赤い霧がダンジョンにいるのは間違っている   作:ピグリツィア

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事後処理と帰還

 仮面の男が呼んだであろう雑魚を処理して中央広場に戻る道中、私はフィンに今回の件を聞く事にした。

「全く、あいつらは何だったんだ。例のモンスターを大量に使役しているし、異様なまでに強かったぞ」

「アイズが苦戦する程の相手か…それにあの強さのモンスターをあそこまで大量に操れるとなると、事態はかなり深刻だろうね」

「私たちは奴らを知らない、あれ程の手練れが暗黒期の間一切活動していなかったとは考えられないし…わからんな、考えれば考えるほどおかしな点が出てくる」

 フィンやリヴェリアが何も知らないとなるともうお手上げだな。情報も少なすぎて今後の対策も練れないな。

「謎の二人に奇妙な魔石のモンスター、深層のモンスターも絡んでいるだろうね」

「そうだな、アイズ達が見た奇妙な珠も気になる。それにあいつらはアイズのことを…」

 二人はコソコソと密談している。アイズとレフィーヤに話しかけるか。

「二人とも怪我とかは無いか?何か気になったことがあったら言ってくれ」

「私は大丈夫です…アイズさんは」

「カーリー、何であんなに強かったの?」

 アイズから少しの威圧を感じる。訓練の時に手を抜かれたと思っているのかもしれないな。

「スキルの効果だ、今回は効果的に発動するスキルがあったからな」

「どんなスキル?」

 随分と食いついてくるな、そういえばアイズは貪欲に強さを求めていたな。何か少しでも自分の糧にならないかと必死に探し求めているのだろう。

「アイズ、ステイタスの詮索はいくら同じファミリアの人間と言えどあまりお行儀が良く無いと思うな」

「それにここはホームでも無いんだ、不用意に聞くことでは無いな」

 二人に叱責されたアイズはすごすごと引き下がる。私は気にしないがファミリアとしての体裁が良く無いのだろう。

「ごめんカーリー…」

「帰ってからなら教えてやるからそう落ち込むな」

「本当に?」

 ああ、と言おうとすると視線を感じたのでそちらに目を向けると、フィンとリヴェリアが責めるような目でこちらを見てくる。

「あ〜、フィンの許可が降りたらな」

「フィン」

「ホームに戻ってからね」

 フィンの苦笑いしながら発した言葉で、アイズは多少調子を取り戻せたようだ。

 

 中央広場にはびしょ濡れになったティオネとティオナが冒険者達に囲まれていた。

「あの赤髪の女は何者なんだ!?」「ロキファミリアの新人って聞いたけど本当!?」「あの見たこともない魔法は!?」

「あーもう!邪魔よ!あとで本人に聞けば良いじゃない!」

「あ!みんな!そっちは大丈夫だった?」

 ティオナの声で群衆が一斉にこちらへ振り向く。

「ただいま、ボールスはいるかい?」

「ああ、ここにいるぜ。てめえら!すっこんでろ!ロキファミリアの奴らに迷惑かけんじゃねえぞ!暇なら街の片付けでもしてろ!」

 ボールスの一括で群衆は、渋々と言った雰囲気ではあるが解散していく。

「ちょっとボールス!散らせるならもっと早く散らせなさいよ!」

「ケッ、俺はフィンとの契約を済ませただけだ。さっさと臨時で建てた天幕に行くぞ」

 そう吐き捨ててさっさと歩き始めるボールスを追う。フィンとの契約か、少し気になるが後でも良いだろう。

 

 臨時にしてはしっかりした作りの天幕に、ティオナとアイズを見張りに立たせて入る。

「それで、何があった?」

 ボールスは広い机に備え付けられた椅子の一つに座るやいなやそう問いかけてくる。

「色々あったけど、そうだね。まず犯人は取り逃してしまった」

「お前らが当たって取り逃すなんてな、ロキファミリアつってもそんなもんか」

 強気な言葉を吐くが明らかに動揺している。それも無理はないだろう、オラリオの上位陣が揃って事態に対応して下手人を取り逃したのだから。

「人相書きは後で作ろう。それと、犯人には仲間がいた」

「マジかよ…こりゃ事態は予想以上に深刻みてえだな」

「それに二人とも調教師だ」

 ボールスがフィンの言葉に反応して机の上に落としていた視線を上げる。

「ああ?調教師?怪物祭とかにいるアイツらか?」

「そうだね、その認識であっている」

「そいつらがあんなバケモノを大量に使役してたってか?冗談にしちゃ笑えねえな」

「この情報は伏せておくのが良いだろうね」

「ああクソ、お前の言うとおりだな。言ったところで無駄に混乱が起きるだけだ」

 ボールスは少し思案した後、頭を掻きながら舌打ちをする。

「とりあえず早い内に一回ここを離れとけ、俺もあいつらを長くは止められねえ。すぐにもみくちゃにされて質問責めにあうぞ」

「僕たちも一度ロキに報告しようと考えていたからそうさせてもらうよ。ここの事後処理は任せても良いかな?」

「リヴィラは前に何度も潰されてるんだ。ちょっとすりゃ元通りだ」

 ボールスは自慢気に笑みを浮かべる。このリヴィラの街が崩壊した回数は三百を優に越えるらしい。それならば建て直し方もマニュアルが組まれているのだろう。

 

「あとお前、カーリーだったか。この後どうするんだ?」

 手持ち無沙汰だったので剣の調子を見ていると、ボールスは唐突に話を振ってくる。

「どうするとは?」

「あんな派手に大立ち回りしたらあちこち引っ張りだこだって事だよ。お前に助けられたって奴が何人もいるしな、わかるだろ」

 ああ、そういう事か。確かにこのままだと少し面倒な事になりそうだな。何にしても一度フィンにどうするか確認すべきか。

「うーん、まあこっそり出れば大丈夫じゃないかな。先に上に戻ってくれて構わないよ。後は僕たちでどうにかしよう」

「わかった、ロキには簡単に事のあらましを伝えておこう」

 囲まれる前にさっさと退散するとしよう。

「そうだ、レフィーヤと…ティオナも一緒に先に帰還してくれ。流石に上で襲われる事はないとは思うけどね」

「わかった、行こうかレフィーヤ」

「はい!」

 レフィーヤはリヴェリアに一礼してから私と共に天幕を出る。

「ティオナ、帰るぞ。他の冒険者に捕まる前に今回の件をロキに報告しに行く」

「は〜い!レフィーヤも一緒?」

「はい、一緒に帰還するよう団長に言われました」

 今回の事件について帰り道で纏めておかないとな。

「それじゃアイズ、ホームでね〜」

「アイズさん!お先に失礼します!」

「ん、気をつけてね?」

「ああ、十分警戒するさ。万が一にもレフィーヤには傷一つ付けさせない」

 

「なんかさ、カーリーって、アレだよね。女たらしっぽいというかなんというか」

「…はい」

「あ、赤くなってる〜」

 




〜なぜなに!プロムン教室〜
 【今回はお休みです】

いやぁ〜、AC6面白かったね。調整前にトロコンできてよかったよ。一番つまったのはアイビスでした。
うん?更新が止まってた理由?…サイパンやってました誠にごめんなさいでした
多分また間が開くかもわからん…

黒い人外伝(ダンまちで言うと本編)書いてるけどいつ出す?

  • 今すぐ出せ!Now!
  • 出す予定の場所(EGO武器使用後)
  • warp列車行き(チラシの裏)
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