ブルーアーカイブ 〘 PROJECT_∑ 〙   作:ファイズ大好きなポンコツ

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※今回のお話をご覧になる前に、[閑話 2 男の過去]をご覧になってくださいな
 そうでもしないと、今回のお話理解できないんで

そう、つまりオリジナル展開マシマシってわけ
伏線もマシマシなのよ



7話 フォトン・ベイビー

 

 正式にアビドスの顧問になった日の夜。

 ホシノちゃんとの約束を果たすため、夜中のアビドスに辿り着いた。

 また迷いそうになったことは……まぁ秘密ってわけで。

 ……そろそろエースライダーにマップ機能だのなんだのつけるかな。

 

「……そういや細かい集合場所とか聞いてなかったな」

 

 ホシノちゃんから言われたのは、「話があるから今夜会おう」ってだけ。

 細かいどころか集合場所を聞いていない。

 取り敢えずでアビドスに来たんだが……。

 

「人気がねぇや」

 

 夜の校舎は、よくホラースポットになるとは聞いたことがあったが、その理由がわかった気がする。

 俺、夜の学校に恐れてる。

 こんな状態で後ろから声なんてかけられたら、俺叫んz

 

「わぁ!」 

「$#‰¿§‼√∆σ!!!」

 

 声にならない声。

 人間の可能性を見出せそうな叫び声が夜のアビドスに響き渡った。

 

「………びっくりしたぁ〜」

「驚かせといてよく言うぜ……心臓無くなるかと思った」

 

 まぁ心臓無いんだけどね!

 

 ……ブラックジョークにしちゃたちが悪いな。

 やめとこ。このネタはボツだ。

 

「……んで、話したいことってのは?」

「う〜ん……ここで話すのもアレだし、一回教室入らない?」

「……それもそうだな」

 

 てなわけで、適当な空き教室へと俺とホシノちゃんは入っていった。

 

「……それじゃ、本題にでも」

「まぁまぁ先生、慌てないの。急いででも良いことなんて無いよ〜?」

「少なくとも睡眠時間は削れてるだろうがよ」

「うへぇ〜………」

 

 ホシノちゃんを言い負かしました。

 ……じゃなくて、聞かねぇと。

 

「改めて聞くが、話したいことってのは?」

「ん〜……何ていうか、先生の過去が知りたいんだよね〜」

「俺の過去…?」

 

 またか。

 ノアちゃんと同じパターンか。

 

「俺の過去が知りたいとは、ホシノちゃんも随分とまぁ、物好きだねぇ」

「うへ、先生ほどじゃないよ〜」

 

 人の過去なんて知っても、なんも良いこと無いと思うんだがな……。

 

「そんで?何を聞きたいんだよ」

「そうだね〜……そんじゃ、先生が何で戦うのか、教えてよ」

 

 俺の戦う理由か……。

 

「……それなら、だいぶ酷い過去を話すことになると思うが、それでもいいのか?」

 

 あの時ノアちゃんに言わなかった、“本当の”裏側の第二章を。

 

「……いいよ」

「だったら、覚悟だけはしとけよ」

 

 そんな訳で、俺は語りだした。

 俺が、『仮面ライダーシグマ』になり、戦う理由を。

 

―――――――――――――――

 

「……取り敢えず、これが俺の超簡単な生い立ち。フォトン・ベイビーに改造されて、収容所から抜け出して、こいつと出会って……って感じだな」

「……そっか」

 

 ノアちゃんに話したあの過去を、超簡単にまとめて話した。

 ホシノちゃんは、ただただ静かに俺の話を聞いていてくれた。

 

「そんで、コイツの説明だな」

 

 ギアボックスからシグマギア一式を取り出し、ホシノちゃんに見せる。

 

「コイツは…「シグマギア……でしょ?」…っ!?」

 

 ……こいつは驚いた。

 ホシノちゃんにコレ(シグマギア)の事を教えた覚えはないんだがな。

 

「……どうして知ってんだ」

「おじさんにも色々とあったんだよ〜……色々とね」

 

 ……既に理解はしてたが、ホシノちゃんにはとてつもない過去がある。

 改めて認識できたな。

 

 ――その過去にスマートブレインが関わってるとはな。

 

「……まぁ、今はそれには触れないが」

 

 彼女の過去は、本当に信頼されてから、彼女自身の意思で話すときに聞く事にしよう。

 

「そんじゃ、話を戻すか。この力を手に入れて、俺はその収容所から逃げ出した。そっからだったんだ……本当に最悪なのは」

 

 正直な話、収容所に居たことはさほど苦痛ではなかった。

 監視役のアイツと話すこととかできてたし、1人じゃなかったから。

 

「……逃げた先で出会ったんだよ、俺以外のフォトン・ベイビーと」

 

 話でしか聞いたことはなかった、俺以外のフォトン・ベイビー……被害者と。

 

「そいつに名前は無かった。……というか、フォトン・ベイビーに名前はない。あの収容所でも、製造番号で呼ばれてたからな」

 

 悲しいもんだよな。

 産まれてつけられた名前を失い、番号で呼ばれるハメになる。

 

「俺は490。そいつが、111だ」

「490……そんなに作られてたんだね」

「あぁ。……まぁ、そん中で成功したのは4人だけだったんだけとな」

 

 製造された人数は490。

 言ってしまえば、俺は末っ子みたいなもんだな。

 

「それで、その人はどうなったの?」

「殺した」

「…………え?」

「殺したよ。俺が。俺の手で」

 

 そう言い、自分の手を見る。

 あの時の記憶が過ぎり、真っ赤な血まみれの手、その上に乗った真っ白な灰が見えた。

 

 もう二度と見たくなかった、あの光景が。

 

 部屋の空気が俺に重くのしかかる。

 友を殺した俺を押し潰すように。

 ……こうなるから言いたくなかったんだけどな。

 

「……先生」

「まぁ聞けよ。話はまだ途中だぜ」

 

 何か言いたげなホシノちゃんを静止し、話を続ける。

 それで自分の名誉を挽回したい訳では無いが、誤解されるのはごめんだ。

 

「……仕方ないって言えば、ただの言い訳にしかならないんだが、そうせざるを得なかったんだよ。アイツは……」

 

「『オルフェノクの王』になりかけていたんだよ」

 

 ……ほんと、馬鹿な男だよ。

 アイツも俺も。

 迎えてたのは最悪な結末だったってのに、無駄に抗ったから、より酷いバットエンドを迎えることになった。

 

「王に……なりかけていた?」

「ああ。……すべてはスマートブレインの……『Α計画』のせいだ」

 

————————————

 

 『Α計画』

 それはスマートブレインの企てた、3つのうちの1つの計画にて、最悪の計画。

 その目的は、「王へ至る」

 それを果たすため、装着者自身が、王になるために開発されたギア。

 それが『アークギア』

 

 ……正真正銘、“最悪”の力だ。

 

 その力のせいで。

 その計画のせいで。

 アイツは死んだ。

 死ぬしかなかったんだ。

 

――――――――――――

 

「その計画に、まんまとはめられた111は、王の器になった」

 

 アークギアを装着してから、アイツは可笑しくなった……とでも言えば良いのか。

 優しかったアイツは何処へやら。

 そこに居たのは、眼に映る生命体全てを狩る、邪智暴虐の「王」だった。

 

「力の制御の出来なかった111が取った行動は、まさしく「暴走」。……まぁ、当然といえば当然だ。「アークギア」は、もとよりフォトン・ベイビーが装着するものじゃないんだしよ」

 

 本来はオルフェノクが王になるためのシステム。

 それを半分だけオルフェノクのフォトン・ベイビーが使ったら、まともには制御できない。

 

「……そんで、その暴走を止めるために、俺は『仮面ライダーシグマ』に変身して、戦ったって訳だ。これがその写真だ」

 

 初めてシャーレに来て、スズミちゃんに見せてもらったあの写真をホシノちゃんに見せる。

 

「蒼いのが俺、白いのが111だ」

 

 その外見は、まさしく王……アークオルフェノクであった。

 

「……シグマとアークの実力はほぼ同等。だが、2人のライダーには決定的な違いがあった」

「違い……?」

「人間としての理性だ」 

 

 人間もどきが人間を語るのはどうかとは思うが、まぁ良いだろう。

 

「アークは全てを狩るために、俺は111を救うために……な」

「……それで、その結果は……」

「俺が負けた」

 

 そりゃそうだ。

 殺意100%の戦闘マシーンと、戦いたくない出来損ない。

 システムに差はなけれど、使用者に問題がある。

 それに加え、「呪われたベルト」であるシグマの力。

 それを扱いきれていなかった。

 

「抗えなかったんだよ。……俺が、弱かったから」

 

 もっと力があれば、俺はアイツを救えていたのかもしれない。

 

「……それなら、どうやって先生はその人を殺したの?」

「……アイツが抗ったんだよ。残った余力を使ってな」

 

――――――――――――

 

 俺にとどめを刺そうとしたしてその瞬間、アークの動きは止まった。

 その隙をついて、俺は距離を取った。 

 

 そして映った。

 アイツの影が。

 そして頷いた。

 

 ――まるで何かを悟って、諦めたかのように。

 

 アイツは、死を望んでいた。

 

 それなら、俺がやらなきゃならないことは1つだ。

 アイツの……111の願いを叶えるだけだ。

 

『ウアァァァァァ!!!』

 

《 Exceed Charge 》

 

 そうして、最大限のフォトンブラッドを放出したライダーキックが、アイツの体を貫いた。

 

――――――――――――

 

「……んで、アイツは死んだ。あっけない最期だったよな」

 

 壮大な力を手にした男は、自らの意思でその力を止め、最期は友にとどめを刺される。

 なかなかに呆気ないもんだな。

 

「……それなら、何で先生は戦えるの……?そんな過去を背負って、友達を殺したのに……なんで」

「…………そうだな」

 

 俺がそんな過去を持ったうえで戦える理由……それはただ1つ。

 

「アイツの願いだ」

 

 アイツが、それを望んだんだ。

 俺が「仮面ライダー」として戦うのを。

 

「願いと言うか……呪いみたいなもんだな」

 

 アイツの最期の言葉が、今の俺を縛り付けてる。

 縛り続けているんだ。

 

「アイツは、最期にこう言葉を残したんだよ……」

 

『君が僕の代わりにハッピーエンドを迎えてよ……僕の見たかった、幸せな大団円を……』

 

「……ってな」

 

 その言葉は、友を殺した罪悪感から死のうとする俺を引き止め、生き伸ばした。

 

「アイツから託された使命。それを果たすまでは俺は死なないんだよ」

 

 話は変わるが、俺はハッピーエンドは好きじゃない。

 俺が好きだったのは、ハッピーでもバットでもない。

 ビターエンドが好きだった。

 それこそ、俺の人生もビターエンドで終わらせたかった。

 なにかでかい大義を成して、最期は1人で……。

 そんなのを望んでいた。 

 

 ――だが、そんな望みもアイツの願いで変わった。

 今じゃ、アイツと同じハッピーエンド好き。

 アイツのせいで、色々と変えられたんだ。

 

「いつか来る、幸せな大団円を迎えるその日まで……」

 

―――――――――――――――

 

「……とまぁ、こんな感じだな。ホントはもうちょい続いたりするんだが……」

「………」

 

 無言で抱きついてるホシノちゃんを見る。

 微かにだが、涙を流す音が聞こえる。

 

「……こんなんじゃ、続きは語れねぇよな」

 

 まだあのバカなハヤブサについて語るのは、速いよな。

 とはいえ、俺の話に感動してくれたのはまぁ良かったが、動けん。

 どうすりゃいいんだよコレ。

 ……後悔先に立たずって訳か。

 

 その後、一通り泣いたホシノちゃんと少し雑談し、ホシノちゃんは家に、俺はシャーレに一時的に戻った。

 その際、ホシノちゃんからとある依頼を貰ったんだが……それを考えるのはあとにしよう。

 今は………

 

『うわぁぁぁぁん!』

「いいから落ち着けって!そんな泣くんじゃねぇよ!」

『だってぇ……だってぇ!!』

 

 ……この大泣きしてるアロナを宥めねぇと。

 




Don't miss the next ∑

「ストーカー……」

「もういいでしょ?ついてこないで!」

「究極の二択だな……」

「予約は取り消しだ!」
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