悲報:カミキの野郎が女装に目覚めた 作:豆腐小僧
投稿のお気に入りの出入りの差し引きから⋯⋯この作品もそろそろ落ち目かなぁ⋯⋯。
(´;ω;`)
「僕をこんなふうにした責任⋯⋯絶対にとって貰うからね⋯⋯」
病院のベットで寝ている俺に対してそんな事を呟いてくる、ソイツに俺はどういうこっちゃとばかりに困惑する。
まぁこの意味不明な状況が発生してるのか、それについては数時間前まで遡る。
「ねぇ⋯⋯何で?」
「何が?」
俺はその時⋯⋯滅茶苦茶面倒臭い自体に巻き込まれていた。
と言うのも今日も一日、仕事を終えて楽屋に戻ろうとした所で、カミキが女性と歩いてる所を目撃、それだけなら良かったんだが⋯⋯。
俺の前世での危機感知能力と言うのか⋯⋯何かただならないものを感じてこっそり付いてきたら⋯⋯何か女の方が鬼気迫るようなやべぇ雰囲気をだしてやがる⋯⋯。
俺の経験だとありゃあ下手すると凶行に走るな⋯⋯。
俺は携帯を取り出すと直ぐに救援を要請するために、あらかた知っているララライの面々にこの場に来るように連絡を入れ始める。
こういう時はマジで文明の利器ってのは役に立つ⋯⋯。
まぁ⋯⋯これでも来るか来ないかはある種の賭けになるが、やらんよりはましだろう⋯⋯。
「だから何でそんな格好してるのよ!? しかも舞台でも女役とか!!」
「別に僕がどんな格好をしたっていいでしょ」
「良くない!!」
俺は女のヒステリー起こしたような声に顔を顰める。
あぁ⋯⋯コレは不味いな⋯⋯前世で賭け事でコテンパンに負けて、ブチ切れた挙句に報復して来た連中と似た匂いがするわ⋯⋯賭博と傭兵の家業で生活してたから、昔からこの手のヤツの恨み買って狙われる事も多かったからな⋯⋯。
「それにあの男⋯⋯あんなだらしない奴に媚び売るような事して⋯⋯気持ち悪い!!」
「⋯⋯言いたい事はそれだけかい? 僕から言えば、アナタに彼をそこまで言う資格なんて無いと思うけどね」
げぇ⋯⋯やべぇカミキの奴、何か知らんが苛立ってやがる⋯⋯。
今のあの女に下手な挑発はかなり悪手だ⋯⋯それこそ火に油を注ぐ様な暴挙に他ならない⋯⋯。
ハッキリ言えば普段のアイツらしくないって感じだが⋯⋯まぁそいやぁアイツまだガキだったな⋯⋯それに俺も俺だ⋯⋯。
「はぁ⋯⋯俺も焼きが回ってきたもんだなっと⋯⋯さぁて生きるか死ぬかの大博打と行きますかね」
俺はあらかた連絡は終え小さな声でそう呟くと⋯⋯今にも手ぇ上げそうな女のとカミキの元に移動する。
「何だ何だ? 面白そうな話してんじゃねぇか?」
俺はニヤニヤと笑みを浮かべながらそう言うと、二人は俺に気付いたのか、カミキは目を見開き驚いた顔をし、女の方は怪訝そうに顔を顰めながら睨んでくる。
まぁぶっちゃけ後々アイに手ぇ出すかも知れない奴だ⋯⋯本来なら助ける義理なんて無いんだがなぁ⋯⋯。
とはいえ一度でも関わって、何やかんやでアイツとの関係も悪くないって思っちまったしな⋯⋯。
はぁ⋯⋯どうやらマジで焼きが回っちまってるようだわ⋯⋯まぁ悪い気はしないがな。
「アナタは⋯⋯何のつもりよ? 今私は彼と話してるの邪魔しないでくれるかしら?」
「ハッ! そうかい⋯⋯俺から見たら話にしちゃあ一方的なように見えたし聞こえたんだがなぁ⋯⋯」
目の前の女の言葉に俺はそう鼻で笑って答える。まぁぶっちゃけ一方的にまくし立ててるだけの、アレを会話だと言われちゃあ当然だろう。
アレが会話だってんなら犬や猿が威嚇でギャンギャン鳴くアレも会話だって事になっちまうってもんだ。
「アナタね! 彼をこんな風にしたのは! 私の好きだった彼を返して! それと貴方みたいな人が彼に関わると、それだけで彼の価値が下がっちゃうから、今後は彼に関わらないでよ!!」
「下がるねぇ⋯⋯で? 言いたい事はそれだけか? クソババアさんよぉ⋯⋯」
「なっ!?」
俺は挑発の為に惚けるような態度で、あえて女性に言ったらNGな言葉をそのまま口にする。まぁ軽い見え透いた挑発だが以外と有効的な方法だ。
何せ人ってのは100の賞賛よりも1の酷評を気にするものだからだ。
気にしない等と口にする奴もいるが、真っ白い紙に黒い点が一つアレばどうしても気にするし、ああいうのは気にしても割り切ってるだけで実際は気にしてない訳じゃあ無い⋯⋯。
だからこそこういった古典的な挑発も相手を揺さぶるのには使いやすい⋯⋯。
まぁ⋯⋯とはいえやるなら
俺はボリボリと頭を掻きむしっりため息をこぼす。
「てめぇは自分の都合通りに行かなくて、駄々こねてるだけのクソガキですか? コノヤロウ⋯⋯第一コイツの価値をテメェの物差しで、勝手に決めてんじゃねぇっての⋯⋯コイツが女装しようが何しようが、コイツの勝手だしコイツの人生はコイツのもんだろうが⋯⋯それをテメェが指図すんじゃねぇよ⋯⋯」
「予想以上に最低ね⋯⋯やっぱり貴方みたいなクズは彼に相応しくないわ!!」
「あぁ⋯⋯話の内容がないんですか? さっきから同じ事しか言わない機械なんですか? まっお前みたいな自己中がコイツの親じゃなくて良かったわ。だってテメェ見たいなヤベェ奴が、毒親って奴になるんだろうからな!」
うん⋯⋯ぶっちゃけ色々とあーだこーだ言ってはいるが、アレだ⋯⋯マジでカチンと来てる⋯⋯。
いやぁ自分で言うのもアレだがかなり大人気ねぇとは思うわ⋯⋯。
だが言わせて欲しい⋯⋯この女の言ってる事、全部支離滅裂でガキよりもアホガキ過ぎるんだよっ!!
実際問題、価値云々にしてもこの女の中ではそうなんだろうが、ララライ全体からしたら女装してから売上も上がって、むしろ下がる何処か有能株だ!
それに女装してからか知らねぇが、最初の無機質な感じからだいぶ感情的になったんだぞ、それをこの女の自分勝手な都合で否定されるとか溜まったもんじゃねぇんだよクソがっ!!
俺がそう嫌味ったらしく言うと奴は俯きだまりこくり、明らかにヤバい雰囲気を醸し出す。
はっいよいよって所か⋯⋯
「⋯⋯さい⋯⋯」
「あん?」
「ウルサイ! ウルサイ! ウルサイ! ウルサイッ!!」
そう言って奴は叫び散らしながら頭を掻きむしり振り回した。
はっキタキタキタキタッ!!この手のやからの典型的なパターン、こうやって色々言われると逆ギレして飛んでもない行動に出るやつ!!
さぁてこっからが正念場だ。掴みかかって来るか? それともしゅういの物でも引っ掴んで投げるか? はたまた鈍器として殴りつけるか?
だが奴は俺の予想とは外れて、そのまま手にかけていたバッグに手を入れると刃物を取り出してくる。
はっ刃物か! 良いねぇ腕が鳴るってもんだぜっ!!
俺は奴が来る事を想定して予め身構える。
「アァ⋯⋯アンタさえアンタさえいなければ!」
「ハッ! ヤるのか? 言っておくがそれを人様に向けるって事はテメェは人生をドブに捨てる覚悟があるって事だよなぁ!?」
「アァアアァァ───!!」
そして⋯⋯奴は俺目掛けて突貫してくるやいなや、奴の刃物は俺の腹部に突き刺さした!
だが俺は深く刺さらねぇ様に奴が刃が腹部ギリギリに近づいた辺りて後ろに僅かに下がり、そこから奴の刃の柄と手首をそれぞれ両の手で掴んでやる。
「掴んだぜ⋯⋯」
「──ッ!!」
「刃物何て使わず⋯⋯キレ散らかすにしても大人しく帰ってりゃあ、まだ人生をドブに捨てずにすんだのになぁ⋯⋯そっちがその気ならこっちもそれなりに対応しなきゃなぁっ!」
「ヒッ!?」
俺は不敵なまでの笑みを浮かべながら高々にそう言ってやった。
つーか俺としてはコレを待ってたしなぁ!!何せ腐っても相手は俳優クラスの美女、対する俺は厳ついオッサン⋯⋯俺がカミキを庇おうとしてはぐらかされたら不利になるのは明白だ!!
だからこそ言い訳が効かない今の状況が何よりも都合が良い結果だ。
しかも刃物沙汰となりゃあ殴る蹴る等の暴力よりも明白、さらに現場を他者に目撃させれば役満で相手は積みだ!!
だが奴は俺に一瞬ひるんだ様子を見せたがすぐ様、キッと俺を睨みつける。
「放しなさい!」
「へっそりゃ無理な話だ⋯⋯」
女はそう言って⋯⋯俺の手を振りほどこうとするが、コイツを現行犯で捕まえたい俺としては無理な話だ、誰が離すかよと馬鹿りにしっかり握りしめる。
「くっ離せって言ってるのよっ!!」
「うおっあっぶねぇ」
するとこの女は俺にヒステリックに叫んで今度はナイフを押し込んできた。
俺は焦りながらも握りしめた力はそのままに、直ぐに後ろに少し身体を動かす事で事なきを得る。
「はぁはぁ、しつこいわよ⋯⋯」
「そりゃあなぁこっちも命賭けてんだ⋯⋯俺がくたばりゃそこまで⋯⋯生きて予め呼び出しておいた連中がくりゃあ俺の勝ち⋯⋯簡単だろ⋯⋯」
「なっ何言って⋯⋯」
俺の言葉に女の奴は一瞬だが何言ってるんだこいつと言ったような困惑した顔になる。
まぁ⋯⋯実際俺にとってこれはかなりの大博打だ。連絡したとはいえ来るか来ないかは運次第だし、それまでに俺がくたばるかくたばらないかも運次第⋯⋯。
まさに命懸けって奴だ! いやぁ久々に■が迫ってくるこのギリギリのスリル!!滅茶苦茶キマるってもんだわ!!
「はっ俺からいやぁアイツには俺の命を賭けるだけの価値があるってだけの話だ⋯⋯」
「ひっあ⋯⋯」
余りに楽しくて思わず口角がつり上がってくる。おいおいなぁにビビってやんだか⋯⋯勝負はここからだろ? 連絡した連中が来てかつ俺が生きていれば俺の勝ち、誰1人来る事なく俺がくたばればてめえの勝ち⋯⋯なっ簡単だろ?
だからよォここから先はデッドライン! お前が社会的に死ぬか俺が物理的に死ぬか、お互いに切った貼ったのチキンレースとシャレこもうぜっ!?
「ねっねぇ提案があるんだけど⋯⋯」
「断る!」
「ここはお互い無かった事にしないかしら? 私も悪かったとは思うし⋯⋯ね?」
流石に不味いって焦りだしたのか、奴は俺に何か提案を持ちかけて来たが、当然ながら俺は即決で話をぶった切っる。今更誰がシケた聞くかって話だ⋯⋯こちとら根っからの賭博師だぜ? むしろ一度ベットした賭け事を降りるなんて誰が許すかよ。
「ハッ嫌だね⋯⋯」
「そっそうだ! 示談にしましょ! 示談金もちゃんと払うしっ今後はカミキ君にも近付かないわ!!」
示談だぁ? コイツほんとアホだな⋯⋯こちとら腹に刃物刺されて生きるか死ぬかの瀬戸際だぜ?
ここで示談とかせっかく身体張ったのに、その頑張りにたいして割に合わねぇって話だろ?
それに俺は賭け事をしてんだ、出来る事なら俺を殴りつけるなり何なりして、もっと張り合いを見せてみろよ⋯⋯なぁ?
「悪いが俺を刺しちまった時点で手遅れだ⋯⋯」
俺が低い声でそう言うと、奴はもはや完全にビビっちまったのか涙目な顔をして俺を見てくる。
「ひっごっごめんなさい!? わっ私が悪かったわ!!」
「そうだな俺は何にも悪くねぇのに刺しやがったんだもんなぁ⋯⋯だからよォ⋯⋯」
はっおいおいシケた事してくれちゃってよォ⋯⋯俺をどれだけ失望させるんだろうな?
まぁこうなったらじゃあねぇか⋯⋯俺は一層笑みを深ァく浮かべ───
「てめぇが選んだ役回りだろうが! 舞台に上がっちまったんなら、最後まで悪役らしく惨めに豚箱に入りやがれ!!ただし豚箱に入った後は知らん! その後は弁護士雇うなり何なり好きにしな!!」
「───ッ!?」
盛大に怒鳴り散らしてやった。それがとどめになったのか、奴はヘナヘナって座り込み始める。
その後はララライの団員達がその現場に駆けつけ、パニックになったりしたが、金田一さんなどが直ぐに対応して女の奴は取り押さえられ、俺また病院へと輸送された。
そんで⋯⋯病院のベットで寝ていたらカミキの奴が来て俺を見ながら何かブツブツと呟き初め、そして今に至る訳だ⋯⋯。
いや⋯⋯改めて思い返しても全然分かんねぇんだが⋯⋯むしろ誰か教えて欲しいまであるぞ⋯⋯。
⋯⋯はぁ⋯⋯仕方ねぇか⋯⋯ひとまず落ち着いてきたら、アイツらに呟いてちょっと探りを入れてみっか⋯⋯俺は改めてそう決意するのだった。