雀聖の器 作:マージャンスキー
【東一局一本場】
さっきのグロ配牌の後は流石にグロッキー、ドラが対面の清楚系美少女にバキュームされるのはわかっているが、麻雀ってのは取っ付きやすい役ってのが役牌・平和・断么九の三種の神器ってやつなのさ、だから高い手を作ろうとしてもドラが絡まなければ……良くて三翻くらいになっちまう。
3900の連打でトップになれるほど……この卓は甘くねぇよな、コイコイ良型の配牌ッ!
{①②⑦⑧二三56東南西北白}
……はい、マシはマシだけど、さっきより作りにくい手がやってまいりましたー!
なんだよこれ! 字牌整理しようとしたら字牌が大量流入して無駄自摸連打な配牌じゃねぇーか!
別にさ? 配牌二向聴とか期待してないよ……ただね、多少の勝負手が欲しいわけよ……。
(これはこれは……絶景なのです♪)
『ドラ表示牌』
{白裏裏裏裏}
{赤五九12赤5赤⑤⑥⑦発発発北西} ツモ{5} ドラ6
(さっきの配牌が良すぎたからなぁー)
{三五③③④⑥⑧77南北中中}
(あったかぁ~い)
{⑤⑦16三四七七八九中中西}
なんつーか、タヌキ爺の言ってたことが理解できたぜ、門前で張り続けると流れが持ち越される。つまり、俺のグロ配牌が完璧に持ち越されて見た目チャンス、中身ノーチャンスに変化してるってわけだ。
まあ、この理不尽を掻い潜ってこそ麻雀、とにかく聴牌を急ぐ必要があるかね……。
「うげっ……」
『河』
{南北南南}
あらら、レジェンゴは{南}三枚目、天罰だな……どうせ平和系に一盃口でもくっつけて四翻くらいをめざしてたんだろうが、この場にはドラの支配者とあったかいの支配者が揃い踏み、変に身構えても無意味無意味。
(あはは、素直に七対子系の聴牌を目指せばよかったかなぁ? でも、七対子だけじゃあ、後々の火力勝負に負けると思ってリーチ手を狙ってたんだけど……)
{三五③③④④⑤⑥⑧77中中}
(まあ、宥が{中}対子持ちだろうし、最初から七対子狙いでよかったのかもね……)
おっと、案外早くに出来上がったな。
{⑦⑧一二三56南北北白白白}
まあ、ドラ無し麻雀ならこの手の爆発力は高い、それに付け加えて……。
『河』
{①9②東西6}
完璧、裏筋で気取られないし、レジェンゴが国士無双以外完全安牌にしてくれた{南}でリーチすりゃ、リーチと白、一発やツモも絡めばいい線いくな!
「ぐげっ……」
ツモ{⑤}
『河』
{南北南南⑧⑤}
(完璧に裏目、暗刻手が狙えるかと思ったけど……)
{三三五③③③④④⑥77中中} ツモ{⑤}
(こりゃ、玄が握ってる{赤⑤}に惑わされた私のミスだね……)
打{⑤}
あらら、レジェンゴ完璧に裏目ってところか? この流れなら確実に――ッ!
{⑦⑧一二三56南北北白白白} ツモ{7}
「リーチッ!」
「「「ッッッ!?」」」
{①9②東西6}
{横南}
まあ、赤土さん以外は基本的に低速の麻雀を打つ、だからこそこのリーチは必ず通る。
そして、感じる……一発の気配……ッ!
(うぅ……こんなにあったかいのに……)
{一一三四四七七七八九九中中} ツモ{九}
({七九}に囲まれた{八}は通るかな? 玄ちゃんがいるから失点は最小限にしないと……)
打{八}
(まただよぉ……)
{赤五1125赤55赤⑤⑥⑦発発発} ツモ{2}
(二索が四枚見えてるから一応、一索は壁……萬子のドラさんが頑張ればどうにかなるのです!)
打{1}
(あはは……こりゃ、全然裏目ってないなー)
{三三五③③③④④⑥77中中} ツモ{④}
(だーけーど! 流也に対する安牌なし! {中}でベタオリも悪くないけど、それだと宥に少し危ない――ここは冒険! 一発がなんぼのもんじゃい!!)
打{五}
スッと流れが収束する感覚がする。
まあ、過去の不運も今の幸運に結びつくのが麻雀、箱点から役満和了で捲くれるのも麻雀ってもんだ。
ただ、レベルが高い人間同士の戦いにそれは起こらないッ!
――タンッッッッ! 和了{⑨}
{⑦⑧一二三567北北白白白} 自摸和了{⑨}
「ツモ、リーチ・一発・ツモ・白……30符4翻は3900・2000、一本場は4000・2100です」
「うぅ……親被りだよぉ……」
「まあ、流れ的に流也だったけど、諦めたくなかったんだなぁー」
「うーん……残念……」
各自から点棒を受け取って現状トップ、流れのを確実に掴んだ。
そして、俺の闘牌は加速する。
「ロンッ、断么九七対子。3200」
「ひゃうっ!?」
「もうそろそろドラ表示牌が出ると思ってたんだよ……カモらせてもらうぜッ!」
完全に俺のペース、このまま親番で松実妹を飛ばして終わらせよう。半荘は長いんじゃい!
「あー、そういえばー、流也って好きな子とかいるのー」
「なにその棒読み? 流れは変わらないっすよ、親番は得意なもんで」
「いやさぁー、男なんだから好きな子の一人や二人いるわけでしょ?」
「女の価値観を男に押し付けるのやめてもらえます」
ドラ表示牌を確認すると{⑨}狙い撃つには最適な牌と来てる。それに付け加えて……。
{一一二二三1113⑦⑧南西} ツモ{三}
純混全帯么九が狙える距離、ドラが絡まないことを除けばパーペキ、ああ美しい。
「じゃ、じゃあ! 好きなタイプとか!!」
「そうですね……強いて言えば、俺に興味がない人がタイプですね」打{西}
「興味がない?」
「ええ、俺のことを知らない、興味もない、ただそこに存在しているだけと認識してくれる人が大好きなんですよ」ツモ{2} 打{南} {⑥⑨}待ち
三人が不思議そうな表情で覗き込んでくる。
まあ、興味がない人間が好きなんて言われてもなんのことだとしか言いようがないだろうな。
俺という存在、この世界にやってきた俺という存在は本来、この場所に居てはいけない。言ってしまえば名前のないキャラクターが路線が決まったストーリーを踏み荒らしているようなものだ。
なんやかんやで知り合って、交友をもってはいるが……内心、関わりたくないとも思っている。
「よくわからないのですのだ……」タンッ{⑨}
「ロン、平和・純混全帯么九・一盃口。親の満貫は12000」
{一一二二三三11123⑦⑧} ロン{⑨}
「がびぃーん!?」
流石に色恋話で流れを強引に変えようとしてくるが、こんなので乱されてどうするよ? 逆に流れが掴めた気がするぜッ!
まあ、この辺りで配牌が悪くなるのがセオリー、対面と下家が怖いから、最悪上家に差し込んでも良い。
「それにしても、流也って不思議よねー……シズやアコは年相応、二人はまあ、いろいろあったし」
「男の成長は早いって言いますからね? 保護者が出目徳……じゃなかった、お祖父ちゃん一人ですし」
「お父さんとお母さんは?」
「……ダブル不倫で両方とも蒸発ですよ、クソガキを更にクソガキにさせたやつらでっさ」
ダブル不倫という単語に反応してか、露骨に憐れみの視線を贈ってくる。
……いらねぇーよ! 今思いついた理由なんだからな!!
少しだけムスッとしながら山を斜めに揃える。
「強いて言うなら……この麻雀牌が恋人ですかね、女心は秋の空、配牌は梅雨の空ですわ」
「かーっ! 詩的な言い回ししやがって! このこのー」
「ま、偶にデレるから可愛いもんですよ――ツモ、天和」
「「「へっ?」」」
{三四五九九九567①②③西西}
グロ配牌から始まり天和に終わる。乙だねぇ!
「りゅ、りゅうやくん!? 天和和了したら死んじゃうんだよ!! きゅーきゅーしゃ!!」オロオロ
「えっと、0120だったかな……!」オロオロ
「おねーちゃん! それフリーダイヤルだよ!!」
「うわー……はじめて見たぞ天和……」ぽかーん
「ズドーン! 見参!! おそくなりましたー」
「ちょ、シズ! 廊下は走らないの!!」
天からの贈り物をそっと伏せて立ち上がる。
まあ、出目徳の爺さんより早く死ぬ気はサラサラねぇーや……。
京太郎ともう一回くらい……打ちたいしな……。
軽はずみに天和出したけど、夏は暑いんですよ(セクシー)
次回は阿知賀編三周してから書き始めます。
阿知賀12後 寄り道していいですか? 11書き直し許可感謝!
-
怜を可愛くかかんと容赦せいへんで!
-
愛宕親子再び
-
京ちゃんの小学生時代希望
-
テレビ番組出演(はやりん☆)
-
BADENDとかある? 見たい
-
おまけの中身 以下略