A級2位の隊長は軟派男らしい?   作:キノピオ隊長

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No.1 迅悠一

 

 

 

「その呼び方やめろよ、迅」

俺は思わず顔をしかめる。迅は、1個上の先輩で、ボーダーという怪しげな組織に所属していて、何度断わっても懲りずにボーダーへ勧誘してくる。彼はいつもヘラヘラとした笑みを浮かべているから、何を考えているのか分からない。

「んで、俺を探してたのか?」

「ああ、そうだよ」

迅は俺の隣に並ぶと、いきなり肩を組んできた。

「うわ、何だよ急に」

「まあまあ、それより、今から暇か?」

「あー、一応…」

俺が答えると、迅はニヤリと笑った。

「よし、じゃあ今からラーメン食いに行こう!」

迅は俺の返事を待たずに歩き出した。相変わらず勝手な奴だ。俺はため息をつきながら後を追った。

迅に連れられて、近所のラーメン屋にやって来た。店内に入ると、テーブル席に案内される。

「さてと、何にしようかな〜」

メニューを見ながら悩む迅を横目に見ながら、俺は水を飲む。

「よし、決めた!」

迅は勢い良く手を挙げると、店員を呼んだ。注文を終えると、再び沈黙が流れる。俺は水を飲みながら、店内を見回す。

客の入りはそこそこで、若いカップルやサラリーマンなどが多く見られた。皆楽しそうに食事をしている。

やがて料理が運ばれてきて、俺達は食べ始めた。迅は夢中で麺を啜っている。俺も箸を手に取ると、野菜炒めを口に運んだ。

「そういえばさ、お前って何でボーダーには入らないの?」

突然、迅が質問を投げかけてきた。俺は少し考えてから答える。

「興味ないし、異世界がどうとか何か怪しげじゃん?」

「異世界じゃなくて近界(ネイバー・フッド)だって。じゃあ、試しに入ってみない?」

「入らない」

「ほら、先っぽだけでもさ」

「入らない」

「大丈夫だって、怖くないから」

「いや、入らない。てか、何でそんな勧誘してくるわけ?」

「うーん、ワカがボーダーに入ってくれると大勢の人が救われるから?」

「何で疑問形?」

「まあ、そこは気にしないでよ。俺の副作用(サイドエフェクト)は確定した未来が見えるわけじゃないから」

副作用(サイドエフェクト)……トリオン能力?とやらが優れた者が稀に有している力のことらしい。どうやら俺の超能力の様な力も、迅の言う副作用(サイドエフェクト)とやららしい。

 

俺は改めて、迅の副作用(サイドエフェクト)“未来視”の凄さを実感した。

「でもさ、やっぱり勿体ないよ。だってお前って頭良いし、運動神経も良いし、強力な副作用あるし、おまけに男前じゃん」

「最後のは余計だ」

俺が反論すると、迅はニヤニヤと笑う。こいつとは中学入学後からの付き合いだが、未だに何を考えているのか分からない。普通、年下に呼び捨てされてタメ口きかれたらムカつくよな?

「まあ、そういう訳だから、考えてみてくれ」

迅はそれだけ言うと、再びラーメンを啜り始めた。俺も箸を動かし始めるが、頭の中ではさっきの迅の言葉がグルグルと回っていた。

 

 

翌日、俺は放課後に職員室に来ていた。担任の先生から呼び出されていたのだ。

「若槻、お前は進路希望調査票を白紙で提出したな」

先生は険しい表情で言う。俺は素直に頷いた。

「その通ーりです」

すると、先生は更に険しい表情になった。

「何で白紙なんだ? 行きたい高校とか、何かやりたいことはないのか?」

「いやぁ、特にありません」

俺は即答する。すると、先生は呆れたようにため息をついた。

「お前なあ…まだ2年とはいえ、そんな考えで将来どうする気だ?」

「別に、何でも良いですよ」

俺が言うと、先生は呆れ果てたような顔をした。そして、深いため息をつくと、諭すように語り始めた。

「いいか、若いうちは色々なことに挑戦して、様々な経験を積むことが大切なんだ。確かに、将来やりたいことが見つかるまでは、無難に過ごすのも良いだろう。だが、それだと後で後悔することになるかもしれないぞ」

「はあ…」

俺は気のない返事をする。正直言って、先生の話はどうでもよかった。ただ、早くこの会話を終わらせたかった。

「お前は成績優秀なんだから、とりあえずは進学を視野に入れて考えなさい。わかったな?」

「はーい、センセ」

俺は適当に返事をすると、職員室を後にした。帰り道、俺は迅に言われたことを思い出していた。

『ボーダーに入らない?』

 

そんなことを考えていたら、いつの間にか家に着いていた。

「ただいまー」

家には当然のように誰も居ない。俺の“ただいま”に返事なんてなく、家の中に虚しく響くだけだった。まあ、別に寂しいとは思わないけど。俺は自室に戻ると、制服のままベッドに寝転がった。そして、ぼんやりと天井を見上げる。

(ボーダーか……)

迅は俺に「ボーダーに入らないか?」と聞いてきたが、正直言ってピンと来なかった。

 

確かに、迅の言うようにトリオンという特殊な能力があることは、俺自身が有する副作用(サイドエフェクト)の存在が証明している。しかし、だからと言ってボーダーに入るというのは、あまりにも現実感がなかった。

 

 

その翌日、現実感の無い話が現実味を帯びる大事件が起きた。

 

 

 




迅悠一(現時点では中3)
実力派セクハラエリートになる前。
学校ですれ違った時に、若槻がボーダーに入ることで結果多くの命が救われる可能性を未来視で見てから、若槻を見つけてはボーダーに勧誘している。
1年以上の付き合い。

ヒロインについて(真木理佐は確定です) ※参考にさせてもらいますが、結果が反映されるとは限りません。

  • 純愛こそ至高 (真木理佐)
  • 面食いの末路が見える… (香取葉子)
  • 小南が泣く (小南桐絵)
  • でろでろに甘やかされる (三上歌歩)
  • 全て背負ってこそ……漢だ
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