肩身が狭いそれが率直な今の感想だ。
IS学園の試験も終わり遂に入学する事になったがやはりというか当然というか世界にたった二人だけのISの男性操縦者である俺と織斑一夏への視線が突き刺さる。それにその視線はまるで動物園の動物を見るかの如くだ。
お前達この学園に入るまで男なぞ散々見てきたろうに。
なんとも居心地の悪い空間でうゆざりしていると扉が開き山田真耶改め山田先生が入ってくる。
「皆さん、揃っていますね?それではSHRショートホームルームをはじめますよー」
教卓にたち言葉を発するが女子生徒達は俺と織斑一夏の二人ばかりを見ている。おい、学生だろお前達、先生を見ろ。
「私は副担任の山田 真耶です。1年間よろしくお願いしますね」
「「「よろしくお願いします」」」
副担任らしい山田先生は挨拶をするが俺とマドカ、織斑一夏以外誰も反応すらしない。
だが俺たちの挨拶に我に帰ったのか他の生徒も返事が返ってくる。
山田先生は最初の挨拶をした俺を含める3人に視線だけでわかるような感謝を伝えてきた。
「じゃあ自己紹介をお願いします。えっと、出席番号順で」
そんな声が響くがそれでも一定数たった2人の男子に視線を向け続ける者もいる
俺は姓がアドステラなので結構最初の方だったりする。
「ラーミナ・アドステラくん」
そうして俺の番になる。そうすると何かを期待するような目で女子生徒達がこっちを見る。
それを見ないふりをして立つ。
「はい。アウロラ国から来ましたラーミナ・アドステラです。国では軍部に所属してます。年齢はおおよそ22歳ですが同じ学友としてよろしくお願いします」
そうして自己紹介を終える。こんなもんで良いだろ。
女子生徒達は不満があるのか少々不服そうな顔をしているが知らんな。
そして暫くして織斑一夏へと自己紹介は移った。
「織斑一夏くん。……?織斑一夏くん!」
「はっ、はい!」
緊張でもしてたのだろう、山田先生から大きな声で呼ばれて慌てて立ち上がり他の生徒がいる後ろを振り向く
そしてそんな織斑一夏に女子生徒達は釘付けになっている。
「えー……えっと、織斑一夏です……よろしくお願いします」
それに対して周りは他には?という先程の俺に向けたような視線を飛ばすが
「以上です!」
ろくに考えてなかったのかそれで終わった。
俺より酷い自己紹介に思わずコケる生徒が何人かいた。リアクション芸人みたいだな。
そんな織斑一夏の頭に出席簿が振り下ろされとてつもない音が響き渡る。
「いっ━━━!?」
織斑の頭を叩いた相手は織斑千冬改め織斑先生だった。
山田先生が副担任なのを考えると担任なのだろう
織斑先生を見た織斑一夏は
「げえっ、関羽!?」
とてつもなく失礼な言動とともに再び出席簿を頭に叩き込まれた。
「誰が三国志の英雄か、馬鹿者」
あれは叩かれるの仕方ない。普通に失礼だ。
「あ、織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」
「ああ、山田君。クラスへの挨拶を押し付けてすまなかったな」
「い、いえっ。副担任ですから、これくらいはしないと」
山田先生との会話が終わったのか織斑先生がこちらに向き直った
「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことはよく聴き、よく理解しろ。出来ない者には出来るまで指導してやる。私の仕事は弱冠15才を16才までに鍛え抜くことだ。逆らってもいいが、私の言う事は聞け。いいな」
かなり独裁的な発言な気もするがここは兵器を扱う学校、厳しくて当然だな。
「「「「「「「キャーーーーーー」」」」」」」
織斑先生が話し終えた瞬間爆音が響いた。一瞬鼓膜を持っていかれた気がした。
というかうるさい。
「千冬様、本物の千冬様よ!」
「ずっとファンでした!」
「私、お姉様に憧れてこの学園に来たんです!」
「あの千冬様にご指導いただけるなんて嬉しいです!」
「私、お姉様のためなら死ねます!」
ここで俺はこいつらに評価をつけた、ISを自分を着飾るファッションとして扱うバカの集まりだと。まあ良い、そんな奴らを指導するのは織斑先生の役目だ。俺は俺の目的を成せばいい。
「……毎年、よくもこれだけ馬鹿者が集まるものだ。感心させられる。それとも何か?私のクラスだけ馬鹿者を集中させてるのか?」
ご愁傷さまです。高い酒でも今度差し入れするか……。
「きゃああああっ!お姉様!もっと叱って!罵って!」
「でも時には優しくして!」
「そしてつけあがらないように躾をして〜!」
我慢だ俺にはやるべき事があるんだ。ここにいるのも必要な事なんだ。
「で?挨拶も満足にできんのか、お前は」
「いや、千冬姉、俺は」
「織斑先生と呼べ」
「……はい、織斑先生」
公私はわけろよ織斑一夏。社会に出た時苦労するぞ?
「え……?織斑くんって、あの千冬様の弟……?」
「ああっ、いいなぁっ。かわってほしいなぁっ」
そして女子共は黙ってくれ切実に。
「山田くん、自己紹介の続きを頼む」
「は、はい」
そして自己紹介が再び続けられた。
自己紹介が終わると丁度よくチャイムが鳴った
「さあ、SHRは終わりだ。諸君はこれからISの基礎知識を半月で覚えてもらう。その後実習だが、基本動作は半月で体に染み込ませろ。いいか、いいなら返事をしろ。良くなくても返事をしろ、私の言葉には返事をしろ」
ふむ、織斑先生は教師より軍の教官の方が向いてるなと思う。