全てを持てなかった者が全てを求めて転生した時 作:ディロイ・ファントム
いやぁまさか1年半ぶりの投稿になるとは・・・思った以上に長かった・・・
エグゼシータ「で、その1年半ぶりの投稿が閑話?」
ぐうの音も出ないんですが・・・ま、まぁその代わり文字数がかなり多いんで許して下さい!
エグゼシータ「・・・後で私刑ね。それじゃぁ本編どうぞ」
チクショォォォォォォォォォォォ!!!
私は4人家族で、お姉ちゃんが1人居る。私のお母さんはウマ娘だけど産まれたのは姉妹揃ってヒトミミだった。珍しいらしいけど無い訳じゃない。ある日、お母さんがお姉ちゃんにこんな事を聞いていた
母「ねぇ華葉、なんで耳と尻尾を隠してるの?」
華葉「え?うーん・・・何となく?私もあんまり・・・と言うか全然意識してないし?」
父「え?そうなのか?・・・まぁでも家でも基本隠してるしそんなもんなのか?」
華葉「んー・・・分かんない」
父「そっかぁ・・・」
華葉「そうだよぉ」
私はこの時違和感を感じたんだ。だってお姉ちゃんは私と同じヒトミミのはず。なのになんで『耳と尻尾を隠す』なんて言葉が出て来るんだろうって。それにお姉ちゃんもお姉ちゃんで『なんとなく』とか『無意識』とかって答えてるし。不思議に思ったから一緒にお風呂入った時に聞いてみたんだよね。昼の話しの事。そしたら
華葉「え?うーんとね?付け耳と尻尾を作ってるのを見られたから隠してるんだよね。耳と尻尾はその話し」
陽花「そうなんだ。間際らしいなぁ・・・」
華葉「あはは、ごめんごめん」
って言われちゃった。今思えば誤魔化す為の嘘なんだよねこれ。まぁ、この後に見せられたから信憑性があったし嘘を付いてないって何よりの証拠になっちゃったから仕方が無いけどね?
で、お姉ちゃんが5年生、私が4年生の時に事件が起こっちゃったんだよね。その事件は休日に2人でショッピングモールの帰りに起きたんだ
華葉「・・・ねぇ陽花、お姉ちゃんちょっとトイレに行って来るから、ここで待っててね」
陽花「はーい」
この時、今思えばトイレに行くって言い出す直前に目が一瞬鋭かった様な気がするんだよね。多分この時にはこの事件の事を予見してた気がする。・・・気がするだけだけど
エグゼシータ「お待たせ。次は何処に行く?」
陽花「うーん・・・なら最後にあそこ行きたい!」
エグゼシータ「それじゃぁ行こっか」
この後お姉ちゃんと帰る時に近いからって事で私達は裏路地に入って行った。でもそれが良くなかったんだ
陽花「結構薄暗いね。ちょっと、怖い」
華葉「大丈夫だよ。だって誰も居ないんだから」
チンピラA「そーだぜねーちゃん。ここはだーれも居ないんだからさ」
お姉ちゃんと私は変な人達(後で聞いたらあぁいう人達をチンピラって言うらしい)に囲まれちゃった。でもお姉ちゃんは凛とした表情で言い返す。でもチンピラの1人が変な事を言ったんだよ
エグゼシータ「・・・なに?なんの用?」
チンピラB「お前は人の割に顔が良いからな。高く売れる。そっちはウマ娘だから尚更な!」
って。確かに私もお姉ちゃんもヒトミミにしては顔は良い方なんだろうけど、少なくともお姉ちゃんはウマ娘じゃないってこの時は思ってたから何言ってるんだろって思った。でも、それと同時にお姉ちゃんが何とかしてくれるって思ってた。けど、お姉ちゃんは
華葉「・・・しょうがない。陽花、ここは大人しくしてよう」
チンピラA「へっへっへ。そう来なくちゃなぁ」
って言ってチンピラ達に全く抵抗せずに捕まって、私も捕まった。そのまま連れて行かれて、着いたのはどこにあるか分からない倉庫だった。チンピラ達に囲まれてるだけならまだしも、お姉ちゃんも抵抗する気は無さそうだったから凄く怖かった。・・・雰囲気もあったかもだけど
華葉「・・・」
陽花「・・・」
チンピラA「おうおう、こっち(陽花)は震えて声も出せんかwへへっ」
チンピラB「こっち(華葉)はかなり大人しいなw諦めたのかw」
チンピラC「んじゃぁとっととやっちまおうぜ!」
チンピラD「なら俺はこっちのねーちゃんを貰うぜ」
チンピラE「だったら俺はこっちのガキをやるかw」
チンピラ達がそう笑ってると、今まで無反応・無抵抗だったお姉ちゃんが急にドスの聞いた声で喋り出した
華葉「・・・オイ」
チンピラD「あ?」
華葉「私の妹に手を出すなら、私が相手だ!」
チンピラ達はお姉ちゃんの言葉に少し沈黙したけど、すぐにまた笑いだした
チンピラ達「アッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッwwwwww」
チンピラD「オイオイw今のお前に何が出来るってんだw」
チンピラA「そーだぜねーちゃんwちったぁ自分の立場をわきまえろよw」
陽花「(無理だよお姉ちゃん・・・私達抵抗出来ないんだよ・・・)」
って思って、目を瞑って顔を反らした。そうしたらお姉ちゃんの方から砂利が擦れる音・・・って言えば良いのかな?そんな音が聞こえて、お姉ちゃんの方を見ると
華葉「・・・じゃぁ、これで良いよね?」
どうやったのかは分からないけど、お姉ちゃんを縛っていた筈のロープが切られてた。しかもお姉ちゃんはすぐに私のロープも切ってくれた。・・・今思い出してもどうやってあの距離から私を縛ってたロープを切ったのか分かんないんだよね
チンピラ達「!?!?」
華葉「・・・よし」
陽花「(ロープが切れた!?)お姉ちゃ」
華葉「陽花!私が良いって言うまで反対向いて耳を塞いでうずくまってて!」
陽花「で、でも」
華葉「いいから!」
お姉ちゃんが何をしようとしてるか分からないけど、取り敢えずお姉ちゃんの指示通りにした。それから少し?してお姉ちゃんは私にのしかかる様に倒れた感触がしたから振り返った。そしたらお姉ちゃんが血を流して倒れてた
陽花「お姉ちゃん・・・・お姉ちゃん!」
私は警察を呼ぼうとして外に出たけど、外は薄暗い上に、そもそもここが何処なのかが見当が付かなかったから辺りを見てた。そしたら
陽花「・・・これって・・・死体?でも、なんで・・・それにあの人達も居ない?」
自分達を連れ去ったチンピラ達が誰1人として見あたらなかった。その代わりと言わんばかりに死体?が固まって数人分あったし、もしかしたらお姉ちゃんが殺したかもしれない・・・流石に殺しては無い・・・よね?
華葉「(成る程・・・ま、そうなるよね。取り敢えずいびきが出ない様にだけして寝よ。おやすみー)」
お姉ちゃんは生きては居るんだろうけど動く気配は無かったからとても怖かった。でも、人って緊張の糸が切れると気絶しちゃうみたいで結局寝ちゃってたんだよね・・・で、気付いたら朝になってた
華葉「(うわぁ・・・警察が本当に動いたよ・・・前の世界じゃ基本的に動いてくれないもんなぁ)」
陽花「?お姉ちゃん、どうしたの?」
華葉「え?あぁ、もしかしたらそろそろお父さんとお母さんが警察に捜索して貰う様にお願いしに行ってるのかなぁって」
陽花「探してくれるのかなぁ・・・」
華葉「大丈夫でしょ。それより、お腹空いたね」
陽花「うん。早く帰りたいよ・・・」
その後数時間捜索されて、私達は助かった。でも、次の日にその時の噂が悪化して、事件が昼休み中に起こっちゃったんだ
女子A「そう言えばさ、陽花のお姉ちゃんってなんで髪染めてるの?」
陽花「お姉ちゃんの髪?確かに、なんで水色なんだろ・・・」
女子B「気になるのそっち?」
陽花「だってあの髪色ってお姉ちゃんの地毛だもん。昔からあの色だよ」
女子C「陽花が言うならそうなんだろうけど・・・」
女子A「でも陽花のお姉ちゃんってウマ娘じゃ無いでしょ?お姉ちゃんがウマ娘なら分かるし有り得るけどねー」
陽花「そうなんだよねー・・・ホントなんでだろ?」
そんな会話をしていた時、男子達が私達の所に来てこんな事を言って来た。「お前の姉は暴力ウマ娘だ」って。でもお姉ちゃんはそもそもウマ娘じゃない。みんなもそう反論したけど聞いてくれなかった
陽花「(『困った事があったら私の教室においで』ってお姉ちゃん言ってたし・・・それに、お姉ちゃんも関わってるからお姉ちゃんの教室に行こう!)」
私がそう思った時、男子の内の1人がこう言って来た
男子B「やーいお前の姉ちゃん人殺し!」
それに続く様に他の男子達も色々言って来た
男子A「簡単に手が出る暴力女!」
男子E「ヒトミミ擬き!」
私は悔しくて、悲しくて、気付いたらお姉ちゃんの教室のドアを思いっきり開いていた
クラスメイトA「あれ?あの子誰だろ?」
クラスメイトB「さぁ?」
華葉「陽花!?何かあったの?」
陽花「お姉ちゃん・・・クラスの男子がエッグお姉ちゃんの事をエッグ『暴力ウマ娘』ってエッグ言ってくるんだもんエッグ」
メイ「暴力ウマ娘?華葉が?」
クラスメイトA「華葉ってそもそもウマ娘だっけ?」
クラスメイトB「ううん。本当にウマ娘だったら体力もスピードも私達じゃ勝てないけど、華葉はクラスの真ん中辺りだよね」
クラスメイトC「だからウマ娘じゃないよね。なんならもし暴力ふるって来たとしても私達が2、3人居れば多分押さえれちゃうし」
華葉「そこー、私の悪口言わないでー・・・ちょっとお話しないとかなぁ・・・陽花、ちょっとその子達を連れて来れる?今ここに」
陽花「え?あ、うん」
私はお姉ちゃんに言われた通りに、その男子達を連れて来た
華葉「ふーん。この子達ね。陽花、悪いんだけど、もし授業の時間になったら先生が何で居ないかを聞いてくると思うからその時は『指導されてると思います』って言えばいいから」
陽花「うん」
取り敢えず後はお姉ちゃんに任せて私は教室に戻った。どうするつもりなんだろ?
陽花「(あれからなんだかんだ授業終わったけどまだあの男子達戻って来ない・・・お姉ちゃん何やってるんだろ?)」
なんて思ってたら男子達が教室に戻って来た。なんて思ってたら男子達が急に謝りだした。いやお姉ちゃん何やったの?
そして小学5年生の終わり頃、私はいつも通りお姉ちゃんに起こされて朝食を取った私達はいつも通りランニングをしに行った。で、その日の夜。私はお姉ちゃんと一緒に風呂に入った
華葉「お待たせ」
陽花「ううん」
華葉「そう?」
お姉ちゃんはそう言って体を洗い、風呂に浸かる
華葉「あー、良い気持ち」
陽花「なんかお姉ちゃん、おばさんみたいだよ?」
華葉「おばさんにはまだ早いんだけどねー」
あははなんて笑っていたのも束の間、私はお姉ちゃんの姿に違和感を感じた。具体的には頭と腰に
陽花「・・・あれ?」
エグゼシータ「どうかしたー?」
陽花「お姉ちゃん、その耳どうしたの?あと、尻尾も」
エグゼシータ「これ?」
陽花「うん。昨日まで無かったよね?なんなら風呂に入るまで無かったよね?」
エグゼシータ「触ってみる?」
陽花「・・・うん」
私は恐る恐る触ってみた。きっと偽物だって。でも、どっちも本物なのは何となくわかった
陽花「・・・隠してたの?」
エグゼシータ「・・・嫌われたく、無かったから」
陽花「・・・なんで」
エグゼシータ「・・・人間は、自分とは違うものを嫌悪し、排除する傾向があるから」
陽花「・・・」
エグゼシータ「・・・でも、そんな生活ももうお終い」
陽花「・・・え?」
エグゼシータ「もう直ぐでトレセン学園に受験が出来る。そしたら合格してそこの寮暮らし。つまり、隠さなくて良くなる」
陽花「・・・お姉ちゃんは、私が」
エグゼシータ「信用したかったよ?」
陽花「信用・・・したかった?」
お姉ちゃんは何を言ってるんだろう。家族に対して信用するのは当たり前なんじゃないの?
エグゼシータ「最初は『人間同士の方がやりやすいかな』って思ったから隠してたんだけど、そうしてく内に人間が自分達とは違うものを排除する事を知った。だから念の為に隠してたの」
陽花「・・・そうだったんだ」
エグゼシータ「ズルズル引っ張っちゃった結果、トレセン学園に受験出来る様になった今になっちゃったけどね」
陽花「そっか・・・」
・・・あれ?お姉ちゃんって今まで人間として生活してたんだよね?お姉ちゃんの事だし徹底して人間の振る舞いをしてたからウマ娘としての力は把握出来ないし・・・ちょっと聞いてみようかな
陽花「あれ?でもお姉ちゃんってウマ娘として走った事あったっけ?受験出来ても合格出来ないよね?」
エグゼシータ「私がいつ『常時人間になってた』って言った?」
陽花「それって・・・」
エグゼシータ「メイクデビューの時は特等席で見せてあげるから!」
陽花「絶対だよ!約束して!」
エグゼシータ「勿論!」
いやお姉ちゃん準備万端過ぎでしょ!?って思ったら夜な夜な家を抜け出して訓練してたんだって。凄すぎない?
それから時間が過ぎて小学6年生になって暫くしたある日、お姉ちゃんからメイクデビューの日がいつなのかの連絡が来た。それをお父さんとお母さんに伝えたら喜んで準備し始めた・・・は良いんだけどまだ場所教えて無いよ2人共?あ!ちょっとお父さん!勝手に予約しようとしないで!
陽花「うわぁ・・・すっごい人の量・・・」
もしかしてこれ全部今日のレースを見に来てる人?多くない?お姉ちゃんの話だと今日のデビュー戦は芝2000mってのは聞いてるけど・・・お姉ちゃんとそれ以外の7人でレースするんだ・・・お姉ちゃん勝てるのかなぁ
実況「4番人気、3番、エグゼシータ」
解説「かなり落ち着いていますね。どんな走りを見せるか注目ですね」
あ、お姉ちゃんだ。確かにお姉ちゃん落ち着いて・・・いや全然落ち着いてないね!?結構興奮してるね!?しかもお姉ちゃん全く気付いてないよね!?ホントに大丈夫!?
陽花「胸に響くフィールドに吹く風、体中が沸騰する感覚・・・お姉ちゃんが好きな言葉だけど、多分、さっきの状態の事だよね・・・」
父「ん?何か言ったか?」
陽花「え?あぁ、お姉ちゃん勝てるかなって」
父「どうだろうな・・・勝率は8分の1。その8分の1になれるかだな」
母「私はレースに出た事あるけど、重賞で数回勝てれば御の字だった・・・多分、あの子も・・・」
重賞・・・確かにお姉ちゃんの事を考えれば出る事は出来ると思う。でも、確かに勝てるかって言われると分かんない・・・あ、お姉ちゃん達がまた出て来た。ゲートに入ったって事はレースが始まるのかな?
実況「ゲートイン完了。出走の準備が整いました・・・・・・スタート!」
一斉にゲートが開いて走り出した。先頭を走っているのはお姉ちゃん・・・って事はお姉ちゃんがこの中で1番早いんだ。凄いなぁ
母「始めから逃げを選ぶなんて・・・なんて無茶を」
後で聞いたんだけど逃げは1番体力の消費が激しいからよっぽど体力に自信が無い限りデビュー戦で逃げはしないんだって。てことはお姉ちゃんは体力に自信があったみたい
実況「先頭集団が第一コーナー通過!おぉっと!?ここでエグゼシータが速度を上げてきた!」
解説「掛かってしまってますね。息を入れれると良いですが・・・」
掛かってる・・・って事はあのお姉ちゃんが焦ってる?なんで?もしかして無理にでも確実に勝とうとしてる?でも他のウマ娘達も速度を上げ始めたしこれが普通?・・・でも、お姉ちゃんのあの眼は何かを狙ってる様にも見えるし・・・
実況「残り200を通過!おぉっと!エグゼシータ!ここで僅かながら再度加速!これではもう誰も追いつけない!そしてそのままゴォォル!勝ったのは3番エグゼシータ!2着ピッコロリウム!」
陽花「お姉ちゃんスタミナどれだけあるの・・・」
母「あれはスタミナもだけどそれ以上に根性が上回った勝ちに見えるかな・・・もしかしたらお母さん以上に凄いウマ娘になるかもね、華葉は」
陽花「お母さんより?」
母「お母さん言ったよね?重賞で数回勝っただけって。それだけ周りは強いのよ、中央トレセン学園のウマ娘って」
お姉ちゃんってやっぱ凄い・・・何をやったらそんなに強くなるんだろ・・・
エグゼシータ「何とか1位を取ったよ。陽花」
陽花「お姉ちゃん!?え!?なんでここに!?」
と言うか来るの早くない?
エグゼシータ「なんでって、そりゃぁレース終わったんだからここに居ても良いでしょ?それに、私は無名のウマ娘なんだし居てもバレないよ」
母「確かにそうなんだけど・・・」
父「レースが終わったウマ娘はライブがあるんだよ」
エグゼシータ「なにそれ聞いてない・・・」
陽花「じゃぁお姉ちゃんが忘れてるだけじゃない?」
そもそもライブが終わってから来るものだよね普通
エグゼシータ「ううん。それはないよ。もし本当にあるんだったらライブの練習はする筈。でもそれが無かったから・・・あれ?これって詰み?」
陽花「詰みだね」
詰みだねお姉ちゃん。ドンマイ
エグゼシータ「・・・」
あれ?おねーちゃーん?
エグゼシータ「逃げるんだよぉ!スモーキー!」
逃げたァ!?と言うかスモーキーって何!?・・・あれ?これって
陽花「・・・お姉ちゃんが落とした奴だよね?中身は・・・薬?名前は・・・」
どうやって読むのか分からないけど、多分「ひかりどうのくすり」って読むのかな?・・・いや振り仮名があったわ。えっと?「光導(こうどう)の薬」?これを飲むとその光導って奴の力を得れるんだろうけど・・・いいや!後で飲んじゃえ!