<Takina side>
私たちは現在警察の依頼を聞きに来ている。
先ほどまで本当に何でも屋という言葉が似合う非リコリス的な任務ばかりで不満でしたがようやくありつけた依頼は私に合いそうです。
「こんにちは、鈴仙ちゃん。いつも依頼引き受けてくれてありがとうねぇ!」
「どうも、毎度お世話になってます!」
「おや、今日は千束ちゃんはいないのかい? 代わりに新人さんかな?」
「はい! こちら、今日からリコリコの店員の一人になった、井ノ上たきなさんです!」
「井ノ上たきなです。よろしくお願いします」
「これまたリコリコにいく楽しみが増えちったなあ……よろしく! 私、警視庁の阿部です。……まあちょっとこっちへ」
軽く握手を交わしたのち、依頼内容を伺う。
この刑事、どうやらリコリコの常連さんらしく、時折このように依頼をするそうだ。
今回の依頼はストーカーや脅迫の被害に遭っている女性、篠原沙保里さんのボディーガード兼事情徴収。
曰く、刑事さんの担当じゃないため首を出しにくく、担当の人は痴情のもつれと言い取り合ってくれない、加えて女の子同士の方が話しやすいかもとのことで協力してほしいらしい。
鈴仙さんは即決で依頼を引き受け、篠原沙さんのところに向かおうと私の手を引く。
しかし私の中にある引っかかりが足を重くし、前に進まない。
「ど、どうかしたんですか? 早く篠原さんって人のとこに行きましょう?」
「あの、……こんなことしていて評価されるのでしょうか」
****
私の中にあるひっかかり。
それは千束さんが「殺しじゃなく人のためになることをするのが仕事」と言っていたこと。
「本部へ復帰したい私にとって、ここでの仕事に意味を見いだせません。それにあのとき自分の下した判断は冷静で、合理的で……私への人事は正当だと思えません……」
独断専行したせいだっていうのはわかっている。
それでも、普通なら味方が死ぬのと敵が死ぬのではどう考えても前者の方が不利益なはず。
証人を残せなかったせいでこの騒動の銃の行方がわからないといった不利益はあった一方、仲間を失わない方法として最善であったはずで……
「じゃあなんで命令無視をしてまでその子を助けてあげたの?」
「……? 仲間を助けるのは当たり前じゃないんですか?」
「私は……それは当たり前じゃないと思いますよ?」
一体どういう意味なのか問いただそうとする前に鈴仙さんの口から言葉が紡がれていく。
「
先ほどまでの優しい雰囲気とは打って変わり、悲しげで冷徹で過激な、でも的を射ている言葉に返答ができない。
それに仲間を見殺しにするという発想自体がなく、私はうつむき、黙り込んでしまう。
DAのために行動していたと思ってたのに、それが原因で左遷されたのか……
「…………ならあの時の私の行動は、無意味だったんですね……」
DAのためにと思っていた行動が全て無意味だったと気づいて辛さが目から溢れだしそうになる。
しかし私の言葉に鈴仙は首を横に振る。
「それは違います! ……その子を救ったんですよね? たぶん私なら怖くて動けなくて何も出来なくて……。だから凄いと思います。私はたきなさんみたいに行動したいのに、それが当たり前にできないから」
「慰めですか?」
「褒めてるんですよ? 尊敬して。……まあ何が言いたいかって、たきなさんの考え方はとっても大事でかっこよくて、好きだってことです。 それにその信念、
「は、はあ……?」
信念、か……
結局彼女の話の核を掴みきれなかった。
でもその屈託のない笑顔を見る限りきっと褒めているのだろう。
……悪い気はしない。
頬を掻きながら窓の外に見える電波塔の方に視線を反らせる。
私はあのとき最善だと思う行動を考え実行した。
でも鈴仙の話を聞いて考えが一転二転する。
仲間一人の命と今後行方知れずの銃によってもたらされる国民の被害。
その被害の大きさを比較すると果たして本当の正解は……
DAの命令を待つべきだったのだろうか。
DAの役に立ちたい、認められたい、本部に戻りたい、それらの本心がDAに必要ないと言われ、左遷される。
逆に鈴仙にDAに不要だった行動が好きだと言われて……
……DAに戻りたい私に鈴仙が言う信念は必要なのでしょうか。
「自分自身の気持ちに嘘をつかないのが大事……って千束が言ってた。今わからなくても、いつかきっと……」
「わかりますかね?」
「たぶんね。……本部復帰、千束以上に応援します! 頑張ってください!」
「いえ、ありがとうございます、鈴仙さん……」
「……あっ、あれ篠原さんじゃないですか? こっちですよ~」
私は自分の気持ちとか情みたいな曖昧で、任務に不要なものと縁を絶ち、ただ合理を求めてきた。
ただDA本部のための私として尽くしてきた。
今回もDAのためにと思い、一人のリコリスを助けるために引き金を引いた……。
そのせいでDAに認められるどころか左遷され……今、後悔している。
DAのためと思っての行動が間違っていたのか……
それとも本当は身勝手な自分の意思……
私にはまだわからない。
****
沙保里さんによると先日あげたSNSに写真について脅迫メールが相次いだらしい。
私がその写真を注意深く見ると写ってはいけないものが入り込んでいた。
もちろんホラー的なものではない。
私の左遷の原因となった銃取引事件の一部が写真に映り込んでいたのだ。
それに気づくやいなや鈴仙さんに小声で話しかける。
「鈴仙さん、コレ……銃取引事件の」
「……うわぁ、軽くホラーですねこれは…………。う~ん、たきなさん、篠原さん、ちょっと待ってください、念のため連絡とります」
そういい携帯電話を取り出し耳に当てる鈴仙さん。
たぶん連絡相手は店長さんで報告と今後の予定についてどうするか聞くのだろう。
「もしもし、ミカさん? 鈴仙です。さっきの……ああ、ミズキさんが見てくれたんですね。それで……はい、よろしくお願いします」
『……鈴仙! もしかしてお姉ちゃんが恋しくなっちゃったぁ?』
「やめてよ千束~! それは卒業するって……」
『HA-HA-HA! ジョークだよイッツァジョ~ク! まあ、それはおいといて沙保里さんに変わってもらえる?』
どうやら千束さんに変わったようだ。
スピーカーフォンにしていないのにも関わらずハイテンションな声が聞こえる。
「もしもし、篠原です」
『こんちわ! そこにいる二人の友達兼同僚の千束で~す♪ 今日もしよければ私もボディーガードしに行っていいですか、ずっっとひとりぼっちで今晩暇になったら寂しくて死んじゃうかもぉ……
「わたしゃウサギか……! それにみんないるし一人じゃn……」
『それに! 沙保里さんとたきなと仲良くなりたいですしぃ、今晩一緒にパジャマパーティなんてどうですか?』
「千束ちゃんっていうのね、元気ね~! それじゃあ私のうちに来る?」
『えっ、いいんですか! ヤッタ~! それじゃあたきなと鈴仙の分の用意持って行きますので待っててくださ~い! 楽しみ~、うひひ♪』
「すごい元気な子ね。何だか不安も吹っ飛んじゃった♪ 今日はかわいい子たちと大いに楽しむわよ~!」
「いぇ~~~い! ほら、たきなも、遠慮しないで!」
「……」
今この瞬間、ここでの仕事をやっていけるのか怪しくなってきた。
苦い表情を浮かべながら不安な私はテンションの高い二人に引きずられながらお店を後にした。
****
私たちは待ち合わせ場所の店を出て、次の目的地である沙保里さんの家に歩を進める。
今は夕日が沈み徐々に暗くなってきている。
千束さんは後で合流するらしく今はまだ喫茶店の仕事をしているらしい。
「そういえば二人は今日始めて会ったの?」
「はい! たきなさんは今日から入ってきた新人さんで、私の方が先輩なんですよ~!」
「あらあら、可愛らしい先輩さんね!」
沙保里さんが思い出したように私たちに話しかける。
私の評価につながるとは思えませんが鈴仙さん曰く「これも大事な仕事の一環でミカさんはそういう細かい点も評価してくれる」らしく、しっかり対応していく。
「はい、そうです。優秀な人たちと聞いていたのですが……」
「いや~照れますね~……って『ですが』って何ですか!?」
「いやだってあなた、私より小さいですし年下ですしぼっちって言われてましたし……」
「嫌ぁ、たきなさんが辛辣~、というか遠慮なくなった!? ……人を見た目で判断しちゃだめって言いたいけど言い返せない……!」
「だってそうしてほしいと言いまいたよね?」
「やっぱり仲いいわね♪」
「早く元の職場に戻りたい限りですよ……」
しょぼくれた様子の鈴仙を無視しながら話しているといつの間にかすっかり日が沈み夜の時間となっていた。
暗いところでは犯罪が起きやすいため周囲に注意を巡らす。
もしこの件で銃取引の重要な証拠等を見つけられたら本部に復帰できるかもという期待もあり、いつも以上に気張っている。
そんな私の様子に気づいたのか鈴仙が話しかけてきました。
「あんまり緊張しちゃだめですよ? こういう時こそ力を抜かないととっさに反応ができないですよ? しっかり余裕を持って周りを見るのが索敵のポイントです!」
「鈴仙ちゃん、格好いいね! まるで武術の達人みたい!」
「え、ええ、こう見えてサバゲーやってるんですよ。こう見えて索敵には自信があります(棒)」
「見かけによらずアグレッシブね!? 今度私も彼氏とやってみようかな……」
本職がばれかけて慌てて取り繕うため視線をチラチラとどこかに反らす鈴仙。
ややこしくなるから何も突っ込まないでおきます。
そんなこと思いつつもセカンドリコリスで活動している期間の長いらしい先輩リコリスの話を心にとめておく。
別に緊張はしていないんですがね……
話題をそらすように鈴仙さんが口を開く。
「そう言えば千束来るの遅いですね! 喫茶店に行って様子見てきます! すぐ追いつくと思うんで先いってくださぁい!」
「ああ、ちょっと、鈴仙ちゃん!」
そう言って鈴仙さんは脇道に入って行く。
こんな適当な人たちで本当に東京支部は大丈夫なのでしょうか……そう思った瞬間、携帯にメールが来た。
『ちょっと不審者いたので探ってきます! 千束に早く来てって言っといたのでそれまで待っててください。命を大事に行動お願いします』
『わかりました』
簡潔な文に返事をし、さっきの考えを撤回し、周囲に敵がいないか注意した。
<Reisen side>
たきなから離れ、私の目立つ白っぽい髪の毛を隠すためにパーカーをかぶる。
千束には敵が近くにいるため早めに来るように、たきなには敵が来ても対応を見誤らないようにメールで連絡し、怪しい気配があったため背後を取ろうと沙保里さんたちから離れ、行動を開始した。
そこまでは良かったのにどうして……
沙保里さんが人質となっているのだろうか。
「言葉足らずだったのかなぁ」とか「たきなさん、めっちゃくちゃ合理主義者すぎる!?」……などと原因を考えるのは後でいい。
とにかく現状を分析して最適解を見つける。
幸いにも千束が到着してたきなに指示を出せる状態にあるし、敵さんも沙保里さんの携帯にしか興味はない。
なら、私がすべきことは決まっている。
千束が来たら彼女を信じて動きを合わせるだけ。
千束の呼吸と意思の波が揺らぐのを感じ、篠原さんを人質に取っているヤツの背後に立つ。
後はタイミングに合わせて引き金を引いて、流れに身を任せればいつも通りの何気ない日常に戻っている。
そう確信しながら引き金を引いた。
パァンンン
音が共鳴する。
<Takina side>
鈴仙が離れて数分後、私は後ろの方から低速で移動するいかにも怪しい車を発見した。
もしやこれが鈴仙さんの言っていた不審者?
であるなら鈴仙はやられてしまったのだろうか……
その考えがよぎった瞬間、私は最も合理的であると思われる方法、沙保里さんを囮として使うことを思いつく。
自分の射撃の正確さはファーストリコリスと同等かそれ以上であると自負しており、事実、前回の任務の射撃も仲間は傷ひとつ負わずに終えることができた。
それに今はDAのリコリスではないし、命令は来ない。
つまり自分の考えで動いても問題ない。
今回も味方は無傷、敵は壊滅の状態にできると考え篠原さんから離れ車を誘導する。
その様子を好機とみたのか、敵は一人になった篠原さんを車の中に乗せ、抵抗できないように頭から足の方まで袋を被せた。
敵が沙保里さん携帯を取り上げ、データを削除しようとしたところで私は発砲を開始した。
まずは運転手の肩に弾が当たり、車で逃走できないようにタイヤやヘッドライトにも当てる。
続いて他のヤツに銃弾を当てようとすると横から足音が聞こえる。
新手かと思い素早く音のする方へ銃口を向けようとし、その足音の人物によって止められた。
「なぁにしてんのっ?!」
「ち、千束さんッ!?」
その人物はリコリコの服を着た同僚だった。
このまま打ち続ければ打破できたのにと考えながら問いに答える。
「後ろから尾行されてたのでおびき出しました。彼らが銃の情報を持っているはずです」
「ちょぉいちょいちょい! 沙保里さんは?!」
「車の中です。彼らの目的はスマホの画像データで、沙保里さんを殺すいとはないと思います」
「人質になっちゃうでしょ!」
すると車の方から「この女がどうなってもいいのか」と聞こえた。
千束さんは「ほら~」といわんばかりの呆れ顔をしているが、そもそも私の邪魔をしていなければこんなことにはならなかったのだと言ってやりたい。
「沙保里さんに当たっちゃうでしょ」
「私ならそんな失敗はしません。ここからでも確実に射殺できます」
「鈴仙から聞いてるでしょ、命大事にって……射撃が得意ならあっちにいるドローン打っといて、音出して」
そうこうしているうちに男たちが沙保里さんを連れて車の外に脱出し始めていた。
本当なら文句の一つくらい言ってやりたいが沙保里さんが人質に取られた状況で悠長なことはできない。
私はリコリス特製のサプレッサーを外し、ドローンのカメラ目がけて発射する。
パァンンン
音が想像以上に響き渡る。
車の方を見るといつの間にか沙保里さんを人質にしていた人が膝から崩れ落ちるように静かに倒れた。
その男の後ろの影には誰かの小さい影が見える。
その小さい影は沙保里さんを優しく、それでいて素早く、音もなしに安全地帯へと運んでいった。
****
敵陣に人質がいなくなった瞬間、千束さんの独壇場が始まった。
非殺傷弾という明らかに敵の無力化に向いていないエモノで近距離まで近づいて相手の弾丸をすべて難なく避けきりながら自分はすべて玉を必中させる。
……尋常ではない。
一体どんなタネなのでしょう。
未来予知の領域にも見えるし、身体能力や反射神経も人外でないとできない動き。
今私が見た千束さんの一面は確実にどのリコリスよりも優秀であると、そう思ってしまうほどであった。
ただそれ以上に驚くことがあった。
「敵を介護するって……命大事にって敵もですか?!」
「そう敵も!」
「いや~、ごめん。血とか死体見るの苦手で、沙保里さんつれて隠れてるから後はドンパチよろしく~!」
「なら、さっき鈴仙が打って倒れた敵は……!?」
「だぁいじょーぶ! 絶対生きてる、生きてる。だからさっさと二人で片付けるよ!」
千束さんはその敵のことを一切確認せず生きていると言ってのける。
私たちリコリスは敵の殺害を認められているにも関わらず、敵も殺さない対象であり、二人とも何らかの方法で殺さず、さらに血も流れずに敵を無力化している。
しかも普通の方法よりも短時間で、無駄なく終わらせる。
現場にあった血は私が撃った敵の運転手のものしかなかった。
その後鈴仙さんが介抱していた沙保里さんのもとへ近寄ると泣きつかれてしまった。
邪魔さえ入らなければ囮に使うという決断は間違ったものではなかったと思う。
だが、一般人をいきなり囮にしてしまったことは少し悪かったと反省せざるを得なかった。
翌日になるとまた新しい仕事が待っている。
そう思いながら私たちは布団に潜り朝を待った。
<Chisato side>
日が昇り始め、また命のありがたさを感じる。
先に起きてたたきなと料理をしてた鈴仙に挨拶をし、みんなで朝ご飯を食べ、幸せを噛みしめる。
いつ終わるかわからない命が今日もある。
生きている間は全力で楽しもうとテンションも上がり、いつもの私になる。
そしてつかの間の日常が待っている扉を開いた。
「おっはようございま~す!」
「おはようございま~す!」
「おはようございます」
「おはよう、千束、鈴仙、たきな。昨日はお疲れ様」
「おはよぉ……昨日は大変だったみたいね。イチャついた写真をひけらかすからこんなことになるのよ~」
「ミズキさぁん、妬み嫉みは醜く見えますよ~」
「イラッ 鈴仙、喧嘩なら買うわよ。そもそも SNS への無自覚な投稿がトラブルを招くって言っt……」
店に入った瞬間から酔っ払いの僻みが耳に入る。
その感情を面白がった鈴仙がミズキと悪ふざけを始める。
普段ならそんな面白そうなことなら一緒に便乗するところだが今日は違う
な・ぜ・な・ら…… ♪
「ねぇねぇ、せんせ~! 今日はたきなが給仕服着る日だよね、絶対に似合うと思うからさ、早く服、ちょうだい! 私と鈴仙で着させるから~♪ ほら、早く、早う、ハリィアップ!」
「別に着物くらい自分で着れます。ミカさん、制服は……」
「ロッカーの中だ。慌てなくていいから着てきなさい」
そう、今日はたきなのリコリコ給仕服デビュー日!
やっぱり同じ服を着て同じ場所で仕事に取り組むって一体感があって、仲間意識がより深まる。
と~っても楽しみ……なんだけど一つ不満。
「ちぇ~、なぁんだよー、せっかくお着替えさせてあげられる機会だったのに……」
「と言いつつ本音は?」
「たきなのむふふなシーンをこの眼に焼き付けるってアホ~っ! そんなことするか!」
作戦名:裸の付き合い(着替えの手伝い)で仲良くなろうよ、は阻止されてしまったが昨日のお泊まりで絆は深まったはず。
まだ焦るときじゃない、できる鷹は爪を研ぎ、来たるときまで備えるのだ!」
「千束~。 心の声ダダ漏れ~。たきなにチクっちゃお!」
「うわああ止めて! お止めになってください鈴仙様ぁ、冗談だってわかってるでしょー!? どうかご慈悲をぉ!」
そんなおふざけをしてるうちに閉まっていた更衣室の方の扉が開き、たきなが給仕服の姿で出てきた。
私が「給仕は髪の毛縛んないと! ツインテールとかどう?」という言葉を実践してくれたのか昨日とは違う雰囲気のたきながそこにいた。
「うぉほおああ! かわぃいい! 何々ちょっとぉもうむりむりちょまちょ~似合うじゃん!」
「いい感じだと思います!」
たきなは何だか困ったような微妙な顔をしていて、照れちゃってるのかなぁ?
そのままの流れで5人で記念写真を撮る。
たきなが写真に収まるように抱き寄せ、他の三人も収まるように近寄らせる!
「改めてたきなの喫茶店リコリコデビューを記念して~。ほらミズキも鈴仙寄って!」
こうして撮られた写真は私のアルバムに一生保存ものの宝物だ。
先生は優しく私たちを見守ってくれてるような優しい笑みで、
ミズキは面倒くさがってしゃ~ないなぁと言わんばかりの表情で、
たきなは真面目で堅くまだこの店に馴染めてない初々しい顔つきで、
鈴仙はセンターを陣取ってみんなと一緒で幸せそうないい顔。
みんなの個性を詰め込んだ写真を見て心が温かくなる。
「さて、たきな! 昨日の件もそうだけどこの調子でやれば本部に復帰できるかも。私、復帰できるように応援する!」
「もちろん、私たちもだ」
「私も、私も!!」
「ありがとうございます。私、やってやります!」
「おお~いい返事~!」
そうだ、だってたきなはもう私たちの日常に入り込み、二度と失うことなどできない人になってしまったのだから。
そうだよね、鈴仙?
だから私は願う
この大切な毎日が長く続きますように……
なお、すぐにSNSに写真をアップし宣伝をしたときに、鈴仙と先生の顔が見切れてしまっていて、鈴仙が微妙に落ち込んでしまって先生に慰められていたのを目撃してしまった。
ほっぺを膨らませてかわいかったので影に隠れニヤニヤしていると見つかってしまい追いかけられたのはここだけの話。