例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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絶不調ホシノと大暴走アリス

「先生が帰ってこないよ」

 

「結構吹き飛びましたからね〜」

 

「しばらくは放っておいていいんじゃない?

ホシノ先輩もまだ許せてないでしょ?」

 

「……うん」

 

黒服を吹き飛ばして以降ホシノの元気がない

原因は間違いなく黒服と丸一日以上離れている

事による寂しさから来るものだろう

しかしその原因を作ったのも自分であり

彼を許せないのも事実なので会いに行くのも

なんだか躊躇ってしまうし何より……

 

『黒服から何も連絡がないのも気になるね。

謝罪の一つや二つ言えばいいのに』

 

「先生……大怪我してたりしないかな……」

 

「そんなに心配なら探しに行きますか?

私はもう未練はないのでホシノ先輩の事を

純粋に応援しますよ」

 

「……でも気まずいよ」

 

『……分かった。私が探してくるよ。

必ず連れて来るから少し待ってて……』

 

「先輩まで居なくならないでください」

 

『ごめん皆黒服捜索は任せていいかな』

 

「なんていうか……こういう普段情けないのが

アビドスの先輩って感じがするわね」

 

『う゛っ』

 

何気ないセリカの一言がユメの心に突き刺さった

そして後輩達五人は黒服を探す為に各自治区を

歩き回る羽目になるのはまた別の話

 

ーーー

 

「……さて、どうしましょうかね」

 

「何がですか?」

 

「いえ、お気になさらず」

 

「分かりました!」

 

アリスが原因で起きた事だとは本人に言えない

仮に伝えたところで理解出来ないとは思うが

ケイといいなんて恐ろしいアンドロイドなのだ

それはそれとしてそろそろ向き合い方の練習を……

 

「皆ー!見てください!アリスの父です!

今から二人でお出掛けに行く予定なのです!」

 

この天然爆弾は何度爆発すれば気が済むのだろう

もうこれ以上生暖かい視線に耐えきれない

そもそも何故アリスの父である事を周りの生徒は

いとも容易く受け入れているのだろうか?

やはりこの場所はおかしいと言わざるを得ない

出張の時といいミレニアムという学園は異常だ

巨大ロボが置いてあったりメイド部が存在したり

マエストロの趣味全開じゃないか。学園を染めるな

 

「黒服、メイド服は貴方の趣味ですよね?

まあヒナにも似合いますが!」

 

「自然と人の思考を読み取らないでもらえますか?

そして何をしにきたのです」

 

「様子を見に来たのですよ。貴方もマエストロも

生徒との接し方がダメダメですからね。

私が特別に向き合い方を教えて差し上げようと

わざわざミレニアムに足を運んだ訳です」

 

「結構です」

 

「お黙りなさい!いいですか黒服、教師というのは

常に生徒に寄り添い彼女達が幸せになれる道を

示す必要があるのです。しかし貴方はどうですか?

ホシノの幸せへの道を拒絶しましたよね?」

 

「ですが恋人となれば話は別です。

それは教師と生徒という立場が変わってしまうもの

仮にホシノの幸せがその先にあるとしても私が

それを受け入れられる訳ではありません」

 

「ですからホシノの幸せを考えて……」

 

「ちょっと待ってください!ホシノママと先生は

ラブラブカップルです!既に付き合っています!」

 

「アリス、あの一旦静かにしてもらえると……」

 

「毎日抱き合って過ごしています!夜は必ず

同じベッドで寝ています!アリスの親はとっても

仲良しで幸せそうで……そんな二人だからこそ

アリスもケイもパパとママが大好きなんです!」

 

「………」

 

この大爆発はいつ収まるのだろうか

アリスのお気持ち表明が終わった後の静寂の中

周りから徐々に拍手の音が聞こえ始め

録画をしてSNSに投稿している生徒も居た

 

「……良かったですね、黒服。これで貴方は

『ホシノの恋人』という役割から逃げる事が

出来なくなりましたね。ではホシノと向き合い

恋人として相応しい振る舞いができるように

猛特訓を始めましょうか」

 

「?先生は何の特訓をするんですか?」

 

「ホシノともっとラブラブになる為の特訓です」

 

「なるほど!それは大事ですね!」

 

「……はぁ」

 

向き合い方も何も学べていないのにも関わらず

年増と天然爆弾が噛み合ってしまった影響で

ホシノと付き合う可能性が高まっている

あの日アリスを目覚めさせてしまった時から

こうなる事は決まっていたのかもしれない

ここからまだ何とかなる確率は……

 

「0です!」

 

現実は無慈悲だ

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