外が騒がしい、何かが起きたのかも知れない。窓から外の様子を伺ってみるか。
「お!帰ってきたんやないか?ほれアソコ!ウチの子達や!フィンがラウルに指揮の練習をさせるって言っとったからちょっと心配やったけど流石に中層や上層じゃヘマせんか!」
ロキが窓から身を乗り出して大きく手を振ってる。随分と嬉しそうだ。
「ホームの大きさから予想はしていたが随分多いな」
「そりゃオラリオで1、2を争う大手ファミリアやで?こんくらい無いとな!」
話には聞いていたが改めてみると凄いな。玉石混交とはいえこの人数の組織を運営するというのはそう簡単なことでは無いはずだ。
外の凱旋を見ていると、扉からノックの音が聞こえてきた。こんこ〜んと言いながら扉を開けた訳では無い。
「ロキ、みんなが帰ってきたよ」
「おおフィン、あん中に混ざってくれば良かったやんか」
「僕たちは既に良くも悪くも帰還が目立っているからね、次世代たちにも慣れておいてもらおうと思ったんだ」
「凄い規模だな。フィンはこれを率いて遠征に出たのか」
「僕が一人一人見ている訳じゃ無いからそこまで苦では無いよ。彼らもいざとなったら各自の判断で動いてくれるからね」
「それにしてもだ。私はあくまで一戦闘員だからな、私にはこんな芸当は真似できそうにも無い」
特定の協会所属ではなくフリーのフィクサー、それも特色だった私からすれば集団行動はあまり縁がなかったからな。
「それじゃあカーリーは僕と…じゃなくてリヴェリアが来たらリヴェリアと共に適当な部屋で待っていてくれ。これから色々と忙しくなるからね」
「わかった、リヴェリアはどうしているんだ?」
「そろそろ戻ってくるはずだ。それまでここで待っていてくれ。ロキ、念のため聞くけどミミックはこのままでも大丈夫かな?」
「まあ勘がいい子がちょっとヤな気分になる程度やろ、そんくらい我慢してもらえばええ。発狂したりする子は出んと思うで」
「なら大丈夫だ、じゃあ僕は仕事を済ませてくるとしよう」
「さっき大丈夫言うたけどどうせならどっかにどっけてもらえば良かったかもな。結構でかくて邪魔やなコレ」
「リヴェリアが来たら一緒にどこかに持っていくか?」
「…いや、やっぱあんまし目を離したくないのもあるからここでええわ。すぐに他んとこ持っていく予定やしな」
おそらくヘファイストスの所だろう。出来るだけ早く鞘を作りたいとも言っていたしな。
「う~ん、もっとガチガチに拘束しとくか?中から開くとは思えんけどうちの子が万一興味本位で開けて触ったら…まあよくて精神病棟生活一直線やろうからな」
「そうだな、取り込まれる危険もあるし用心を重ねるに越したことはないな」
これを抽出できたときも何回かやらかしたからな。流石に武器なしで取り込まれた人間を助けるのは骨が折れるだろう。
再びノックの音が飛び込んだ。おそらくリヴェリアだろう。
「ほいほい~今開けますよっと。おっリヴェリア、フィンから話聞いとる?」
「ああ、カーリーの事だろう?取り敢えず私の部屋で待っててもらおうと考えている。後で改めてレフィーヤに会わせておきたいしな」
「あ~、フィンから聞いたわ。流石にまだ早かったってな。アレは確かに前衛の方が平気そうやからな」
「そうだな、良くも悪くも安全が確保されている…いや、確保されていなければならない低レベルの後衛にとってアレは、一対一で相対するのは少し厳しいものもあるだろうな」
つまり今まで正面から格上のモンスターと相対したことがない故の動揺だったわけか。
「ラウルとかは見るだけなら大丈夫そうやな」
「いずれはレベルに頼らず相対できる様になってほしいが…あれ相手だと後衛ならば流石にもう1レベル欲しいな」
「たしか自ら着いて来たんだったな。恐怖を押し殺して前に立てただけでも十分だろう」
「忠告を頑なに聞き入れなかったのはどうかとも思うがな。だが今回の経験は得難いものだ、安全が確保されている状態であれほどの重圧を受けるなんて状況、今まで生きてきた中で初めての経験だからな」
確かにああいう威圧は命の遣り取りが前提になるからな。そう考えれば都市でもそうない経験だろう。
「まあ普通はいきなりあんなん見る状況になっとったら多分その数瞬後には死んどるやろ。ウチもアレは天界にいた頃でも見たことない物やったからなぁ」
「確か元は人間だったな…あれがか…流石にそんな最後だけは絶対に避けたいな」
「少しゆっくりし過ぎたな。では私たちは行くとするか」
「わかった。世話になったなロキ」
「ええんやで〜、また後でな〜」
「そうだロキ、最後に一つ。後でその酒について聞くからな」
ロキが酷い顔になってしまった。この後説教が待っている様だ。
「まったく、カーリーも一緒に呑んでないで止めてくれ。どうせ夜に呑むんだからな」
「悪い、私もこっちにきてから少ししか呑んでなかったから便乗してしまった」
「お前は煙草も吸うんだろう?あまり人にとやかく言わない方が良いのはわかっているが程々にするんだぞ?」
「まだこっちに来てから一本も吸えてないがな」
「これを機に辞めたらどうだ?酒はともかく煙草は体に毒だぞ」
「向こうじゃ数少ない娯楽だったからな…今すぐ辞めるっていうのもな…」
リヴェリアが難しい顔になってしまった。
「確かに今までの習慣をいきなり辞めるのは良くないのは知っている、特に冒険者はな。オラリオには娯楽が多いとはいえ慣れるのにも時間がかかるだろうから…そうだな、吸う頻度を少なくするというのはどうだ?」
…ロキの言う通りだな。これではママと言われるのも納得だ。
「わかったよ、リヴェリアママ」
リヴェリアが派手にずっこける。自らの足に足を引っ掛けてしまった様だ。
「おまっ、お前…ロキか?ロキから聞いたんだな?あいつめ、禁酒期間を伸ばしてやる…とにかくその『ママ』と呼ぶのは辞めてくれ」
どうやらロキに飛び火してしまった様だ。悪いことをしたな。
「ここが私の部屋だ。飲み物を準備してこよう、何か希望はあるか?まあ茶しかないがな」
「特にない。済まないな、手間を掛けさせてしまって」
「別に構わんさ、ここに来る者もあまり居ないからな」
「取り敢えず癖の少ない紅茶を選んだが、口に合わなかったら遠慮無く言ってくれ。味覚や嗅覚が我々と同じとも限らんからな」
「そう考えるとこちらで一般的に飲まれているものが私にとっては劇薬の可能性すらあるのか、一応頭の片隅に入れておかねばな。この紅茶はありがたく頂くとしよう」
「ああ、そうだな。今度医者にみてもらうか、食事をしたらそのまま、という事があっては後悔してもしきれないからな」
私にも多少経験はある。毒は喰らうとひたすらに痛くて苦しいのだ。もうあんな目に遭うのはこりごりなのでその時が来たら素直に医者にみてもらおう。
「では私も仕事があるので暫く空けるが、部屋から出なければ勝手に茶を入れてくれても良いしそこの本を読んでても良い。面白くはないだろうがな」
「わかった、ここで大人しく待っているとしよう」
リヴェリアが退室してしまった。彼女にも仕事があるので仕方ないのはわかるが退屈になってしまった。とりあえずそこらの適当な本を取って広げてみる…これはおそらくアインとかが読んでいる様な学術書だな。つまり、私には何一つ綺麗さっぱり解らないということだ。
一つ一つ、表紙のタイトルから内容を推察していく。魔術についての本が殆どだな、これは…統治についての本?国家運営やらそういった本も多い。確かリヴェリアは種族の統治者、いわゆる翼のトップみたいな物だったはずだ。王族だったか、都市ではそんなものを名乗ったら笑われた後に身包みを剥がされて裏路地の夜に捨てられるだけだろう。
これは…ダンジョンについての本だ。他のものよりは楽しめそうだ、これを読んで時間を潰すとしよう。
~なぜなに!プロムン教室~
今回紹介するカーリーの武器は『ダ・カーポ』と『天国』!
ダ・カーポは八分音符型の大鎌でスピード型ので精神ダメージになったミミックみたいなえげつない性能をしているぞ!
天国は少し見た目が悪い槍で、基本的には投げて使うぞ!
カーリーはこの二つの他にミミックも投げて攻撃することがあるんだ!当たったら見るも無惨な姿になるぞ!しかもガッツリ壁を貫通する!これは酷い!
カーリーに他のEGO使わせる?
-
うん
-
やだ
-
ダンまちキャラも巻き込もうぜ!