決意に満ちた彼女達の攻撃を喰らう度に
私は痛みを感じている
それはきっと本気で私の事を止めようと
向き合ってくれているのだろう
私と違って大切なものに囲まれている君が
とても妬ましく、とても羨ましい
私にはないものを揃えている君
それは思い出の中にいる君のように
強くて……頑張り屋で、誰よりも優しく
自分の命を犠牲にしてでも役に立とうとした
ただ、君は素直じゃなかった
何も言わせずにさよならしてしまったね
君の冷たくなった体を運んだ時のことは
今でも忘れられないんだ
君が生きている姿を、君が成長した姿を
幸せそうに笑う姿を見たかったな
身長はどのくらい伸びてたんだろう
恋をしてお洒落を意識したりしたのかな
意外とのんびり屋さんになったりしてね
そんな事をあの日からずっと想像してたんだ
過ごした時間は短くて大した思い出もない
それでも君は私にとって初めての後輩で
誰よりも大切な人だったんだよ
だからあんな別れをしてしまった時は
本当に悲しくて後を追おうともしたよ
でもね、君の意志を絶やしたくなかったんだ
だけど私はダメだったよ
君のように強くなれなかった
どんなに努力しても意味がなかった
指で数えるほど出会えた大切な人達は
無情にも私の側から離れていった
どうしようもない人間である私だけが
アビドスで唯一生き残ってしまった
後輩達は全員棺桶の中に入ってしまい
残ったのは5つの学生証だけ
もう、疲れたんだ
大人に都合良く利用される事に
孤独に生きる事に
ずっと胸が苦しくて仕方がないの
だからこの悪夢を終わらせてほしくて
別の世界で出会ったホシノちゃんに
殺して欲しいって頼んだんだ
その願いは断られちゃったけど
結果的に私は後輩五人の連携を前にして
今か今かとその時を待っている
そしてショットガンを全弾喰らった時に
私は口から血を吐く事ができた
ゆっくりと、ゆっくりとその場に倒れ
天井を見上げて笑みが溢れた
ああ……ようやく終われるんだ
誰も幸せにする事が出来なかった
どうしようもない駄目な人間である私の
誰よりも価値がない人生が
無駄に生きながらえてしまった私の命が
今宵終幕となって心を解放してくれる
皆……待たせてごめんね
やっと会えそうだよ
そっちに行ったら何を話そうかな
……いや、私は誰にも会えないかもしれない
後輩達と違って私は罪を犯した
だから空ではなく地の底に行く事になるのかな
ううん、何処だっていいや
私の夢は叶ったのだから
そうして死を受け入れた私は
最後に走馬灯を見る事になる
黒く染まりきった価値のない思い出とは違い
まだ彩りと希望があった頃の記憶が
脳裏に焼き付いた忘れないそれらが
押し寄せてくるように流れていく
それらは他愛のない日々を過ごしていた
だらしない先輩としっかり者の後輩が
二人で学校を守る為に活動している姿
そう、この頃の私はまだ君と一緒に
生きていけると信じて疑わなかった
2023/11/3 20:00