雀聖の器   作:マージャンスキー

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大阪出張・愛宕親子

 さて、せっかく瑞原プロからパソコンが送られてきたわけだ、これをネット麻雀だけに捧げるのはあまりにももったいない。これは【SIREN】のRTAを走って、b◯imシステムの淫夢音声マシマシで投稿しようと思い立ちました。

 この世界ではグレート・滝兄貴としてRTA先駆者として活動します! 麻雀引退!!

 ……最初はマリオ64を走ろうと思ったが、流石にマリオ64は難易度たけぇーって、無理だからSIRENで……。

 

「えっと、確かここにアイテムがあるから……で、ここは……」

「流也、ファミコンやってないで大阪いくぞ」

「ヤブからスティック、こいつはプレステなんですが? てか、大阪ってなによ……土日くらい麻雀とタヌキ爺さんのソレを見たくないのですがそれは……」

 

 メモ帳にアイテムのチャートを書き記し、屍人に襲われ……ミヤコ死んだ……。

 ったく、俺がRTA走者として開花するのは何年後になることやら……。

 

 

「好きな言葉は?」

「煙草と酒やってる奴も100生きる」

「座右の銘は?」

「自由に生きて、理不尽に死ぬ」

「好きなタイプは?」

「黒髪ロング」

「今までで一番の後悔は?」

「北海道日本◯ムファイターズのファンになったこと」

「そこは阪神やろ!」ペシンッ!

 

 なにこのパワフルお母さん? すげー質問してくるやん! これが猛虎魂か……。

 にしても、タヌキ爺……なんでこんなに知り合い多いのよ? どんだけ人脈ありゃ気が済むんだよマジで……。

 わっち、滝川流也はなーぜーかー、血の繋がらないクソジジイと同伴で大阪まで着ております、時刻は三時頃でしょうか? 今朝はパン一枚で我慢したからね、もうお腹ペコペコですよーアッアッアッ!

 

「があ゙ぢゃ゙ん゙ばら゙べっ゙だー゙」

「この爺さんがおる時にくんなって言っとるやろ! 精神的処女が散らされる!!」

「うっわ、ほんまキモい……」

「のぉ、愛宕のクソガキ? 娘にどんな教育したらこんなに口悪くなるの……流也も客人が居る時は多少はセーブしてくれるんじゃが……」

「これが大阪の基本的な女子中学生や、かんにんやで」

「精神的処女とか言ってる奴が謝るか普通……」

 

 なんだろう……もっと爺さんをいじめてくれません? わっちの敵討ちだと思って! もうジャンジャンやっちゃってー!! ひーぼお、ひーぼお、誹謗中傷! ひーぼお、ひーぼお、精神苦!!

 

「おじいちゃん、小遣いちょうだい♪」

「まあ、小さ頃の母親より愛嬌あるな」三千円

「娘を甘やかさんといて、いっつも買い食いするんやから」右手のひら

「なんじゃろう……ワシ、搾取されとる……?」一万円

 

 うっわ、爺さんを財布にするとか大阪の女性こっわ……隣県だけど近づかんとこ……。

 にしても、この世界の髪の毛はカラーひよこを思い出すくらいカラフルだねぇ……お母さんは銀髪で娘は赤毛、確か妹は青髪だろ? 人間の遺伝子ってここまでの多様性あったかしら? 不思議不思議!

 

「……好きな球団は」

「北海道日本◯ムファイターズ」

「好きな言葉は」

「煙草と酒やってる奴でも100生きる」

「座右の銘は」

「自由に生きて、理不尽に死ぬ」

「おお……かっこええ……」

 

 なんだろう? 適当言ってる奴に好印象持つのやめてもらっていいですか?

 てか、母親によく似てるなぁ……質問もまんまそのままだし……。

 

「で、この子の実力はどのくらい? 滝川の爺さんが認めるってことは並みのプロ以上なんやろ」

「そうじゃな……まだ哲さんが坊やと呼ばれた頃、まだまだ雀聖の器……」

「雀聖? すげーがっこええな!」

「もう……天帰は使えるんか……」

 

 天帰を知ってる? こりゃ、爺さんの知り合いの中でも雀聖に近い存在か……。

 爺さんが面倒くさそうな表情を見せて、最近覚えた天帰を要求してくる。

 喰運に対抗する為に開発した技が雀聖の必殺技だと知らなかった。まあ、当時は喰運使いが多かったってところか……?

 精神を極度に落ち着かせて……魂を天に帰す……。

 

「……これで器はあんまりやろ」

「あれ? さっきの男ん子どこいったん」

「まあ、聴牌を気取られん程度には使えるじゃろ」

「ふぅ……この技疲れる……」

 

 意識を回復すると美人な親子が驚愕の表情を見せている。

 まあ、下手な手品よりは種も仕掛けも無し、存在を天に帰すというマジカルをフィジカルでやってるんだから。

 

「お母さん? お風呂わいとるー」

「この爺さんがおる時にくんなって言っとるやろ! 精神的処女が散らされる!!」

「ねぇ……ワシなんかした……?」

「あ、どうも」

 

 今日は爺さんに天罰があたる良い日だわ!! 最高!! ウルトラハッピー!!

 

 

「で、結局は大阪まで出向いてやることは麻雀ですか……そうですか……」

「すまんなぁ、うちらの趣味に合わせてもろうて」

「もうね、このプラスティックと樹脂の塊から逃げられないのね……」

「流也、今晩は串カツじゃぞー」

 

 このタヌキ……大阪に来てまで麻雀打ちたくないんですけど? どうせ、どの大会でも男女別が基本なんだからさぁー……? プロに入らない限り男女混合の麻雀はねんだわ……。

 にしても、顔見せだけで終わると思ってたが……結局麻雀かよ、東風戦なのが唯一の救いか……。

 

「坊や、うちの娘は美人やろ? 色目つかわんといてな」

「美人だとは思いますがね……顔で忖度する麻雀は教わったことがないもんで……」

「美人なんて! お婿に来るか?」

「自分、家庭を築く時は年下の女房って決めてるんで、畳と女房はなんとやらって爺さんが言ってましたから」

 

 女性陣がキッと爺さんを睨む。

 うほぉ^ー! 爺さんがたじろぐ姿たまんねぇ^~!! 俺のS心が満たされていくのがドゥンドゥン感じますよぉ~!

 まあ、麻雀打ってる時に麻雀以外のこと考えたら……負けるんだが……ッ!

 

 

 

【東一局0本場・親:愛宕雅枝】

 

東:愛宕雅枝 「25000」

南:愛宕洋榎 「25000」

西:滝川流也 「25000」

北:愛宕絹恵 「25000」

 

『ドラ表示牌』

 

{8裏裏裏裏}

 

「チー!」 {横867}

 

 愛宕洋榎、作中屈指の防御力を持つとされる存在。

 だが、三巡目に喰い断速攻を選ぶ辺り、防御寄りの麻雀とは思えない。どちらかと言えばアグレッシブな速攻の打ち方、捨て牌も変に防御を意識せず、自分のリズムで役を選択しているようにも見える。

 

「うち、麻雀はあんまり……」

「すいませんね、お風呂上がりに麻雀なんてさせちゃって」

「ええよ、嫌いじゃないから」

 

 愛宕絹恵、現在は麻雀ではなくサッカーをやっている運動少女、理由はわからないが高校では麻雀一本に絞る。基本的にはオーソドックスなデジタル打ち、特別な何かを感じる程ではない。

 この場合、雀聖なら妹さんを飛ばして終了なんだろうが……まあ、それだと芸が無いわな……。

 

「にしても、また西家、なんか運命感じるなぁ……」

「流也くんは西家が多いの?」

「そうなんですよ、十回に八回くらいは西家ですわ……なんでだろ……」

「4分の1を……凄い確率やね……あ、それポンで」 {横中中中}

 

 とりあえず、特急券を鳴き入れさせるのに成功。

 このまま妹さんに有効牌を流して程よく……出来ないか……。

 対面から漂う殺気にも似た気配、娘二人には感じられない程に薄めてはいるが……流石に爺さんの孫なら気付くはこれ……。

 

「リーチ!」

「うっわ、おかんが本気で打っとる……ベタオリベタオリ……」

「容赦ないなー、流也くんかんにんやで……」

「まあ、爺さんの知り合いが温い麻雀打つわけないですから……慣れたもんですよ……」

 

 さーて、東風戦で親リー、これは参った。

 東風戦において親のリーチ、推定満貫手というのは半荘戦の三倍の威力を持つ。

 自分の親番が控えているとは言えど、東風戦の点移動ってのは通常の何倍も意味を持つ。流石に一局戦には劣るが、それでも狭い場所で争いをしていることには変わりがない。

 こうなってくると和了阻止、つまりはベタオリが何よりも優先される選択肢になるわけだが……まあ、それは爺さんの名誉に関わる。変に弱気な麻雀は雀聖の器に似合わない。

 

「カンッ!」 {裏二二裏}

「……高い一発消しやなぁ」

「まあ、綺麗な親子と麻雀打ってるんです……無駄にケチる必要もなんでしょ?」

「なんや、流也は色々とカッコエエな!」

 

『ドラ表示牌』

{88裏裏裏}

 

 ドラ表示は連続、こいつは面倒くさい。

 このドラ重複によって他家が攻めっ気を取り戻す可能性もある。

 だが、こいつは面白い……。

 

「カンッ!」 {裏11裏}

「「「――ッ!?」」」

「ツモ……四暗刻単騎……ッ!」

 

{①⑤⑤⑤666} 嶺上牌{①} {裏11裏}{裏二二裏}

 

 うわ、やっちゃったー……流石に配牌が出来すぎてると思ってたが、ここまで来るとイカサマ疑われちゃうよ! まあ、それは爺さんが許さないだろうが……。

 爺さんがスッと肩を叩く。

 

「ほぉ、珍しい? 嶺上開花のみかー」

「マジかよ? 最低でも対々和くらい付けてよお爺様♡」

「じゃあ、500と300で」

「符計算もできねぇーのかよ……いいや、リー棒あるし」

 

(((役満を13分の1にした!? なんならダブル役満で26分の1!!)))

 

 九蓮宝燈和了から爺さんの認知症がマッハなのよね、松実館で元プロと打ってると不意に点数下げてくるし、今回は役満を一翻手にされちまったよー……。

 まあ、東風戦で派手な和了は求めてない……泥臭い和了の方が役満の価値があるもんさ……!

 

「ほ、ほんまに300点でええんか?」300点

「役満が一翻……安売りし過ぎやろ……」300点

「いやぁーん♪ 300点はお得やなぁ」300点

「いや、おまえは500点じゃ」

「流也くんはー♪」

「……リー棒返しますから、娘さん達にカッコイイ姿みせてください」1000点

 

 大阪の女性は苦手だわ、やっぱり日◯ム、やっぱりパ・リーグ。

 

 

 

【東一局0本場・親:愛宕雅枝】

 

東:愛宕雅枝 「25000」

南:愛宕洋榎 「25000」

西:滝川流也 「25000」

北:愛宕絹恵 「25000」

 

 

【東一局0本場・親:愛宕洋榎】

 

東:愛宕雅枝 「24500」リー棒返してもらった。

南:愛宕洋榎 「24700」親

西:滝川流也 「26100」

北:愛宕絹恵 「24700」

 

 

 まあ、リー棒もらえなかったけど、リズムは確実に刻めた。

 流石にブレイクダンスする程ではないが、麻雀においてリズムというのは必要不可欠、こういう時の配牌は美しいことが多い、何が来るやら……うっわ……。

 

「よっしゃー! 親番!!」 打{南}

「九種九牌で……」

「なんでや!? そこは国士向かわんかい!!」

「いや、俺……国士無双苦手なんですよ、追い詰められないと和了できない的な?」

 

 そういえば、もう何年も前だけど地下で国士無双和了ってるわ、でも地下の麻雀は高レートの違法麻雀だからなぁ……ノーカウントで……。

 牌を洗って次の切り出し、こういうの二連続で来るんだよなぁー……。

 

「もう九種九牌じゃないやろな!?」

「毎回毎回、九種九牌してたら面倒くさいでしょうが……」

 

 お姉さんの方は良型の配牌が流されたのがツライのか、新しい配牌を睨んでいる。

 まあ、九種九牌って流した奴が一番良い配牌もらえるもんだからなぁー、二向聴、三色でも見るかぁ? でもなぁ、俺そんなに三色好きじゃないしなぁー……。

 

「あ、九種九牌で」

「きぬぅぅぅぅ!!」

 

 うっわ、この姉おもろい……。

 流石は日本有数の芸人畑、一般人もこれなら普通以上だわー……。

 さーてはて、これで九種九牌の反動は妹さんに入ったな、満貫手を掴んでほしいが……どうじゃろな?

 

{7四五六⑤⑥⑦⑨南南西発発}

 

 新しい配牌を見て肩を落とす。流石に二度の九種九牌はリズム崩れるなぁー、見た目は悪くないが、こういう手は理想の三色より現実的七対子に寄っていくってのは経験でわかりますわぁー。

 

「だ、ダブルリーチ!」

 

 おっと、跳ねっ返りは思ってたより早かったなぁー……正直、妹さんとのワンツーを狙ってるわけだし、この辺りで軽く浮かせておくのが定石ってところか? 12000点くらい払っておくかッ!

 

「なんやろ……普段の麻雀じゃないような……」

「考えたら負けや……」

 

 母と姉は無難な牌を落として回し打ち、愚形を考慮してってところだろうか? まあ、流れ的には大きい何かを感じる程ではないかな……。

 

 タンッ{発}

 

「ろ、ロン! だ、大三元……」

「……え?」

 

{66二三四白白白発発中中中} ロン{発}

 

 これは……対子場を超えた役満場……。

 最初の九種九牌の時点で役満場の流れは確実に漂っていた。だが、俺にあった役満の気配が確実に二度目の九種九牌で妹さんの方に乗っかった……こりゃ、麻雀にオカルト理論が離れない理由の一つだなぁ……。

 

「お、お母さんとお姉ちゃんと打って……はじめて役満和了った……」

「絹! 流石はうちの妹や!!」

「こりゃ、赤飯……は、流石にやり過ぎやなぁ……寿司とるでー!!」

「おめでとうございまーす」

 

 ……阿知賀ガールズじゃなくてよかったぁ!

 

「爺さん、家族水入らずに入りたくないからさ、串カツ行こうぜー」

「ワシは構わんのじゃが、後ろの大阪娘達が許すと思うか?」

「「「食べてくやろ♪」」」

「……帰りたい」

 

 月曜日の学校大丈夫かね? ズル休みとかしたら……考えたくない……。

 

【終局】

 

 

東:愛宕雅枝 「24500」

南:愛宕洋榎 「24700」親

西:滝川流也 「-5900」

北:愛宕絹恵 「56700」

 

 

 

 

「滝川さん……アレ、どっちかにくれんか……?」

「自由恋愛全盛期の女が許嫁なんてのぉ……絶対にやらん……」

 

 流也は姉妹に揉みくちゃにされて伸びている。

 流石に四暗刻を一翻にし、流れが潰えたと思ったが、その後の国士無双手、それを九種九牌で流し、役満場を肥やし過ぎた。それが二度目の九種九牌、それがダイレクトに妹さんに向けて飛翔した。

 その後、寿司が到着するまで東風戦を何度か打っていたが、流れを掴めば追いつける者無し、満貫縛りで綺麗に連続トップを手に入れていた。まあ、それくらいしてくれんとワシのメンツってもんが崩れる。

 

「久しぶりやもん……あんな気持ちええ麻雀打つ男ん子……」

「そりゃ、ワシが四十年近く探し求めた器じゃからな……」

「洋榎は自分より強い男しか認めんと言っとるし、絹恵は姉の真似ばっかりするんや……もう、結婚離婚結婚のコンボで両方ともええよ」

「じゃから、ワシの見つけた器をどうして掻っ攫おうとするんじゃ? 麻雀以外は自由に生きてほしい」

 

 流也は魅力的な打ち手と同時に魅力的な男子、まだまだ背は伸びていないが……この後、プロとして活躍するなら女性人気は盤石じゃろうて……。

 まあ、ワシは流也がプロ入りした瞬間に死んでも構わない。

 雀聖の魂を持つ人間がプロ麻雀の世界に根付けばそれでいい……。

 

「……ツバつけとかんとな」

「おまえさんは変わらんのぉ……」




 今まで30℃程度だった気温が32℃、体の限界が30℃ジャストだってハッキリわかんだね……夏は厳しいぜぇ……。

 次回も頑張りまーす!

阿知賀12後 寄り道していいですか? 11書き直し許可感謝!

  • 怜を可愛くかかんと容赦せいへんで!
  • 愛宕親子再び
  • 京ちゃんの小学生時代希望
  • テレビ番組出演(はやりん☆)
  • BADENDとかある? 見たい
  • おまけの中身 以下略
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