例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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黒服、本格的に練習をしようとする

「練習の成果はどうだ?」

 

「ケイに押し倒されてアリスが暴走しました」

 

「ほう、上手くいっているようで何よりだ」

 

「耳が詰まっているのですか?」

 

「仕方ないだろう。生徒の愛に応えるのも

向き合い方の練習にはなる」

 

「貴方にだけは言われたくないのですが」

 

「確かにそうだな。お前と違って私は……」

 

「そのくだりはもういいです」

 

「そうか。ただこのペースだと時間が掛かって

ホシノの事を待たせてしまうのではないか?」

 

「……それは一理ありますね。もしかしたら

何も食べず栄養失調で倒れているかもしれません」

 

「いや流石にそれはないだろう」

 

「私がどれだけホシノと過ごしてきたと……

彼女の行動パターンは全て記憶してます」

 

「お前気づいてないだけでホシノの事好きだろう」

 

「恋愛感情はありませんよ?」

 

「流石に無理があるだろう」

 

「本当に抱いていないのですよ。教師と生徒が

恋愛するのはダメだと貴方も言っていたでしょう」

 

「そうだな。だが場合にもよるのではないか?

例えばお前がホシノの人生の時間を貰うなどの

愛の告白のような言動に取れるような事を

言っていない限りは現状維持でいいと思うが」

 

「そのような事は流石に……言いましたね。

一年前に人生の半分を貰うと」

 

「お前ホシノの事好きだろう」

 

「いえ恋愛感情は……」

 

「そろそろ認めた方がいいぞ。いや違うな……

意識をした方が良いんじゃないか?」

 

「……しかしどうすればいいのでしょう。

仮に恋人同士になったとして何が変わるのです?

どうせ同じ日常を過ごす事に変わりはないのです

わざわざ愛し合う必要などあるのですか?」

 

「知らん」

 

「そうでしょうね」

 

「だがマダムとヒナの関係を見てみろ。

愛は芸術的な美しさを秘めているのだ。

私と違ってお前は生徒に好かれているのだから

新しい発見を求めてみるのも良いと思うぞ。

インスピレーションが湧いて研究も捗る

可能性もあるからな」

 

「……はぁ。仕方ないですね。そこまで言うなら

一度だけ試してみますよ。ただし条件があります」

 

「なんだ?」

 

「貴方も恋愛について学びなさいマエストロ」

 

「私が?面白い冗談だな。誰にも好かれていない

私に恋愛など数年早いだろう?」

 

「貴方は充分好かれていますよ自覚しなさい」

 

「慰めのつもりか?気にするな黒服。お前と私は

長い付き合いだろう?……だがな黒服。

私も正直な話恋愛はしてみたいのだ。正確には

恋愛をした先にある『覚醒』に興味がある」

 

「覚醒?ああ、ヒナの事ですか?」

 

「そうだ。忘れられた神々の覚醒。その偉業を、

芸術の完成を私は成し遂げたいのだ。

その為なら生徒と恋人以上の関係になる事も

視野に入れている」

 

「そう考えていながら告白は断るんですね」

 

「あれは慰めだからな。生徒に気を遣わせる程

私は教師として情けないというだけの話だ」

 

「その鈍感さを治さない限りは覚醒なんて

夢のまた夢だと思いますよ」

 

ーーー

 

「先輩、私は百鬼夜行に向かうって言ったはず

なのですが……ここミレニアムですよ?」

 

『うん』

 

「何故ここに来たのです?」

 

『まどろっこしい事せずにくっついちゃいなよ。

花嫁修行も大事だけどまずは恋人同士になって

からじっくりやればいいと思うし』

 

「ですが……また先生に振られたら……」

 

『さっきあれだけ相思相愛だーって喜んでたのに

なんで自信がなくなってるの?大丈夫だよ。

ホシノちゃんは誰よりも可愛い自慢の後輩だから

黒服だって二度目は断らないよ』

 

「その理屈はよくわかりませんが……」




ホシノ襲来。どうする黒服
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