A級2位の隊長は軟派男らしい?   作:キノピオ隊長

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ついに、若槻の副作用の能力が明らかになります。
まあ、大分壊れ性能です。




No.6 B級ランク戦“デビュー戦”①

時は僅かに進み、2月の上旬。

B級ランク戦の新たなシーズン、初日の昼の部。

俺達の隊室には、真木ちゃん、俺、当真、そして隊に迎えられた……と言うか無理やり組まされた冬島さんが集まっていた。

「で、今回の相手は常盤隊と柿崎隊だけど資料は見た?」

真木ちゃんは机の上に広げられた資料に目を通しながら言う。

「とりあえず、柿崎隊はウチと同じ新チームだけど機動力のあるメンバーが揃ってる。柿崎さんの性格的に合流を狙いそうだから、出来れば当真が誰か1人のマークについて落とす」

「任せときな、楽な仕事だぜ」

真木ちゃんはそう言うと、資料から視線を外し冬島を見る。

「冬島さんは、スイッチボックスの効果範囲に、常に当真を入れるように動いて、戦闘はせずサポートに徹する」

「おうよ、今日までの期間で動きをみっちり仕込んだからな。大船に乗ったつもりでいていいぜ」

冬島さんは、真木ちゃんの言葉に落ち着いた様子で頷く。

「で、若槻だけど()()()()()()……しっかり覚えたんでしょうね?」

真木ちゃんはそう言うと、俺をギロリと睨む。だから怖いって……。俺は咳払いをすると真木ちゃんに答える。

「もち、しっかり頭に叩き込んだよ」

「そう、なら問題ないね。常陸隊は若槻が単独で潰す。実質、相手は柿崎隊だけ……。相手の射程に入らない事を徹底して、確実に勝っていこう」

真木ちゃんはそう言うと、俺を見てくる。

「ねえ、若槻……部隊を組んだからには勝ちたいって気持ちがある?」

真木ちゃんは、俺の目を見てそう言う。

「そりゃ、勿論。せっかく組んだし、メンツもいいし……勝ちたいよ」

俺は真木ちゃんの目を見返して、はっきりと答える。真木ちゃんは俺の言葉に頷く。

「そう……じゃあ頑張らないとね」

真木ちゃんはそう言うと、俺に微笑みかける。何!?可愛すぎるだろ!女神の微笑みかよ。

 

「へぇー、素直じゃん。可愛いとこあんのな、真木ちゃん」

「黙れ、当真」

当真が言うと、真木ちゃんは冷たい声で言う。あー……、やっぱ怖いわこの子。

「若槻、なんか言った?」

真木ちゃんが、俺を睨んでくる。口に出してないんだけど……。

「いや、何でも……とりあえず今日の試合頑張ろうぜ」

俺が言うと、真木ちゃんはコクリと頷く。すると、冬島さんが声を上げる。

「はいはい、お前らじゃれ合うのはそこまでだ。そろそろ時間だぞ」

冬島さんの言葉に時計を見ると、既に試合開始まで1分を切っていた。試合、もう始まるじゃねえーか。

「さーて……勝つぞ、お前ら」

「「「了解」」」

俺の言葉に3人は同時に返事をする。

「まぁ、俺たちならやれるさ」

冬島さんはそう言うと、自分の席に腰掛ける。俺も準備を済ませると、転送開始を待つ。

 

 

10……9……8……7……6……5……4……3……2……1

「転送開始」

真木ちゃんの声が、部屋に響く。そして俺達は、戦場へと飛ばされた。

2月の上旬の昼。

B級ランク戦の初戦が幕を開ける。

 

 

◇◇◇◇◇

 

『転送完了』

アナウンスが、試合が始まった事を告げる。場所は市街地Aで昼。超スタンダードなステージ選択だな柿崎さん。

「んじゃ……行きますか」

俺はそう言うと、瞬時に副作用(サイドエフェクト)で周囲の状況を把握する。……副作用(サイドエフェクト)により5人捕捉、真木ちゃんから渡された各隊員の体格・身長のデータから割り出すと……4人は常磐隊で残りが柿崎さんか、ラッキー。

 

さて、バッグワームを装着して行動開始だ。

 

◇◇◇◇◇

 

 

B級ランク戦、観戦席。

今日は実況に綾辻遥、解説に太刀川と出水が来ていた。

「さて、今回解説を務めるのはA級太刀川隊の太刀川さんと出水さん。そして本日実況を担当させていただく綾辻です!よろしくお願いします」

「おう、よろしくな」

「こっちもよろしくー。綾辻さん」

「お願いしますね〜」

2人はそう言うと、画面に表示されるスクリーンに目を向ける。

「今回の注目ポイントはどこでしょうか?」

「そうだな、今回は若槻隊に注目が集まっている。まあ、俺も注目してるしな」

「そうですね、特に若槻くんは注目されています。まあ、何と言っても個人総合(ソロランク)2位。本日、解説の太刀川さんに次ぐ個人ランクです」

綾辻はそう言うと、スクリーンに若槻隊の情報を表示する。

「若槻隊長を筆頭に、当真隊員、冬島隊員も癖のある方のようですね」

「そうだな、正直柿崎隊と常磐隊には初戦からハードな戦いになると思うぜ」

太刀川はそう言うと、スクリーンを見る。すると画面が切り替わる。

『転送完了』

画面には市街地Aのマップと、それぞれの部隊の姿が表示される。

「さて、転送完了しました。おっと、常磐隊は全員そこそこ近い位置なので早期合流を狙えそうですね」

綾辻がそう言うと、スクリーンに表示される常磐隊周辺のマップが表示される。常磐隊4人と柿崎、若槻の西側に固まって転送されたようだ。

「柿崎隊も柿崎隊長の方へ寄りに動いています。これは、初動の混戦が予想されます」

綾辻の言葉に出水は頷く。

「確かに、柿崎さんのポジションも合流してからの強襲を狙える。ただ……」

出水はそこまで言うと、スクリーンに常陸隊員に一直線に向かう若槻が映る。

「やっぱり、ここは若槻が行くよな」

太刀川はそう言うと、スクリーンを食い入るように見る。太刀川は知っている、若槻の持つ反則じみた副作用の能力を…。

「バッグワームをつけた隠密状態で、ここまで早く距離を詰められては気づけないでしょうか?」

綾辻もスクリーンを見ながら答える。

「そうだな、多分俺でもすぐには気づけない」

出水はそう言うと、画面を食い入るように見る。そして……。

『戦闘体活動限界―緊急脱出』

無慈悲なアナウンスが、常磐のトリオン体活動限界を知らせる。

「おーっと!いきなり常磐隊員がすれ違いざまに斬られた!?」

綾辻は驚いたように声を上げると、スクリーンには首を刎ねられたもののトリオン漏出で緊急脱出(ベイルアウト)する常陸の姿が映る。

「おいおい、いきなりかよ」

出水もスクリーンを見て呟く。そして、寄っていた常磐隊のメンバーがすかさずフォローに入るが……。

 

『戦闘体活動限界』

『戦闘体活動限界』

『戦闘体活動限界』

……『『『緊急脱出(ベイルアウト)』』』

 

 

観戦室は驚愕に包まれていた。若槻が弾のキューブを出した次の瞬間には、超高速の弾が上下左右様々な軌道で瞬時に常磐隊を貫いたのだ。

「おい、マジか……」

「こうなるとは……予想してなかったな」

観戦室では、解説が口々に言葉を発する。

「おーっと、これは常磐隊全員が緊急脱出(ベイルアウト)!?というか今のは、変化弾(バイパー)!?」

綾辻も興奮気味に叫ぶ。しかし……。

「いや、今のはただの変化弾(バイパー)じゃねえな」

出水の言葉に、綾辻が驚きの表情を浮かべる。

「ええ!?どういう事でしょうか?」

「リアルタイムで弾道を引いて、その上瞬時に射程・威力・弾速の内、必要分以外の射程を切り捨てて弾速につぎ込み、常磐隊のヤツらが反応できないように各々を追い詰めるような軌道で放った」

(てか、なんつー早業……A級でも反応出来るやつは限られるだろ今の……つーか、若槻さん攻撃手だよな?上手すぎだろ、変化弾(バイパー)

出水はそう思いながら、スクリーンを見る。そこには……。

「おっと!緊急脱出した常磐隊を見た柿崎隊長が、急いで場を離れていきます」

綾辻が実況する。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

「よっし、まずは4キル」

『若槻、無駄口叩いてないで捕捉した敵の位置情報共有して』

「はーい、柿崎さんは___」

『…了解、ありがと』

位置情報さえ把握出来れば、1人で動いてる柿崎さんは当真が落とす。俺は、残りの2人を潰すために動き出す。

「まあ、俺達4人なら負ける気はしないんだけどね」

てか、そもそも俺より強い人なんてB級にいないし。

 

何より、俺の副作用(サイドエフェクト)は少々反則的だからなぁ。

 

 

 

__若槻亮介の副作用(サイドエフェクト)『空間把握』

周辺空間に存在する立体やトリオンの形状や向いている方向を360°全方位において瞬時に正確に把握する。これはオンオフができず常時自身を中心とした半径500m程において知覚する。

この能力の副次効果として脳内に流れ込む膨大な情報を瞬時に処理していくため発達した、常人より遥かに優れた処理能力を有している。

 

 

これが、若槻の戦闘スタイルの根幹を成す力である。

 

 

 





若槻亮介/トリガーセット
『メイン』
スコーピオン
メテオラ
シールド
エスクード

『サブ』
スコーピオン
バイパー
シールド
バッグワーム


※解説・実況を生み出した武富桜子の入隊時期を失念してたんで、1年早く入隊した世界線と思ってください。ガバっちゃって、すみませんm(_ _)m。

ヒロインに関する最終投票※結果が反映されるとは限りません、参考にさせて貰います。

  • 1人派(真木理佐確定)
  • 複数派(+香取/小南/三上)
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