雀聖の器   作:マージャンスキー

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阿知賀8 語られぬプロアマ交流戦 終

【赤土晴絵視点】

 

 凄い戦いだった……思い返すだけでも震えが止まらない……。

 すべての半荘、その一打一打に意味があって……それでいて、付け入る隙が存在しなかった……。

 

「くぅー! 良い手だったのにさー……聴牌」ケラケラ

「はやりも聴牌だよー☆」

「……ノーテンです」

 

 

『ドラ表示牌』

{7裏裏裏裏}

 

『三尋木咏』

 

{二三四234②③77888} リーチ

 

『瑞原はやり』

 

{一二四五六七八九56799} ダマ

 

『赤土晴絵』

 

{七七22⑥⑥⑦⑦⑧⑧8西北} 七対子一向聴

 

「雀聖くんもノーテン☆?」

「いや……満貫ッ! 俺の和了は河にあるッ!」

 

{東北九⑨南西}

{11東白発中}

{9南北北中}

 

(((ッッッ!? 九種九牌や国士無双を狙わず、あえての流し満貫ッ!)))

 

「2000・4000……流し満貫はリーチ棒貰えないのが悲しいな……ッ!」

 

 違う、本当なら国士無双を和了できた筈……それなのに……!

 私の親番を継続させる為に流し満貫を狙った……ッ!?

 流也の麻雀は強気、降りるにしても――威圧だけは怠らないッ! そして……私に花を持たせようとして……。

 信じられない……こんな弱気な私を……奮い立たせようとして……ッ!

 

「赤土さん……もうそろそろ、レジェンドと呼ばれる理由を見せてはくれないか……ッ!」

 

 無理だ……流也の麻雀にも怖気づく自分がこの場で和了れる筈がない……。

 早く終わって欲しい……そう思ってるのに……ッ!

 

『シーン変化』

 

「ロンッ! 親倍は24000!!」

「……まあ、流れはそっちか」

 

 流也のリーチが防がれた!? 全員のベタオリで流局になることはあっても――絶対の信頼を持っているリーチ、それが放銃なんッ!?

 ま、まさか! そんな……。

 

「流也……見せて……」

「見てどうする? 見たところで変わらない……変われない……」

「いいから! ――ッ!?」

 

 やっぱりそうだ……流也は私からロンしなかった……。

 フリテン、自摸和了だけを見た。

 私を守るために……私の心を折らない為に……。

 ――私だけ、特別扱いしてる……悔しいッ! こんな気持ちッ!!

 

「……和了れ、そうしたら戦ってやる」

「――ッ!?」

「……今、アンタ……怯えた獣の目をしている」

 

『シーン変化』

 

「――ッ!?」

 

 流也から和了牌が出た……でも、でも! 流也がトブ……ッ!!

 こんな千点ののみ手で……流也がトブ……。

 

「瑞原プロ……ツモは待ってください……」

「……そうだね☆」

「赤土さん……アンタ、トップ狙ってないのにトップ狙ってる打ち方してんじゃねぇ! 逃げたいなら早く倒せ!!」

「ッ!? ロン……1000点」

「それでいい、それで……三半荘通しの焼き鳥は免れたじゃねぇか……」

 

 どうして……どうして……。

 

『シーン変化』

 

「ツモ! 逃げ切りだぞ☆」

「うひゃー、これが和了れないのわかんねー」ケラケラ

「なんじゃ、もう終わったんか? 案外、早い幕引きじゃったな」

「……はい」

 

 流也、どうして勝てる戦いから負ける戦いに……。

 

「流也・三尋木・瑞原でプロ二勝、アマ一勝か……まあ、上出来じゃろうて」

「雀聖くんは将来に期待だね☆」はやりーん☆

「これがどれだけ強くなるかわかんねー」ケラケラ

「……まあ、良い刺激になりましたよ」

 

 どうして、流也は怖くないの……こんな怖い卓……。

 

「怖くなんてない……麻雀を打ってるだけだ……」

 

 見透かされた!? 全部……手の内……ッ

 

「晴絵ちゃん、少し話そっか☆」

「……はい」

「いってらー」ケラケラ

 

 瑞原プロに連れられて夜景を見に来た。

 冷たい空気が体を冷やし、そして冷静な判断を取り戻させる。

 

「晴絵ちゃん……打てるようになってよかったね☆」

「やめてください! 打てるなんて……そんな……」

「じゃあ――打たされてたの?」

「――ッ!?」

 

 瑞原プロの一言で両足から力が抜けていく。

 そう、最初は自分から打つと決めた……それなのに、最後は打たされていた……。

 流也は逃げていい、滝川さんに変わってもらうからと助け舟を出していたのに……。

 私は……流也の足を引っ張っていた……。

 

「雀聖くん、健夜ちゃんと一緒だね☆ でも、纏うそれは違う……」

「小鍛治プロと同じ……」

「そう、健夜ちゃんと同じ……でも、纏うそれは禍々しいものじゃなくて――神々しさすら感じちゃうぞ☆」

「……そう、ですね」

 

 確かに流也の戦い、流也のソレは小鍛治プロに似ている……だけど、あの時ッ! あの時感じた禍々しい何かとは真逆……すごく、温かい……。

 

「はやりと咏ちゃんは雀聖くんだけを見てたんだー☆ でもね――雀聖くんは晴絵ちゃんだけを見てたよ」

 

 それ以上、言葉が耳から入ってこない……。

 

「少し、頭冷やそうか☆ 先に帰ってるねー☆☆☆」

 

 

 

『滝川流也視点』

 

 うわーッ! 疲れたもー……。

 赤土さんの弱気キチ―って! リーチ一発で振り込むんじゃねぇーよ! ったく、ほんとど三麻じゃねぇーか、この卓よぉ……。

 本当、最初の威勢はどこにやら……ダブル立直が純カラだとしても、もう少し勢いをつけるってのを考えたらどうだよ? 一年後には実業団に入るんじゃねぇーのか……。

 

「雀聖くんとの麻雀すごく楽しかったぞ☆」

「いやー、将来有望な子と打つのは楽しいね! しらんけど」

「どうじゃ? 雀聖の器か」

「「――もちろん」」

 

 うっわ、爺さんがドヤ顔してやがる……自分の目に狂いはなかったとか思ってんのか? それならもう少しアメとムチの配分を考えやがれゴラ……。

 にしても、どうにかレジェンゴにトラウマ上乗せ回避! 原作が崩れたらどうするよ? そのまま学校の先生になられちゃたまんねぇー……あの人はプロになる器だ。原作ブレイクは趣味じゃない。

 

「おっと、そういえば……松実妹が瑞原プロの大ファンだったな、爺さんメモ帳とかある?」

「はやっ☆ サインが欲しいなら色紙もってきてるぞ☆☆☆」

「じゃあ、クロちゃんへってお願いします」

「かしこま☆」

 

 瑞原プロのサインを受け取り、明日にでも渡すか、松実父に渡しておくか考える。

 まあ、後者がいいな……会ったのをねちっこく聞かれるのはキツイ、アレ、見た目美少女だからさ……。

 

「はやりさんや、わたしにも一枚ちょうだいな♪」ケラケラ

「おっ、サイン嫌いの咏ちゃんがサイン☆ 雀聖くんはラッキーだね☆」

「名前はどうする? 麻雀馬鹿って書いてやろうか」ケラケラ

「じゃあ、クソガキで」

 

 腹抱えて笑い出した三尋木プロが有言実行、クソガキへと書いて色紙を渡してきた。

 うっわ、達筆ぅ……いいところのお嬢様感が全面に出てますぜぇ……。

 

 二人のサインを受け取り、三尋木プロのは麻雀教室にでも飾っておくか……。

 クソガキの部分は爺さんに擦り付けよう、そうしよう。

 

「まあ、これで試練は後一段階、次を超えたら並べるぞ……雀聖にッ」

「雀聖って連呼されてもね……俺は哲也じゃなくて流也だ。別人なんだよ」

「だが、おまえさんは――器で終わる存在じゃない」

「かーっ! 眼科行けよ爺さん」

 

 今日の対局、全部が天運の導きを感じた。純正九蓮宝燈なんて最たる例。

 正直、自分がプロ雀士になるなんて考えたくもない。こんな――打ってて楽しい奴らと打つなんて考えられない。

 俺は程々でいいんだよ、原作ブレイクはしたくない。

 それに、出来る限り阿知賀ガールズとはATフィールド突破されない程度の交友してるし。

 

「……まあ、楽しかったですよ」

 

 素直な感想、それだけ。

 

 

 

【プロ視点・空港】

 

「それにしても雀聖くん☆ ……可愛くて強いなんて反則だぞ☆☆☆」はやりーん☆

「可愛いかどうかわかんねー」ケラケラ

「でも、このままだと裏に行っちゃうね……それはいやかなぁー……ダ・カ・ラ! 次会った時は口説かないと☆」

「アイドルって恋愛禁止なんじゃねぇーの? しらんけど」

「それでも、雀聖くんが世界一の打ち手になるところ、はやりは見たいぞ☆」

「わっかんねぇー」ケラケラ

 

 

 

 こうして、語られぬ戦いは終わった。

 雀聖の器が本物になるまで……あと少し……。




 京ちゃん編の方が感想いっぱい来る、京ちゃん編をもう少し素早く書こうかな? (感想乞食)

 とりあえず、ヒロイン個別イベントをやります! あ、でも恋愛はNG、だって百合が最高なんだもん! (TS主人公にしてない自分が言えたことじゃない)

阿知賀12後 寄り道していいですか? 11書き直し許可感謝!

  • 怜を可愛くかかんと容赦せいへんで!
  • 愛宕親子再び
  • 京ちゃんの小学生時代希望
  • テレビ番組出演(はやりん☆)
  • BADENDとかある? 見たい
  • おまけの中身 以下略
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