「えっと」
だが、そんな麻中の後ろから何かを見つめる影がいた。
その影にゆっくりと振り返ると、こちらを見つめるオッドアイの少女がいた。
少女に関して、心当たりがなかった為、麻中は少し疑問に思い首を傾げる。
「迷子か?」
それと同時に、麻中はゆっくりと少女に視線を合わせるようにして問いかける。
少女は、それに対して、首を横に振る。
「えっ、迷子じゃないのか?
あぁ、マジか、どうしよう」
それに対して、麻中は少し頭を掻く。
子供の相手は、元の世界でもほとんど行った事もない彼にとっては、まさしく未知の領域であった。
だから、どうすれば良いのか、迷う。
その最中、麻中の頭には名案が浮かんだ。
「仕方ない、特別サービスだぞ」
「?」
それに対して、首を傾げる少女を余所に、麻中が取り出したのはハーモニカ。
そのハーモニカをゆっくりと口を付けて、演奏する。
演奏する音楽は、麻中にとっては馴染み深い音楽であり、それを聞いた少女は自然と笑みを浮かべる。
「ここにいた」
「?」
それと共に聞こえた声を共に麻中は目を向ける。
「えっと、ここの職員の方ですか?」
「えっ、はいそうなんです、実は偶然、この子を見つけて。
少し怯えている様子でしたので」
「そうだったんですか?」
それと共に、麻中はそのまま質問してきた人物の顔を見る。
この顔、どこかで見た事があるような気がする。
それと共に首を傾げていると。
「ヴィンデルシャフト!」
聞こえた声、それと共に、その人物の前に、謎の人物が現れた。
「シスターシャッハ、何を」
「そこの男、貴様は何者だ」
「えっ?」
その戦闘態勢について、疑問に思ったのか、女性はすぐにシスターシャッハと呼ばれた人物を止めようとする。
だが、それは、麻中に対する警戒もあり、すぐに見つめる。
「別に、ただの風来坊だよ。
少し、捜し物があって、ここに来ただけ。
そういう怖い物はあんまり出すと、この子が怖がるだろ」
麻中は極めて冷静に、それと同時にゆっくりと息を吸う。
それを見ていた2人もまた、ゆっくりと構える。
同時に、麻中は瞬時にGUTSスパークレンスを召喚し、そのまま構える。
『BOOSTUP!フラッシュ!』
「という事で、俺はここで退散させて貰うよ」
「「なっ!!」」
それと共に、麻中が放った閃光は、その場にいた全員の目を光で遮った。
それによって、一瞬、目を眩んだ全員を余所に、そのまま麻中は走り出した。
「まずい、侵入者です!目的は不明で、おそらくは質量兵器を持っていると思われる!」
それと共に、施設内は、警報が鳴り響く。
それに対して、麻中はそのまま警報が鳴り響く中でも、必死に走る。
「まったく、こういうのは、あんまり得意じゃないんだけどな、とりあえずは情報が欲しかったけどっと」
そう考えていると、麻中の目の前には既に戦闘態勢を取っていたシグナムがいた。
「悪いが、通す訳にはいかないな」
「いやぁ、俺も捕まる訳にはいかないんだよ、結構大事な用事があるから」
「ならば、少し手荒になるが、拘束させて貰う」
それと共に、瞬時に接近するシグナム。
既に情報で武装をしている事もあり、その手に持つGUTSスパークレンスに注意をしていた。
だが、麻中は、何の躊躇もなく、GUTSスパークレンスを捨てる。
それに対して疑問に思うよりも先に。
「悪いが、こっちも急いでいるからな」
同時に、放たれた蹴り。
それを正面に受けると同時に、その構えに覚えがあった。
「まさか、宇宙拳法っ」
「よっと」
何度か、映像を見ていた事によって、その技の正体は既にシグナムは知っていた。
そのまま、後ろに下がると同時に構える。
「さってと、こっちは穏便に」
そう考えていた時であった。
麻中はゆっくりと何かを警戒するように見つめる。
その気配に対して、シグナムもまた構える。
「・・・面倒な奴らまで絡んでいるのか、一応聞きたい事がある」
「なんだ?」
「管理局は、まさかとは思うがヤプール人と協力関係にあるのか?」
「ヤプール人だと?」
聞いた事のない名前に対して、首を傾げると同時に、気配に向けて、切り払う。
だが、その刃は、相手に当たる事はなかった。
そこには赤紫色の歪んだ時空の中に蠢く、とんがり帽子を被った顔のない人間。
シグナムは、そのまま、素早く、それに目を向ける。
「ちっ、まさか、これを警戒してきたのか」
「いや、偶然。
だけど、ここにいるという事は、お前達が狙っているのがあるようだな、ヤプール」
『さぁな、貴様に教えるつもりはない。
貴様は、我ら全ての恨みをぶつけるべきウルトラマンと繋がりがあるからな』
その言葉にも、シグナムは首を傾げている間にも、その手には何か炎があった。
『貴様からの攻撃は鋭かったからな、それを利用させて貰うぞ!蘇れ、ファイヤーモンス!』
その叫びと共に、ヤプールの姿が変わる。
青と赤で彩られたニワトリやタツノオトシゴを思わせるような外見が特徴な超獣。
その手には炎の剣を持っていた。
「奴は」
「超獣、面倒だけど、やるしかないか」
それと共に、麻中は、瞬時に、ブレーザーブレスを手に持つ。
「さてっと、ご唱和ください、我の名を!ウルトラマンゼーット!」『Ultraman Z Beta Smash.』
鳴り響く音声と同時に、麻中は眼前に現れた光のゲートを潜り抜ける。
それと入れ替わるように、現れたのは真っ赤なウルトラマンゼットだった。
ゼットは、そのままファイヤーモンスに向かって、スワローキックを浴びせる。
「キシャァァァ」
突然の奇襲の攻撃に、慌てるファイヤーモンスだったが、その視線はすぐにゼットに向かった。
同時に、その手に持った炎の剣で、ウルトラマンゼットに振り下ろす。
それに対して、ゼットは、その手に召喚したゼットランスアローで、薙ぎ払う。
薙ぎ払う事によって、炎の剣が、周囲に燃え広がる。
それによって、街に被害が出ている。
「このままでは」
それに、ゼットもまた気づく。
同時にゼットランスアローにレバーを2回操作して発動。
それと同時に、ゼットランスアローが生成したのは、氷の矢。
そのまま、エッジ部分の周囲に弓矢のエフェクトが現れ、左手で柄部分を添うように氷の矢を引き、ファイヤーモンスに向かって放つ。
「キシャァァ」
ファイヤーモンスは、その一撃を、炎の剣で受け止める。
炎と氷。
二つが激突する事で、互いに消滅する。
それによって、ファイヤーモンスは、自身の武器である炎の剣を失う。
「ジュワアアァァァァ」
同時にゼットはそのまま急接近し、そのまま持ち上げる。
それは、天高くまで吹き飛ばしており、そのまま真っ直ぐとゼットは、その腕を構えていた。
『ゼスティウムアッパー!!』
気合いの入れた声が、施設まで届く。
そのアッパーは、そのままファイヤーモンスの胴体を貫き、空で爆散する。
同時に、そのままウルトラマンゼットは、その場を去って行く。
「まさか、これまで謎だったブレーザーの正体が、あの男だったのか?
だが」
未だに、その正体を、シグナム達は、まだ知らない。