王女、いや勇者として覚醒したアリスは二つのレールガンを遠隔操作で操りユメらしき存在に対して奮戦している。
二人分の力とはいえ色彩の眷属相手に対等に立ち回れており、その能力の高さが伺える。
流石にこのような弾幕を張られてしまえば彼女も回避に専念するしかないようで徐々に追い詰めている。
『くっ……』と小さな声を漏らして片膝をついた隙を見逃さず彼女目掛けて最大出力をぶちかました。攻撃は直撃しアリスはガッツポーズをとってこちらにアピールしてくる。
王女の力がこんなにも頼もしいものだとは思わなかった。ホシノといい私の生徒は常に予想を超えてくる。……しかしそれは彼女も同じだという事に気がついた時にはもう襲かった。
気付かぬ内に接近されアリスはショットガンを全弾喰らった。怯み仰け反った先で背後からミニガンの連射、ドローンの援護射撃、ヘリコプターからの攻撃を同時に展開される。
どんなにアリスが強くなろうともそこまで一方的に嬲られると無事ではいられないだろう。
『これで分かったでしょ?戦場で油断するとどうなるか。これ以上続けるなら貴女の命は……』
そこまで言いかけて彼女は何かを感じ取って振り返った。こちらを無視して転移を行いその場が一気に静寂に包まれた。
彼女の気配が消えた事を確認してからアリスを介抱した。見た目はそこまで傷を負っていないが至る所から煙が出ている。あんな猛攻を喰らってこの程度で済んだ事は幸いと言うべきなのだろうか。
「貴女達が来てくれて助かりましたよ」
自然と出た感謝の言葉にアリスは笑顔で答えた。思えばアリスとケイにはいつも助けられてきた。淑女の時も颯爽と駆けつけて援護をしてくれた。こんなにボロボロになってまで……
「……これを」
彼女が差し出したデータには座標が書かれており、ここからそう遠くない部屋に一つの反応が観測されていた。
「戦闘中……索敵を行い生体反応がある場所を特定しました……神秘の情報と照らし合わせるとそこにホシノ……が……」
そこまで話してアリスの片目から光が消えた。紫色の瞳は白くなっている。
「慣れないことをやったので疲れました。アリスはちょっと休んでから後を追いますね」
「しかし……」
「大丈夫です。アリスはとても強い勇者ですから」
傷ついたアリスを放っておきたくないが急がないといけないのも事実。すぐに戻ると約束をして彼は走り出した。
「……ケイ……」
先程の被弾の際に片方の記憶装置が損傷した。ケイの意識は失われてしまった。先程の瞳が消えたのがその証拠だ。
失ったものがあまりにも大きいアリスは絶望して涙を流した。
「勝手に殺さないでください」
「まだ喋っちゃダメです!勇者は一度大きな壁にぶつかって成長をするのです!だからケイを失った程でロールプレイを……」
「今はふざけている場合ではないでしょう。わざわざ煙まで出して本当にオーバーヒートしたらどうするんですか」
「大丈夫です。勇者ですから!」
アリスはそう簡単にやられて欲しくないという私の願望