悲報:カミキの野郎が女装に目覚めた   作:豆腐小僧

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ここまでよう伸びたんやなぁ(´-ω-`)ジミジミ


ゴロー1

「物凄い便秘だとかそんな事は無いでしょうか⋯⋯」

 

「大丈夫! そこは今朝も改便だったよ!」

 

 そんなふうに話してくる金髪の男性とそれに対し即答する俺の推し⋯⋯

 

「兄貴⋯⋯現実逃避したいのは分からんでも無いが⋯⋯ここまで来たんだから腹を括ろうぜ⋯⋯アイもアイで下の話を堂々と言うんじゃありません⋯⋯世の中にはその現実を受け止められない大人だっているんだから⋯⋯」

 

「うんうんそうだよ壱護お兄さん⋯⋯それにここまでお腹が大きくなる便秘だったら多分死んでると思うよ? ねぇ⋯⋯先生?」

 

 その金髪の男性と似た顔の男性と同じく金髪の女性の二人がツッコミを入れる⋯⋯言動から察するに多分、ツッコまれてる男性の弟さんと妹さんだろう⋯⋯。

 

「そうですね⋯⋯便秘だとしたら死んでますね⋯⋯とりあえず検査して見ましょう⋯⋯準備もありますのでお待ちください⋯⋯」

 

 俺はそう言って⋯⋯診察室を出て外からひとまず様子を確認する。

 

 てか⋯⋯俺は今飛んでもない衝撃的な出来事をほんのちょっぴりだが体験した。

 

 い…⋯いや…⋯体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……。

 

 あ…⋯ありのままに今、起こってる事を話す!

 

 推しの長期の休養の報告が来た途端に⋯⋯妊婦となった推しの診察をする事になっていた⋯⋯。

 

 な…⋯何を言ってるのかわからないと思うが、俺も何が起こってるのかわからなかった…⋯頭がどうにかなりそうだった…⋯。

 

 催眠術だとかイタズラのドッキリだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてない…⋯。

 

 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…⋯。

 

 てかイヤイヤイヤイヤ待て待て待て待て!!てか本物!?

 

 ソックリさんとも思ったが長年ファンの俺が見間違えるはずも無い⋯⋯てかサイン下さ⋯⋯てっじゃねぇ!? 推しが妊娠しとるがな!! うげぇ⋯⋯ショックの余りに●ボ吐きそう⋯⋯。

 

 そんな事を考えてる中⋯⋯長男だろう金髪の男性が口を開いた⋯⋯。

 

「コウジ⋯⋯本当にどうしてこうなった⋯⋯」

 

 本当それだよ!!!俺は内心でそう憤慨する。

 

「お前がいるから、ララライに送っても大丈夫だろうと踏んだのに⋯⋯よりによって肝心のお前が孕ませるとか勘弁してくれ⋯⋯」

 

「⋯⋯兄貴⋯⋯それに対して強いて言えばなぁ⋯⋯叔父感覚で接してたら、睡眠薬で眠らされてベットに縛られて逆レされた結果だとしかいえねぇよ⋯⋯」

 

 ⋯⋯えぇ⋯⋯⋯⋯なんだそれ⋯⋯まさかの推しがアグレッシブすぎてヤバいんだが⋯⋯。

 

 俺はそんな事を思いつつも、ひとまず準備を終え診察に入る⋯⋯。

 

「20週の双子ですね⋯⋯」

 

「双子⋯⋯」

 

 診察の結果⋯⋯アイのお腹の中にいたのは双子だった⋯⋯そんな中、長男の男性が焦ったようにアイに話しかけようと──

 

「アイ!?」

 

「兄貴!!」

 

 した所を弟さんが大声で遮った。

 

「もうここに来る前にその話はついてるだろうが⋯⋯」

 

「でも⋯⋯だけどよぉ⋯⋯」

 

「でももだってももねぇんだ⋯⋯もうサイを投げちまったんだ⋯⋯今更ナシ何てのは出来ねぇんだよ⋯⋯なぁ⋯⋯先生⋯⋯」

 

 そう彼は兄を黙らせた後に俺にそう言った⋯⋯とはいえサイは投げられた⋯⋯か⋯⋯。

 

「⋯⋯それに関しては最終的な決定権は彼女にありますので、彼女がよく考えて決めるべきかと⋯⋯医者としてはそれくらいしか言えません」 

 

 アイの妊娠やらで色々と疲れてたこの時の俺はひとまずそう答えるのが精一杯だった。

 

 その後は診察も終え俺は病院内を歩き⋯⋯気晴らしにやがて屋上に向かったのだが⋯⋯。

 

「よぉ⋯⋯」

 何故か俺が会いたくない人物がそこに居た⋯⋯。

 

「悪ぃな⋯⋯病院内でタバコ吸うのは流石にアレだしアイの前でも吸う訳には行かねぇからよ⋯⋯」

 

「はぁ⋯⋯そうですか⋯⋯」

 

「まっ丁度いいか⋯⋯お前さん診察室でもそうだが⋯⋯アイのファンって奴だろ?」

 

「──ッ!?」

 

 俺はその言葉に目を見開き彼を見る⋯⋯。

 

「アイは気付いてないようだが⋯⋯明らかにお前さんがアイを見た時に動揺した様子だったからな⋯⋯しかもその後に部屋を出た後もコチラの様子を伺う徹底ぶり⋯⋯だからまさかとは思ってカマかけてみたが⋯⋯案の定って所か⋯⋯」

 

「⋯⋯だったらなんだい?」

 

 俺は警戒する様に彼を睨みつける。

 

 診察室を出た後に様子見してた事にも気付いていた⋯⋯見てた事を知った上で話していたのか⋯⋯。

 

「どうもしねぇよ⋯⋯ただ一応そういう事なら言っておきたいことはあってな⋯⋯お前アイツを見くびりすぎだ⋯⋯アイツはアイドルもガキも諦める気はサラサラ無い⋯⋯だから俺もアイツの為に出来ることをするつもりだ」

 

 ⋯⋯どういう事だ⋯⋯いやまて今彼は何て言ったアイツはって⋯⋯アイはアイドルも子供も⋯⋯。

 

「ちょっとまてそれってつまり!?」

 

「そうだ⋯⋯アイツはガキは公表せずアイドルを続けるつもりだよ⋯⋯だいたいアイツは何方か一方しか選んで片方我慢出来るタマじゃあねぇんだ⋯⋯非常にワガママなのがアイツなんだよ⋯⋯信じられないなら本人に聞きゃあいい、きっと御本人様も同じ事を言うだろうさ⋯⋯」

 

 俺は彼の言葉に空いた口が塞がらないまま立ち尽くす。

 

「それじゃぁ⋯⋯貴方はどうするんですか⋯⋯」

 

 だがそれと同時に自然と俺はそう彼に問いかけていた。

 

 アイがアイドルも母親となる事を何方も諦めるつもりは無いと言う事は分かった⋯⋯なら彼は? 自分に出来ることをすると言った⋯⋯それはどういう意味で放った言葉なのだろうか⋯⋯。

 

「俺はクズだからな⋯⋯いっつも自分で稼いだ金なんざパチスロやらで溶かしちまうし⋯⋯仕事だってアイとかに比べたら微々たるもんさ⋯⋯でもなそんな俺でも⋯⋯アイツがアイドル引退するまでは婚姻を待ってやったり、少しでも多くガキの傍にいる時間を作る位なら出来る⋯⋯」

 

 彼はそう言いながら俺の横を通って行き、通り過ぎた当たりで立ち止まり────

 

「まっ早い話⋯⋯ガキやその母親となるアイの顔を見にも来ねぇクズにだけはならないつもりだって事だ⋯⋯その為にマネージャーの見習い位は兄貴に頼んでやらせてもらうつもりだし⋯⋯まっ俺が言いたいのはそれだけだ⋯⋯」

 

「⋯⋯そうか⋯⋯」

 

 そう言って彼は去って行った⋯⋯俺はそんな中スマホを取り出し、サリナちゃんの画像を見る⋯⋯。

 

「⋯⋯母親や子供に顔を見せにも来ないクズにだけはならない⋯⋯か⋯⋯正直⋯⋯その言葉に安心してしまってるんだ⋯⋯サリナちゃんならどう思うかな」

 

 写真の彼女は何も答えない⋯⋯でも⋯⋯少しばかりだが彼を認めようと思った⋯⋯。

 

「あっ先生」

 

「星野さん⋯⋯」

 

 そして俺は彼女の声に振り向いてそう言った。

 

 彼女はそんな俺の横を通り、俺はそんな彼女を眺めていた。

 

「⋯⋯夜風が身体に障りますよ」

 

「厚着してるから大丈夫!」

 

 彼女はそう元気な声でそう言う⋯⋯くそっ可愛いなぁコノヤロウ⋯⋯。

 

「さっきね⋯⋯コウジとの話聞こえてたんだ⋯⋯先生は私のファンだったんだね」

 

「⋯⋯あぁ⋯⋯」

 

 だが俺は彼女のその言葉に改めて冷静になる⋯⋯そして彼のアイに聞いてみなという言葉が脳裏をよぎった。

 

「それで君は⋯⋯彼が言った通りに⋯⋯」

 

「うん⋯⋯公表はしない」

 

 彼女は直ぐさまそう返事を返すと片手を空に向けて伸ばす。

 

「だってアイドルは偶像だよ、嘘と言う魔法で輝く生き物、嘘は飛びっきりの愛なんだよ!」

 

 そう言う彼女はくるりと回って俺の方に向く⋯⋯そんな彼女がとても輝いて見えて⋯⋯。

 

「星野アイはワガママだからね♪母親としての幸せもアイドルとしての幸せもどっちも欲しいんだ」

 

 それはまさに一番星のように眩しく⋯⋯あぁ⋯⋯そうか⋯⋯コレが彼女何だ⋯⋯彼が言った通り俺は彼女を少しばかり見くびってたみたいだ⋯⋯。

 

「和解した⋯⋯」

 

「えっ?」

 

 医者としてもファンとしても今意見は一致した。だって俺はどうしようもない程に星野アイという(アイドル)奴隷(ファン)なんだから⋯⋯。




オマケ
今回の投稿前の作者の心境→アカン⋯⋯これ以上⋯⋯満足行くまで書こうとしたら、ドツボにハマった挙句に投稿出来へんようになって最悪何時もの様に疾走してまう⋯⋯タダでさえ自分の中で決めてた〆切がとっくの昔に過ぎてるのにこのままだとアカン⋯⋯はよ投稿せねば(使命感)

ちなみにイッチの世界のカナちゃんは、アクアへ向くはずだった好感度がイッチに流れた挙句、恋愛じゃなくて親愛にベクトル変換(イッチに父性を感じてる為)してるので、そこまでアクアにご執心じゃなかったりする。
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