ts転生者の生徒が、頑張るだけのお話。   作:おにっく

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歩一歩

「それじゃあ、私に着いてきなさいっ!!」

「っ!!」

 

 突如としてどこかへ向かい始めたマユミを、サオリが動いたのを皮切りにスクワッドのメンバーが追いかけ始める。

 

「おいっ!!待て貴様!!どこへ行くつもりだ!!」

「逃がさないよ……」

「逃げてないわよ!?」

 

 その圧に白目を剥き、恐怖と驚愕を混ぜ込んで何重にも重ねた声を漏らす。

 

「言っておくが、まだ貴様を信用したわけではない!!一度止まってより詳しく話してもらうぞ!」

「や、だからっ……!」

「ヒヨリッ!!」

 

 サオリの合図と共に、唯一後方より遅れて走っていたヒヨリが銃を構える。

 

「なっ……!」

「と、止まってください!!」

 

 ヒヨリの狙いは右脹脛。マユミもそれを読んでドローンより小型のシールドを展開、弾丸を逸らせようと試みるが。

 

「ぎゃんっ!?ちょ、跳弾!?」

 

 サオリが投げつけた石により弾丸の軌道が変化、左太腿へと直撃してしまった。

 

「かぁあぁぁ……!!い、良い弾丸(タマ)持ってんじゃないのよ小娘ェ……!」

「まだまだ、畳み掛けるよ……!」

「うん、任せて」

 

 先の一撃により一瞬怯んだマユミ。その足を止めるべく、さらに追撃をしようとして。

 

「ちょ、やめっ、やめなさいったらぁ!!」

「っ……!?」

 

 先頭にいたサオリに小さなドローンが向かい、眼前で爆ぜた。

 

「っ、リーダー!?」

「問題ない!」

 

 少し後ろに下げられながらもその薄く引き伸ばしたかのような青さの瞳は、マユミから目を離さない。

 

「はぁ、はぁ……!!私は直接戦闘するタイプじゃないけど!!別に弱かないわ!!やる気ならやったるわさあかかってきなさいよこのアリウスっ娘ども!!その白いコートに生まれる鮮血の薔薇がっ!!娑婆との別れの手向けよっ!!」

 

 両の手を腰あたりの高さで天に向け、どこからか大量の小型のドローンや機械を展開したマユミ。その形は空を飛ぶものや地面を這い回るものなど様々だった。

 

「ぐ……!」

 

 マユミの先の一撃。ドローン一機を犠牲にし、自爆させることによってあの威力を担保している。普段のマユミであれば自爆はロマンよ、どんな機械にも搭載は欠かせないわと高説を垂れていたところだが、そんな余裕はないようだ。

 

「さーかかって来なさい!!さっさと終わらせて桐花スオウの元に……って、そうじゃない!!」

「っ!?」

「……はー……悪かったわ。やめましょう」

 

 マユミが手で何やら合図をすれば、ドローンたちは一斉に大きなビジネスバッグの様な箱に戻って行った。

 

「……ごめんなさい、説明もなしに。そりゃ納得も、信用もできないわよね。でも、本当に時間がないの。だから……これを見て」

 

 そんな謝罪の言葉と共に、タブレットを送りだす。

 

「っ……わかった」

 

 それらを受け取ったサオリを見て、マユミは諦めた様に機械のビジネスバッグを手に持ち、サオリ達の方へ向かう。

 

「できれば、全員で。そこに映るのは、リアルタイムで起こっていることよ」

「……」

 

 マユミの指示に従い、スクワッドのメンバーは集まってタブレットを覗き込む。人数故少々息苦しいながらも、その画面を確認して。

 

「っ……!」

 

 映し出された光景に、飲む息すら忘れて戦慄した。

 

「こ、これって……スオウさんと……!」

「……聖園ミカ、だね」

 

 一言で、端的に、陳腐な表現をするのであれば……次元が違う。

 その一挙手一投足で地面が抉れ、壁は崩壊し、周囲のありとあらゆるものを破壊し尽くす。小蝿を払う様に粗雑な、小さな動き。それだけでさえも幾千幾億の読み合いが交わされ、そして大いなる威力を伴って相手の命を削がんと激突するのだ。

 サオリ達が訓練で何度か手合わせした桐花スオウとは違う。アレは、一切の加減をしていない……正真正銘の本気。ミカを倒すつもりで戦っている。

 

「あんたら、よく見えるわね……」

「これでも訓練は積んでいる……だが、途中途中位置が飛んでいるように見える」

「……それのフレームレートだと追えない部分もあるわ。そのレベルの戦い、ってことよ」

 

 つまり、一秒にも満たないほんの僅かな時間。その時間にも攻防が交わされ、そして続いているということだ。

 

「なんでスオウが……聖園ミカと戦ってるの?」

『……ここ、地下のカタコンベ。さっきの放送を見て、止めに来たのかも』

「……いえ、多分目的は」

「ヘイローを破壊する爆弾」

 

 マユミの声に重ねて、サオリが発言する。

 

「は……?」

 

 同時に、場に走る緊張、驚愕。『ヘイローを破壊する爆弾』の名が出た故、無理もない話だった。

 

「お前はスオウが、死ぬかもしれないと言ったな。『ヘイローを破壊』する方法など、限られている。それが知られているとも思えない。聖園ミカから『ヘイローを破壊する爆弾』の存在を聞いたな?」

「……ほとんど正解よ。最後は違うけど……予想としては、当たってたみたいね。聖園ミカは、『ヘイローを破壊する爆弾』を持ってるのね?」

 

 マユミは知っていた。『ヘイローを破壊する爆弾』の存在を。十年前の、あの日から。

 そして、予想したのだ。ミカの行動の理由を、そしてスオウがミカと戦う理由を。それらを統合して考え……聖園ミカが『ヘイローを破壊する爆弾』を持っている。そう結論づけられた。

 

「……おそらく。皆、私の指示に従ってくれ。今からコイツに着いていく。事情とやらはその道中で聞く」

 

 サオリの発言にスクワッドの面子は、重ねて驚く。

 

「……正気?この胡散臭いやつを信じるの?」

「ちょ、ちょっと!胡散臭いって何よっ!?」

 

 ミサキの指摘に胡散臭い顔つきで抗議の声を示して見せたが、特段取り合ってはもらえなかった。そんなマユミをよそに、サオリは真剣な表情で。

 

「……確かに胡散臭いが、信じてみる価値はある。それに……もし本当ならば、もうあまり時間もないだろう」

「……はぁ……わかったよ。ここのリーダーはサオリだしね。他の分隊に連絡入れておくよ」

「助かる」

 

 サオリ達の様子を見て、マユミは満足げに口元を緩めて。

 

「オッケー!じゃあ早速、レッツゴーよ!」

「な、なんでこの人が取り仕切ってるんですか……?」

 

 スクワッドの面々に背を向け、盛大に走りだす。それに追従して、サオリ達も走り始めた。

 

「おい!カタコンベの場所はわかっているのか!?」

「当然よっ!!アシリに協力してもらって情報をぬす、なんでもないわっ!!」

「……リーダー。コイツは信用してよかったのか?」

「わからなくなってきた……!」

 

 喉元を超えて漏れ出た言葉を見るに、少なくとも手放しで信用できる人間ではないのは確かだった。

 

「とにかくっ!!さっき見せたように、聖園ミカと桐花スオウは戦ってるわ!!そしてそれは、初めてのことじゃない!けど、あなた達はその理由を知らない!違う!?」

「……その通りだ」

「良いこと!?聖園ミカが桐花スオウを捕まえようとしたのは、桐花スオウを助けるためよっ!!」

「っ!?」

 

 走っているが故、大声で話さざるを得ないマユミ。そんな周囲へ配慮することもない言葉に何度目になるかもわからない驚倒を返した。

 

「聖園ミカは気づいていたのよ!桐花スオウが、死のうとしてることにね!!」

「っ……そこだ!!まずそこを詳しく聞かせろ!!」

「いきなりスオウが死のうとしてるって、そんなの信じられるわけ……!」

「いきなりじゃないわ!!少なくともこの計画をした時……あなた達にこの計画を伝えた時点では、もう考えていたはずよ!」

 

 声に反応して攻撃を仕掛けてきた聖徒会を手で制しながら、マユミの背にほとんど追いついて走り続ける。

 

「あなた達の計画!この調印式の破壊が決まってたなら、ヴァルキューレ公安維持局に追われたはずよ!!まあ、あの放送でそれは無くなったかもしれないけどっ!!」

「っ……!!」

「それにっ!!アリウス分校から追手だって出されるでしょう!?」

 

 その通りだった。その程度はスオウにしろミカにしろ、もしくは他のアリウス生徒でさえ承知の上だと思っていた。

 しかし、それは違った。ただ一人、桐花スオウだけは。納得していなかったのだ。ただひたすらに、どこまでも。全ての罪を、自分に擦りつけようとしていた。擦りつけた。

 そんな人間が、次にやることは何か?

 

「つ、つまり……!スオウさんは……!」

「……『ヘイローを破壊する爆弾』を使って!アリウス分校の上層部を殺すつもりよ!!刺し違える覚悟でね!!」

「っ……そんな……!」

 

 あり得ないと、そう否定したかった。実際、あり得るようには思えないはずだった。

 なぜなら彼女達にとって桐花スオウとはどこまでも天真爛漫で、いっそ能天気であるようにさえ思えて。いきなり訪れて姉を名乗ったかと思えば、勉強やら戦い方やら、よくわからないことをよくわからない理屈で教えられて。

 自分たちが苦しい時は寄り添ってくれて、辛い時は助けてくれて。少しずつではあるが、生活も改善されて。

 大切なことを教えてくれた。大切な妹達だと言ってくれた。どこか裏に、重く、暗く、仄見えるものを隠しながら。

 

「……!!」

 

 サオリにより、スクワッドのメンバーに伝えられたスオウへの疑惑。

 発言の違和感、行動の違和感、出現の違和感、その全て。その全てが繋がって、巡り巡って。

 

「あいつは……!」

 

 現れた感情は怒りで、悲しみだった。

 

「そんなことを……!!」

「ストーップ!!何を言おうとしたのか知らないけど、文句は直接会ってから言ってやりなさい!!」

「っ……ああ。それもそうだな」

 

 だがそれらを表に出すのは、今ではない。少なくともあの馬鹿の顔を見て大声で言ってやらなければ気が済まない。

 桐花スオウが死んでしまえばそれもできないのだ。

 

「……待っていろよ、スオウ」

 

 はやる気持ちに呼応するように、その速度は上がっていった。

 

 そうして、もう少し走って。

 

「あそこよっ!!あの建物の残骸を通れば、地下に行けるはずだわ!」

 

 自身で指差した先にマユミが走り出そうとして、肩を掴まれる。

 

「……待て。柏有マユミ、だったな」

「あら、もう覚えてくれたの?なに、今更信用できないとか」

「違う。あれを見ろ」

 

 サオリの指示に従って目線を動かしてみれば、そこには先ほどオバケだと形容したモノ……ユスティナ聖徒会のミメシスが散見された。

 

「っ、あっああぁあんなもんこわっ、こわかないわよっ……!!こ、このゴーストをバスターするドローンで一撃なんだから今にみてなさいさあ行くわよサンニーイチゴッ!?」

「やめろ」

 

 サオリに殴られた頭を押さえながら涙目でじゃあどうしろっていうのよ、と抗議を返した。

 

「……アレは私たちが操れる。それとオバケではない、複製(ミメシス)だ」

「何よそれ」

「過去のユスティナ聖徒会、その記憶を写し再現したものだ」

「じゃあオバケと似たようなもんじゃないのよっ!?」

 

 ギャーギャーと喚くマユミをアズサに預け、聖徒会の前に姿を現す。

 

「ここを一度離れろ。必要ない」

 

 特に理由はないが、声にして命令を送って。

 

「……」

「っ!?な、にっ……!?」

 

 突如として銃を構えた聖徒会に対応しきれず、数発銃弾を喰らってしまった。

 

「……!」

 

 何故?不必要な疑問を放り投げ、スタングレネードのピンを抜いて姿を眩ます。

 

「サオリ、こっち!!」

 

 状況を即座に把握したミサキの声に従い、瓦礫の隙間へと飛び込む。

 まだ新鮮な傷跡は僅かに痛んだが、それらを無視して姿を隠すべくより奥へ、奥へと入り込んだ。

 

「ここは……かなり大きい空間だな」

「たまたま崩れなかったみたいだ。見つけられたのはラッキーだった」

 

 銃弾を当てられた脇腹を軽く押さえながら見回してみれば、いつも通りのミサキ、アズサ、ヒヨリ、アツコ、打って変わって顔を青ざめさせ悲壮感のある涙をこぼすマユミ。

 

「どっ、どっどっどどうなってんのよ聞いてないわよあんたらの指示に従うんじゃなかったの!!?やっぱりオバケじゃない!!儀式をするわ!!塩よ!!塩を持ってきなさい!!」

「静かに。聖徒会に見つかっちゃうよ」

「うぐっ……!わ、悪かったわ……」

 

 アツコがしー、と人差し指を唇に置いて宥めれば、少し落ち着いて呼吸を整え始めた。

 

「それで、どうなってるの?あいつらは指示に従うはずなんじゃなかったの?」

「……おそらくだが」

 

 マイとツムギの通信で伝えられた。エデン条約、その書き換え。その役割を本来担うのは彼女達のはずだった。しかし。

 

『あ、あのっ!!もう書き換えられてました!!多分、スオウさんが……』

 

 そんなことを言っていたのだ。その書き換えの内容は、エデン条約機構(Eden Treaty Oganization)を担うのは……桐花スオウであること。

 つまり、この現象は。

 

「……スオウの仕業だ」

「……多分だけど、聖徒会の所有権は一時的に私たちに譲渡してただけ。あそこにいるのは、その範疇じゃない……つまり」

「通さないつもりね……聖園ミカから、ヘイローを破壊する爆弾を奪うために」

 

 あくまで予想でしかないが、事実としてそれは的中していた。

 

「よし、あいつらぶっ倒すわよ。迂回ルートを探す時間はないわ」

「待て」

「ぐぇっ……!」

 

 サオリに襟元を掴まれ、息が詰まってしまい可笑しな声を上げるマユミ。

 

「な、何すんのよ……!」

「アレと戦うのは得策ではない。なんせ、インターバルはあれど無制限に復活するからな」

 

 怒り心頭と口を開いたが、サオリの発言に動きを止め。

 

「……マジ?」

 

 そんな間抜けな声しか出てこなかった。沈黙したままに、サオリは頷いて肯定を返す。

 

「……どうなってんのよ、あの化け物……!む、無力化する方法はないの!?」

「私たちが把握してる限りでは……」

「っ……!!」

 

 つまり油断していたとはいえサオリにダメージを与えた存在が、ほとんど不死身で襲いかかってくるということ。

 震えながらも瓦礫の隙間から外を見てみれば、とてもではないが数えきれないほどの数がいた。

 

「ふ、復活のインターバルは!?」

「数分だ」

「アイツらとあんた達、どっちが強い!?」

「……単純な戦いであれば、当然私たちの方が強い。しかし……」

 

 その先は、言葉にせずとも伝わった。高水準の数と質。それらが不死身で、ダメージも気にせずに戦う。勝ち目はない。

 

「っ……どーする……!どーするどーするどーする……!!」

「……」

 

 頭を抱えて、地面に突っ伏しながらマユミは考え始める。しかし考えど考えど、良い方法が思いつくようには感じれなかった。

 無意識のうちに、わかってしまったから。聖徒会には勝ち目がないと。

 このままでは恩人探しはおろか、今のアリウス生を助けることさえままならない。十年間。十年間も時間をかけたというのに。

 今から『アレ』を呼び出したとして、果たして単騎で勝てるものだろうか?否、そもそも間に合うのだろうか。『アレ』はエネルギーの消耗が激しい。日に使えるのは、一度きり。どうすれば。そんな果てのない考えが回り始めたところで。

 

「……ねぇ」

「……え?あ、ああ、アツコだったかしら?どうしたの?」

 

 アツコの声に、ふと現実に戻された。

 

「聖園ミカは……どうやってこの中に入ったの?」

「……え?」

 

 疑問にも至らない、小骨の引っ掛かり程度の思考。それを一度受け入れてみればマユミの思考は急速に加速し、答えを弾き出す。

 

「……多分。『ヘイローを破壊する爆弾』を、聖園ミカが持ってるんだとすれば。それが桐花スオウにとって、必要だから……つまり、あらかじめ聖徒会に指示しておいた、とか……?」

 

 答えを確認するようにサオリの方を見れば、小さく頷いて。

 

「確かに、そういった命令は可能だ。条件付けさえしておけば、ある程度は自由に動いてくれる……」

「……つまり、あらかじめ許可した人なら通れるんだよね?」

「……そういうことね」

 

 恐る恐るといった具合に、アツコは確認する。その様子に少し面食らいながらもマユミは肯定して、しかし、と付け加える。

 

「生憎、私たちは許可されてないわ。アイディアは歓迎だけど、今は」

「知ってる」

「……え?」

 

 少し声を震わせながら、マユミの言葉を遮るアツコ。彼女は思い出していた。桐花スオウと、マエストロの会話を。

 

───……私が協力します。先生に貴方の芸術を披露する、その手伝いをさせていただきたい。

 

「シャーレの先生……スオウがどうするにしても、シャーレの先生と会うタイミングは今じゃないといけないはず……」

 

 会話の内容を理解できたわけではない。しかしマエストロが今起こっていることをベアトリーチェに伝える、その行為を妨害しようとしたのは確かだ。

 先生に芸術を見せる。それらはベアトリーチェの元へ向かうより先にする行動であるはず。でなければ意味がない。

 

「もしかしたら、シャーレの先生なら……通れるかもしれない」

「……確証は、ないのね?」

「うん」

 

 アツコの言葉に、マユミはほんの数秒、けれども確かに熟考して。

 

「……それしかないわねっ!!どんなに薄い希望だろうと、今はそれに賭けるわっ!!」

「……いいだろう。それで、先生とやらはどこだ?」

「知らないわよっ!!」

「おい……!」

「だからまずは探して……ん?」

 

 マユミがドローンを展開しようとビジネスバッグを地面に置いたところで。ポケットが震わせられていることに気づく。画面には、モモトークの通話機能。

 

「……はーい、こちら生徒生活支援部美少女部長のマユミよ」

 

 そんなふざけた挨拶で電話に出てみれば。

 

『ま、マユミちゃぁん!!やっと繋がった!!よかった……!よかったよぉ……!!うぇぇぇん……!!』

「あ、アシリッ!?」

「っ……!!」

 

 彼女の、そして白洲アズサの友達。甘川アシリの声が、鼓膜を震わせた。

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