例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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無邪気な爆弾

「先生、アリスと手を繋ぎましょう!!」

 

「いいでしょう」

 

「先生の手は大きいですね。あったかいです!」

 

ケイと同じ姿ではあるものの中身が全然違う

好奇心旺盛で無邪気であるアリス

思えば彼女とはあまり二人きりになった事はない

普段はホシノがアリスの相手をしているので

こうして絡む事すら殆ど記憶にない

それでも尚彼女がこちらを慕ってくれているのは

ホシノによる刷り込みが影響しているのだろう

 

「やっと二人きりになれましたね」

 

「アリス……?」

 

「ふっふっふ……」

 

何だか嫌な予感がする。まさかケイと同様に

発情期を迎えているのだろうか……

 

「今から先生を尋問します!ズバリ聞きますが

ホシノママを愛していますか!!」

 

「……それにはお答え出来ません」

 

「!?うわーん!家庭崩壊の危機です!!」

 

身構えたもののアリスはアリスだった

やはりケイだけが異端なのだろうか

むしろアリスが純粋無垢すぎるのだろう

 

「ホシノママが好きではないのですか!?

ラブラブだってモモイ達に伝えてしまいました!

アリスが嘘をついた事になってしまいます!!」

 

「いえ、そういう意味では……お待ちなさい。

モモイ達になんて事を伝えているのですか」

 

「アリスの親はとても仲良しでラブラブだと

学園の皆に自慢したかったんです……」

 

やられた。アリスは純粋であるが故にタチが悪い

 

「一応聞いておきますが……モモイ達以外に

話したりしていませんよね?」

 

「出会った人全員に自慢しました!!」

 

ああ、だから先程からすれ違う生徒達が

こちらを微笑ましいものを見るかのように

生暖かい視線を送っているのか……

もしやこのアリスという存在はケイよりも

遥かにタチが悪いのではないだろうか?

 

「……あっ!アリスはお腹が空きました!

なので先生の手料理を希望します!!」

 

「構いませんが家は爆発してしまいましたので」

 

「ええっ!?何故ですか!?」

 

「他学園の強盗が襲ってきましてね。証拠隠滅に

家ごと爆破されたのです。ケイはその後始末の為

家がある場所に残っています」

 

「なるほど。シロコは許されませんね!」

 

誰がアリスに強盗=シロコだと教えたのだろう

間違ってはいないが訂正する必要を感じないので

「そういう事です」と言っておいた

 

「先生の馬鹿ー!!」

 

「……またですか。マエストロは早く誰かしらと

くっついておけばいいものを……」

 

「その点先生は問題ないですね!だって

『ホシノ』ママと結婚しているんですから!!」

 

とてつもなく大きい声でアリスはそう言った

ああ、そうか。これが伏兵なのか

アリスの中では既に結婚している設定になっており

それは揺るがない事なのだろう。非常に困った

ここで『ホシノと付き合う気などない』とアリスに

言ったら張り倒されるのでは?

彼は僅かながらに教師の過酷さを二重の意味で

深く考えてしまうのであった

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