「ここに新たにアウロラ国の設立を承認する」
国連会議にてこの言葉と共に会場では拍手が起こり俺の周りの人物達は諸手を挙げて喜ぶ。
今日この日この世界に新たにアウロラという国が誕生した瞬間だった。
およそ五年前、ついに紛争は終わりを告げた。レジスタンスの勝利という形で。
ISの出現により俺とマドカがその力を十全に発揮した事により優勢だったレジスタンスは更に勢いをつけて行った。
それによりレジスタンスは勝利を掴み取った。
が、すぐに国が良くなった訳では無い。政府を打倒し解体した際にこの国は国連からの国家としての承認を解除された。
別に承認を解除されても国としては問題無いが。
国連に承認される事による恩恵は大きい。
国際法による保護、世界銀行や国際通貨基金(IMF)の借款の利用、国境管理などが可能になり、色々な経済圏との貿易が容易になり、さまざま制度を活用できるようになる。
さらに、貿易法に保護されることで、貿易協定を作りやすくなるなど様々な恩恵が国が得る事が出来る。
国家としての承認が得られるのは――
国際法における主要な法主体であり、国際法上、国家であるた めには、①永続的住民、②一定の領土、③政府、④他国との関係を取り結 ぶ能力(外交能力)の四つの要素が必要である。
このうちの③と④をレジスタンス側は所有していなかった。
③についてはさほど時間もかからずに達成する事はできたしかし、④の条件を得る為には中々に大変だった。
それもそのはず。少し前まで紛争が起きていたのだ外交できる程の国力など残されていない。
そこからは低下した国力復活の為に新しくなった国は奔走した。
まあ、そこまで深刻では無かった。というのも元々レジスタンス側では勝利が見えてきた際に紛争による国力低下は予見されていた事だった。
それに伴いレジスタンス側の人間を世界各地の様々な分野に触れさせ力を付けさせる事で低下した国力の回復を目指した。
そのかいもあってかわずか五年前国の建て直しは完了した。それにより国連による国家の承認を勝ち取り新たにアウロラという国が出来上がった。
まだまだ問題は残っているがそれも国家の承認が得られた事による恩恵でこれまでまで以上のスピードで解決する事ができるだろう。
ちなみに俺が何故国連の国家承認の会議にいるのかと言うと今はアウロラの軍部のIS部門並びに開発部門のトップを任されているからだ。
アウロラは紛争により人手不足になった、故に使えるものは全て使うというスタンスにより俺はこの役職に着いた。マドカも同じく国の要職に着くことになった。
元々レジスタンス側では紛争での活躍により俺達は英雄視されており祭り上げられたという事でもあるのだが。
まあ良い。
これから忙しくなるのだから、気持ちを入れ替えなければな。
国連の承認により1年程した時だった。転機が訪れた。
「主任、お客さんですよ」
「ああ?客?予定無かっただろ?」
俺は抹茶ラテを啜りながら答えた。推定年齢18歳の俺だが国の要職についているし最近では国の極秘プロジェクトにも参加するようになった。
そんな俺にアポ無しで来るなんて何処のばかだ?というかアポなしは断る事によるなっていたはずだ。
「アポ無しは断わるはずだろ?」
「それが相手が相手でして……」
相手が相手てどっかの国のお偉いさんでも来たか?でも逆にそういうところはちゃんとアポとるしな。
「訪ねてきたのが篠ノ之束博士でして」
「ブッ!?」
あぶねぇ、吹き出しかけた。で、え?なんだって篠ノ之束……
ちっ、遂に来たか。その内来るとは思っていたが。
「仕方ない通せ、それとマドカを呼んでくれ」
「わかりました」
そう言うと部下は下がって出て行った。
さてと俺も応接室に移るか。
俺が応接室に到着して暫くすればマドカも来た。
「いきなり呼び出してどうした?」
「篠ノ之束が来た」
「そういう事か」
篠ノ之束が来たことを話せばすぐに納得したようだ。
マドカはそのまま応接室のティーセットを準備し始めた。
マドカがティーセットの準備を粗方完了したころ応接室の扉が叩かれた。
「篠ノ之束博士をお連れしました」
「入ってくれ」
応接室の扉を開けられ部下と一人の女性が入ってくる。
ウサミミをつけて現れた姿は国の要人に合うとは到底思えないがこの兎にそれを求めるのは土台無理な話だろう。
「初めまして篠ノ之束博士。ラーミナ・アドステラだ」
「はろはろ〜篠ノ之束だよ〜」
……ホントにふざけた奴だ。
「まあ、お座りください」
そう言って束博士を座らせる。そして案内してきた部下を下がらせる。
「どうぞ」
「ありがとう、気が利くね」
マドカが紅茶を束博士に渡して俺の横に座る。
「それで今回はなんの御用で?」
「結構せっかちさんなんだね」
お前みたいな厄ネタにはそうそうにおかえり頂きたい。
俺がインフィニット・ストラトスについて覚えている事は断片的な情報しかない。それでもこいつがろくな奴出ないことは知っている。
「まあ、話が早くて助けるけどね。君と話がしたくて、男性のIS乗りにして束さんですら知らない未知のISを使う君にね」
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