ーーーアビドス高等学校(12月) 委員会室
黒服「おはようございます。大事な話があるとモモトークで連絡を頂きましたが…」
ホシノ「いやぁ…実は猫を拾っちゃってさぁ。うちで飼えないかなぁって…」
獣耳が生えた少女「ん、猫だよ」
黒服「野生に帰してきなさい」
ホシノ「えぇ〜酷いよ先生。この雪の中段ボールに放置されてたんだよ?」
獣耳が生えた少女「ん、拾ったからには私を保護するべき」
黒服「随分と図々しいですね……とりあえず所属の学園を教えてもらいましょうか」
ホシノ「それがさぁ…記憶がないんだって」
獣耳が生えた少女「誰もあっち向いてホイをしていなかった事と自分の名前しか覚えてない」
黒服「前半の記憶は必要ですか?とはいえ所属の学園が分からない限り対策のしようがないですね。名前をお伺いしても宜しいでしょうか?」
獣耳の生えた少女「ん、砂狼シロコ。メインヒロインだよ」
黒服「違います。ひとまず名前が判明したので知人に連絡してみます」
ホシノ「りょ〜かい。とりあえずシロコちゃん着替えさせておくね〜」
黒服「ええ。それでは」
連絡用の端末から彼女に電話を掛ける。いつも通り2.3コール後に甲高い声が聞こえてきた。『ご機嫌よう。今とても忙しいから用があるなら手短に伝えてくださる?』
黒服「貴女が保管している生徒名簿に砂狼シロコという生徒は存在しますか?」
『生徒関連の話なら最初にそうと言いなさい。ちょっと待ってなさい………砂狼シロコ?という生徒はデータベース上には存在しないわ』
黒服「そうですか。ありがとうございます」
『それよりもまた生徒が何人か自治区から抜け出したのよ!何かあったら大変だから見かけたらすぐにれんら…』
電話を切ってため息をついた。アビドス学校はまともな生徒が来ないという呪いにかかっているのだろうか?最悪ここで引き取るというのも考えたが未知な部分が多い少女を生徒にしてもいいのだろうか?
黒服「考えていても仕方ありませんね…ひとまずホシノ達と話し合って決め…」
ホシノ「おー先生遅かったね。見てよ、シロコちゃんとっても制服が似合うよ」
シロコ「ん、サイズピッタリ。これで私もこの学園の生徒」
黒服「……はぁ」
胃が痛くなるとはこういう事なのだろう。ホシノとも意気投合しているようで断り辛い状況になってしまった。この明らかにやばい少女をアビドスに迎え入れるしかない……
黒服「(……?このシロコとかいう少女、僅かながら神秘に似たような反応がありますね。代替え品としては心許ないですが確保しておいて損はないでしょう)」
勿論ホシノが最優先だが万が一の場合の保険として手元に置いておくのは悪くない。アビドス自体人手不足な環境。ならば迎えてもいいだろう。
黒服「仕方ありませんね…転入届を記載してもらう必要はありますが生徒として迎え入れましょう」
ホシノ「さっすが先生。話が分かるねぇ」
シロコ「ん、これからよろしくね、ホシノ先輩」
ホシノ「あっでも転入届には特別な封筒が必要だから出来ないかも…」
黒服「それならホシノのものが残っていたので代用します。このピンク色の封筒に必要書類を入れて提出すればいいだけですし」
シロコ「よく分からないけどこの書類を書けばいいんだね。これなら銀行強盗よりも楽」
黒服「物騒ですね…ここは穏便に暴力で…とか言うタイプなのでしょう」
ホシノ「また頼りになりそうな後輩ちゃんが出来て私は嬉しいよ」
黒服「……歩く地雷みたいにならなければ良いのですが」
アビドス三人目の生徒、砂狼シロコ。何を考えているか分からないが利用する価値はあるだろう。
ーーーおまけの会話
黒服「そういえばノノミはどうしたのですか?」
ホシノ「シロコちゃんがアビドス生になるのを見越して服を買いに行ったよ」
黒服「……まさかシロコのサイズと一致している制服は仕組んでいたのですか?」
ホシノ「結果的に上手くいったから良かったよねぇ〜」
黒服「………」