赤い霧がダンジョンにいるのは間違っている   作:ピグリツィア

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酒場でのいざこざ

「よ~し、皆集まったな?まずは今回の遠征、トラブルがあって目的は達成できんかったかもしれん!せやけど皆が無事に戻ってきてくれたならそれで十分や!何一つ成果が無かった訳や無いしな!

そんでまあ、皆帰還途中でいざこざがあったのは知っとるな?その件で色々紆余曲折あって新しい仲間を迎えることになった!あ、名前どうしよ…まあええか!カーリーたんや!むっちゃ強いんやけど…ちょっとだけ世間知らずな所があるから良い感じにフォローしたってや!以上!」

「カーリーだ、よろしく頼む」

 凄まじい歓声が上がる。歓迎されるとは聞いていたが予想以上だ。

 

「そんじゃ豊饒の女主人に行くか!カーリーたんは…ティオナが呼んどるな、んじゃそっちについてってな!」

「わかった」

 ティオナ達の所に向かうと、ティオネが話しかけてきた。

「…ごめん、ちょっと熱くなってた。後で団長とどんな話してたか教えて…打ち上げ後でね」

「ああ、事情はわかっている。フィンと距離が近すぎたんだろう?今度からはもう少し控えるとするよ」

「あ~、あたしからも1つ謝ることが…」

 ティオナが?直接何かされた覚えはないが…

「実は…話しちゃった」

「なにを?」

「…アイズと戦ったの」

  ああ、道理で随分と注目されている訳だ。アイズはこのファミリアの看板ともいうべき存在だ。ぽっと出の怪しい新人がそんな存在と戦って、なおかつ相応の戦績を出したとなれば注目もされるだろう。

「私は別に構わない、と言いたい所だが…あまりよろしくはなさそうだな」

「そうね、流石に悪目立ちしすぎね」

 視線の半分は純粋な興味、と言った所だ。だがそれ以外のものは懐疑心や嫉妬など、あまり気持ちいいとは言えない視線だな。

「ところで、なんで私とアイズの戦闘について話したんだ?そんな言いふらして良い物でも無いというのは解ると思うんだが」

「じ、実は…」

 

 

   【訓練場にて…】

 それはあたしがゴブニュファミリアから帰ってきた後のことだったの。

「うわ、なんだこれ…剣がへし折れてんぞ」

「これってレベル3向けのやつだよな。ティオナさんが間違って振り回したとか?」

 訓練場からそんな声が聞こえてきたから訓練場に入って

「皆どうしたの〜?」

 って聞いたの。そうしたら

「あ!ティオナさん!これティオナさんがやらかしたんですか?またいろんな人から怒られますよ」

 なんて言われて。さっきまでしこたま怒られてたあたしはついカッとなって言っちゃったんです。

「違うよ!それはカーリーとアイズが戦った時に折れちゃったの!」

「カーリー?」

「そんな奴いたか?」

「テルスキュラの主神のことじゃ無いよね?」

 この時点で失敗したことに気づいたんです。

「あ〜、えっと…あたし用事あるから、じゃーねー!」

 

 

「ほんっとうにごめん!つい口が滑っちゃって!」

「まったく、油断しすぎよ。新人がアイズと戦ったなんて知られたら色々面倒だってのに…」

「まあ過ぎたことは仕方ないな、反省しているならそれで良い。問題はこの後どうするかだ」

 実力を知らしめるのは簡単だ。疑う奴らを片端から倒していけば良い。だが嫉妬の目はそれでどうにかなるほど単純な問題じゃない。

「どうしたものかな」

「あたしが責任とって何とかしようかな?」

「バカ、それじゃ逆効果よ。幹部に目をかけられているのが問題なんだから…今こうして私たちと会話している時点で手遅れな気もするけどね」

「それもそうだな。開き直ってさもわたしは特別です。と言った態度でいるか」

 実力的に十分特別だし、別の意味でも特別だからな。

「それはそれでどうかと思うけど…ここまできたらベート路線に近い方向で立ち振舞ったほうがいい気もするわね」

「本当にごめんね…こんなことになっちゃって」

「この程度のいざこざなんて可愛い物だろう、あっちにいた時はもっと色んなアホに絡まれたからな」

 こちらの最強はレベルという明確な指標があるから良いものの、都市の場合全体的にあまり頭がよろしくないのも相まって、相手が特色だろうが寝首を掻けば何とかなるなんて考えの奴らも少なく無かったからな。

「このファミリアで寝首を掻く様な奴はいないだろう?それならどうとでもなるさ」

「カーリーはいつも発想が物騒すぎるのよ…いや経験談なんでしょうけどね?」

「流石にそんなことする子はいないよ!でもあまりよくない目で見られちゃうとは思うから…」

「とりあえず困った時はフィンやリヴェリア、ガレスに相談するに限るだろう。彼らなら良い解決策も思いつくかもしれんからな」

 仕事を増やしてしまうのは忍びないが、こういった事は後回しにすると碌でもないことになるからな。

「そうね、団長に頼るのは悪くない手だとは思うわ。わたしの感情は別としてね」

「後であたしが責任持って相談してきます…とりあえず今日は飲む!借金とかのことも今日だけは忘れたいし!」

 勢い余って今日のことをまるっと忘れないことを祈ろう。

 

 さて、酒場についてロキが音頭を取った後、自由に飲み食いしているとベートが大声でとある冒険者を馬鹿にしていたのが聞こえたのだ。あまり気持ちの良い話でもなかったな。

 おそらくあそこで誰かが止めれば、白い髪の少年が出ていくことも、その子の主神がロキと乱闘を始めることもなかったのだろうな。

「こんのバカロキめ〜!僕のベルくんをバカにしやがって!許さないんだからな!」

「何やどチビ!悔しかったら実績で見返すんやな!」

「ロキ、ヘスティア神とどんな遺恨があるのかは分からないけれど今回は抑えてくれ」

「ベート!自らの失態を棚に上げてあの様な物言いはやめろ!」

「バカ神共!喧嘩をするなら外でやりな!」

 酒場は地獄絵図だ。ヘスティアと呼ばれた神とロキが取っ組み合いを始めて周りの野次馬共が囃し立てる。それを遠くから眺めていると、アイズに肩を叩かれた。

「アイズ?どうしたんだ?」

「わたしあの子を追いかけてくるね。皆にはカーリーから言っといて」

「わかった、だがあまり遅くなるんじゃないぞ?」

「うん」

 まったく、どいつもこいつも随分と自由だな。

 

 酒場の主人であるミアの一騎当千の活躍によって酒場が落ち着きを取り戻した。フィンとヘスティアが少し会話をした後、ヘスティアは帰ってしまった。

「カーリー、アイズは彼を追いかけて行ったんだね?」

「ああ、知っていたのか?」

「そう予想しただけだよ。アイズが追いかけていなかったら僕が行こうかとも思っていたけど大丈夫そうだね」

 もしかしたらダンジョンで色々と聞いていたのかもな。今回のいざこざの原因らしいしな。

「今回の事故の被害者は彼と…一応君もだね、これである程度ダンジョンでの問題は解決したと言えるだろう」

「そういえば私がいたところにミノタウロスがいるのはおかしいんだったな」

「そうだね、そして先ほどの少年はアイズを見るなり逃げ出してしまったそうでね、情報が少なすぎるから相手からのアクション待ちだったんだ」

「そうだったのか。ところで何でベートは逆さ吊りになって、何でロキは外で頭から埋まっているんだ?」

 酒場は多少落ち着いたがさっきから絵面の酷さはあまり変わっていない気がする。

「ベートはリヴェリアによる折檻だね、今回の発言はファミリアの評判を貶めるものになっていたからね。ロキはさっき喧嘩して、ここの店主に止められた後も一方的にあれこれ言ってたから埋められてしまった様だね」

 随分と過激な店主だな…先ほどの動きといい明らかに一線級の冒険者にしか見えないのだが何者なんだ?

 

 手持ち無沙汰になったのでレフィーヤと話しているとアイズが帰ってきたようだ。

「アイズ、あの子はどうしたんだ?」

「追いかけたら1人でダンジョンに潜って戦ってた」

「それは大丈夫なのか?」

「通りがかりの黒い人と見守ってて、倒れちゃったから助けた後、黒い人が自分が家まで送るから家の人を心配させないために帰れって言われちゃった」

 黒い人って何なんだ?信頼できる相手だったのか?

「なんか優しそうな人だったし、早めに帰ってこいって言われてたのも思い出したから任せた」

「…悪い奴らに騙されるんじゃないぞ?」

 なんか心配になるな。ともかくこれで一連の問題は解決か。

 

「おっとレフィーヤ、わるいな。話を止めてしまって…?」

 レフィーヤの顔が何とも言えないものになっている。どうしたんだろうか。

「…アイズさんさっきの人追いかけてたんですか」

「そうだな、流石にあの流れで衝動的に駆け出したとなったら心配だからな」

「ふ〜ん…」

 なんだこれは、どうすれば良いんだ。




~なぜなに!プロムン教室~
カーリーの装備紹介!最後は『黄昏』!
この武器はロボトミーコーポレーション個人的四天王から貰えるインチキ武器だ!
切られたら死ぬぞ!4属性で攻撃してくるからどうにか出来るものでもないぞ!諦めよう!

ZEDY
アンケートの結果カーリーがEGO武器を使いまくれる様になりました。かなり後だけどね!
そしてついでに裏設定も表に出てくることになりました。お前にしか頼めないからな、頼んだぞ!
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