主権を天皇陛下へ!   作:ぐえ

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カエリタイ

 

突如現れた侍は残骸を見ながら状況を整理していた

 

「ここは一体何処なのだ」

 

全く見たこともない家や風景、鳥、音、空気、全てが侍を当惑させた。そこらにいる人間を見れば全員が似たような服を来ており、なんとなく今は合戦の最中なのだと理解した。

 

「この格好では目立つ」

 

サテリアの兵士に少し人見知りを感じていた侍は話しかけられる前に走り逃げてしまった

 

少し離れた廃墟で身につけていた甲冑を外すと、そこらで見つけた服をどうにか着ていた。着たのは良いが結局落ち着かず脱いでしまった。服の表裏が分からなかったのだろう

 

「(殿下はご無事だろうか)」

 

思い出すは乱戦の中、ついぞかの御方を守り切ることができず連れ去られてしまったあの情景。自分はその後どうなったのかなどは覚えてもいない。ただあったのは後悔と自責の念

 

「帰ろう」

 

今考えるべきことは一刻も早く殿下にお会いすること、そして二度と負けないこと

 

しかし侍はまだ気づいていない、サテリアから日本は軽く5000kmもあるということに…

 

侍の旅行記が始まろうとしていた

 

……

…………

………………

 

 

大国ダクトの王女クレハ=コルネイユ=ヴィルヘルム=…以下略

 

彼女は毎日に憂いていた

 

「(元はと言えば我が国が始めた戦争。だが王家に実権などない。このまま何もせずにただ飯を食わされ続けるなんて妾には我慢できん。コウカ、ディーパ、妾はどうすればいいのだ…)」

 

 

クレハとディーパが幼少の頃、彼女たちは天皇陛下の誕生祭を祝うためニホに来ていた。それは表向きの目的であり、裏ではその頃戦争一歩手前のダクトとサテリアの関係を良好化。地下資源の豊富なサテリアとの断絶された通商の再開という目的も存在した。

 

本来来るはずのないクレハとディーパが幼少ながら連れてこられたのは、両国民のアイドルである二人の仲が良いことを内外に示すことによって外交の架け橋にするためであった。国民からの政治批判を抑えるためとはいえ、王家の子供を政治利用するとは情けないものである。

 

そして二人の関係の仲介役として紅華(コウカ)が抜擢され、極秘裏に年の近い王家、天皇家の3人が同じ部屋で10日過ごし仲良くなるというお友達作戦が開始されたのであった。ちなみに紅華は友達ができないのを天皇陛下や周りの人間に心配されていただけなのであった。

 

 

「妾にひれふせ!妾はダクトの王女」

 

「ひれ伏さない。僕はサテリアの姫のディーパ」

 

「……」

 

「「あなた誰」」

 

「……コウカデス」

 

「もっと大きな声で喋ろ?折角翻訳機があるんだから」

 

「…………」

 

「声ちいさいのね…」

 

「嫌われたんじゃないのか?(笑) 人にはそれぞれペースというものがあるのだ。許してやるのも上の者の役だというものを…」

 

「黙れダクトの!」

 

「何だ?発展途上国!」

 

「…シ、シツジィ!」

 

まるで一触即発という雰囲気の中、何処からともなく妙に姿勢がきれいな還暦ほどの女性が現れた

 

「喧嘩は駄目ですよお嬢様方、貴方達には互いに仲良くなってもらわねばならないのです」

 

「ウン」

「この人とですか?」

「喧嘩を売っているようじゃな」

バチバチバチ

「ハイハイ!ではこれからニホ国の文化を知っていきましょう。行きますよ」

 

 

………

……………

…………………

 

紅華の館の執事室にてその動画を見ながら彼女は昔の事を思い出していた

 

「先代執事殿、やはりこの侍というやつは…」

 

「えぇ、どこかで見たことがあります。この特徴的な甲冑、面頬、そして異質な強さ。まるでかの時代の…ですが何故今になってこんなものが」

 

「えぇ、鎧も含めただ似せて作った物では無いでしょう」

 

「はて、クローン技術は廃止されたものと思っていたのですがねぇ」

 

「タイムスリップでもしてきたのでは?」

 

「貴方も冗談が出来るようになったのですね。とはいえこのまま実在することがバレれば、戦争に利用されるか、他国にニホへ攻める理由をつくってしまう」

 

「既にダクトの小型クレサス部隊が送られ壊滅したようです」

 

「一刻も早く保護するのです。場合によっては貴方にも出向いてもらいますよ。現行執事」

 

「はっ! ところで、最近紅華様にもお友達ができたそうです」

 

「嘘をおっしゃい。紅華様が初対面の相手に定型文以外の言葉を話せるはずが無いでしょう」

ダン!!

ドアが急に開かれる

 

「失礼ね!2執事」

 

「「お帰りなさいませ紅華様」」

 

「こう見えて最近佐藤さんと仲がいいの!彼女いつも私に話しかけてくれるのよ!」

 

「紅華様は何もおっしゃらないので?」

 

「返事は定型文以外で返しているのですか?」

 

「」

 

こうして紅華は一瞬で論破されるのであった

 

 

 

佐藤「たまに話が噛み合わない。やっぱり住む世界が違うのかな?でも紅華様と話せて嬉しいよぉ」

 

存外友だちになれる日は近いかもしれない

 

 

 

 

 

 

 




侍「寂しい」



続かない
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