4月の中旬、クラシック第一冠「皐月賞」。
これまで無敗で、前哨戦のGⅡ「スプリングステークス」を圧勝して挑んだミホノブルボンは、圧倒的な1番人気に支持された。
『ミホノブルボン先頭! ミホノブルボン先頭!
200を切った、200を切った! 2バ身から3バ身! 先頭はブルボン!!
ブルボンだブルボンだ!! 強いぞ強いぞ!!
ミホノブルボン逃げ切ったッ!!!』
レースはスタート直後に先頭に立ち、そのまま一度も先頭を譲らなかったミホノブルボンの圧勝。
昨年のトウカイテイオーに続く、無敗の皐月賞ウマ娘の誕生となった。
次の日本ダービーは更に400メートルの距離延長に加え、逃げ切りが非常に難しいとされる東京レース場に舞台を移すが、ここでもミホノブルボンは人気を集めることだろう。
名実ともに今年のクラシックの中心的存在となったミホノブルボン。彼女が無敗の二冠ウマ娘となるか、大きな注目が集まる。
そして、皐月賞から1週挟み、いよいよあの2人の対決の時がやって来た。
『それではただ今より、天皇賞(春)の共同記者会見を行います。トウカイテイオーさん、メジロマックイーンさん、よろしくお願い致します』
「よろしく!」
「よろしくお願いします」
レースを週末に控えた水曜日。
トレセン学園内に設置された会見場で、トウカイテイオーとメジロマックイーンは2人並んで記者会見を受けた。
『本日、最終追い切りを終えたとのことですが──お二人の現在の調子は如何ですか?』
「サイコーだよ! 今なら地の果てまで走って行けちゃいそうなくらい!」
「テイオーが地の果てと言うのなら、
この2人の応酬も話題となり、世紀の対決ムードは盛り上がる一方だ。
「TM対決」「天下分け目の決戦」───春の天皇賞という大舞台で、トウカイテイオーとメジロマックイーンがどのような走りを見せてくれるのか。
「何度も説明したが、最後にもう一度確認するとしよう」
記者会見の日の夕方、私──マクギリス・ファリドはトウカイテイオーとともに、トレーナー室で最後の作戦会議を行った。
最終的には彼女のセンスに任せるが、だとしても相手のことはよく理解し、頭に入れておく必要はある。
──もっとも、今回の相手に関しては、今更確認する必要もないかもしれないし、彼女の方がよく知っているかもしれないが。
「メジロマックイーンの最大の武器は、無尽蔵のスタミナにある。
キレる脚は無いが、800メートルから1000メートルにも及ぶ超ロングスパートで、後続を擦り潰す。他のウマ娘が垂れたとしても一人だけ垂れず、最後まで脚を使い続け、伸び続ける。
膨大なスタミナが要求される超長距離戦においてさえ、残り400メートルで先頭に立ち、絶対に減速しない───それがメジロマックイーンというウマ娘だ。
あんな芸当ができるステイヤーは、トゥインクル・シリーズ史上を見ても数えるほどしかいないだろう」
まさしく
先行脚質を取るが故に、展開に左右されにくく、成績も非常に安定する。
その強さたるや、シンボリルドルフと同じく「勝ち方がつまらない」とまで言われるほどである。
「加えて、彼女は中距離戦でも通用するトップスピードを兼ね備えている。ギアが上がるのは遅いが、最高速度自体は中距離を走るウマ娘と同等──いや、それ以上と言えるだろう。
京都レース場の外回りコース、400メートルの直線は彼女がトップスピードに到達するには十分すぎる長さだ。第3コーナー以降の下り坂をカタパルトにし、直線に入って最高速度に達する。
加速しきったメジロマックイーンを後方からかわすことは、君の脚を以てしても非常に難しいだろう」
ウマ娘という生物が出せるトップスピードには限界がある。
前方を走るウマ娘と後方から追い込んで来るウマ娘が、同じくらいのスピードで走り続けたとしたら、当然勝つのは前方を走るウマ娘になる。
後方のウマ娘が勝つことができるのは、前方を走るウマ娘をトップスピードで大きく上回っている時か、前方を走るウマ娘がバテて減速した時だ。
「メジロマックイーンは絶対に最後まで減速しない。君とメジロマックイーンの最高速度に、そう大きな差は無い。少なくとも、直線だけで1秒差、2秒差を覆せるほどの差ではない。
では、君がメジロマックイーンに勝つには、どうすれば良いと思う?」
「───マックイーンと同じくらいのポジションを取って走る。マックイーンに直線で離されたら、もう二度と追いつけなくなるから」
「正解だ」
懸念すべきはトウカイテイオーのスタミナが持つかだが、そこはこれまでのトレーニングの成果と、トウカイテイオーの元々の素質に賭けるしかないだろう。
元より、京都の超長距離はメジロマックイーンの庭だ。トウカイテイオーには超長距離経験が無く、完全にアウェーの舞台になる。
そこで王者のメジロマックイーンに勝とうと言うなら、多少の無茶や博打、運も必要になって来る。
「最高速度に大きな差は無いと言ったが、メジロマックイーンには加速が遅いという弱点がある。君の方が最高速度に達するまでの時間が短いということだ。
瞬発力勝負なら、君に分がある。横並びで同時にスパートを開始すれば、必ず君の方が前に出る瞬間がある。
そこから最後まで君が減速しなければ、メジロマックイーンは最高速度に達したとしても、君を追い抜くことはできない」
ハッキリ言おう。メジロマックイーンと同時にスパートをかけるなど、半分無謀な作戦だ。
先述の通り、スタミナに物を言わせた超ロングスパートがメジロマックイーンの武器。この作戦は彼女の得意とするレースにマトモに付き合うことになる。
トウカイテイオーにメジロマックイーンと同等か、それ以上のスタミナが無ければ、この作戦は確実に失敗する。
2400メートル以上のレース自体が初めてで、そもそもの距離不安があるトウカイテイオーが、これをやって上手く行くかどうか。
それこそ、実際にやってみなければ分からない。
「最終的には根性の勝負になる。苦しくなってから、どこまで粘れるか──君がこれまで経験したことのないほど、厳しいレースになるだろう。
最後に頼れるのは
言いながら、私は自分の胸の中心を親指で突く。
それを見たトウカイテイオーは、確認するようにこう言った。
「勝利への想い、ってこと?」
「そうだ。絶対に負けるものか、負けてたまるかという勝利への渇望。絶対に勝つという信念、想いの強さが勝敗を決することになるだろう」
これまで楽な勝利が多かったトウカイテイオー。
次の天皇賞は、彼女といえども全力を振り絞らなければ、勝てないレースになる。
トウカイテイオーの「無敗」が消えるとすれば、この天皇賞(春)だろう。
彼女に黒星を付けるとしたら、今トゥインクル・シリーズで現役のウマ娘の中では、メジロマックイーンしかあり得ない。
だからこそ、楽しみでもある。
トウカイテイオーの全力の走りを見られることが。
現役最強と謳われるメジロマックイーンを破り、盾の栄誉を掴むトウカイテイオーの姿を見ることが。
◇
会見を終えた後、メジロマックイーンはメジロ家の本邸に戻った。
使用人たちに迎えられ、広い
「お前はお前らしく、いつも通り走れば良い」──ガエリオ・ボードウィンは、メジロマックイーンにそう言った。
ガエリオは元々細かく作戦を立てたり、指示を出したりするトレーナーではない。
彼の友人であるマクギリス・ファリドが担当するトウカイテイオーとメジロマックイーンが戦うことになっても、彼のスタンスは変わらなかった。
(全く───いくら何でも適当過ぎではないかしら。相手はあの、トウカイテイオーですのよ)
そんな彼に対し、メジロマックイーンは安心感半分不満半分、という感じだった。
仕事はちゃんとしてくれているし、実際メジロマックイーンの調子はとても良かった。前日までトレーニングは欠かさない予定で、もう一段上の状態を目指すことができるくらいだ。そこに不満は無い。
だが、次の天皇賞は去年とは話が違う。
ライバルは7戦7勝、未だ無敗の二冠ウマ娘、トウカイテイオー。
京都の超長距離という舞台はメジロマックイーンにとって非常に得意とするコースである一方、トウカイテイオーは超長距離自体が未体験。
その点において、今回メジロマックイーンには大きなアドバンテージがある。
しかし、産経大阪杯でトウカイテイオーが見せたパフォーマンスは尋常ならざるモノだった。
汗一つかかずに他のウマ娘をちぎり捨てるレースを見せられた時、メジロマックイーンは戦慄した。「あんなウマ娘に勝てるのか」とさえ思わされた。
自信はある。京都の超長距離で、自分に勝てるウマ娘などいるわけがないという自信が。
それでも、メジロマックイーンの胸中からは不安感が消えなかった。
史上初の連覇がかかっているというプレッシャー。メジロ家の者としてその期待に応えなければならないという重圧も、メジロマックイーンは感じている。
(───と、もう着きましたか)
気づくと、メジロマックイーンはとある部屋のドアの前にたどり着いていた。
ドアをノックし、返事を得て入室する。
「マックイーン。トレーニングは良いの?」
「今日の分はもう終わりましたから。具合はどうですか、ライアン」
その部屋は、メジロマックイーンと同期であり同じメジロ家のウマ娘、メジロライアンの私室だ。
部屋の主のメジロライアンは中心に置かれたベッドにいて、その片脚には包帯とギプスが巻かれている。
メジロマックイーンはベッドの傍らに置かれた椅子に腰かけながら、メジロライアンの言葉を聞く。
「また屈腱炎だって。とりあえず春は全休かな」
「───そうですか」
暗くならないよう、メジロライアンはアッサリとそう言った。それがレースの控えたメジロマックイーンを心配させないためのものだということが、メジロマックイーンには分かる。
「天皇賞で、また貴女と一緒に走れることを楽しみにしていたのですが……残念です」
「まあ前もやっちゃってたし、仕方ないよ。
マックイーンはどう? 順調?」
「
天皇賞が天皇賞たる所以──皇室から下賜された盾の重みを、メジロマックイーンは知っている。
いや、メジロ家のウマ娘であれば、その重みは誰もが理解している。メジロ家の至上命題は、天皇賞に勝利すること──特に長距離の天皇賞(春)は、メジロ家が最も重視し、追い求めるレースなのだ。
史上初の天皇賞(春)連覇に手をかけたメジロマックイーンに、メジロ家が期待するところは極めて大きい。
今のメジロマックイーンの双肩には、メジロ家が長年に渡って積み重ねて来た歴史の全てがかかっていると言っても、決して過言ではないだろう。
「……なんか、らしくないよ。マックイーン」
「らしくない、ですか……?」
「うん」
首を傾げるメジロマックイーンに、メジロライアンは天井を見上げながら、思い返すように言う。
「去年の宝塚記念の前、あたしがマックイーンに言ったこと、覚えてる?」
「───ええ。よく覚えていますわ。
貴女からあのようなことを言われたのは初めてでしたから」
去年の宝塚記念──メジロライアンが優勝し、メジロマックイーンが2着に入ったレース。
メジロライアンはそれまでの「差し」戦法を捨て、先行ウマ娘であるメジロマックイーンよりも前のポジションを取り、早めに抜け出してメジロマックイーンの追撃を振り切った。
そのレースの前、メジロライアンはメジロマックイーンに宣戦布告を行っていた。
「『今日はあたしが勝つ。この距離ならあたしの方が強い』──貴女は、そう言いましたわ」
「そうそう。それでさ、マックイーンはあたしにこう言った。
『相手が誰であろうと関係ありません。
だからさ、とメジロライアンは笑って、メジロマックイーンに言う。
「相手がどうこう、なんてマックイーンはいつも気にしてないでしょ。今回だけ気にするのはおかしい、というか……やっぱり、らしくないんじゃない?
誰が相手でも、マックイーンはマックイーンのレースをすれば良いんじゃないかな。京都の3200メートルなら、マックイーンは一番強いんだからさ。あたしはそう思う」
メジロライアンの言葉に、メジロマックイーンは目を瞬かせる。
何を背負っていても関係無い。誰が相手であろうと関係無い。メジロマックイーンがやることは変わらない。変える必要もない。
メジロマックイーンはメジロマックイーンらしい、普段通りのレースをすればそれで良いのである。
「───トレーナーさんにも、同じようなことを言われましたわ。いつも通りに走れ、って」
「うんうん。マックイーンは真面目だから、色々考えちゃうんだと思うけど──結局、一番大事なのは自分らしいレースをすることなんじゃない?」
そして、笑みを浮かべてメジロライアンに言う。
「ありがとう、ライアン」
「いえいえ」
メジロライアンも笑顔で明るく返す。
一つの指針を得て、メジロマックイーンはメジロライアンの部屋を後にした。
◇
『世紀の対決のムードが否が応でも盛り上がります、京都レース場です。
皆様、大変長らくお待たせ致しました。105回目を迎えました、天皇賞です!
実況は赤坂、解説は細江さんでお送りします!』
『よろしくお願いします』
いよいよ当日──4月26日を迎えた。
京都レース場、第10レースは第105回「天皇賞」──春の王者を決定する、芝3200メートルだ。
「天皇賞、か───」
観客で埋め尽くされたスタンドの上階、ガラス越しにターフビジョンとコースを見下ろしながら、シンボリルドルフは緊張した面持ちで呟いた。
「どうしたのルドルフ。いつになく緊張してるわね。
やっぱり、あの子のことが心配?」
「……分かるか、マルゼン」
「モチのロン。ルドルフは顔に出るわよね」
マルゼンスキーに対し、心外と言わんばかりに口を尖らせるシンボリルドルフ。
「皇帝」とまで呼ばれる彼女が気にしているのは、当然彼女を慕う無敗の二冠ウマ娘──トウカイテイオーのことである。
「トウカイテイオーのレースセンスは、目を見張るモノがある──とはいえ、初めての超長距離レースが春の天皇賞であり、相手があのメジロマックイーン。
このレースは、とても厳しいものになるハズだ」
シンボリルドルフとて、今回の天下分け目の決戦を──「TM対決」を楽しみにしている者の1人だ。
文字通りの現役最強を決める戦いであり、この「天皇賞(春)」という格式高く歴史も長いレースは、まさしくその舞台として相応しい。
しかし、ここに来てシンボリルドルフは、トウカイテイオーを心配する気持ちが強くなってきた。
実際に春の天皇賞を走り、盾を手にしたからこそ、シンボリルドルフはその重みを知っている。
故に、菊花賞にも出走できず、これまで2400メートルまでしか経験したことのないトウカイテイオーが、昨年の覇者であるメジロマックイーンに、この天皇賞(春)で挑んで倒すことがどれほど困難なことか──シンボリルドルフには、身に沁みて分かるのだ。
「生徒会長としては、公平な立場から客観的にレースを見るべきなのだと、分かっているのだが──私も未熟ということかな」
「別にそんなの気にする必要無いわよ。貴女の夢はトウカイテイオー、それで良いじゃない」
「そうそう。アタシはビトリアちゃんとグローバルちゃんに頑張ってほしいし。何かこう、運命的な何かを感じるんだよね」
と、マルゼンスキーに続けて言うのはミスターシービー。
2人の言葉を聞きながら、シンボリルドルフは腕を組み直し、二の腕に置いた手で制服を握りしめた。
「遂に来たな、マクギリス」
「──ああ」
スタンドの関係者席では、マクギリス・ファリドとガエリオ・ボードウィンが並んで座り、担当ウマ娘たちの登場を待ちわびている。
お互い、自分のウマ娘の出来には絶対の自信を持っていた。今更語ることも無い。トレーナーとしての仕事は全て終わった。
後はただ、1ファンとして担当ウマ娘の勝利を祈るだけである。
『間もなく、14人がこの天皇賞の本バ場に姿を現します。緊張の一瞬でありますが、思い出すは第59回の天皇賞。
私はあの史上最強のウマ娘と言われているタケシバオーが勝ってから、この天皇賞を実況しているんですが、こんな雰囲気は初めてです』
『そうですね。本当に私たちもちょっと、異常に興奮するような。巻き込まれそうな感じがありますよね』
実況解説の放送も、どこか緊張している様子だ。
まだ本バ場入場すら行われていないというのに、スタンドの興奮は最高潮。異様な雰囲気が場内を包み込んでいた。
『本当に京都レース場の名物、白鳥も固唾を飲むと言ったところでありますが、さあ14人が本バ場に姿を見せました!』
ゴール時のような大歓声が湧き起こる中、大舞台に挑む総勢14人のウマ娘が1人ずつ、地下バ道を抜けて本バ場に姿を現し始める。
1枠1番のウマ娘から順に入場が行われ、遂に主役となるウマ娘、その1人目の登場だ。
『そしてご覧下さい、5番メジロマックイーンです!
16戦8勝、シニア級の2年目! ご存知、昨年春の天皇賞ウマ娘! 勝てば史上初、春の天皇賞連覇となります!』
黒を基調としながら、白とライトグリーンのアクセントが入った勝負服を纏った、薄紫がかった芦毛のウマ娘──メジロマックイーン。
一際大きな歓声。今日は2番人気に甘んじたが、勝利を譲る気はさらさら無い。
『そして最後に、どっしりと控えしは14番、トウカイテイオー!
7戦7勝、勝てばシンボリルドルフに並びます!』
ゆっくりと、一歩一歩踏みしめながらトウカイテイオーが現れると、メジロマックイーンの入場の時を超える大歓声が京都レース場から起きた。
白と青の勝負服をピンクと金で装飾し、赤いマントを棚引かせるトウカイテイオーは、緑のターフに足を踏み入れるや否や、我慢できないと言わんばかりに走り出す。
『さあトウカイテイオーが走り出して、場内が騒然とした京都レース場であります!
私の声が皆様のお耳に達しますでしょうか、14人が思い思いの方向に散って参ります!
緑の絨毯とは言えませんが、緑の芝生の上をメジロマックイーンが、そしてトウカイテイオーがウォーミングアップに入りました!』
早くもスタンドのボルテージは上がる一方。
発走までまだ時間があるハズだが、それを感じさせないほどだ。これ以上の盛り上がりがあるのだろうかと思えるほど、京都レース場は盛り上がっている。
『細江さん! 細江さんが身を乗り出して立ち上がって見ていますけれども、如何でしょう!
大方、トウカイテイオーとメジロマックイーンの一騎打ちというムードなんですが、細江さんもそうお感じになりますか?』
『そうですね、やはりこの2人で決着するのではないかなと思いますよね。すごく楽しみです』
『まず大一番ということで、春の天皇賞が第1ラウンドと言いましょうか。レースでは初めての顔合わせになるんですが、この2人の争いは面白いですよね!』
それぞれ思うように足慣らしをするトウカイテイオーとメジロマックイーン。良バ場を踏みしめ、感触を確かめながら、身体を暖める。
(良し……これなら、勝てる! 覚悟してよね、マックイーン!)
(───問題ありませんわね。
相手が誰であろうと関係無い。
トウカイテイオーはメジロマックイーンを。
メジロマックイーンはゴールだけを見据えている。
『そうですね。これから宝塚記念、そして秋へと移っていくと思います。今年だけで指を折ってみても、4回か5回くらい対決する場があるんじゃないかなというような感じですけれども』
『あのTTG、テンポイントとトウショウボーイは六度対決して、テンポイントの2勝4敗だったんですが──この2人は、これから果たしてどうなって行くんでしょうか!』
トウカイテイオーとメジロマックイーン。
「TM対決」の決着までは、既に30分を切っていた───
次走「無敗か、連覇か」