襲撃
真夜中に集いし大人達。彼らが話し合った内容は今後の方針を明確にするものだった。
『生徒覚醒計画』
ヒナという覚醒した例が誕生した以上本格的に生徒との交流を深めていくという目的を方針とした。
ベアトリーチェ「……いえ、タイトルをハーレム計画に変えましょう。ヒナだけでは飽き足らずいずれは全生徒を美味しく頂き我が崇高を」
黒服「しかし確実と言えない以上舵を切るのは無謀なのでは?まだ私達には人工神という選択肢も残っていますし」
ベアトリーチェ「そんなもの破棄しましょう。ああいう過去の遺産に頼ってしまうから頭が硬くなってしまうのです。そういった先入観に囚われていたからこそかつてのゲマトリアが人工神という失敗作を作りまがい物の神を生成して満足してしまったのでしょう。ですが我々は違います。1人を除き教師として生徒と関わりそれぞれが信頼されているのです。ならば偽りの神など何の価値もない機械の塊を残しておく意味もないですよね」
マエストロ「生徒に重点を置くとするならその考えは理解出来なくもない。過去に何度か人工神の犠牲になった生徒も居たと記録も残されている以上放置は出来ないだろうな」
黒服「……はあ。仕方ありませんね。あれを破壊してしまうのは惜しいですが。ただしあれらは対色彩用兵器としての価値は残っているのではないでしょうか?廃棄するのはその後でも良いかと」
マエストロ「色彩か……対抗手段としては問題はないがこの世界は色彩との接点はないだろう。下手に刺激しなければ接触される確率は低いとも言える。ならば生徒を訓練させ対色彩用部隊を結成するべきだと思うな」
黒服「色彩との接点なら生まれてしまいましたよ。淑女です。接触した際、彼女の身体から発せられる反応に未知の神秘を彷彿とされる物質を確認しました。実態が掴めず理解も困難なもの。あれは色彩の力で間違いないでしょう」
ベアトリーチェ「そう言えば『この色彩の力で葬って差し上げましょう』みたいな戯言をほざいていました。今思えばそういう事だったのでしょう。その後のヒナの可愛い姿に夢中だったのであまり覚えていませんが」
マエストロ「何故そういう大事な話を共有しないのだ。それならば話は変わってくるぞ。今すぐにでも対策を……」
『もう、遅いよ』
突如会議室内の空気が重くなる。脳に直接語りかけるような声が響き頭痛を引き起こしている。その実態は掴めず何が起きているのかが理解出来ない。本能的な恐怖、その一言でしか表せない程の悪寒に襲われ言葉を発せない。他の2人に急いでこの部屋から脱出する様にハンドサインを送ると我にかえりそれぞれの学園に転移していった。
それを見届けた後自らも脱出しようとしたが何故か転移が出来ない。正気が保てそうにない状況の中目の前に現れたのは1人の生徒。
ヘイローは黒く染まり光なき眼でこちらを見下ろすように立っている彼女はこちらにショットガンを構えていた。
『黒服。貴方という大人を私は許さない』
無慈悲にも引き金は引かれて発砲音が鳴り渡る。……しかし放った弾丸は黒き盾に受け止められ黒服に当たる事はなかった。
彼女が何故此処に居るのか、何故タイミングよく現れたのか、そんな些細な事は気にしていない。黒服を守る小さき盾、それが小鳥遊ホシノなのだから。しかしその眼は明らかに動揺しておりまともに戦える状態ではない。それもそのはず、目の前に居る生徒はあの日あの時、ホシノがその冷たくなった身体に触れて死を悟った生徒。
『ユメ』なのだから