あの後はしばらくフィンと2人で話していると、凄まじい殺気と共にティオネが高速で突っ込んできてフィンを連れ去ってしまった。その少し後にティオナに謝られたが…あれは流石に驚いたな。
その後アイズと共にティオネがすごすごと帰ってきた。アイズの表情はよくわからないがティオネはとてつもなく悲しそうだ。
「どうしたんだティオネ、アイズも来たのか、とりあえずそこに座ったらどうだ?」
「あんたねぇ、団長に色目使うなって言ったでしょ!」
…これは困ってしまった、あれが色目に見えるならば病院に行ったほうがいいと思う。とりあえず助けを求めるべくティオナに視線を送る。
「お姉ちゃん…もう私は悲しいよ!せっかく仲良くなったのにカーリーにそんなこと言って!もうちょっとアレを持ったらどうなの?えっと、そう!出来る女のヨユーって奴!」
「なっ!?」
「アイズもそう思うよね!お姉ちゃんは団長のことになるといっつもそう!色んな手を使ってるらしいけどどれも力押しじゃん!一回ファミリアの既婚者の人たちに男の落とし方講座開いてもらったら!?」
「カーリー、わたしはその剣…剣?を見に来たの。持ってみていい?」
もう場は無茶苦茶だ。アイズはマイペース、ティオネとティオナは喧嘩…いやこれはよく見たらティオナが鬱憤を晴らすために私をダシにして一方的に言いたいことを言っているだけのようだ。
「姉妹だってのに私の分までおっぱいの大きさ持っていって!こうなったらヤケだよ!その乳揉みしだいたらー!」
「えっちょっとティオナ!?どうしたの…こら!やめろ!はなれろ!ロキが感染ってるじゃない!ちょっと、悪かったからやめなさいって!」
「ミミックだっけ?すごい剣だね。モンスターっぽい見た目と雰囲気だけど…全く違うってなんとなくわかる。幻想体っていうんだよね」
もうそれぞれが好き勝手し始めている。とりあえずアイズにはしっかり警戒しながら触るようにいってから私は姉妹喧嘩を止めにいくか。
「はぁ、はぁ、ほんとにどうしたのよティオナ、もしかしてミミックの精神汚染が遅れてやってきたりしたの?」
「だってカーリーに変なこと言ったんだもん。アレが色目に見えるなら病院に行ったほうがいいよ。団長の顔見た?思いっきり深刻な顔してたよ。空気なんてもうお葬式とかだったじゃん。ところでどんな話をしてたの?」
「裏路地の日常だな。この間話した謝肉祭とか、まだお前たちには話していない裏路地の夜の話だ」
「あぁ〜、うん、謝肉祭ね…それのせいで昨日夢見が悪かったのよね」
「私も全く眠れなかったよ…アレをあそこまでリアルに話せるなら夏の怪談大会はぶっちぎりで優勝できちゃうよ」
「…殻って何?」
ミミックを弄っていたアイズがとんでもないことを言い出す。どうやらミミックの言葉が明確に聞こえるらしい。
「殻って何って何のことよ」
「ああ、ミミックの口癖のようなものだ。あまり気にしなくていいぞ、所詮は幻想体の戯言だ」
「へ〜、殻が欲しいって言ってたんだアレ」
「…返すね、私のことはあまり好きじゃないみたい」
驚いたな。アイズがミミックの意図を読み取れるのも、ミミックが選り好みするのも珍しい。
「この子がモンスターじゃないってことはわかった。次はカーリーのことを教えて」
「カーリーのことねぇ…昨日の武勇伝みたいないい感じのない?くれぐれも裏路地については話さないこと!」
「そっちの世界なら裏路地の切った張ったも普通の武勇伝なんだろうけど、こっちじゃ殺人は相手が闇派閥だとしてもあまり声を大きくして言うことじゃないからね?」
「わかってるって、昨日の会話でよく思い知ったさ。とはいえ幻想体との戦闘なんてあまり多くないからな」
そもそも幻想体はあるものを得るために管理していたのだ。戦闘するのが目的ではない。
「ふむ…あまり不快にならなそうな幻想体の話か…難しいな」
「こう言う時はね、アイズ。まず自分のことから教えちゃえばいいのよ」
「そうそう!レベルアップした時の話とか!これならちょっと口下手なアイズでもできるはず!」
「カーリー、アイズの話を聞く時は積極的に疑問を投げかけてあげてね。黙ってたら何々と戦って倒した。終わり。って感じになっちゃうと思うから」
そう言う形の会話は苦手なのだが…カルメンとの会話を参考にするか。
「黒い森の化け物ねぇ、そんなヤバそうな存在もいるのね。こっちの三大クエストに近しいものがあるわね」
「でも伝承とはいえ誕生の経緯はちょっとかわいそうだね」
「確かに規格外ではあるが外郭では結構似たような話も聞く。このような強大な存在は信仰対象になったりするが大抵碌な団体じゃない」
ティオナが英雄譚などの物語が好きだと言ったのだが、生憎英雄譚などは知らなかったのであちらで比較的有名だった黒い森に居るとされる3羽の鳥の物語を聞かせたところやはりと言うか、そこまでいい反応を得られなかった。
「というか、英雄譚なんて知らないって言ってたけどあっちの世界だとカーリー自身が英雄譚の主人公になるくらい凄かったりする?」
「私はそんな大層な存在じゃないと思うが…一応特色に選ばれては居るからちょっとした小話程度にはなるか?」
「ほんとぉ?な〜んかカーリーの価値観って当てにならない気がするんだけど。私たちが自叙伝みたいなのを書いたらそれっぽいの出来るかなぁ」
少なくとも私よりは良い物が書けるだろう。私の生涯を書き連ねたら半分以上が血生臭いものになってしまう。
「アイズとかは特に良さそうね。何と言ってもレコードホルダーだし」
「レコードホルダー?何だそれは」
「恩恵をもらってからレベルアップするまでの期間が全冒険者中最も短いってこと!たったの一年でレベルアップしたんだよ!」
「つまりたったの一年で年端も行かぬ少女が相応の相手を倒せる力と技量を手に入れたと言うことか。確かに凄まじいな」
「カーリーは子供の頃どうだったの?どんな努力をしてそこまで強くなったの?」
子供の頃か…あの時は生きるのに精一杯で…
「ちょっと待った、ストップ、一回待って。カーリー、あなたの出身地ってもしかしなくても裏路地よね」
「そうだな」
「はいやめー!このメンバーで子供の頃の話は禁止ね。みんな暗い話になるじゃないの!」
ティオネとティオナの過去は軽く聞いていたがアイズもそういう感じか。もう少し後ろ暗い過去がないような奴はいないのか?
「まったく、私が言えたことじゃないけどこのメンバーちょっと地雷な話題が多すぎない?レフィーヤがいれば雑に弄り倒せば良いんだけど、どうしたもんかなぁ」
「私は別にそう言う話題は気にしないんだが」
「カーリーはちょっと周りに気を遣おう?自分が気にしなくても周りが気にするんだよそう言うのは…私たちが言えたことじゃないけど」
「リヴェリアにも時々言われてる。人には聞かれたくないこともあるんだからそう言うことはあまり詮索しないほうがいいって」
むう、かなり難しいことを言ってくれるな。向こうでは軽い愚痴のようなノリで話すような内容だったのだが。
「あまり納得してない顔ね。文化が違いすぎるわ」
「やっぱりしばらく街で暮らしてもらわないとピンとこないよねぇ」
「そっちの世界にはじゃが丸くんはあるの?」
「じゃが丸くん?」
なんだそれは…生き物の名前?いや、違う気がする。
「食べ物だよ、芋を茹でて荒いペーストにして揚げた料理」
「おそらくコロッケだな。それならあったな」
「コロッケ…異世界じゃが丸くんはどんな味?」
「アイズ、料理の話はやめない?今度ホームで話しましょう?」
「異世界じゃが丸くん…」
なにやらティオネが必死に話を逸らそうとしている…ああ、昨日の話を引きずっているのか。
「大丈夫だぞティオネ、特殊な材料を使っている所の話は避けよう。そもそも私はあまり好きではない」
「本当に?絶対にその特殊な材料の話はやめなさいよね?」
「特殊なじゃが丸くん…!」
「そうだな、挽き肉」
「カーリー?そっち系以外でいい感じの材料を使っているのはない?」
普通の牛挽き肉を混ぜたコロッケの話をしようとしたら止められてしまった。そっち系以外…?肉を避けたほうがいいのか。
「ふむ、コロッケか…あまり食べてないから普通のコロッケ以外はわからんな」
「お姉ちゃんさっきからどうしたの?なんか様子がおかしいよ?」
「あんたはもう昨日のアレを忘れたのね…私も忘れられればどれだけ幸せだったことか…!」
「…あぁ…思い出しちゃった…」
私から『特殊なじゃが丸くん』の話を聞けなかったアイズが少し落ち込み、ヒリュテ姉妹は『特殊な材料』を思い出して頭を抱えてしまった。
「なんかもう精神を削らないような話はないわけ?今のところほとんどアレな話じゃない。レフィーヤが聞いたら泡吹いて倒れるんじゃないかってくらいエグいのばっか」
「次の夏の怪談はカーリーに任せればみんなグロッキーだね!…やっぱやめとこう、誰も得をしなさすぎる。そもそも方向性が違いすぎる」
「食事か…そう言えばこの世界に煙草ってあるか?」
「タバコ?あるけど、吸うの?」
「あっちは娯楽も少ないからな。一般市民が手を出しやすいのはやっぱりタバコか酒だろ」
そう言えばこっちに来てからはどちらもやってないな。そう思うと吸いたくなってきたが…
「急に自分の体をあちこち触ってどうしたのよ」
「いや、タバコを持っていなかったかと思ってな」
コートやズボンのポケットを探したが見当たらない。一度気づくと急に吸いたくなるものだな。
「お酒はともかくちゃんとしたタバコはそこそこ高級品だからなあ、相応に稼がないと手が届かない…と言おうと思ったけどカーリーならダンジョンに潜れば楽に稼げるわね」
「でもロキはなんて言うかなぁ、それとなく止めてきそうじゃない?『こんな可愛い女の子にタバコの匂いがつくのは…』いや、カーリーの雰囲気にはあってるね」
「タバコって美味しいの?吸ったことないや」
「どこでも嗜める嗜好品として扱ってるから味はそこまで気にしてないな。酒はやったのか?」
「たぶん、飲んだらしいけど覚えてない。飲んじゃダメって言われてる」
どうやらよほど酒癖が悪いらしい。私にも覚えがあるな、暴れ出したフィクサーをみんなでタコ殴りにした後簀巻きにしてそこらへんに置いとくんだ。
「アレは酷かったわね。止めるのにも苦労したわ」
「そうだねえ、止めようとした人たちを片っ端からバッタバッタと薙ぎ払う大立ち回り…」
アイズもそっち系だったらしい。相手が強いと止めるのも一苦労か。
「とりあえず酒についてはガレスに聞きなさい、すっごい詳しいから」
「そうか、後で聞いてみるとしよう」
〜なぜなに!プロムン教室〜
プロムン布教と言っておきながらゲームを紹介していない奴がいるらしいっすよ。どこのどいつのことかナァ〜?
私です。
と言うことで今回はプロムンのゲームを紹介しようと思うよ!
やっぱり最初は敷居の低い基本無料のゲーム『リンバスカンパニー』について!
と行きたかったんだけど、作者のスマホと相性が悪くて戦闘でフリーズしてやれてないから別の作品!(コメント欄で好きなだけ布教してくれ)
そんな訳でとりあえず一作目の『ロボトミーコーポレーション』について!
超大手の電気会社の発電施設管理人になって不思議な存在『アブノーマリティ』(次回作だと幻想体だけど翻訳の都合だぞ!)を職員と共に管理して不思議エネルギーである『エンケファリン』を抽出する業務に就くんだ!
時々理不尽な事(洗礼とか八時半とか黄昏とか)もあるかもしれないけれどスーパーAIの『アンジェラ』そして頼りになる『セフィラ』の皆と共に最後の大団円を目指して職員の屍を越えていけ!
もちろん赤い霧の姉御とも戦えるぞ!気の済むまでミンチにしてもらおう!