雀聖の器 作:マージャンスキー
今日も今日とて麻雀人生、もう俺は麻雀から逃げられない宿命を背負っているようだ。
多分、北斗七星ならぬ、雀星があるなら、死兆星ならぬ、逃げられま星が輝いているだろうね、これから路線変更で倍返しする銀行マンとか憧れるけどさ、確実に無理だよね? 瑞原プロからチョー丸文字多用のお手紙が週一で届くとか恐怖だろ、それに手紙なのに顔文字がパソコン入力かってくらい綺麗に書かれてて解読むじーって……。
「で、なんでうちに……」
「いやさ、今日は麻雀教室がお休みなわけよ? 五百円で牌が握れるなら良心的じゃん」
「手積みでいい……」
「いやさ、わっちって頭いいからさ、積んだ山記憶しちゃうのよ」
別に目を瞑って山を積めばいいだけなんだが、やっぱり全自動卓の利便性は推し量れない部分がある。
鷺森先輩の実家、ボーリング場で少し古めの全自動卓、これで練習は最高! だってさ? 子供がボーリング場にくるわけねぇーじゃん! ボーリング場ってシニア向け娯楽施設なわけだしぃー阿知賀ガールズ(鷺森先輩は除く)との遭遇率0.0の世界じゃん! いやぁー、ここは空調も効いて天国かな?
「ツモ、平和と一通……」
「また筒子の多面張……筒子好きなのねー……」
「まあ、そこそ……」
「俺ってばオールド・デジタルだから高い手を狙っちゃうんだよねぇー」
てなわけで、峰麗しいマダムのお言葉で鷺森先輩と和了バトルをしている。どっちが先にツモ和了できるかって勝負、ロンは無論できない。
配牌から作れそうな手を考え、それを淡々と作っていく、これは本当に練習になる。
欲を出して役満、自制心を働かせて平和系、もうどうでもいいならツモのみ、実戦で得られる無駄自摸、裏目、それを短期間で得られるこれは最高の練習だわす。ただしオカルトは除く。
「滝川くんは麻雀教室……」
「ああ、半ば強引にゴーイングマイウェイ」
「ハルちゃ……赤土さんは……」
「……そうだな、俺個人の意見だと――まだ心が折れてる」
心が折れているという表現、苦虫を噛み潰した表情を見せた。
阿知賀のレジェンドをへし折った小鍛治健夜、小鍛治プロ、あれの喰運は推し量れない部分がある。
鷺森先輩は爺さんの喰運を体験するまでは赤土さんに失望していただろうが、あのインターハイ……アレを見返せばよくわかる。
入る筈の手が入ってこない、和了出来る筈のリーチが和了れない、危険牌が津波のように押し寄せてくる。
捕食者、大人しい顔をしてエゲツナイ力を開放してやがった……ッ!
「鷺森先輩は麻雀に流れってのがあると思いますかい?」
「あるとおもう……」
「なら、流れの掴み方は……」
「無意識に……ッ!?」
鷺森先輩が目を見開く、そりゃそうだ……阿知賀のレジェンド赤土晴絵が麻雀打ちとして落ち目になっているその理由……ッ!
無意識の中で流れを掴む、それが出来なくなっているんだ……。
想像するだけでもゾッとする。どんなに良い配牌でも、どんなに良い待ちでも、流れを掴めなければ流局か放銃。
子供相手の幼い牌効率だからこそ、先生として指導できるが……新子レベルの牌効率だと防戦一方……。
天文学的確率を100%にするオカルト打ち、それに対抗するデジタル打ち、だが、デジタル打ちに絶対不可欠な要素――流れッ! その流れを意識するか、無意識か、絶対に掴むが乗らないと麻雀は……勝てない……。
「言ってしまえば……麻雀ってのは3.5対1ってところ。0.5は自分との戦い、0.5は自分との信頼関係、今……赤土さんは4対1で麻雀を打ってる。この0.5は麻雀にとって大きすぎる……」
「だから……」
「正直、あの洞察力を考慮しても――一線級のプロに引けを取らない。だが、流れの掴み方、流れを掴めない打ち方をしているからこそ、幼い打ち手にすら防戦に回っちまう……だから、あまり責めず、そして慰めないでくださいな……」
「うん……」
新しい山から切り出し、開幕平和二向聴、こういうのが和了できないのが麻雀なのよね……。
淡々と手作りするが、一向聴地獄、有効牌を引けないし掴めない。これだから麻雀は……。
「滝川くんは……」
「時間が解決すること……それが運命だと思いたいですね……」
「ハルちゃんは……」
「もう少し、あと少しだけ待ってあげましょうや……それか、顔を見せてあげなされ……」
――仲間は多い方がいい。
「ツモ、三色……」
「あちゃー、俺も流れの掴み方忘れたかも……」
「ふふっ……」
「でも、まあ、これも麻雀ですわな……」
次の山を待つ。
鷺森先輩って無表情なことが多いが、案外顔に出るタイプなのね? 結構……かわいいじゃん……。
やっべ、わっちが女の子を意識するなんて! ダメよダメダメ! わっちは【晴灼】を見たいの! 見たいから転生したの!! 百合の間に挟まってどうするよ!? ぜってー入らねぇ!!
「おう、流也。今から東京に行くぞ」
「ぬらりひょんみたいな顔でぬらりひょんみたいな行動するなよタヌキ爺……」
「どうも……」
「すまんのぉ、鷺森のお孫さん……流也、行くぞ」
本当、この爺さんだけは不思議でならんわ……。
にしても東京? 落とし屋の頃は九州をホームグラウンドにしてたからな、行ったことないわ……。
でも、東京に用事ってなんだろうか? 爺さんは俺を鍛えるのは好きだが、裏プロとは一切会わせない。
なら、麻雀以外の要素か? 雀聖の墓参り、その辺りが妥当ってところか……。
「じゃあ、旅行に行ってきます。お見上げは東京ばな奈で」
「楽しみにしと……」
なんだろう、この最後まで言い切らないところ可愛い……。
ダメダメ! わっちは原作を壊さない主義なのぉ!! 爺さんの顔を……吐きそう……。
――でも、何かありそうだわな……。
キャラストーリー終了、これから次はアカギが出るからクロスオーバータグを追加しておかないと……。
七星編に任せていた麻雀描写、これからはちゃんと雀聖編でも見せていきますよ!!
次回! 雀聖VS神域 デュエルスタンバイ!!
阿知賀12後 寄り道していいですか? 11書き直し許可感謝!
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おまけの中身 以下略