「ホシノ先輩……どういう……つもりですか」
「いやぁ、私なりに考えた結果なんだよ?
先生と付き合うならノノミちゃんが適任だし
私も後輩が幸せになるならそれだけで……」
「……けないで」
「えっ?」
「ふざけないでください!!
貴女の恋は!そう簡単に諦められる程度の!
想いだったのですか!!違いますよね!!」
「それは……」
「さっき私を選んであげてと言ってましたが……
もし私の為だというなら尚更貴女が彼と恋仲に
なってください。お願いします」
「だ……ダメだよ。そんなの……
ユメ先輩とノノミちゃんの二人を悲しませるなんて
私には出来ないよ……だからノノミちゃんが先生と付き合って幸せになって。私は先輩に寄り添わないといけないから……
約束したんだ。もう一人にしないって……」
『……ホシノちゃん。それは駄目だよ。
……まあ、あんな姿を見せた私が悪いんだけどさ
それでも君の……後輩の未来を奪いたくない。
だからホシノちゃんは私に縛られる事なく
自由に生きて。今の私がそうであるように』
「そうですよ。私はずっとホシノ先輩と先生の
仲睦まじい姿を見てきました。
不器用ながら寄り添おうとする二人を。
それに……先生の隣に立つのはホシノ先輩が
一番似合っていますよ。だから遠慮せずに
恋人になってください」
「先輩……ノノミちゃん……いいの……?」
弱々しい問いに対して無言で頷き応える二人
しばらく俯いて考えた後、ホシノは黒服に
向き合って深呼吸をしてこう言った
「先生……私と付き合ってください」
この告白に至るまで長い道のりがあった
初めて砂漠で出会ったあの日から今まで
そしてようやく少女は思い人に愛を伝え
共に寄り添いたいと願った
「(なんて素晴らしい瞬間に立ち会えたのでしょう
ヒナにもこんなふうに告白されたかったです)」
ゲヘナの変態代表が見守る中
数秒の沈黙の後に口を開いた彼の返事は……
「お断りします」
「…………………ふぇ?」
「申し訳ないですが恋愛には興味がないので」
「えっいや……えっ?」
「そもそも教師と生徒が恋愛をするなんて
ありえないと思いませんか?」
「……あの、黒服?ホシノが勇気を出して告白
したのですからその想いに応えるくらいは……」
「私がアビドスの教師である以上ホシノとは
一緒に過ごすので恋人になる必要はありません」
『………』
「………」
「貴女達は何故私を掴んでいるんです?」
無言で黒服を押さえつけるユメとノノミ
呆れ果てて外を眺め始めたベアトリーチェ
そしてプルプルと震えた後に拳を構えるホシノ
「先生の馬鹿ーー!!!!」
乙女の一撃を食らった黒服は窓を突き抜けて
遥か彼方へ飛んでいった
悲しい事に彼は生徒と向き合うと言いながら
乙女心を理解する事を放棄していた
だからこうなってしまうのは当然の報いであり
物理的に星になっても文句は言えない
その場に居た誰もがそう思ったであろう
黒服争奪戦として奮闘し、
中庭で争っていた三人も吹き飛ばされた黒服を
困惑しながら眺める事しか出来ず
ホシノは顔を真っ赤にして大泣きし、
「あんな男放っておきなよ」とフォローを
しているようでしていないユメ
ノノミに至っては彼の情けない返事に対し
急激なまでに愛が冷めてしまい
ため息をついてその場に座り込んだ
そんな日常を過ごしている皆のおかげで
今日もキヴォトスは平和だった
黒服とホシノをくっつけるにはまだ時期が早かったですね。あと一ヶ月半くらいはかかります