悲報:カミキの野郎が女装に目覚めた   作:豆腐小僧

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えっと⋯⋯ララライの団長って金田一さんであってましたっけ⋯⋯?
後、今回はスレ外での内容です。



カミキ1

「なぁ⋯⋯トランプってやった事あっか?」

 

「えっ?」

 

 僕はその日、彼の突拍子の無い言葉に困惑してたと思う⋯⋯だって余りにも突然過ぎて⋯⋯それに僕と彼には全くの接点も何も無かったから⋯⋯。

 そもそも、当時の僕から見た彼は、()()()()()()()()()()()()()()()()()だった。

 ボサボサの金髪で死んだ様な光の無い黒い目⋯⋯普段は誰とも話す事も余り見た事すらなく⋯⋯背中を丸めて気だるそうに雑用等の仕事を淡々とする⋯⋯他人との挨拶もぶっきらぼうで、何時も疲れてると言うのか⋯⋯まるで魂の無い抜け殻⋯⋯それが僕が彼『斉藤(サイトウ)攻次(コウジ)』に抱いていた第一印象だった。

 当然ながら今の今まで彼と話した事も無ければ、()()()()()()()()()()()()()⋯⋯全くの赤の他人⋯⋯それが僕と彼の関係性⋯⋯だから彼が突然僕にトランプを持って来て聞いて来た事に何故? どうして? と、疑問を抱かずにはいられなかった。

 

「無いなら教えてやるよ⋯⋯やってみっと意外と面白れぇからよ⋯⋯」

 

「⋯⋯分かった」

 

 でも僕は深く考えずに、彼のこの言葉に了承した⋯⋯。

 理由としては彼は今の時間帯が休憩中でやる事が特に無かった時だった事⋯⋯僕より年上だった事⋯⋯彼の口ぶりから、多分年上的に僕に気にかけてるんだろう的に思ったから、僕なりにそんな彼を立ててあげようかなと思ったからだ。

 僕は彼からある程度ルールを教えて貰うと、直ぐに勝負が始まった。

 最初は少し苦戦した⋯⋯でも1回と2回繰り返している内に、だいたい要領は掴めたのか、三回目で僕は一勝した⋯⋯。

 

「⋯⋯へぇ⋯⋯やるじゃねぇか⋯⋯そんじゃ少しだけ本気だしてやりますか⋯⋯」

 

 彼がそう呟いた瞬間だった⋯⋯その場の空気が変わったのは、僕は酷く内心で戸惑いながら彼の顔を見て一瞬目を見開いた⋯⋯。

 だって⋯⋯彼の目には今まで無かった星が光ってたから⋯⋯まるで僕の全てを見透かして来てるような目⋯⋯僕は思わず息を飲んだ。

 そして僕は理解した今⋯⋯場の空気が変わったんじゃない⋯⋯()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と⋯⋯。

 ヤラれる⋯⋯今、一瞬でも気を抜けば彼に何もかもを食い尽くされる⋯⋯今の彼にはソレだけの何かがあった⋯⋯。

 そんな彼は僕を見ると口角を上げて楽しそうに笑みを浮かべ──

 

「おいおい。演技派の役者様よぉ、口角⋯⋯上がってるぜ⋯⋯」

 

 彼に言われて僕はふと自分の顔に手を当てる⋯⋯彼は何て言った⋯⋯口角が上がって⋯⋯あぁそうか⋯⋯僕は今笑ってたんだ⋯⋯。

 

「⋯⋯はは⋯⋯これが楽しいって事なのかな⋯⋯」

 

 僕はそう呟くと改めて彼に向き合う⋯⋯多分こんなふうに、真剣に誰かと向き合ったのはコレが初めてだったと思う⋯⋯。

 そこからは気が抜け無い戦いだった。一瞬でも気を抜けばヤラれる⋯⋯お互いに相手を見透かそうと読み合い、相手を欺こうと騙す為に演じる攻防⋯⋯ヤルかヤラれるかの駆け引き⋯⋯。

 心臓の音が激しく鳴り⋯⋯身体が熱くなる戦いの中⋯⋯結果としては彼が一勝差による勝ちとなった。

 

「ククク⋯⋯少しばかり本気だしてコレか⋯⋯まぁ⋯⋯それはさておき⋯⋯」

 

 最後に彼はそういうと一瞬時計の方を見ると、そのまま彼の瞳は瞬きと同時に、いつも通りの光の無い死んだ目になり、先程までの雰囲気が無かったかのように、何時もの彼になっていた。

 

「はぁ⋯⋯休憩時間もここまで見てぇだし⋯⋯そろそろ仕事に戻らなきゃな⋯⋯」

 

 彼は気だるそうに立ち上がると、その場を後にする。

 そこに先程までの全てを引き込むような姿は無くて⋯⋯僕は思わず何が起きてるのか訳が分からなくなる。

 多分この時⋯⋯初めて僕⋯⋯()()()()()()は彼と言う存在に興味を示したんだと思う⋯⋯。

 

「僕と勝負してください」

 

「ハ?」

 

 それから翌日、何時も通りのやる事を終えて、僕は彼にそう言った。

 彼はそんな僕に一瞬目を見開いて、口を開けて固まる。

 あの日以来⋯⋯僕はあの時の事が頭から離れなくなった⋯⋯。

 アレは何だったのだろう⋯⋯そんな事を練習中等の時間でも時々考えてしまう⋯⋯。

 気になってしまった僕は、ついにもう一度確かめたくなって⋯⋯気付けば彼に勝負を挑んでいた。

 対する彼は、直ぐにハッとなると、そのまま気だるそうに頭を掻く。

 

「あぁ〜〜⋯⋯まぁいいぜ⋯⋯でっ何するんだ?」

 

「え?」

 

「えって⋯⋯勝負するってんだろ? だったら何するかくれぇ考えてんだろ⋯⋯それとも勝負の内容を考えずに挑んできたのか?」

 

 彼の言葉に僕は何も言えなくなる⋯⋯確かに僕は彼に勝負を挑んだ。

 昨日の様にポーカーでも良いと言えばそれで良かったんだと思う⋯⋯だけど⋯⋯何故かその時の僕は言葉が喉から何故か出てこなかった。

 多分⋯⋯僕としてはこんな事は初めての経験だと思う⋯⋯。

 そんな僕を見て、彼は何処か楽しそうに口角をあげる。

 

「ふぅん⋯⋯勝負の内容を決めてねぇって事は、こっちが決めても良いって事だよなぁ⋯⋯」

 

「──ッ!? ポッポーカーで! 以前やった奴です!!」

 

 行けない⋯⋯このままだと彼のペースに乗せられてしまう⋯⋯僕の脳内で警報が鳴り響き、思わず咄嗟に僕はそう言った。

 

「おっ前にやった奴か⋯⋯いいぜそんじゃ始めるとするかね⋯⋯」

 

 その後の結果はやっぱり彼の勝ち越しだった⋯⋯僕なりにはいい線いってたと思ったんだけど⋯⋯どうも彼には後一歩届かない感じがして、正直悔しい⋯⋯。

 それから僕は彼に何度か勝負を挑むようになった。

 それで分かったのが、彼の雰囲気や瞳が変わるのが、何時も賭け事でやる気になった時だと言う事⋯⋯そしてまだ彼は本気じゃない事⋯⋯未だに僕は彼の全力を見た事は無い⋯⋯とはいえ少しづつだけど進展してない訳でも無いと言うのが複雑な所だった。

 それ以外にも、彼と勝負をしてから僕の演技にも変化があった。

 と言うのも今までより僕の演技が上達したんだ。

 これは多分だけど賭け事って言うのがそもそも、相手と自分との腹の探り合いと騙し合いの攻防で、それが結果的に僕の感情の演技を磨く事に繋がったんだと思う⋯⋯。

 彼が言うにはポーカーフェイスって奴らしいんだけど、そもそもポーカーフェイスは、相手に自分の手の内を悟らせない為の演技が、最も重要なのであって⋯⋯全くの無表情=ポーカーフェイスと思ってる奴は三流なんだそうだ⋯⋯。

 実際に彼は賭け事の時は焦ったり、笑ったり、怒ったり、落ち込んだり、それこそ百面相と言える程に感情の演技が凄かったりする。

 実際に焦ってたから勝てそうと思って勝負に出たら、実は滅茶苦茶良い手だったり、次に焦ってたから騙されるかと降りたら、降りなければこっちが勝てる手札だったりと、何で舞台で役者をやらずに裏方を志望してるのか、疑問に思えてしまう程に感情の演技が凄いんだ⋯⋯。

 でも⋯⋯仮に役者をさせても、かなり癖が強い所もあるから、彼を使いこなすには難しい所ではあると思うけどね⋯⋯。

 まぁ⋯⋯そんな感じで僕は彼に何度も挑むようになってから数日⋯⋯。

 

「へぇ⋯⋯お前ら面白そうな事してるな」

 

「⋯⋯あぁ⋯⋯団長⋯⋯なんか用か?」

 

 その日も相変わらず僕は彼に勝負を挑んでいたんだけど⋯⋯その日は何故か団長さんが、急に僕達に話しかけできたんだ。

 

「いや⋯⋯面白そうな事してっからよ⋯⋯俺も混ぜて欲しいって話しさ⋯⋯勿論タダって訳じゃねぇ⋯⋯俺に勝った次の舞台裏での裏方業務を任せてもいいぜ」

 

「⋯⋯へぇ⋯⋯そう来ましたか⋯⋯まぁそれならいいっすよ」

 

 正直、僕は彼のその返事に驚いていた。何故なら今の今まで僕と二人での勝負だった⋯⋯それが団長さんも含めて3人での勝負だ。

 僕としては二人での勝負が出来ない所には少し不服ではあったけど、それとは別にどんな勝負になるのかと期待もあって複雑な心境だった。

 そこから勝負中、僕は彼の顔を伺う⋯⋯彼は目が相変わらず死んでる所からして、明らかにまだ本気じゃない⋯⋯。

 

「へっ上がり!」

 

「だぁ! クソッ」

 

 団長の連勝⋯⋯それに応じて悔しがる彼⋯⋯可笑しい⋯⋯明らかに今までの彼では有り得ない負け方だ⋯⋯。

 僕は何故と思い彼の意図について思案する⋯⋯。

 

「⋯⋯そういや団長少しふっかけてもいいっすか?」

 

「あん? 急にどうした?」

 

「いや⋯⋯俺がもしも団長とコイツの二人に勝った場合なんすけど⋯⋯そしたらコイツの舞台役を女役でやらすってどうすか?」

 

「は?」

 

「え?」

 

 僕はそんな彼の言葉を聞いて、思わず唖然となってしまう⋯⋯何で女役? いや⋯⋯そもそも僕は男性で⋯⋯。

 混乱する中、団長は黙って僕の方をまるで観察するように観てきた⋯⋯。

 

「ふぅん⋯⋯確かに顔立ち的にも問題はねぇか⋯⋯よし! いいぜ! ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 あっ⋯⋯僕は団長のその言葉を聞いて、理解する⋯⋯彼が今まで団長に負けていた理由を⋯⋯。

 

「へぇ⋯⋯そんじゃあその言葉⋯⋯忘れないでくださいよ」

 

 そして場の空気は一気に変わる⋯⋯自分の要求を飲ますために、ワザと勝ちを譲っていた⋯⋯勝ち越して気分が良い状態でかつ、自身が相手から見て不利と見える状況⋯⋯それにより相手から本来なら突っぱねられそうな要求を飲ましたのだ。

 

「えっアレ?」

 

「どうしたっすか? 団長?」

 

「いっいや!? ななな何でもない!!」

 

 更にさっきまで勝ち越してた事で負け始めた事により焦り始める。

 そこからは彼の独壇場だった⋯⋯偶にワザと負けたりして、それでも団長の負け越しをキープしつつ搾り取って行く、それに気付いた時には遅かった⋯⋯僕も負けじと団長から搾り取ろうと動いたけれど、その時には殆どを彼に持ってかれてたのだ。

 そして⋯⋯その結果、僕と団長はお互いに敗北、彼の一人勝ちと言う状況となったのだ。

 

「あのさぁ⋯⋯何で舞台でも無いのに女装してはるん?」

 

「ふふっ⋯⋯何ででしょうね⋯⋯」

 

 僕はそう言って顔を赤らめながら、目が泳いでる彼にそう言った。

 正直言うとあの後に実際に女装して舞台に出された、僕なりの意趣返しとして翌日も着て生活してやったのだけど、この格好でいると、普段よりも何だか不思議と落ちつくので、気が付いたら僕は普段から女装をする様なっていた⋯⋯それに──

 

「まぁそれはそうと勝負しましょう⋯⋯今回は大富豪ってのをやって見たいです!!」

 

「おま⋯⋯それは本来二人でする奴じゃ⋯⋯」

 

「ダメですか?」

 

 僕を見て彼がこんなにも、面白い反応をしてくれるのだから。




正直⋯⋯ちゃんとカミキヒカルが書けてるか余り自身が無いです⋯⋯。
後、本来はスレを完結させてから、書こうと考えてたのですが⋯⋯評価のコメントから感想に至るまで、カミキの心情早よと来てたので、一応は書いて置こうかと同時進行で書いた結果⋯⋯慣れないことした代償で、メンタル的にも脳内の容量的にも、キャパオーバー起こしてオーバーヒート気味です⋯⋯。
ちなみにスレの方は、2/3割ほどですが一応は書けてるので、書き終わり次第で投稿する予定です。
その後は本当に憂鬱でどうしようも無い為、回復の為に申し訳ありませんが、2週間殆ど休ませて貰います⋯⋯。
m(_ _)m
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