カリカリとシャーペンをノートに走らせる。早速始まった授業だが為になるな。
ISについての知識は束のやつから聞いてはいたがあいつの授業は進みが早く小難しい。いや、こちらが理解出来ているからこそのスピードなのだろうが。
この授業は束の授業をもっと分かりやすくしている感じだから復習には良いな。
そして時間はあっという間にすぎて休憩時間になった。
その時だった、声をかけられる。
「ちょっと良いか?」
「ん?」
声を掛けられた方に向くとこの学園のもう1人の男子である織斑一夏が立っていた
「えっと、俺は織斑一夏って言うんだ。学園に2人しか男が居ないんだし、仲良くできたらなって思って声掛けたんだが……」
「あぁ、そうだな。学園でたった二人の男子だ、仲良くしようか」
そうして俺は手を差し出した。仲良くして損は無いはず……なのだが嫌な予感がするな。具体的にはこいつの鈍感のせいでこちらに何か飛び火しそうだ。
「俺は、ラーミナ・アドステラだ。よろしく頼む。好きに呼んでくれ」
織斑一夏と握手する。
「よろしく頼む。俺のことは一夏て呼んでくれ。俺もラーミナって呼ぶからさ」
「わかったよ一夏」
そんな挨拶を交わしていると
「……ちょっといいか」
俺達に話しかける人物がいた。
その人物の事は知っていた。篠ノ乃箒、束の奴の妹だ。
「アドステラとは初めましてだな。私は篠ノ乃箒と言うよろしく頼む」
「ああ、よろしく。それとラーミナでいい、このクラスにはアドステラが二人いるからな」
「そうか、ではラーミナ一夏借りてもいいか。少々話したくてな」
「俺は別に構わないが、一夏は?」
「俺も別に構わないぞ」
そう言うと篠ノ乃箒は一夏を引っ張て廊下へ出て行った。
それを見届けると俺は大型タブレット端末を取り出し画面に指をすべらせる。IS学園に入学したとはいえ、俺はアウロラの軍部の人間だ仕事はある。
それにプロジェクトMSを進める為には時間を浪費する訳にはいかない。
********
「━━━であるからして、ISの基本的な運用は現時点で国家の認証が必要であり、枠内を逸脱したIS運用をした場合は、刑法によって罰せられ━━」
二限目になり山田先生による講義が始まった。やはり復習というのは大事だな。
「織斑くん、何かわからないところがありますか?」
山田先生から一夏に対して質問がとぶ。まあ一夏は急遽IS学園に入る事になったからこういうのは大事だろう。
「あ、えっと……」
「わからないところがあったら遠慮なく質問してくださいね。なにせ私は先生ですから」
「先生!」
「はい、織斑くん!」
「ほとんど全部わかりません」
…………こいつ大丈夫か?
「え……。ぜ、全部、ですか……?」
山田先生も唖然としてる。
「え、えっと……織斑くん以外で、今の段階でわからないっていう人はどれくらいいますか?」
山田先生は他の生徒に聴くが
誰も手を挙げない
「……えっと、ラーミナくんはどうですか?」
同じ男子だからだろうか。山田先生が聞いてくる
「問題はありません。学園に入る際に詰め込みですが勉強はしましたし、軍人としてISについてはある程度の知見があります」
俺はそう言った。
束は良い顔をしないだろうがISは兵器として今は運用されている。軍に関わる人間として兵器を深く知らないのは致命的だ。それに束の授業を受けている。
そして学園からも入学前に必読の参考書を貰っている。
そして教室の隅で授業を見ていた織斑先生が一夏に声を掛けた。
「……織斑、入学前の参考書はよんだか?」
「古い電話帳と間違えて捨てました」
一夏の言葉に対して織斑先生は首席簿での攻撃をした。凄まじい音を立てている。
「必読と書いてあっただろうが馬鹿者。後で再発行してやるから一週間以内に覚えろ。いいな」
「い、いや、一週間であの分厚さはちょっと……」
「やれと言っている」
「……はい。やります」
これは一夏が悪いな。
「ISはその機動性、攻撃力、制圧力と過去の兵器を遥かに凌ぐ。そういった“兵器”を深く知らずに扱えば必ず事故が起きる。そうしないための基礎知識と訓練だ。理解ができなくても覚えろ。そして守れ。規則とはそういうものだ」
ここに居るヤツらの大抵はISが兵器なのを理解していないと思うがな。このままだと事故どころか死者が出るぞ。
まあ、IS学園の教育方針に口出しするほど偉くは無いので心の中で留めておく。
「……貴様、『自分は望んでここにいる訳ではない』と思っているな?」
姉弟ゆえの理解か?
「望む望まないにかかわらず、人は集団の中で生きなくてはならない。それすら放棄するなら、まず人であることを辞めることだな」
正論だな。人は関わりあって生きている他の生物にも言える事だ。
「え、えっと、織斑くん。わからないところは授業が終わってから放課後教えてあげますから、がんばって?ね?ねっ?」
「……はい。それじゃあ、放課後によろしくお願いします」
「ラーミナ、大変だとは思うがお前も織斑に少しでいいから付き合ってやれ。同性の方が何かと良いだろう」
「ええ、時間があれば」
織斑先生の頼む事に了承し一夏への説教も終わり授業が再開された
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