昨日は何故かアイズと一緒のベッドで眠る事になった。抱きついてきて寝苦しかったな。
「ごめんカーリー」
「大丈夫だ、ところでなんでおばけが苦手なんだ?」
あれ程の強さを持つなら怖いものなんて無い、なんて事は言わないがおばけのような子供騙しを恐れることはないと思うのだが。
「…切っても死なないから」
「ああ、じゃあ幻想体もダメそうだな」
アイツ等はどいつもこいつも切ったところで死なないからな。そもそも切れないのも居るし。
「げ、幻想体っておばけなの?」
「まあ、あながち間違いではないな。笑う死体の山とかはそれっぽい見た目だし」
アイズが震え始めた…少しかわいいな。
「何もないなんて切っても死なない代表格だしな。ラジオから出る音が幻想体だったりしたし」
「もうやめて…」
背中を向けて耳を塞いでしまった。少しやり過ぎたか?
「幻想体こわい。切っても死なないモンスターみたいな奴なんて嫌い」
「一応攻撃は効くけどな、死なないだけで」
弄りすぎたか、拗ねてしまった。よしよしと頭を撫でてやる。
「あーいーずー!出かけよー!」
「で、出掛けましょう!」
「あら、カーリーも…どんな状況よこれ」
ベッドの隅で耳を塞いで座り込むアイズとそれを宥める私。確かに何も状況がわからないな。
「アイズのおばけ嫌いを弄りすぎてしまった。どうにかしてくれ」
「どんな話したらこんな状態になるのよ…まあ珍しく年相応の反応を見れたし何とかしますかね」
「アイズー!でかけよー!じゃが丸くんの屋台にもいくよー!」
「いく」
私の苦労はなんだったのか、いや自業自得なのだが。この子はじゃが丸くんと言うだけで何でもやってしまうんじゃないか?
「カーリー…言いたいことはわかるわ、だから私たちが保護者としてきちんとしないとね…」
「もしかして既にやらかしているのか?」
「何回かね…」
アイズは絶対に都市に行かせない様にしよう。わたしはそう強く心に誓ったのであった。
「そういえば出かけるんだったな。丁度良い、私たちも出かける予定だったからな」
「そうなの?何処に行く予定だったの?」
「武器見たり、ダンジョン用の道具を補充したり」
「もっと女の子しようよ〜!服見たり、化粧品見たり!」
お、女の子しようって…どういうことなんだ?
「酒見たり、煙草みたり?」
「それおっさんじゃない」
お、おっさん…いくらなんでもそれは傷つくぞ…
「そう言えば喫煙者だったんだっけ」
「タバコ嫌い…臭いし煙たい…」
アイズは不満げだ。まあ予想してなかったわけではないから問題はない。
「取り敢えず出かけるわよ!アイズもちょっとテンション低かったし」
「どこにいく予定なんだ?」
「やっぱり服でしょ!化粧品は高いし、そもそも必要ないくらい顔綺麗だし!」
アイズと共にしかめっ面になってしまった。私はそういうものに興味がないのだ。
「アイズは服見るの嫌なの?」
「あまりよくわからないし、カーリーの話も聞きたかったから。でも一緒に出掛けるのは嫌じゃない」
「おしゃれなら私たちで教えてあげます!せっかく綺麗なんですから少しは身嗜みにも詳しくなりましょう!」
「アイズはともかくカーリーは着替え無いでしょ?そんな顔してないで行くわよ!」
それもそうだ、だが金がないのだ。どうせ見るだけなら武器とかを見たい。
「リヴェリアー、カーリーと買い物行くからカーリーのお小遣いちょーだい!」
「ああいいぞ。だがあまり無駄遣いはするなよ?」
なんて事だ、逃げ道を速攻で潰されてしまった。アイズにどうにかして貰えないかアイコンタクトを送るが黙って首を横に降るだけだ。諦めておとなしく付き合うとしよう。
ティオネ達に引っ張られて外へと連れ出される。
「すごいな…巣よりは原始的だが、治安の良さは引けを取らなそうだ」
「原始的ねぇ…治安といい、幻想体といい、どんな場所か想像もつかないわね」
科学技術は都市の方が圧倒しているが、科学の発展に伴って裏路地の様なものが生まれるくらいならこの世界の方がいいかもな。
「そんな暗い話なんてしてないでアイズとカーリーの服見ようよ!」
「とは言っても、どこに行くんですか?」
「そこの曲がり角を曲がったらすぐに見えるわよ」
そうして曲がった先にあったのは…下着か、確かに必要な物だ。
「ここって…」
「か、カーリーさん!?なんで普通に入っていくんですか!」
「うん?下着だろ?女だけだしそう恥ずかしがることもないだろうに」
そういえばエルフはなんと言うか、堅苦しい感じだったか。恐らく他人と一緒に下着を見るのは気が引けるのかもしれない。
「いやここアマゾネスの服の専門店ですから!下着みたいな見た目ですけどこれで外歩き回るんですよ!?」
そうだったのか、そういえばティオナもティオネもこの店に並んでいるような服を着ているな。
「こんな服で歩き回ったら化学物質や日光で肌が荒れそうだけどな」
「化学物質はわからないけどアマゾネスは褐色人種だからそこまで目立たないわよ」
それもそうか。まあとりあえず入ってから考えるか。
「ちょっと!本気で入るんですか!?もうちょっと慎みと言うか、恥じらっても良いと思うんですけど!」
店内は見事に下着のような服しか無いな。そういえばティオナ達はこの格好でダンジョンに潜っていたが防御力は大丈夫なのだろうか。
「う~ん、とりあえずアイズはこれとかどう?」
「カーリーはこっちが良さそうね」
まさに下着だな。機動性を確保するにしても露出が多すぎる気がする。
「ああほら、アイズさんも顔真っ赤じゃないですか!というかなんでカーリーさんはそんなに平気そうなんですか!」
「なあ、やっぱこの服はダンジョン探索には向かなくないか?」
「そういえばカーリーは着込んでるわね、それって防具なの?」
「まず露出を気にしましょうよ!そう思いますよねアイズさん!」
どうしても羞恥心よりも防具としての性能の方が気になってしまう。流石に着る気はないが。
「ティオナ、やっぱりこれは無理…」
「やっぱりむり?一回だけでもだめ?」
「ティオナさんもアイズさんに無理強いしないでください!そもそもアイズさんに似合うのは…もっとこう、上品というか、そう!まさにエルフの服でしょう!」
エルフの服というと…リヴェリアのローブか?レフィーヤの服は他のエルフと比べると少し露出が多い気もするがアマゾネスの格好とは比較にならない。
「ほら!カーリーさんも気になるでしょう!?」
「ローブは動きにくくてな…いや、確かエルフの服には魔法が掛けてあるんだったか。気になるな」
「よし!なんか想定と違うけど興味を引けたからよし!」
エルフの服飾店でアイズの服を見繕う。
「う~ん、やっぱり少し堅苦しくない?」
「そうですかね、けっこう良いと思うんですけど」
やはりローブは動きにくそうだな。ゆったりした服はどうしてもな
「エルフの服だからって魔法が掛けてある訳じゃないんだな…」
「そうですね、そういうのは王族向けだったり、そうでなくてもかなりの高級品になりますから…」
「ここは普通のお店だしね、エルフは魔法適正が高いのもあって前線に出る為の装備は少ないのよね」
どうやらそう上手くは行かないらしい。服に魔法を掛けるにしても金属はダメ、布の素材も相応の物じゃなければダメ、布面積が大きくなければ魔法を掛けられないと制限が多いようだ。
結局ヒューマン用の店で買い物をすることになった。
「良い感じじゃない?レフィーヤで言う清潔感があって身軽な服装!」
「そうですね!これが良いと思います!」
「じゃあ次はカーリーだけど…この店じゃないわね」
アイズの服を選ぶだけでは飽き足らず、私の服も選ぶつもりのようだ。
「イメージはかわいい系ってよりはかっこいい系が良いよね!」
「大人の女性って感じですからね。リヴェリア様とは違った形ですけど」
「というよりはこの格好でタバコ吸ってたらもうそれで完成してる気がするわね。仕事人って感じ」
よくわからん。とりあえずされるがままにされておこう。
「これね、ベートっぽいのは気にくわないけど」
「これですね、普通にベートさんより似合ってますし」
「かっこいい大人って感じ!ベートには無いかっこつけない大人の余裕って言うの?そこが良いね!」
とりあえず普通のシャツに生地のしっかりしたジャケット、下はジーンズになった。
「えっと、かっこいいね」
「ありがとなアイズ。私はもう疲れた、どこかで食事にしないか?」
既に昼過ぎだ。昼食には遅めだが問題無いだろう。
「そうね、私は満足したわ。後はベートに見せて格の違いを思い知らせてやるだけよ」
「これでアイズを横に置けば完璧だね!それじゃあ近くのお店に行こっか!」
「…勝てる未来が見えない…?後輩枠だけじゃ力不足…!?」
レフィーヤは何を言っているんだ?とりあえずティオナにリヴェリアから貰った小遣いで服の代金を出して貰い店を出る。
カフェに入ってのんびり話していると、ふと外の異変に気づく。
「…なんか神が多くないか?それにやけに慌ただしい」
「確かに、なんかざわついてるね」
「神の宴の準備じゃ無いですか?ロキ様も準備してたじゃないですか」
神の宴?知らない単語が出てきたな。
「確か今回はガネーシャが主催だったんだけど例のいざこざで一日ずれたのよね」
「神の宴って言うのは神様だけのお祭りみたいなものだよ!」
「私たちにはあまり関係なさそうだな」
「そうでもないですよ。ロキ様も参加しますし」
「ロキが参加するってことは何かある、って言いたいけどそんなの言わずもがなよね」
おそらく私のことだろうが、それにしたってミミックだったり異世界だったりEGOだったりと候補が多すぎる。逆に何が目的かわからないな。
「へファイストス様とも話すだろうし、ガネーシャ様とも話すことがあるだろうし、忙しそうだねぇ〜」
「あ、あの人」
アイズの視線の先には先日酒場で見かけた黒髪の小柄な女神がいる。たしかヘスティアと言ったか。
「例の少年のファミリアの主神だったか」
「そうだねえ、酒場では悪いことしちゃったなあ」
「流石にあれは酷かったわね、たしかアイズとベートが助けた子だっけ?私たちはその時とんでもない物を見つけてたわけだけど」
私か、そういえばあそこにミノタウロスがいるのがおかしいなら私はもっととんでもない物だったわけか。
「情報に無い新種のモンスターと会ってたのも相まって怪しさ満点だったからね〜」
「あの時は流石にビビったわね。ミノタウロス追い掛けてたらカドモスと鉢合わせた気分だったわ」
「その節は世話になったな」
「私も迷惑をかけちゃいました。リヴェリア様に無理を言ってついて行ったのにあんな失態を見せてしまって…」
レフィーヤは、いつかはあれに相対しても大丈夫なくらい強くなるんです。と意気込む。道は遠いだろうが頑張ってほしい。いや、もしかしたら案外すぐに平気になるかもな。
「さーて、次は何処へ行こうかしら」
「南のメインストリート!」
「繁華街ですか、いいと思います」
繁華街か、色んな物が売ってそうだ。タバコも見てみるかな。
なぜか静かなアイズの方をみると、少し落ち込んでいる様だ。
「ごめんティオナ」
どうやら元気が無くて気遣われていたのを気にしていたらしい。
ティオナの方を見るが、何も言わずにアイズを見つめている。
しばらくの静寂の後、ティオナはおもむろに片手を上げアイズの額を小突く。
「あたし謝ってほしくてプレゼントとかしたんじゃないんだけどなー」
何度か繰り返しアイズの額を小突くのを眺めていた私も、なんとなくアイズの頬をつつく。
「うー、やめてカーリー」
「何やってんのよカーリー」
「いやなんと無くな」
それを見たティオネもアイズの頬をつつき始める。
「うー、たすけてレフィーヤ」
「アイズさん…えっと」
「随分とやわらかいわね。何を食べたらこんなになるのかしら」
「じゃが丸くんだろう。異様なまでに食べているしな」
「もー!二人とも茶化さないでよー!」
ティオナに追い払われてしまったので退散する。
「…ありがとうティオナ」
「…どっちの意味で?」
「どっちも」
そう言ってアイズは柔らかく微笑む。それを見たティオナも嬉しそうに笑いアイズに抱きつく。
「ティオナさん、そんなにくっつくのは…わっ」
レフィーヤが煮え切らないので持ち上げてアイズの真横に置く。
「ほら、ティオナに取られちゃうわよ?」
「うう…えーい!」
レフィーヤも意を決してアイズに抱きつく。これくらいの子供なら存分に甘えてもいいのだ、せめて休日くらいは。
「やるじゃないカーリー、私はあんな強引な手段は取らないから意外だったわ」
「フィンにはもっと過激な手段で迫るのにか?」
「あんたねぇ…それはそれ、これはこれよ。まあいいわ、行きましょ!」
はしゃぐ3人の背中をティオネと追いかける昼過ぎのオラリオでの散策。
「カルメン、これがお前の目指した物の一つの形だったのかもな」
今は誰もいない研究所での暮らしを思い出す。何故ここに来たのかも判らないが、暫くはここにいるのも良いのかもしれない。
~なぜなに!プロムン教室~
黒い人って誰ぞ。何処の女よ!
今回は女装おじさんのローランくんについての解説だ!
彼はライブラリーオブルイナの主人公で木端の九級フィクサーを名乗っているぞ!カーリーより弱い雑魚なので何も問題ないな!
今外伝という名の本編の主人公としてお話を書いているけどすっごい進めやすいね!コミュ強!
嫁さんの形見の不思議な手袋と、自分の正体を判らなくさせる仮面をつけて戦っているぞ!メイン武器はデュランダルだ!かっこいい〜!
フィクサーとしては戦闘よりも情報収集に重きを置いているぞ!だからカーリーより弱いんだね!そんなんだから大事な時にピアニストも倒せないんだ!
そんなんだから多分嫁さんの方が強いぞ!流石は黒い沈黙!
黒い人外伝(ダンまちで言うと本編)書いてるけどいつ出す?
-
今すぐ出せ!Now!
-
出す予定の場所(EGO武器使用後)
-
warp列車行き(チラシの裏)