今回は、柿崎さん視点から始まります。
「一体、何が起こったんだ!?」
若槻が常盤隊を壊滅させた様子を、遠目に見ていた俺はその場から急いで離脱した。
「あれが、
いくらなんでも、強すぎるだろ!?
まさか……1人で4人部隊を壊滅させやがった!あり得ねぇ!!
『大丈夫!?ザキさん!』
走っているとオペレーターの宇井から通信が入る。俺は瞬時に思考を切り替えて返事をする。
「ああ、俺は大丈夫だ!まずは、合流して『ズドンッ』」
は?!、狙撃!?どこからだ!?
意識外からの一撃に俺はシールドを張ることさえできず、頭を吹き飛ばされた。
『ザキさん!?』
残りは若槻隊だけだ、つまりこれは当真の狙撃か!俺は頭を吹き飛ばされながらも考える。
(くそっ!このままじゃアイツらもやべぇ!!)
自分の元へと寄ってきている隊員たちが頭に浮かぶ。しかし、考えを巡らせている時間も無く終わりが来る。
『戦闘体活動限界───
◇◇◇◇◇
時は少し遡り、高いビルでイーグレットを構えている当真。
『若槻が常盤隊を壊滅させた。柿崎さんはマーク出来た?』
当真は、真木からの通信に思わず笑みを浮かべる。
「お、なんだ柿崎さんをご指名かよ」
『ふざけないで』
「安心しろって、もうマークしてるぜ」
真木の呆れたような声に、当真は更に笑みを深める。覗くスコープ越しに、若槻から逃げる柿崎が目に映る。
「悪いな、柿崎さん……1点貰うぜ」
当真はそう言うと、照準を合わせ引き金を引く。放たれた弾丸が柿崎の頭を撃ち抜いた。
「あとは照屋と巴……。とりあえず移動するか…いけるか冬島さん?」
『おう、もう設置済みだ。何時でも飛べるぞ』
「いいね〜。流石元エンジニア、仕事が早いぜ」
『だろ?そうゆうのはもっと言ってくれていいんだぜ?』
通信の向こうで冬島さんが誇らしげに言う。俺は少し口角を上げながらショートワープで次の狙撃ポイントへ移動する。
「さーて、照屋と巴……どっちを狙おうか」
『……狙うのは少し待って、若槻が2人を補足した。バッグワームをつけた状態で2人と距離を詰めてる』
真木ちゃんが落ち着いた様子でそう言った。俺はニヤッと笑いながら通信を返す。
「流石、アイツの
『当真、おしゃべりはそこまでにして』
「へいへい、分かってるさ真木ちゃん」
真木ちゃんからの通信に軽く返しながらスコープを覗き込む。射線上には照屋と巴の姿が映った。だが、どちらも狙撃への警戒を高めているのがパッと見でも分かる。
(さて、どうするか……)
なんて、考えていると上空から2人の頭上へ、見覚えのある人物が降ってくるのがスコープに映る。
俺はその姿に驚くと同時に笑みを浮かべる。やっぱ、あいつといると退屈しねえな。
スコーピオンを構えて上空から降ってくる若槻に巴の視線が集中し、狙撃への警戒心が薄れたことを感じとる。そこを逃さず、イーグレットを構えて巴へと銃口を向けると左胸を撃ち抜く。
『トリオン供給機関破損──
「おっし、これで2点目」
俺は、トリオン供給機関を破壊された巴が緊急脱出していくのを見ながら呟いた。これで合計6点目……まだ照屋が残っているとはいえこの調子でいけば確実に勝てそうだな。と、ここで真木ちゃんから通信が入る。
『当真、油断せず若槻の援護』
「了解了解」
とはいえ、心配いらねえと思うぜ真木ちゃん。
何せウチの隊長は、強えからな……。
◇◇◇◇◇
──柿崎を当真が撃破した頃の若槻。
「残りの2人も副作用で補足したぜ、真木ちゃん。どうやら合流を狙ってたぽいな。2人の位置は___」
『…分かった。それならまず、何とか2人の動きを止めてくれる?』
確かに、一瞬でも動きを止めさせて俺が注意を引ければ当真が1人はもっていく。なら……ド派手に行くか!!
「了解……エスクード!」
真木ちゃんの落ち着いた声に返事をして、エスクードを起動する。角度をつけて地面から急速に生えるエスクードの勢いで、柿崎隊の方へジャンプし上空から迫る。
そう遠くない距離だから、間もなく2人が視界に入る。
「っ!まさか上から降って来るなんて!」
「えっ!?若槻先輩!?」
『ズドンッ』
突如現れた俺に驚く照屋ちゃんと虎太郎。2人は俺に対して警戒態勢をとろうとするが、俺が着地するや否や虎太郎の左胸が狙撃弾により貫かれた。
『トリオン供給機関破損──
「おっ、さっすが当真。じゃあ……こっからは俺のターンだな」
巴が緊急脱出していくのを見ながら呟くと、俺は無防備に照屋ちゃんの元へと歩き出す。そんな俺を見て、怒った表情をした照屋ちゃんが声を掛けてきた。
「そんな隙だらけで!バカにしないでください!」
「ははっ……まぁ、そう言うなよ」
何発かアステロイドが放たれるが『空間把握』で完全に起動を見切っているので最小限の動きで躱す。
俺が笑顔を浮かべながら更に近づいて行くと、照屋ちゃんは更に苛立ち、俺に対して距離を詰め孤月で大ぶりの攻撃を仕掛けてくる。
が、それも読んでいたので容易く躱して孤月を振り切って隙だらけな状態の照屋ちゃんの頭にスコーピオンを突き刺す。
『戦闘体活動限界──
「なっ!?」
(私が……こんな簡単に!?)
照屋ちゃんが驚きながら落ちていく中、俺は内心少し彼女に同情していた。
どんな動きも俺は『空間把握』によって動き出しの“起こり”とでも言うべきモノを完全に見抜く。だからどんな動きだって読んで潰せるって寸法だ。その上、不意打ちやら潜伏・隠密・狙撃は意味を成さない。
とんだクソゲーだな、おい。
「まぁ、何はともあれ……勝ったよ、真木ちゃん」
『…えぇ、お疲れ様。よく頑張ったね若槻』
いつもより少し優しげな声の真木ちゃん。これだけでも頑張った甲斐があるってもんだ。
───試合終了
◇◇◇◇
「虎太郎!!文香!!」
2人の離脱を知らせるアナウンスを聴きながら柿崎は立ち尽くしていた。
初戦がこれは、いくらなんでも対策のしようがねえ……。とはいえ、新チーム一発目から、この立ち上がりは心にくるぜ……。そんな事を考えていると2人が帰ってくる。
「お、落ち込んでる暇なんかないよ! 柿崎さん!」
「そうですよ。切り替えましょう!」
文香、虎太郎……2人の言う通りだ。俺がしけた面してたらダメだな……。
「あぁ、そうだな! 2人ともサンキューな……っよし、総評を聞こう!」
◇◇◇◇
B級ランク戦、観戦席。
『若槻隊長のスコーピオンの一刺しにより照屋隊員、
「圧勝じゃねーか」
「数字見るとヤバいな」
実況の綾辻、解説の太刀川と出水はランク戦を通しての総評を行っていた。柿崎と元チームメイトの綾辻は少し落ち込んだ様子だ。
「……試合は終始、若槻隊が圧倒する展開が続きましたね」
「そうだな、正直 、柿崎隊と常盤隊はかなりキツかったな」
「最初っから、最後まで若槻隊のやりたいようにやらせちゃったからなー」
「……とはいえ、対策も正直初戦だから難しかったし……柿崎隊と常盤隊は切り替えて、今回の敗戦を糧にするしかねーな」
太刀川の大雑把な総評により、こちらも幕を閉じる。圧倒的なスコアを叩き出した若槻隊に隊員達からの注目が集まっていた。
『最終スコア』
得点 生存点 合計
若槻隊 7 2 9
常盤隊 0 0 0
柿崎隊 0 0 0
試合後の若槻隊は次話へ持ち越しで……
ヒロインに関する最終投票※結果が反映されるとは限りません、参考にさせて貰います。
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1人派(真木理佐確定)
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複数派(+香取/小南/三上)