例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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最終決戦

淑女「この土壇場で変身ですか……しかし所詮は無駄な足掻きですよ!!」

 

ヒナに向けて放った淑女の拳は空を切る。その刹那腹部に重い一撃を叩き込まれて呻き声をあげる淑女。

 

ヒナ「母を冒涜した罪を償え」

 

淑女「図に……乗るナァ!!」

 

我を忘れ自我すら崩壊しかけている淑女。そのような生半可な拳が覚醒したヒナに届く事はなく一方的な戦いになる。

淑女を攻撃する度に更に洗練されていく動作。

それらは神々しく感じるほど美しい。

 

ヒナ「終幕を迎える覚悟は出来てる?」

 

彼女は愛銃を手に取り静かに構える。それに込めるは銀弾の軌跡。

白い秩序は過ちを犯した淑女を断罪する。

 

淑女「ホザケェ!!」

 

理性の欠片すら残らない獣はただ殴る事しか考えられていない。

戦場では理性を欠いた者から死んでいくのだ。

 

ヒナ「……哀れね」

 

引き金に指をかけ彼女は心の中でこう唱える。『ディレス・イレ』と。

2本の釘のような弾丸を放ち淑女を壁に固定する。

身動きが取れない淑女に対し十字架を刻むように弾幕を展開する。

地面は高熱で溶けそうな程熱せられた罪人。

さあ、舞台は整った。

 

ヒナ「新幕:ベアトリクス」

 

嬲られた母の痛み。利用され傷ついたゲヘナとトリニティの生徒。その想いを全て込めた一撃を淑女の頭部に撃ち込み、そして爆発した。

 

淑女「ウ゛ウ゛ウ゛カ゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛!!」

 

鼓膜が破れるほどの轟音で断末魔をあげる獣。やがて大人しくなったかと思えば変身が解けて元の淑女の姿に戻りうつ伏せで倒れている。

ヒナは勝利し、母が正しい事を証明したのだ。

 

ベアトリーチェ「ヒナ……ありがとうございます」

 

ヒナ「……疲れたから後で甘えさせて」

 

ベアトリーチェ「勿論です。ですがその前にやる事があります」

 

銃を手に取り淑女に近づいていく。そして目の前で銃を放り投げ、代わりに手を差し伸べた。

 

淑女「……何のつもりですか?」

 

ベアトリーチェ「私は思うのです。同じ私ならば貴女も生徒という存在の尊さが、素晴らしさが、共に過ごす幸せが理解出来ると。1から始めてみませんか?」

 

淑女「おかしな話を……私を憎んでいるのでしょう?」

 

ベアトリーチェ「勿論生徒を傷つけた事は許す事はないでしょう。しかし人間はやり直せる生き物です。それは貴女であろうとも例外ではありません」

 

淑女「……愚かですね。敵である私に情けをかけるなど……いえ、そのような貴女だからこそ私は敗れたのでしょう。ここは潔く去る事にします」

 

悟ったような表情で徐々に光の粒子となり消えていく淑女。慌てて手を掴もうとしてが身体をすり抜けてしまい振れることすら許されないようだ。

 

淑女「私は……舞台装置以上の存在になれたでしょうか……?」

 

誰かにそう問いかけるように呟き淑女はその生を終える。自分の死を看取るというのも中々信じてもらえない光景だろう。

 

ヒナ「……あっ……」

 

ベアトリーチェ「ヒナ!?大丈夫ですか!?」

 

ヒナ「うん……ちょっと疲れただけ」

 

いつの間にか元の姿に戻っている彼女。どうやら覚醒は体力の消耗が激しく数分程度しか維持出来ないようだ。

無理をしてまで戦ってくれた彼女に感謝をし、抱き抱えながら時空の裂け目の出口へ向かった。

 

かくして淑女との決戦は大勝利という形で幕を閉じるのであった。




偶然にも100話という節目に決着がつきました
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