アイツを上回れるだけの策がある。
そう言って別世界のアロナが差し出してきたのは、バックルの欠けたベルトと真っ白な何か。
「……こ、これアズサがつけてたやつじゃないですか?」
「肯定」
「ちょっとぉ!?」
アズサは強いしそんなに心配してないけど、あの化け物相手じゃどんだけ準備があっても足りないくらいだぞ?
「返してください!今!すぐ!人のもの取ったら泥棒ですよ!?」
「……白洲アズサの了承は得ています。その機能を複製、再生成したため、白洲アズサの強化状態は保たれます。問題ありません」
「え、あ、それはごめんなさい……」
「また内部データに、桐花スオウ向けに調整されたプログラムを発見しました。これは本来、桐花スオウ向けに作られたものだと考えられます」
しかし策って、ひょっとしてこれのことなんだろうか。
マユミの発明品がすごいことは知っている。それを使えば、焼石に水くらいには強くなるだろう。でも、所詮そこ止まりだ。
あれを圧倒できる。なんて、そんな代物だとは思えない。
「私からできるのは提案のみです。しかしこれを使用しない場合、勝率は1パーセントを切ります」
「使った場合は?」
「……彼女を正気に戻せる確率が、極めて高いです」
「……」
勝てるわけじゃないのか。まあ、そりゃそうか。一時的にって言ってたもんな。
「そこからは私たち次第。って、ワケですね」
「肯定。あまり時間はありません。選択を」
「やります」
それでも、このままじゃ勝ち目なんてないんだ。だったらダメで元々、できることなんてなんでもやってみたほうがいいに決まってる。
それに。
「だから先生、一旦それやめてくださいね。次やろうとしたら、私だって本気で怒っちゃうんですからね!!」
「“はは……”」
……まったく、先生ったら。人には散々言うくせに、自分はこういうことしちゃうんだもんな。
「アロナさん、それ貸してください!使い方は、えぇと?」
「白洲アズサが知っているはずです」
「っ……先生?それに、スオウ?」
先程まで別世界の俺と交戦中だったアズサを、シロコを介して転送してくる。
可愛い妹は、相変わらず全身真っ白な変態的服装に身を包んだまま。お姉ちゃんは心配ですね。
そう思わなくはないけど、自分もこの服装をするんだ。いまのうちからダメージを増やすのはやめておこう。
「アズサ!ちょっとこれの使い方教えてくれませんか?」
「……どういう状況?」
困惑しながらも、使い方はしっかり教えてくれるアズサ。
可愛い妹の説明だ。一言一句だって忘れるはずがない。妹ラーニング法はお姉ちゃんにとって極めて有効な学習方法だ。
「こんな感じだけど……どう?」
「なんとか!」
アズサに言われた通り、ベルトを腰に巻く。半分になったバックルのボタンを押せば、場にそぐわない派手なBGMが流れ始めた。
「……なんか、おもちゃっぽいですね」
「元々それを参考にしたって聞いてる」
「は、はははっ……」
俺も前世で小さな頃、こういうので遊んだっけな。
それと違って、本当に変身できてしまうのがこれの恐ろしいところだけど。どれ、ここはマユミ達に合わせて。
「えいっ!」
『NOW LOADING……BEST MATCHED!!』
「変身っ……で、合ってるんですかね!?」
『ACCEPTED YOU!!』
瞬間、周囲が光に包まれる。体の周りを、何かが這い回る。
『THREE LIGHT!!』
『ALL RIGHT!!』
『YOU ARE LIGHT!!』
「ちょ、ちょちょっ、おおっ!?」
それが落ち着いたと思えば、今度はベルトから三色。青と赤、そして黄色の光が発射されて。
『CHANGE!! THE NEXT!!!』
『『『ARIUS WHITE!!!』』』
『YEAHHHHHHH!!!!』
「や、やっと終わった……」
それらが質量を伴って体にぶつかってきたところで、ようやくこの珍妙な現象が終わりを迎えた。
『無垢なる白は希望の光!アリウスホワイト!』
『WE WAITED FOR DECADE……』
「まだ言うかこいつ!!」
かと思えば、普通にまだ続いてきやがった。しかもご丁寧に、どこから入手したのか俺の声にそっくりな合成音声まで添えて。マユミは後で妹にする必要がありそうだ。
とにかく、これだけ恥をかいたんだ。一応うまくは行った、はず。
「ど、どうですか?これであいつに対抗できるくらい強くなりました?」
体感だと……そんなに変わらない。いや、強くなってるのは確かだ。出力も俺向けに大きくなってて、多分アズサのものよりも負担自体は大きいのだろう。
けど、たったこれだけで別世界の俺に対抗できるか。そう考えると、「そんなに変わらない」とも言いたくなる。せっかく恥をかいたってのに。
「……って、あれ?」
そんな恥を共有できる相手を探そうとして。アズサが見当たらない。
「せ、先生?アズサは?」
「“え……”」
「あ、アロナさん!?」
「……」
姿形。綺麗さっぱり消えてしまったみたいに、その場のどこにも可愛い妹がいない。
さっきまですぐそこにいたはず。今の一瞬で何が起こった?あの光が原因か?
「あ、アズサ!?」
どれだけ探してみても、思考を巡らせても。アズサが突然、どこかに消えてしまったようにしか思えなかった。
「っ……!」
罠。その一文字が、頭を過ぎる。
別世界の俺が、『ああ』なった理由なんて想像に難くない。まさか俺を同じ状態にするために、俺をはめてアズサを。
「……え……っと……」
そんな可能性を考え始めた、次の瞬間だった。妹の声が聞こえる。
「アズサ!?」
どこだ、アズサ、一体どこに。急いで目線を走らせても、やっぱり声が聞こえない。
けれども注意すれば、息遣いが聞こえる。鼓動が聞こえる。匂いもするし、温もりすら感じら、れ……?
「……アズサ?」
「あ、ああ……ここに、いる」
「“これは、一体……”」
自分の体の後ろ側。背中側を見てみる。見覚えのない翼が装甲に覆われていて、それは自分の意思で動かすことができない。
これはひょっとして、ひょっとしなくとも。
「……えっと、これはなんというか……」
次に注目したのは、バックル。先程まで真っ二つに引き裂かれていたはずのそれが、元の一つの形に戻っている。
俺からみて、ちょうど左側。欠けていたそこは、アズサが所有していた部分だ。
「……が、合体……的な?」
「肯定」
「肯定。じゃないですけど!!?」
ちょっと待った、いやちょっと待ってほしい。科学的にどうなってるとかそもそも安全性は保証されてるのかとかそれよりもまずは最初に。
「今の私ってお姉ちゃん!?それとも妹!?」
「そこじゃない!!これは元に戻るの!?」
「可能です。むしろその状態を保つ方が難しいので」
「こ、この状態を保つって……!?」
妙な感覚だ。体は間違いなく自分の思い通りに動いてる。けど、その『自分』が曖昧で……なんというか、言葉で言い表せない。
しかしアズサと合体。これはもうほとんど血縁関係が生まれたと言っても過言ではないだろう。お姉ちゃん力が大分アップだ。定期的に他の妹とも変身して合体を……。
「気持ち悪い思考を垂れ流さないで。どうなってるんだ?」
「酷い!?お姉ちゃんなのに!!」
「……状態の共存。この船の実在と非実在を保ったように、そのベルトを用いた変身者。つまりスーツの中身が、桐花スオウである状態と白洲アズサである状態。二つを共存させることによって、擬似的な合体状態を再現しています」
「……スオウ、わかった?」
「わかったような、わからないような……」
多分あれかな。シュレディンガーの猫ってやつだ。あれそういう意図で言い出したやつじゃなかった気がするけど。
とにかく、俺の変身状態とアズサの変身状態を都合よく切り替えれる、ってことか。
「なるほど……少しわかった気がする」
「これ、思考も共有されるの便利ですね」
「“互いの考えてることがわかるの?”」
「なんとなく。アズサがお姉ちゃん大好きだって気持ちが痛い痛い痛い翼で打たないでください!!」
唯一自由に動かせる翼で反旗を翻してくるアズサ。元気そうで何よりだけど、今はそれより。
「……でも、これだけでアイツに勝てるとは思えませんよ?」
「その通りです。故に、我々二つのシッテムの箱の力で桐花スオウ、及び白洲アズサをサポートします」
「へ……?」
つまりどういうことだろう。疑問を言葉にするよりも先に、別世界のアロナが口を開く。
「私たちの世界の先生が、桐花スオウを。こちらの世界の先生が、白洲アズサを。それぞれを全出力を集中しサポートします。先程の同期による効果も合わせて、理論上は彼女を上回る戦闘力を得られるはずです」
「お、おお……!」
さっきプレナパテスの、向こうの先生の募集を受け入れていたのが功を奏した。都合よく移り変われる状態になった俺たちを同時にシッテムの箱で支援。相乗効果で、出力はさらに上がるはず。
「先生、ご協力いただけますか?」
「“もちろん。……スオウ。アズサ。別世界のスオウのことは、お願いね”」
「はい!」
「わかった」
と、その前に。
「そっちの先生、こちらへ!」
ボロボロの先生をスーツの機能であるロープを展開して、こちらまで手繰り寄せる。
その片腕は力無く伏していて。もう片方は、肘から先がない。
「“……”」
けれどもその目は。まだ、俺を見ている。
「……はい!!」
それだけで充分だ。言葉は、要らなかった。
「では、シッテムの箱による桐花スオウへのサポートを開始します」
「“こっちのアロナも、お願いね!”」
体に力が漲る。一人で別世界の俺を足止めしていたあの時の比じゃない。
奥底からじんわりと満たしていくような。どこまでも広がっていくような。
「は、はははっ……すごいですね、こんなの」
この体が、まるで。
「負ける気がしないや」
全く別のナニカに、入れ替わったような気分だった。
◇
別世界のスオウは、眺めていた。ぼんやりと、ただ一点を。
「ぐ……くっ……!」
あのチビの白髪を殺したい。そのために、この舟を手早く壊してしまいたい。だから、コイツらは邪魔以外の何者でもない。
「ぅ……」
邪魔は排除する。そう思い立ってから全ての生徒を無力化するのに、そう時間は要らなかった。
目的はただ一つ。桐花スオウを殺す。それだけなのだから。
「スオウ……!」
「……」
ならばなぜ自分は、こんなところで手を止めたのだろうか。青い瞳に視線を送りながら、桐花スオウは動けずにいた。
矛盾だ。存在意義と正反対の思考を、そして行動を。それらを取らせようとするこの感情は、矛盾に他ならない。
「ははは……」
それを目の当たりにした錠前サオリもまた、同じくして動けない。
下手に動けば殺されるから?反撃の隙をうかがっているから?どれも否。彼女の瞳の奥に理性の芽生えを見たからである。
「スオウ!!」
「……?」
錠前サオリの声を聞いて、桐花スオウは顔を顰めた。
その声を聞くたびに、全てを投げ出してしまいたくなる。動く気力がなくなる。生きようという気概が、大きく削がれるのだ。
そのまま体を大の字に投げ出して、目を閉じて、一生眠ってしまいたいな。そんな考えが、頭に思い浮かぶから。
「……」
つまり結論から言うと、桐花スオウの理性は完全に消失したわけではない。壊れただけだ。
彼女自身の
「……さお、り?」
「っ……!」
それが理性によって現状を打開しようとする生物的な本能か、あるいは生徒の生命力が成せる代物か、もしくはもっと他の何かか。とにかく、彼女は先程よりもまともに戻りつつあると言える。
「スオっ、う?」
だがそれは、彼女が自分自身を取り戻したというわけではない。
厄介さはむしろ増すばかり。こうして演技で油断を誘い、その隙に始末しようと画策するような理性を取り戻させてしまった。
「させねぇよ!!!」
で、あるのだから、早いところ大きな手傷を負わせて完全に
「あ、アズサ!?」
「サオリ!!よかった間に合って!!ピンチの時に駆けつけるのは?そう、お姉ちゃんですね!」
「い、いや、その気持ち悪さは……!スオウか!」
───気持ち悪さって何さ。
別世界の自分の拳を握りながら、スオウは仮面の下で苦笑いを返した。
「スオウ、油断しないで。時間はあまりない」
「それもそうですね!一気にカタをつけます!!」
「い、いや、アズサ……どっちだ!?」
「どっちもってとこです!!」
別世界のスオウを蹴り飛ばして。土煙から姿を現すのは、その全身を真っ白に染め。そして、両腕を赤と青、そして黄色。三色に染め上げた、仮面の戦士の姿だった。
「……先程と、姿が違う?」
サオリがそう気づいた直後。スオウとアズサの耳元へ、通信が入る。
『スオウさん、聞こえてるかしら!?』
「っ、耳がぁ!?あず、アズサ!!これ音量小さくしたり」
「できない!!我慢して!!」
「そんなぁ!?」
一人の人間の体から、三人分の声が聞こえる。あまりにおかしな状況に、サオリは一度目を擦る。見える景色は変わらなかったので、サオリは考えるのをやめた。
「テメェ……!!」
「っ、うっさい今忙しいです!!」
吹き飛ばされた先から、這いずるようにして迫る泥の塊。その一箇所をアズサ、あるいはスオウが打ち抜くと、そこから一人の少女の姿が見えた。
「この、野郎ッ!!!」
その少女の体を掴み、背負い投げ。それだけで抑えきれないほどの大きな振動が、舟中を揺らがす。
『し、白洲アズサとスオウさんの声が聞こえるけど……と、とにかく無事に変身できたのね!!最っ高よ!!』
「あ、音量小さくなってる!」
即座に反撃を図る別世界のスオウ。周囲を球体で囲い、内部に大量の爆弾を展開。起動音が鳴り響く。
『それはスオウさん向けのキヴォトス戦隊新形態だよ!!私もできれば使ってみたかったぁ!!』
『おいこらサユリぃ!!今私が話してんのよ割り込んでくるな!!』
『なんだとぉ!?』
『なによ!!』
『おぇっ……!二人ともぉ……!この椅子、回転させる必要あったぁ……!?』
そんな危機的な状況を他所に、
この舟にいるものは知る由もないが、三人は円卓を囲うようにして座り込んでいる。発言者の椅子がマイクの元へ移動する仕様。三半規管の弱いアシリは、マユミとサユリの言い合いに巻き込まれて酔い気味である。
「いや、今はそんな話してる場合じゃ……!」
「スオウ、備えて!!来る!!」
「ああもうっ!!アズサ、バリアを!!」
アズサにバリアを展開してもらいつつ、スオウ自身は脱出しようと球体に攻撃。相当硬度を高めているのか、一撃目はヒビを入れるに止まる。
「と、わ、わわわっ!?」
二撃、三撃。スオウ自身の想定さえも超えて、数えきれないほどの拳が球体に打ち込まれ、そして崩壊。開いた穴から、スオウとアズサは脱出に成功。
「チッ……」
であれば、一人自爆してやる理由もないと別世界のスオウは球体を破壊。その恐怖を操って、爆弾をスオウとアズサの元まで運んだ。
「ああ!?」
「問題ない!」
起爆。直後、バリアが崩壊。しかし、中にいるスオウ、そしてアズサは無傷だった。
「お、おお……!すっごいですねこれ!」
『そうでしょうそうでしょう!?私の発明はすっごいのよスオウさん!!』
『あとアシリィ!!こういうギミック大事だろ!?やっぱ楽しさがないと!!』
『たのしくないぃいい……!うぷっ……!』
マイク越しに聞こえて来る駆動音。そしてアシリのえづき。
早く決着をつけないと、アシリの尊厳が危ない。状態の共存による合体がなくとも、アズサとスオウの心は通じ合っていた。
「あの黒いの、厄介ですね……」
「ああ……どんな攻撃が来るか……」
今の二人はその筋力、頑丈さ、動体視力、ありとあらゆる肉体の性能が底上げされている。故に、別世界のスオウの攻撃にも耐えることはできる。
だが、この舟そのものは話が別。もしも最初のように、巡航ミサイルでこの舟ごと壊されたら?自分たちは生き残れるだろうが、周りの人間は話が別だ。
「スオウちゃんッ!と、アズサちゃんかな!?これッ!!」
「っ、ん?」
ミカが血まみれの手で投げつけてきたのは、骨伝導型の通信端末。装甲に都合よくはまる部分があったためそこにくっつけると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
『二人とも、繋がったみたいだね』
「ん、なんか声聞こえないですね!!もうちょい音量大きくできますか!?」
否、聞こえてこなかった。装甲の外側からでは音量が足りていなかった。
『なっ……こ、これはどうやって……ああもう、いい!できるだけ大声を出すから、このまま聞くんだ!!』
「あ、やっと聞こえた」
『いいか!君たちの戦闘は私がサポートする!!舟へ影響を与えるような技も!!周りを巻き込むような展開も!!君たちに無視できないダメージを与える攻撃も!!全て私が予感し、警告する!!だがら、げほっ……!だから君たちは何も気にせず戦うんだ!!いいな!!』
慣れない大声で咳き込みながらもサポートすると、そう伝えて来るのは百合園セイア。
「予感というのは」
『そう、件のあれだよ!!ああ!!ナギサ!!これの音量の上げ方を知らないかい!?』
『み、ミカさんの私物ですので……』
「あ、セイアちゃんそれマイクの下のボタンみたいなので音量上げれるよ」
『これか!!』
かつてない彼女の様子に、桐藤ナギサは少したじろいでいた。それを平然と受け入れている聖園ミカにも。いつのまにやら、ティーパーティは随分愉快なところになってしまったらしい。
『よし、聞こえるね』
「あ、はい……ところでセイアさん、こっちの様子って見えてるんですか?」
『ああ、見えているよ。察するに、彼女のことかな』
「その通りだ」
二人の視線の先には、別世界の桐花スオウ。彼女は動かずに、否、動けないでいた。
先程までの白い装甲の変態ではない。明らかに内包する力も、そしてその一撃一撃の重さも別物。なにより、一つの体から六人分の声が聞こえるようなおかしな事態にはなっていなかった。
自分の知識に存在しないイレギュラー。掠れた前世の記憶を用いても解析できない、完全な不明。
『……何もしていない。こちらを伺っているだけだ』
「警戒してるってわけですね……」
だがその声のうちの一つは、自らが殺したいと願う彼女の声。であれば、戦いを避ける理由はない。
『……いや。待て』
つまり。
「きめた」
まずは力の大元を排除する。そう決定した直後、彼女はその全身を泥に乗せて移動し。
「させないですよ!!アシリ!!」
『任せてっ!!』
「っ……!?」
次の瞬間体を貫いた雷撃に、一瞬。彼女の動きは停止した。
『フッフッフ……ハァーッハッハァ!!早速使いこなしてるわねスオウさん!!アリウスホワイトの力を!!』
『赤、青、黄!!私達の力で作り上げた新たな光!!私達の力を合わせた、最高の形態!!』
『っぷ……ゆ、故に!!出力はさんばぃ……うっ……!そしてなにより!!私達の力も使いこなせるって台本に書いてあるよぉ!!』
「……イチ聞いたらサンで帰ってくる」
「はははっ……」
その隙を狙って、白洲アズサは翼で空を飛び。そして、桐花スオウは拳に神秘を込めて、別世界の自分を打つ。
『でもそれだけに、その負担は莫大!アズサちゃんだけじゃ操れなかった!!』
『けれど、スオウさんなら耐えられる!!私の冷気!!』
『私の炎!!』
『私の電撃!!』
『あなたのために作り上げた、十年の想いの集大成!!全部使いこなしてちょうだい!!』
別世界の自分に追撃を加えながら。桐花スオウは、理解する。
自分では扱いきれない翼。マユミ達のサポートがあって初めて使える、三つの力。なぜか接合できるようになっていた、セイアの通信機器。自分の足では届かない白いバイク。一人分には明らかに不釣り合いな、キヴォトスロボの操縦室。
「……ありがとうございます、マユミ」
これらは全て。
「みんなの力、全部合わせて!!私たちは勝つ!!」
「……あー?」
もう二度と、一人で戦わせないための力だったのだと。
お久しぶりです。
未だかつてない忙しさの後に体調を崩してしまい、とんでもなく更新が遅れました……本当に申し訳ございません。
一時的な忙しさだったので、もう大丈夫です。いつも通りの更新に戻ります。
最終編も過去編も掲示板も、最後まで必ず書きます!そこだけはご安心ください!ご心配をおかけしました!!